2023年のWBCで「たっちゃん」の愛称とともに日本中の人気者となったラーズ・ヌートバー選手。
両かかとの手術によって2026年シーズンの開幕には間に合わず、WBC日本代表からも外れましたが、その後はリハビリを終え、6月5日にセントルイス・カージナルスでメジャー復帰を果たしました。
さらに大きな動きがあったのが、2026年8月です。
ヌートバーは米国時間8月3日、日本時間8月4日に、カージナルスからアリゾナ・ダイヤモンドバックスへトレードされました。これまで移籍の可能性が繰り返し報じられていましたが、今回は噂ではなく、正式に成立したトレードです。
2026年8月5日時点では、すでにダイヤモンドバックスのアクティブロースターに登録されており、新天地でプレーできる状態になっています。
この記事では、ヌートバーの現在について、次のポイントを分かりやすく整理します。
ヌートバーの現在を簡潔にまとめると、次のようになります。
以前の状況は「復帰間近」「トレード候補」でしたが、現在はすでにその段階を過ぎています。
正確には、「両かかとの手術からメジャー復帰を果たし、カージナルスで約2か月プレーした後、ダイヤモンドバックスへ正式に移籍した」という状態です。

ヌートバーの現在の所属チームは、ナショナル・リーグ西地区のアリゾナ・ダイヤモンドバックスです。
長年所属してきたセントルイス・カージナルスではありません。
トレードの内容は次の通りです。
ダニエル・イーゲンは右投手、サンドロ・サンタナは左投手です。いずれもダイヤモンドバックス傘下で有望株として評価されていた若手投手です。
ヌートバーは2018年のMLBドラフト8巡目でカージナルスから指名され、2021年にメジャーデビューしました。
そのため、今回のトレードは、プロ入り後初めて所属組織が変わる大きな転機となります。
今回の移籍について、「ヌートバーはカージナルスから放出されたのか」「戦力外になったのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、今回の移籍は戦力外や解雇ではありません。
ダイヤモンドバックスがヌートバーを戦力として評価し、カージナルスへ若手投手2人と後日指名選手を渡して獲得した交換トレードです。
つまり、カージナルスから不要と判断されて契約を解除されたのではなく、他球団が見返りを出して獲得した選手ということになります。
ヌートバーは健康であれば、次のような特徴を持つ外野手です。
こうした使いやすさが、ダイヤモンドバックスから評価されたと考えられます。
ダイヤモンドバックスがヌートバーを獲得した大きな理由は、右投手に対する左打者の補強です。
ダイヤモンドバックスは2026年のトレード期限を前に、右投手を相手にしたときの攻撃力を高めることを課題の一つとしていました。
ヌートバーは左打者であり、選球眼と出塁能力があります。常に長打だけを狙うタイプではなく、四球を選んで打線をつなぐことができる選手です。
また、左翼だけでなく、中堅や右翼でもプレーした経験があります。
外野手に故障者が出た場合や、相手投手に応じて打線を組み替える場合にも起用しやすい選手です。
ダイヤモンドバックスはトレード成立時点でナショナル・リーグのワイルドカード争いに加わっていました。
そのため今回の移籍は、将来に向けた獲得というだけでなく、2026年シーズンのプレーオフ進出を目指すための補強でもあります。

カージナルスからダイヤモンドバックスへ移籍した時点での2026年成績は、次の通りです。
| 出場試合 | 48試合 |
|---|---|
| 打率 | .234 |
| 本塁打 | 3本 |
| 打点 | 16打点 |
| 出塁率 | .333 |
| OPS | .687 |
打率や本塁打数だけを見ると、突出した成績ではありません。
ただし、ヌートバーはシーズンの最初から出場していたわけではなく、両かかとの手術後に約2か月遅れて復帰しています。
復帰した6月には打率.306を記録し、本塁打も2本放ちました。手術明けとしては順調なスタートでしたが、7月に入ると打撃成績が低下しました。
移籍時点では、復帰直後の好調さを維持できていなかったため、ダイヤモンドバックスで打撃を立て直せるかが注目されます。
