世界で最も平和な国はどこなのでしょうか。
世界各国の平和度を比較する代表的な指標が、世界平和指数(Global Peace Index:GPI)です。
2026年版では世界163の国・地域が対象となり、国内の治安、戦争や紛争、軍事化など23の指標をもとに平和度が評価されています。
2026年の世界平和指数で1位となったのはアイスランド。日本は前年の13位から順位を上げ、世界10位となりました。
この記事では、2026年版世界平和指数の1位から163位までの全ランキングを紹介するとともに、日本の順位や世界の平和をめぐる最新状況について解説します。
世界平和指数(Global Peace Index=GPI)は、国際的なシンクタンクInstitute for Economics & Peace(IEP/経済平和研究所)が毎年発表している世界各国の平和度を示す指数です。
2026年版は20回目の発表となり、163の国・地域を対象にしています。
世界人口の99%以上をカバーしており、世界の平和や安全保障の状況を比較する代表的な国際指標の一つとなっています。
世界平和指数では全部で23の指標を使用し、大きく次の3分野から各国を評価します。
殺人率や暴力犯罪だけでなく、戦争による死者、国内紛争、近隣国との関係、テロ、軍事費、武器へのアクセスなども評価対象となります。
そのため、世界平和指数は単純な「治安ランキング」や「旅行で安全な国ランキング」とは異なります。
2026年版Global Peace Indexの全ランキングは次の通りです。
GPIスコアは数字が小さいほど平和度が高いことを意味します。
なお、70位と142位にはそれぞれ同点の国が2か国あるため、公式ランキングには71位と143位がありません。
| 順位 | 国・地域 | GPIスコア |
|---|---|---|
| 1位 | アイスランド | 1.161 |
| 2位 | ニュージーランド | 1.343 |
| 3位 | スイス | 1.363 |
| 4位 | スロベニア | 1.369 |
| 5位 | アイルランド | 1.371 |
| 6位 | オーストリア | 1.421 |
| 7位 | ポルトガル | 1.427 |
| 8位 | シンガポール | 1.435 |
| 9位 | フィンランド | 1.478 |
| 10位 | 日本 | 1.489 |
| 11位 | デンマーク | 1.504 |
| 12位 | マレーシア | 1.513 |
| 13位 | チェコ | 1.517 |
| 14位 | カナダ | 1.525 |
| 15位 | ハンガリー | 1.538 |
| 16位 | ブータン | 1.546 |
| 17位 | オランダ | 1.566 |
| 18位 | モーリシャス | 1.586 |
| 19位 | ラトビア | 1.589 |
| 20位 | オーストラリア | 1.602 |
| 21位 | ベルギー | 1.608 |
| 22位 | ポーランド | 1.615 |
| 23位 | クロアチア | 1.619 |
| 24位 | リトアニア | 1.620 |
| 25位 | エストニア | 1.623 |
| 26位 | ブルガリア | 1.628 |
| 27位 | スペイン | 1.654 |
| 28位 | ドイツ | 1.657 |
| 29位 | スロバキア | 1.661 |
| 30位 | モンテネグロ | 1.672 |
| 31位 | カタール | 1.676 |
| 32位 | 東ティモール | 1.681 |
| 33位 | ノルウェー | 1.688 |
| 34位 | モンゴル | 1.692 |
| 35位 | イタリア | 1.712 |
| 36位 | アルバニア | 1.725 |
| 37位 | ウズベキスタン | 1.726 |
| 38位 | 赤道ギニア | 1.729 |
| 39位 | イギリス | 1.730 |
| 40位 | スウェーデン | 1.732 |
| 41位 | ベトナム | 1.738 |
| 42位 | 台湾 | 1.751 |
| 43位 | ウルグアイ | 1.754 |
| 44位 | カザフスタン | 1.771 |
| 45位 | ルーマニア | 1.788 |
| 46位 | 北マケドニア | 1.792 |
| 47位 | タジキスタン | 1.799 |
| 48位 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 1.810 |
| 49位 | クウェート | 1.813 |
| 50位 | ボツワナ | 1.823 |
| 51位 | アルメニア | 1.825 |
| 52位 | チリ | 1.826 |
| 53位 | ギリシャ | 1.828 |
| 54位 | コソボ | 1.830 |
| 55位 | モルドバ | 1.836 |
| 56位 | ガンビア | 1.837 |
| 57位 | 韓国 | 1.839 |
| 58位 | ラオス | 1.846 |
| 59位 | マダガスカル | 1.849 |
| 60位 | オマーン | 1.850 |
| 61位 | キルギス | 1.853 |
| 62位 | コスタリカ | 1.860 |
| 63位 | ナミビア | 1.872 |
| 64位 | パラグアイ | 1.882 |
| 65位 | モロッコ | 1.887 |
| 66位 | トルクメニスタン | 1.903 |
