田嶋俊博氏は、国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」の日本支部にあたる、公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本で事務局長を務めた人物です。
2025年1月に事務局長へ就任し、団体の運営や職員の管理、対外的な声明の発表、資金調達部門の人材採用などに関わっていました。
しかし、職員に対する言動をめぐってパワーハラスメントの申立てがあり、外部弁護士による調査が実施されました。2026年7月、複数の行為がパワーハラスメントに当たると認定され、田嶋氏は事務局長の職を解かれています。
| 氏名 | 田嶋俊博 |
|---|---|
| 出身大学 | 関西学院大学 |
| 学部 | 経済学部 |
| 在学期間 | 1982年から1986年 |
| 主な経歴 | 金融機関の中国関連業務、アムネスティ・インターナショナル日本事務局長 |
| 事務局長就任 | 2025年1月 |
| 事務局長解職 | 2026年7月6日 |
| 現在の扱い | 事務局長を解かれ、理事長付となったことが公表されている |
田嶋氏の生年月日、年齢、出身地、高校などについては、信頼できる公的な資料では確認できません。
本人名義の公開プロフィールでは、1982年に関西学院大学経済学部へ入学し、1986年に卒業した経歴が掲載されています。
田嶋俊博氏は、関西学院大学経済学部で学びました。
在学期間は1982年から1986年とされているため、留年や休学がなければ1986年3月に卒業したとみられます。
関西学院大学経済学部では、経済理論だけでなく、金融、国際経済、企業活動、財政などについて幅広く学びます。田嶋氏が大学卒業後に金融機関で海外関連業務に携わった経歴は、こうした大学時代の専攻ともつながるものです。
大学卒業後の田嶋氏の職歴については、勤務先や役職が年代順にすべて公開されているわけではありません。
一方、2004年に東京三菱銀行が発行した「中国情報月報」には、田嶋俊博氏の名前が「中国業務支援室アドバイザリーチーム」の担当者として掲載されています。
同チームは、中国に進出する日本企業に対し、現地法人の再編、投資方法、税務や資金管理などについて助言する部署でした。田嶋氏は少なくともこの時期、金融機関において中国ビジネスや海外事業に関する支援業務に携わっていたことが確認できます。
東京三菱銀行は、その後の再編を経て現在の三菱UFJ銀行につながる金融機関です。
田嶋氏は、企業や海外拠点との調整、国際的な金融業務、組織運営などの経験を積んだ後、国際人権NGOの運営に携わることになったと考えられます。
田嶋俊博氏は、2025年1月に公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本の事務局長に就任しました。
2025年1月19日に同団体が公開した国際協力機構中部センターへの書簡にも、「公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 事務局長 田嶋俊博」と記載されています。
アムネスティ・インターナショナルは、世界各地の人権侵害を調査し、政府や国際機関に改善を求める国際的な人権運動です。
日本支部は1970年に創設され、死刑制度の廃止、難民や移民の権利、表現の自由、差別の解消、紛争地域における人権侵害など、幅広い問題に取り組んでいます。
アムネスティ日本の事務局長は、団体の活動方針を実務に反映させる事務局の責任者です。
理事会が決定した方針に基づき、職員の管理、予算や資金調達、人材採用、国際事務局との調整、声明や公開書簡の発表などを統括します。
田嶋氏は事務局長として、求人募集の責任者や問い合わせ先にも名前を掲載していました。ファンドレイジング部門の採用情報では、寄付者との関係構築、予算管理、国際事務局との英語による交渉などを担当する人材の募集に関与していたことが確認できます。
田嶋俊博氏は、事務局長として日本の死刑制度や難民問題、外国人に対する差別、表現の自由などについて、団体を代表して発言する立場にありました。
