2026年に入り、「最近、地震が多いのではないか」と感じる人が増えています。
特に6月以降は、青森県で強い揺れを観測した岩手県沖の地震、千葉県北東部の地震、山梨県東部・富士五湖の地震、ベネズエラの大地震に加え、7月には熊本県で最大震度7の大きな地震が発生しました。さらに8月には、南米コロンビアやインドネシアでも大きな地震が起きています。
こうしたニュースが続くと、「地球全体で地震が増えているのか」「日本と海外の地震は連動しているのか」「巨大地震の前兆なのか」と不安になるのは自然なことです。
しかし、現時点では、これらの地震がすべて一つの原因でつながっていると断定できる科学的根拠はありません。むしろ、日本、南米、インドネシアのような地震が起きやすい地域で、短期間に目立つ地震が重なったため、「最近地震が多い」と強く感じられていると考えるのが妥当です。

2026年6月以降、国内外で大きく報じられた地震には、次のようなものがあります。
これだけ並ぶと、「やはり世界的に異常なのではないか」と感じるかもしれません。
ただし、地震はもともと世界各地で日常的に発生しています。その中でも、被害が大きい地震、震度が大きい地震、都市部に近い地震、津波警報を伴う地震などが続くと、ニュースとして強く印象に残ります。
2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とする大きな地震が発生しました。熊本県の宇城市や氷川町では最大震度7を観測し、建物被害や人的被害も出ました。
熊本では2016年にも大きな地震が発生しているため、2026年の地震は多くの人に強い衝撃を与えました。「また熊本なのか」「2016年の地震と関係があるのか」と感じた人も多いでしょう。
熊本県周辺には、布田川断層帯や日奈久断層帯などの活断層が分布しています。内陸の浅い地震は、マグニチュードだけで見ると海溝型巨大地震より小さくても、震源が人の住む地域に近いため、非常に強い揺れをもたらすことがあります。
つまり、熊本で大きな地震が起きたことは、「世界中の地震が連動している」というよりも、熊本周辺がもともと活断層による地震リスクを抱える地域であることと関係していると考えるべきです。

2026年8月には、南米コロンビア西部でも大きな地震が発生しました。震源はチョコ県のサンホセ・デル・パルマル付近とされ、カリ、ペレイラ、マニサレスなど複数の都市で大きな被害が報じられました。
コロンビアは、ナスカプレート、南アメリカプレート、カリブプレートなどが関係する複雑な地震帯に位置しています。そのため、南米の中でも地震リスクが高い国の一つです。
今回のコロンビア地震は、震源が比較的深いタイプの地震とされていますが、それでも都市部で建物被害が広がり、多くの死傷者が出ました。地震の被害はマグニチュードだけで決まるわけではありません。震源の深さ、地盤の性質、建物の耐震性、人口密度、発生時間、救助体制などが重なって被害の大きさが決まります。
そのため、「マグニチュードが同じなら被害も同じ」という見方は正確ではありません。たとえば、耐震基準が厳しい地域と、古い建物や脆弱な建物が多い地域では、同じ規模の地震でも被害は大きく変わります。
2026年8月には、インドネシア東部のフローレス島周辺でもマグニチュード7.7クラスの大きな地震が発生しました。津波警報が出され、その後解除されたものの、建物の倒壊や土砂災害、道路の寸断などにより大きな被害が出ました。
インドネシアは、日本と同じく「環太平洋火山帯」に位置しています。太平洋周辺では複数のプレートがぶつかり合い、沈み込み、ずれ動いているため、地震や火山活動が非常に活発です。
インドネシアでは、過去にも大地震や津波による大きな被害が繰り返されてきました。今回の地震も、インドネシアが地震・津波リスクの高い地域にあることを改めて示した出来事といえます。

多くの人が気になるのは、「日本の地震と、コロンビアやインドネシアの地震は関係しているのか」という点です。
結論から言えば、現時点で、青森、千葉、山梨、熊本、ベネズエラ、コロンビア、インドネシアの地震が、すべて一つの原因で連動していると考える根拠はありません。
もちろん、地球全体はプレートの動きによってつながっています。大きな地震が発生すると、その地震波は地球の広い範囲に伝わります。また、非常に大きな地震が、遠く離れた地域の地震活動に影響を与える「遠隔誘発」と呼ばれる現象も知られています。
しかし、遠隔誘発があるからといって、世界中で起きた大地震をすべて直接結びつけられるわけではありません。地震が起きた場所、震源の深さ、断層のタイプ、プレートの関係、発生時刻、余震活動などを科学的に検討する必要があります。
単に発生日が近いというだけで、「この地震があの地震を起こした」と判断するのは危険です。