| 67位 | スリランカ | 1.910 |
| 68位 | ヨルダン | 1.913 |
| 69位 | インドネシア | 1.918 |
| 70位(同率) | ジャマイカ | 1.919 |
| 70位(同率) | セルビア | 1.919 |
| 72位 | アルゼンチン | 1.922 |
| 73位 | アラブ首長国連邦 | 1.927 |
| 74位 | シエラレオネ | 1.937 |
| 75位 | セネガル | 1.939 |
| 76位 | ガーナ | 1.943 |
| 77位 | チュニジア | 1.947 |
| 78位 | アンゴラ | 1.955 |
| 79位 | トリニダード・トバゴ | 1.959 |
| 80位 | キプロス | 1.967 |
| 81位 | パナマ | 1.976 |
| 82位 | ザンビア | 1.992 |
| 83位 | マラウイ | 1.994 |
| 84位 | パプアニューギニア | 2.002 |
| 85位 | ギニアビサウ | 2.012 |
| 86位 | レソト | 2.016 |
| 87位 | リベリア | 2.024 |
| 88位 | グアテマラ | 2.025 |
| 89位 | ドミニカ共和国 | 2.038 |
| 90位 | ジンバブエ | 2.051 |
| 91位 | アルジェリア | 2.053 |
| 92位 | ボリビア | 2.054 |
| 93位 | コートジボワール | 2.061 |
| 94位 | ジョージア | 2.066 |
| 95位 | サウジアラビア | 2.067 |
| 96位 | カンボジア | 2.075 |
| 97位 | ホンジュラス | 2.075 |
| 98位 | タンザニア | 2.080 |
| 99位 | フランス | 2.083 |
| 100位 | ガボン | 2.086 |
| 101位 | タイ | 2.089 |
| 102位 | フィリピン | 2.092 |
| 103位 | ガイアナ | 2.093 |
| 104位 | エスワティニ | 2.095 |
| 105位 | ジブチ | 2.098 |
| 106位 | ニカラグア | 2.107 |
| 107位 | ペルー | 2.120 |
| 108位 | バーレーン | 2.131 |
| 109位 | キューバ | 2.139 |
| 110位 | アゼルバイジャン | 2.142 |
| 111位 | ネパール | 2.143 |
| 112位 | モーリタニア | 2.184 |
| 113位 | エジプト | 2.186 |
| 114位 | ルワンダ | 2.200 |
| 115位 | ベラルーシ | 2.216 |
| 116位 | ギニア | 2.220 |
| 117位 | バングラデシュ | 2.226 |
| 118位 | 中国 | 2.231 |
| 119位 | トーゴ | 2.251 |
| 120位 | コンゴ共和国 | 2.256 |
| 121位 | エルサルバドル | 2.264 |
| 122位 | ベナン | 2.293 |
| 123位 | 南アフリカ | 2.308 |
| 124位 | ブラジル | 2.333 |
| 125位 | リビア | 2.361 |
| 126位 | モザンビーク | 2.383 |
| 127位 | インド | 2.409 |
| 128位 | エリトリア | 2.412 |
| 129位 | ブルンジ | 2.417 |
| 130位 | ウガンダ | 2.420 |
| 131位 | レバノン | 2.435 |
| 132位 | ケニア | 2.447 |
| 133位 | ベネズエラ | 2.516 |
| 134位 | アメリカ | 2.535 |
| 135位 | エクアドル | 2.539 |
| 136位 | トルコ | 2.605 |
| 137位 | カメルーン | 2.634 |
| 138位 | エチオピア | 2.648 |
| 139位 | メキシコ | 2.650 |
| 140位 | イラク | 2.662 |
| 141位 | コロンビア | 2.735 |
| 142位(同率) | ハイチ | 2.755 |
| 142位(同率) | ナイジェリア | 2.755 |
| 144位 | イラン | 2.759 |
| 145位 | チャド | 2.769 |
| 146位 | ニジェール | 2.832 |
| 147位 | 北朝鮮 | 2.845 |
| 148位 | パレスチナ | 2.877 |
| 149位 | ブルキナファソ | 2.882 |
| 150位 | 中央アフリカ共和国 | 2.906 |
| 151位 | ミャンマー | 2.911 |
| 152位 | パキスタン | 2.919 |
| 153位 | ソマリア | 2.973 |
| 154位 | マリ | 2.996 |
| 155位 | シリア | 3.067 |
| 156位 | イエメン | 3.081 |
| 157位 | アフガニスタン | 3.106 |
| 158位 | 南スーダン | 3.116 |
| 159位 | イスラエル | 3.124 |
| 160位 | ウクライナ | 3.184 |
| 161位 | コンゴ民主共和国 | 3.189 |
| 162位 | スーダン | 3.195 |
| 163位 | ロシア | 3.367 |