2026年のヌートバーは、結果としての打率は.234にとどまっていますが、打球の内容まで悪いわけではありません。
移籍時点の平均打球速度は約92マイル、ハードヒット率は50%を超えていました。
ハードヒットとは、一定以上の速さで飛んだ強い打球のことです。
強い打球を打てているにもかかわらず安打にならないケースもあるため、打率だけを見て「打撃能力が大きく低下した」と決めつけることはできません。
一方で、打球角度が低く、強い打球がゴロになる場面もあります。
ダイヤモンドバックス移籍後は、強い打球を長打につなげられるかがポイントになります。
ヌートバーは2026年6月5日、カージナルスの本拠地で行われたシンシナティ・レッズ戦でメジャー復帰しました。
復帰初戦では1番打者として出場し、適時二塁打を含む2安打を記録しました。
約20日間のマイナーでのリハビリ出場を終えた直後でしたが、すぐに打線へ貢献しています。
さらに翌日の試合では、終盤に代打で登場し、逆転本塁打を放ちました。
手術を受けた両かかとの状態について大きな不安を感じさせない復帰となり、カージナルスのファンからも大きな歓声を受けました。
したがって、現在のヌートバーは「復帰を目指している選手」ではありません。
すでにメジャーへ復帰し、約2か月間公式戦に出場したうえで、新しい球団へ移籍しています。
ヌートバーは2025年10月、両かかとにあるハグルンド変形を治療する手術を受けました。
ハグルンド変形とは、かかとの後方にある骨が出っ張り、アキレス腱の付着部分や周囲の組織を刺激する状態です。
靴と接触したり、走る動作を繰り返したりすることで、慢性的な炎症や痛みにつながることがあります。
外野手であるヌートバーにとって、かかとの痛みは大きな問題でした。
こうした動作のほぼすべてで、かかとやアキレス腱周辺に負担がかかります。
ヌートバーは2025年シーズン中、野球のプレーだけでなく、日常生活にも影響するほどの痛みを抱えていたとされています。
そのためシーズン終了後、痛みの原因となっていた骨の出っ張りを処置する手術を受けました。
ヌートバーは、2026年WBCの日本代表メンバーには入りませんでした。
2023年大会では侍ジャパンの1番打者として世界一に貢献したため、欠場を残念に感じた日本のファンも多かったでしょう。
しかし、欠場の主な理由は両かかとの手術からの回復が間に合わなかったことです。
実力不足や、日本代表への気持ちが薄れたことによる落選ではありません。
2026年のWBCが行われた時期には、まだ全力疾走や外野守備を問題なく行える状態まで戻っていませんでした。
実際、MLBのレギュラーシーズンでも開幕に間に合わず、6月まで公式戦に出場できませんでした。
WBCを無理に目指さず、長期的な選手生命とMLBシーズンを優先した判断だったと考えるのが自然です。
2025年のヌートバーは、自己最多となる135試合に出場しました。
主な成績は次の通りです。
| 出場試合 | 135試合 |
|---|---|
| 打率 | .234 |
| 出塁率 | .325 |
| 長打率 | .361 |
| 本塁打 | 13本 |
| 打点 | 48打点 |
| OPS | .686 |
試合数や安打数、二塁打、打点などでは自己最多を記録しました。
一方、OPSはメジャーデビュー後で最も低い数字となりました。
両かかとの痛みを抱えながら出場していたことが、打撃や走塁、守備に影響した可能性があります。
手術を決断したのは、単に一時的な休養を取るためではなく、今後のキャリアを考えて痛みの原因そのものを取り除くためだったといえます。

ダイヤモンドバックスでの具体的な打順や守備位置は、相手投手や他の外野手の状態によって変わると考えられます。
ヌートバーは左翼、中堅、右翼のすべてに出場経験があるため、外野の複数ポジションで起用できます。
特に期待されているのは、右投手を相手にしたときの左打者としての働きです。
考えられる役割は次の通りです。
ただし、トレードされたからといって、必ず毎試合スタメンで起用されるとは限りません。