2025年に日本で死刑が執行された際には記者会見に出席し、死刑には犯罪を抑止する効果がなく、残虐な刑罰であるとの立場を示しています。
また、西サハラ難民に関する催しで施設の使用が認められなかった問題では、国際協力機構に対して遺憾の意を示す公開書簡を発表しました。
この書簡では、人権問題を政治的な問題だけでなく人道上の問題として扱う必要があると主張しています。
田嶋氏をめぐって大きな問題となったのが、アムネスティ日本の職員に対するパワーハラスメントです。
2026年6月の報道によると、労働組合は、田嶋氏が事務局長に就任した2025年1月以降、職員に対して声を荒らげたり、一方的に叱責したりする行為があったと主張しました。
労働組合によれば、当時の職員のうち6人が被害を訴え、1人が退職し、2人が休職したとされていました。職員からは、ほかの職員がいる前で能力を否定するような言葉を浴びせられた、2人きりの場で怒鳴られたなどの訴えが出ていました。
この段階では労働組合や職員側からの申立てであり、アムネスティ日本は独立した立場の弁護士に調査を委託しました。
アムネスティ日本理事会は、2026年5月1日、事務局内のパワーハラスメントに関する告発がSNS上で行われたことを認めました。
同時に、独立した弁護士による調査と、職員労働組合との団体交渉を進めていると発表しています。
理事会は、独立調査を開始するまでに時間がかかったことについても、告発した職員や労働組合に謝罪しました。
2026年6月4日には複数の報道が出たことを受け、6月末までに調査結果を受領し、その内容に基づいて対応すると説明していました。
アムネスティ日本は2026年6月30日、外部弁護士から調査報告書を受領しました。
調査報告書では、田嶋氏による職員に対する複数の行為が、パワーハラスメントに該当すると認定されました。
さらに、職員から申立てがあってから本格的な調査が始まるまで約9か月かかったことについても問題が指摘されています。
遅れの原因として、理事によるハラスメント手続きへの理解不足、ハラスメント防止委員会の機能不全、理事会の機能不全が挙げられました。
休職していた職員の健康に対する配慮も十分ではなかったとして、理事会は被害を受けた職員に謝罪しています。
調査報告書を受け、アムネスティ日本理事会は2026年7月6日付で、田嶋俊博氏を事務局長の職から解きました。
ただし、公表された内容は「事務局長の職を解き、理事長付とした」というものです。
そのため、事務局長の解職は発表されていますが、法人からの懲戒解雇や退職が発表されたわけではありません。「解職」と「解雇」は意味が異なるため、区別する必要があります。
アムネスティ日本の現在の団体概要では、事務局長の欄に氏名が掲載されておらず、田嶋氏は事務局長ではなくなっています。
今回の問題が特に大きく注目されたのは、アムネスティ日本が、人間の尊厳や差別の解消、暴力からの保護を訴える人権団体だからです。
外部の政府や企業に人権尊重を求める団体には、自らの職場においても職員の人格や健康を守ることが求められます。
調査報告書では田嶋氏個人の言動だけでなく、申立てを迅速に処理できなかった理事会やハラスメント防止委員会の問題も指摘されました。
そのため、この問題は一人の管理職による不適切な言動にとどまらず、公益法人としての組織統治や内部の人権意識が問われる問題となりました。
田嶋俊博氏は、関西学院大学経済学部を卒業後、金融機関で中国や海外に関係する業務に携わった経歴を持つ人物です。
その後、2025年1月にアムネスティ・インターナショナル日本の事務局長に就任し、組織運営や人材採用、資金調達、対外的な声明の発表などを担いました。
一方、職員に対する複数の行為が外部弁護士の調査によってパワーハラスメントと認定され、2026年7月6日に事務局長の職を解かれました。
現在確認できる公式発表では、田嶋氏は法人を解雇されたのではなく、事務局長から「理事長付」に変更されています。
また、調査開始までに約9か月を要したことから、田嶋氏個人の言動だけでなく、理事会やハラスメント防止制度が十分に機能していなかった点も、今後の重要な課題として残されています。