2026年の世界平和指数で1位となったのはアイスランドです。
アイスランドは2008年以降、一貫して世界平和指数の首位を維持しており、2026年で19年連続の世界1位となりました。
2026年のGPIスコアは1.161で、2位ニュージーランドの1.343を大きく上回っています。
社会の安全性の高さに加え、国内外の大規模な武力紛争がなく、軍事化の程度も低いことなどが高い評価につながっています。
ヨーロッパ諸国が上位を占めていますが、ニュージーランド、シンガポール、日本もトップ10に入っています。
日本は2026年の世界平和指数で163か国・地域中10位となりました。
2025年は13位だったため、3つ順位を上げています。
| 項目 | 日本 |
|---|---|
| 2026年順位 | 10位 |
| 2025年順位 | 13位 |
| 順位変動 | 3ランク上昇 |
| 2026年GPIスコア | 1.489 |
日本が世界トップクラスとなっている大きな要因の一つが、国内の安全性です。
殺人などの重大犯罪が国際的に見て少なく、社会の安全・治安に関する分野では高い評価を受けています。
また、日本国内では大規模な武力紛争や内戦が発生していません。
こうした要素が総合的に日本のGPIスコアを押し上げています。
一方、日本のすべての指標が改善しているわけではありません。
近年の日本では防衛費の増額や防衛力の強化が進められています。
世界平和指数では軍事費や軍備なども「軍事化」の指標として評価されるため、防衛力の強化はGPIではスコアを悪化させる方向に働く場合があります。
つまり、日本の世界10位という結果は「軍事力が小さいから」というだけではなく、国内の安全性や紛争の少なさなどを含めた総合評価です。

