2026年6月17日、元弁護士の岸本学容疑者が、盗撮事件の示談金を依頼者に渡さず着服したとして、警視庁に業務上横領の疑いで逮捕されたと報じられました。
岸本容疑者は、かつて性犯罪被害者の支援や、痴漢・盗撮事件に関する示談交渉などを扱う弁護士として活動していた人物です。複数のメディアで紹介されたこともあり、インターネット上でも「性犯罪被害者支援に詳しい弁護士」として知られていました。
しかし、2025年5月には、第一東京弁護士会から最も重い懲戒処分である「除名」を受けています。そして今回、示談金をめぐる問題が刑事事件として報じられることになりました。
この記事では、岸本学容疑者の経歴や活動、除名処分に至った経緯、そして今回の逮捕容疑について、時系列で整理します。
岸本学容疑者は、第一東京弁護士会に所属していた元弁護士です。
報道によると、2026年6月時点で52歳。かつては東京都内の法律事務所で活動し、痴漢、盗撮、強制わいせつなど、性犯罪に関する事件の相談や示談交渉を扱っていたとされています。
特に、性犯罪被害者側の支援を掲げていた点が特徴です。インターネット上では、痴漢や盗撮の被害に遭った人のための示談交渉、加害者側との連絡、示談金の受け取りなどに関する情報発信も行っていたとみられます。
また、メディアのインタビューに応じたり、関連する本を執筆したりしていたとも報じられており、一定の知名度を持つ弁護士だったといえます。
ただし、詳しい出身地、学歴、司法試験合格までの経緯などについては、公的に確認できる情報が限られています。そのため、本記事では確認できる範囲の情報を中心に整理します。
| 氏名 | 岸本 学 |
|---|---|
| 年齢 | 52歳(2026年6月時点の報道) |
| 住所 | 神奈川県海老名市と報道 |
| 職業 | 元弁護士 |
| 所属していた弁護士会 | 第一東京弁護士会 |
| 主な活動分野 | 性犯罪事件、痴漢・盗撮事件、示談交渉など |
| 懲戒処分 | 2025年5月、除名処分 |
| 逮捕容疑 | 業務上横領の疑い |
岸本容疑者は、性犯罪被害者の支援を掲げて活動していた元弁護士です。特に、盗撮や痴漢などの事件で、被害者側の示談交渉を扱っていたとされています。
一方で、示談交渉で受け取った示談金を依頼者に渡さなかった疑いが問題となり、弁護士会による懲戒処分、さらに刑事事件へと発展しました。
岸本容疑者は、弁護士として活動していた当時、痴漢や盗撮などの性犯罪被害者に向けた支援をアピールしていたと報じられています。
性犯罪事件では、被害者が加害者側と直接やり取りすることに強い心理的負担を感じることがあります。そのため、弁護士が代理人として加害者側と交渉し、謝罪文、再発防止の約束、示談金の支払いなどをまとめるケースがあります。
岸本容疑者も、こうした示談交渉を扱う弁護士として活動していたとみられます。
報道によると、今回の事件で被害を受けたとされる女性も、インターネット上で岸本容疑者が「痴漢・盗撮の弁護を専門にしている」と紹介されていたことなどから、示談交渉を依頼したとされています。
つまり、依頼者側から見ると、岸本容疑者は性犯罪被害に詳しい専門家として見えていた可能性があります。その人物が示談金をめぐって逮捕されたことは、被害者支援の信頼性という点でも大きな問題として受け止められています。
岸本容疑者をめぐる問題は、今回の逮捕報道だけで突然表面化したものではありません。以前から、示談金の取り扱いをめぐる問題が指摘されていました。
ここでは、確認できる範囲で時系列に整理します。
第一東京弁護士会や報道によると、岸本容疑者は2022年4月からの約1年間で、複数の依頼者から示談交渉を受任していたとされています。
対象となったのは、盗撮、痴漢、強制わいせつなど、性犯罪関連の事件です。岸本容疑者は、加害者側との示談交渉を行い、示談金を受け取ったとされています。
しかし、その示談金を依頼者に渡さなかったことが問題になりました。
今回の逮捕容疑となっているのは、2023年3月の盗撮事件に関する示談金です。
報道によると、岸本容疑者は、盗撮被害に遭った女性から依頼を受け、加害者側との示談交渉を行いました。そして、加害者側から示談金30万円を受け取ったものの、その金を女性に渡さず着服した疑いが持たれています。
現時点では、あくまで「業務上横領の疑い」で逮捕された段階です。今後の捜査や司法手続きによって、事実関係がさらに明らかになるとみられます。
第一東京弁護士会は、2023年6月、岸本学氏について懲戒のための調査請求を行ったことを公表しました。
弁護士の懲戒手続きは、所属弁護士会が事案を調査し、必要に応じて処分を行う制度です。弁護士が職務上の義務に違反したり、弁護士会の信用を害したりした場合、懲戒の対象となることがあります。