最近地震が多く感じる理由は、大きく分けて三つあります。
日本、インドネシア、南米西部はいずれも地震が多い地域です。日本は複数のプレートが沈み込む場所にあり、インドネシアは環太平洋火山帯に位置し、南米西部もプレート境界に沿って地震が多発します。
つまり、今回名前が挙がっている地域は、もともと地震が起きやすい場所です。そこで大きな地震が短期間に重なったため、「世界中で異常に地震が増えている」と感じやすくなっています。
大きな地震が発生すると、その後に多数の余震が起きることがあります。余震は本震より小さいことが多いものの、すでに弱っている建物や斜面にさらにダメージを与えることがあります。
ニュースでは、本震だけでなく余震や被害の続報も繰り返し報じられます。そのため、一つの大きな地震が発生すると、しばらくの間「地震のニュースが続いている」と感じやすくなります。
現在は、国内の地震だけでなく、海外の地震もスマートフォンの通知やSNSですぐに知ることができます。
昔であれば、日本国内で大きく報じられなかった海外の地震も、今では写真や動画とともに瞬時に拡散されます。その結果、地震情報に接する回数が増え、「最近地震が多い」という印象が強まりやすくなっています。

地震が続くと、「これは巨大地震の前兆ではないか」と不安になる人もいます。
しかし、現在の科学では、地震の発生日時、場所、規模を正確に予知することはできません。小さな地震や中規模の地震が続いた後に大きな地震が起こることもありますが、そのまま活動が落ち着くこともあります。
そのため、「最近地震が多いから、必ず近いうちに巨大地震が来る」と断定することはできません。一方で、「大きな地震はもう来ない」と安心しきることもできません。
地震については、予言のような情報よりも、地域ごとの長期的な地震リスク、防災情報、自治体や気象庁など公的機関の発表を確認することが重要です。

大きな地震が続くと、SNSでは不安をあおる情報が広がりやすくなります。
たとえば、次のような情報には注意が必要です。
地震の不安が高まっている時期ほど、情報の出どころを確認することが大切です。気象庁、自治体、警察、消防、信頼できる報道機関などの情報を優先しましょう。
地震が続いて不安なときこそ、現実的な備えを見直すことが大切です。
まず、家具の固定を確認しましょう。タンス、本棚、冷蔵庫、テレビなどが倒れると、けがの原因になるだけでなく、避難経路をふさぐことがあります。寝室には倒れやすい家具を置かない、窓ガラスの近くで寝ないといった工夫も重要です。
次に、水、食料、モバイルバッテリー、懐中電灯、携帯トイレ、常備薬、衛生用品などを用意しておきましょう。最低でも数日分の備蓄があると安心です。
また、家族で避難場所や連絡方法を確認しておくことも大切です。地震は自宅にいるときだけでなく、職場、学校、外出先、旅行先でも起こります。それぞれの場所でどう行動するかを考えておきましょう。
2026年6月以降、青森県で強い揺れを観測した岩手県沖の地震、千葉県北東部の地震、山梨県東部・富士五湖の地震、ベネズエラの地震、熊本県の令和8年熊本地震、コロンビアの大地震、インドネシアの大地震が相次ぎました。
これだけ大きな地震のニュースが続けば、「最近地震が多い」と感じるのは当然です。
しかし、現時点では、これらの地震がすべて一つの原因で連動していると断定できる根拠はありません。多くは、それぞれの地域がもともと抱えている地震リスクの中で発生したものと考えられます。
大切なのは、不安をあおる情報に流されることではありません。地震の仕組みを正しく理解し、信頼できる情報を確認し、家具の固定や備蓄、避難場所の確認など、できる備えを進めることです。
地震は正確に予知することはできません。しかし、備えることはできます。最近地震が多いと感じる今こそ、防災を見直すよい機会です。