アジア・太平洋地域を見ると、上位にはシンガポール、日本、マレーシア、ブータンなどが入っています。
同じアジアでも、国によって順位に非常に大きな差があることが分かります。

アメリカは2026年の世界平和指数で134位です。
日本の10位と比べるとかなり低い順位となっています。
ただし、これは「アメリカ全土の治安が世界134番目」という意味ではありません。
GPIでは犯罪だけでなく、軍事費、武器へのアクセス、社会的不安、国外での紛争への関与なども評価します。
世界最大規模の軍事力を持ち、国際的な安全保障に広く関与するアメリカは、こうした評価項目の影響を大きく受けます。

日本と比較されることの多い中国は118位、韓国は57位となっています。
中国については軍事化や周辺国との安全保障上の緊張などがGPI評価に影響します。
韓国についても、北朝鮮との軍事的緊張や徴兵制度、高い軍事力などが評価に影響しています。
これに対して日本は、国内の安全・治安に関する評価が非常に高いため、総合順位では大きく上回っています。

2026年の世界平和指数で順位が最も低かった10か国は次の通りです。
| 順位 | 国 | スコア |
|---|---|---|
| 154位 | マリ | 2.996 |
| 155位 | シリア | 3.067 |
| 156位 | イエメン | 3.081 |
| 157位 | アフガニスタン | 3.106 |
| 158位 | 南スーダン | 3.116 |
| 159位 | イスラエル | 3.124 |
| 160位 | ウクライナ | 3.184 |
| 161位 | コンゴ民主共和国 | 3.189 |
| 162位 | スーダン | 3.195 |
| 163位 | ロシア | 3.367 |

2026年の世界平和指数で最下位となったのはロシアです。
スコアは3.367で、163か国・地域の中で最も平和度が低いと評価されました。
ロシア・ウクライナ戦争による多数の死傷者や国外での武力紛争、軍事化などが大きく影響しています。
ロシアに続き、スーダン、コンゴ民主共和国、ウクライナ、イスラエルが下位5か国となっています。
2026年版世界平和指数で重要なのは、個々の国の順位だけではありません。
世界全体の平和度そのものが悪化し続けています。
2026年の世界全体の平和度は前年から約0.7%悪化しました。
世界の平和度が前年より悪化するのは12年連続です。
2026年版では99か国で平和度が悪化した一方、改善したのは62か国でした。
さらに、2008年と比較すると119か国が当時より平和ではなくなっています。

ウクライナ、スーダン、ミャンマーなどでは大規模な武力紛争が長期化しています。
紛争が一国内だけで完結せず、周辺国や大国による武器供与、資金援助、軍事支援などを通じて国際化していることも大きな特徴です。
安全保障上の緊張を背景として、多くの国が軍事費を増加させています。
ヨーロッパだけでなく、日本を含むアジア諸国でも防衛力の強化が進んでいます。
現代の戦争では、無人機(ドローン)やAIを利用した軍事技術が急速に普及しています。
以前は高度な軍事力を持つ国家でなければ難しかった攻撃を、比較的低コストのドローンなどによって実行できるようになりました。
こうした技術革新が武力紛争の形態そのものを変えつつあります。
世界平和指数を見る際には、GPIと治安ランキングを混同しないことが重要です。
世界平和指数では、観光客が犯罪に遭う確率だけを評価しているわけではありません。
軍事費、軍事力、国外での戦争への関与、国内紛争、政治的不安定、テロ、殺人率など、多数の要素を総合的に評価します。
そのため、GPIの順位が低い国だからといって、その国のすべての都市が旅行に危険というわけではありません。
逆に、GPI上位国でも犯罪や自然災害などのリスクが存在しないわけではありません。
世界平和指数は、「その国の社会や国家が、暴力や戦争、武力紛争からどの程度離れた状態にあるか」を見る指標と考えると理解しやすいでしょう。
2026年版世界平和指数では、アイスランドが世界1位となり、19年連続で首位を維持しました。
2位ニュージーランド、3位スイス、4位スロベニア、5位アイルランドと続いています。
日本は前年13位から10位へ上昇し、世界トップ10入りしました。
一方、最下位はロシアで、スーダン、コンゴ民主共和国、ウクライナ、イスラエルなど、現在大規模な紛争の影響を受けている国々がランキング下位に並んでいます。
さらに重要なのは、世界全体の平和度が12年連続で悪化していることです。
日本が世界有数の平和な国として評価されている一方で、世界では戦争の長期化、軍備拡大、国際的な対立などが続いています。
世界平和指数は単なる国別ランキングとして見るだけでなく、世界の安全保障環境がどの方向へ向かっているのかを知るための指標として見ることが重要でしょう。