この時点で、すでに岸本氏の業務をめぐる問題は、弁護士会の内部手続きにおいて重大な事案として扱われていたことになります。
2025年5月23日、第一東京弁護士会は、岸本学氏を「除名」の懲戒処分にしたと発表しました。
除名は、弁護士に対する懲戒処分の中で最も重い処分です。日弁連によると、弁護士に対する懲戒処分には、戒告、2年以内の業務停止、退会命令、除名があります。
除名処分を受けると、弁護士としての身分を失い、弁護士として活動できなくなるだけでなく、3年間は弁護士となる資格も失います。
報道では、岸本氏は2022年4月からの1年間で、11人から依頼を受けた示談交渉に関し、受け取った示談金あわせて1316万円を依頼者に渡さなかったなどとされています。
2026年6月17日、岸本学容疑者は、業務上横領の疑いで警視庁に逮捕されたと報じられました。
逮捕容疑は、2023年3月に盗撮事件の示談金として受け取った30万円を、依頼者の女性に渡さず横領した疑いです。
報道によると、岸本容疑者は、不正に得た示談金を住宅ローンの返済に充てたとみられており、警視庁が詳しい経緯を調べているとされています。
岸本容疑者は、逮捕前の2025年5月に、すでに第一東京弁護士会から除名処分を受けています。
弁護士の懲戒処分には、主に次の4種類があります。
この中で、除名は最も重い処分です。
弁護士は、依頼者から金銭や重要書類を預かる立場にあります。そのため、依頼者の財産を適切に管理することは、弁護士業務の根幹に関わる重要な義務です。
示談金は、依頼者が受け取るべき金銭です。弁護士が代理人として受け取った場合でも、その金銭は弁護士個人のものではありません。依頼者に渡すべき金銭を渡さなかったとすれば、弁護士としての信用を大きく損なう行為と判断されます。
今回の件で除名という重い処分が出された背景には、金額の大きさだけでなく、複数の依頼者に関わる問題であったこと、性犯罪被害者支援を掲げる弁護士による問題であったことも影響したと考えられます。
今回の逮捕報道で特に重要なのは、以下の点です。
ただし、現時点では逮捕された段階であり、刑事裁判で有罪が確定したわけではありません。
そのため、記事として扱う場合は、「着服した」「横領した」と断定するのではなく、「着服した疑い」「横領した疑い」「逮捕された」と表現する必要があります。
この事件が大きく注目されている理由は、単に元弁護士が逮捕されたからではありません。
第一に、問題となったのが性犯罪被害者の示談金だったことです。
性犯罪被害者は、事件そのものによって大きな精神的負担を受けています。その中で弁護士に相談し、加害者側との交渉を任せるのは、信頼があるからこそです。もしその示談金が依頼者に渡されなかったとすれば、被害者にとっては二重の苦しみとなります。
第二に、岸本容疑者が性犯罪被害者支援を掲げていた元弁護士だったことです。
被害者支援を強調していた人物が、被害者が受け取るべき示談金をめぐって逮捕されたことは、社会的な衝撃が大きいといえます。
第三に、複数の依頼者に関わる問題として除名処分を受けていたことです。
報道では、2022年4月からの1年間で、11人分の示談金合計1316万円を依頼者に渡さなかったなどとされています。単発のトラブルではなく、複数の案件にわたる問題として扱われていた点も重要です。
今回のような事件は例外的なものですが、弁護士に依頼する際には、依頼者側もいくつかの点を確認しておくことが大切です。
特に示談金や賠償金のように、依頼者が受け取るべき金銭については、「いつ」「誰から」「いくら受け取り」「いつ依頼者に送金されるのか」を書面やメールで確認しておくと安心です。
弁護士にすべてを任せることは必要な場面もありますが、金銭の流れについては、依頼者自身も把握しておくことが重要です。
岸本学容疑者は、かつて第一東京弁護士会に所属していた元弁護士です。性犯罪被害者支援や、痴漢・盗撮事件の示談交渉を扱う弁護士として活動していたとされ、メディアで紹介されたこともありました。
しかし、2025年5月には、示談金を依頼者に渡さなかったなどとして、第一東京弁護士会から除名処分を受けました。除名は弁護士に対する最も重い懲戒処分であり、弁護士としての身分を失い、3年間は弁護士となる資格も失う処分です。
さらに2026年6月17日、盗撮事件の示談金30万円を依頼者女性に渡さず着服したとして、業務上横領の疑いで逮捕されたと報じられました。
現時点では、逮捕容疑の段階であり、刑事裁判で有罪が確定したわけではありません。そのため、今後の捜査や司法手続きの進展を慎重に見守る必要があります。
一方で、今回の事件は、弁護士と依頼者の信頼関係、特に被害者支援を掲げる弁護士の責任の重さを改めて考えさせる事例です。
弁護士に依頼する際には、専門性や知名度だけでなく、契約内容、費用、預り金、示談金の流れを確認することが大切です。