2026年7月28日に熊本県で発生した最大震度7の地震について、約900キロ離れた中国の上海でも揺れを感じたとの報告が相次ぎました。
テレビ朝日などの日本メディアが報じたほか、中国の上海市地震局も、嘉定区、黄浦区、虹口区などの高層建築物にいた一部の市民から「揺れを感じた」との報告があったことを明らかにしています。
中国メディアでは、上海だけでなく、浙江省杭州、江蘇省蘇州、浙江省寧波などでも、住民がゆっくりとした揺れや、めまいのような感覚を訴えたと報じられています。
ただし、中国側で建物被害が発生したわけではなく、上海市地震局は今回の地震が上海市に危害を及ぼす可能性はないと説明しています。中国各地で正式な震度が発表されたという意味でもありません。

気象庁によると、地震は2026年7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方の深さ16キロで発生しました。
気象庁は、この地震とその後の一連の地震活動を「令和8年熊本地震」と命名しました。
熊本県内では建物の倒壊、道路の損傷、停電や断水などが発生し、イオンモール熊本をはじめとする複数の場所で救助活動が行われました。気象庁は、熊本県熊本地方で長周期地震動階級4を観測したことも発表しています。

上海市地震局は7月28日、中国のSNS・微博に開設している公式アカウントを通じて、熊本の地震による揺れを上海市内の一部住民が感じたと発表しました。
発表によると、震源から上海の人民広場までは約889キロ離れています。
それにもかかわらず、次の地域などにある高層建築物の一部から、揺れを感じたとの報告が寄せられました。
上海市地震局は、過去の地震資料と専門家の分析から、今回の地震が上海市に実質的な危害を及ぼすことはないと判断しています。また、地震活動の監視を継続するとしています。
テレビ朝日は7月29日、上海市内の一部の高層ビルで揺れを感じたとの報告があったと伝えました。
中国のSNSには、天井からつり下げられた照明がゆっくりと揺れる映像なども投稿され、熊本から遠く離れた上海まで揺れが伝わったことに驚くコメントが相次いだと報じられています。

中国紙の揚子晩報は、浙江省、上海市、江蘇省のインターネット利用者から、揺れを感じたとの書き込みが相次いだと報じています。
投稿の中には、はっきりとした振動ではなく、
といった内容がありました。
揚子晩報の記事では、杭州、上海、江蘇などで体感報告があり、上海や江蘇の一部住民が「めまいのように感じた」と投稿したことが紹介されています。
杭州の地元メディアも、上海や杭州のネット利用者が揺れを感じたと伝えています。
香港の星島日報は、上海に近い江蘇省蘇州市や浙江省寧波市でも、住民から揺れを感じたとの投稿があったと報じました。
蘇州では、階段を上っている途中で体が揺れ、当初は低血糖によるめまいだと思ったという投稿も紹介されています。
寧波や浙江省内の住民からも、座っていたところ体が左右に揺れた、頭がくらくらしたといった声が出ています。
ただし、これらは主にSNS利用者による体感報告です。蘇州や寧波で公的機関が正式な震度を発表したことを示す情報ではありません。
日本の気象庁は熊本地震の規模をマグニチュード7.1と発表しています。
一方、中国地震台網は、中国時間の7月28日午後3時27分、日本の九州でマグニチュード6.8の地震が発生し、震源の深さは10キロだったと発表しました。
日本時間と中国時間には1時間の時差があるため、中国時間の午後3時27分は、日本時間の午後4時27分にあたります。つまり、両者は同じ地震について発表しています。
日本側の7.1と中国側の6.8という数字の違いは、それぞれの観測機関が使用する地震計、計算方法、観測データ、マグニチュードの種類などが異なるために生じるものです。
地震直後に発表される数値は速報値であり、その後の詳しい分析によって、震源の深さやマグニチュードが修正されることもあります。
そのため、中国側の発表が間違っている、あるいは別の地震を示しているという意味ではありません。
熊本から上海までは約900キロ離れています。それでも一部の高層ビルで揺れを感じた理由として、周期の長い地震波が遠方まで伝わった可能性が考えられます。
大きな地震では、ガタガタとした短い揺れだけでなく、ゆっくりとした周期の長い揺れが発生します。このような揺れは長周期地震動と呼ばれます。
気象庁によると、長周期地震動は遠くまで伝わりやすく、震源から数百キロ離れた場所でも、高層ビルが大きく長く揺れることがあります。地上や低層階ではほとんど揺れを感じなくても、高層階では揺れが目立つ場合があります。
今回の熊本地震では、震源に近い熊本県熊本地方で、最も強い長周期地震動階級4が観測されています。上海での揺れが同じ長周期地震動によるものだったかについては、今後の詳しい分析が必要です。
建物には、それぞれ揺れやすい周期があります。
地震波の周期と高層ビルが本来持っている揺れの周期が近い場合、ブランコを一定のタイミングで押すと揺れが大きくなるのと同じように、建物の揺れが増幅されることがあります。この現象を共振といいます。
そのため、高層階にいる人ほど、
を感じやすくなります。
上海市地震局は、過去に遠方の地震が上海で感じられた際、上海の地下に厚い軟弱な堆積層が広がっていることも影響すると説明しています。
軟らかい地盤は、遠方から到達した低周波の地震動を増幅させる場合があります。さらに、その揺れと高層建築物が共振すると、高層階で体感しやすくなるとされています。
ただし、今回の熊本地震による上海の揺れについて、軟弱地盤や共振がどの程度影響したかが正式に分析されたわけではありません。
結論として、熊本地震の際に中国でも揺れを感じた人がいたという表現は正しいと考えられます。
特に上海については、市民によるSNS投稿だけでなく、上海市地震局が公式に体感報告があったことを認めています。
一方で、次のような表現には注意が必要です。
現在確認されているのは、主に上海、杭州、蘇州、寧波、江蘇、浙江などの一部住民から寄せられた体感報告です。
上海市地震局の発表も、「一部の高層建築物にいた市民が揺れを感じた」という内容であり、上海市全体が強く揺れたという意味ではありません。
2026年7月29日時点で、熊本地震によって中国国内で建物が損壊したり、けが人が出たりしたとの信頼できる報道は確認されていません。
上海市地震局も、今回の地震が上海市に実質的な危害を及ぼすことはないと説明しています。
中国で報告された揺れは、高層ビルなどで感じられた、比較的ゆっくりとした揺れだったとみられます。
熊本地震の発生後、中国の短文投稿サイト微博では、「日本地震」に関連する言葉が検索上位に入りました。
投稿には地震の規模に驚く声のほか、熊本の被災者の無事を祈る内容も見られました。
中国国営通信の新華社も熊本地震を速報し、日本の気象庁や日本メディアの情報を引用して、地震の規模や被害状況を伝えています。
大規模な地震が発生すると、SNSには多数の動画や画像が投稿されます。
しかし、過去の地震映像や、別の地域で撮影された映像が、今回の熊本地震のものとして再投稿される可能性があります。
また、「上海で揺れた」という投稿があっても、投稿者がいた建物の階数、場所、撮影時刻などが分からない場合があります。
情報を確認する際は、次の点に注意する必要があります。
上海市地震局は、嘉定区、黄浦区、虹口区などの高層建築物にいた一部市民から、揺れを感じたとの報告があったことを認めています。
上海市地震局によると、熊本の震源から上海中心部の人民広場までは約889キロです。
上海のほか、杭州、江蘇省、蘇州、寧波、浙江省内などで、住民やインターネット利用者から体感報告がありました。ただし、上海以外の多くはSNS上の投稿をもとにした報道です。
日本の震度と同じ形式で、上海や蘇州の震度が正式発表されたという情報は確認できません。上海市地震局は、一部高層建築物で市民から震感の報告があったと発表しています。
周期の長い地震波が遠くまで伝わり、高層ビルの揺れやすい周期と重なると、建物がゆっくり大きく揺れることがあるためです。
中国国内で建物被害や人的被害が発生したとの信頼できる報道は確認されていません。上海市地震局も、上海に危害を及ぼすことはないとしています。
2026年7月28日に発生した熊本地震では、約889キロ離れた中国の上海でも、一部の高層ビルにいた市民から揺れを感じたとの報告がありました。
上海市地震局は、嘉定区、黄浦区、虹口区などで体感報告があったことを公式に認めています。
中国メディアでは、杭州、江蘇、蘇州、寧波、浙江などでも、照明が揺れた、体が左右に動いた、めまいのように感じたといった投稿が紹介されました。
一方、これらの多くは市民による体感報告であり、中国各都市で正式な震度が観測されたという意味ではありません。また、中国国内で建物被害や人的被害が発生したとの情報も確認されていません。
熊本から遠く離れた上海の高層ビルで揺れが感じられた背景には、遠方まで伝わりやすい周期の長い地震波、高層建築物の共振、上海の軟らかい地盤などが関係した可能性があります。