新しいチームの投手への適応、守備位置、他の外野手との組み合わせ、左右の相性によって出場機会は変わります。
ヌートバーにとっては、まず新しい環境に慣れ、カージナルス時代の6月に見せた打撃を取り戻すことが重要です。
ヌートバーは、2026年シーズン終了後にすぐフリーエージェントになる選手ではありません。
球団は2027年シーズン終了までヌートバーの契約保有権を持っています。
2026年シーズン終了後には、年俸調停権を持つ選手として翌年の契約交渉が行われる見込みです。
順調に進めば、2027年シーズン終了後にフリーエージェントとなります。
そのため、ダイヤモンドバックスにとって今回の獲得は、残り数か月だけの短期的な補強ではありません。
この両方を考えたトレードです。
ヌートバーにとっても、2026年後半から2027年にかけての成績は、初めてフリーエージェントになる際の評価に大きく影響します。
| 名前 | ラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバー |
|---|---|
| 英語名 | Lars Taylor-Tatsuji Nootbaar |
| 生年月日 | 1997年9月8日 |
| 年齢 | 28歳(2026年8月時点) |
| 出身地 | アメリカ・カリフォルニア州 |
| 投打 | 右投げ左打ち |
| ポジション | 外野手 |
| 現在の所属 | アリゾナ・ダイヤモンドバックス |
| 前所属 | セントルイス・カージナルス |
| MLBデビュー | 2021年6月22日 |
| 日本代表 | 2023年WBC日本代表 |
現在はアリゾナ・ダイヤモンドバックスに所属しています。2026年8月にセントルイス・カージナルスからトレードされました。
すでに復帰しています。両かかとの手術後、マイナーでのリハビリ出場を経て、2026年6月5日にメジャーへ戻りました。
入っていません。2026年8月4日にダイヤモンドバックスのアクティブロースターへ登録されています。
戦力外ではありません。ダイヤモンドバックスが若手投手2人と後日指名選手を見返りとして獲得した正式な交換トレードです。
両かかとの手術からの回復が間に合わなかったためです。実力不足による落選ではなく、コンディション上の理由による欠場と考えられます。
少なくとも2027年シーズン終了まで、球団が契約保有権を持っています。順調に進めば、2027年シーズン終了後にフリーエージェントとなる見込みです。
ヌートバーについて、今後注目したいのは次の点です。
ヌートバーは出塁能力を生かして上位打線に入ることも、中位打線で起用されることも可能です。ダイヤモンドバックスがどのような役割を与えるのかが注目されます。
左翼、中堅、右翼のすべてに対応できます。外野手の故障状況や相手投手によって、複数のポジションを守る可能性があります。
6月は好調でしたが、7月には成績が低下しました。移籍をきっかけに打撃を立て直せるかが重要です。
手術からは復帰しましたが、長いシーズンを通して連日プレーできるかは引き続き重要なポイントです。
今回の移籍は、ワイルドカード争いを見据えた補強です。重要な試合で出塁や長打を記録できれば、新天地で一気に評価を高める可能性があります。
ヌートバーは2025年10月に両かかとの手術を受け、2026年WBCとMLBシーズン序盤を欠場しました。
しかし、マイナーでのリハビリ出場を経て6月5日にメジャー復帰し、カージナルスで48試合に出場しました。
そして米国時間8月3日、日本時間8月4日、アリゾナ・ダイヤモンドバックスへのトレードが正式に成立しました。
現在はすでにダイヤモンドバックスのアクティブロースターに登録されています。
したがって、ヌートバーの現在について最も正確に表現すると、次のようになります。
ヌートバーは両かかとの手術からメジャー復帰を果たし、2026年8月にカージナルスからダイヤモンドバックスへ正式にトレードされた。現在は新天地でプレーできる状態にあり、ワイルドカード争いをするチームの左打者・外野手として期待されている。
移籍時点の成績は48試合で打率.234、3本塁打、16打点です。
数字だけを見ると本来の力を完全に取り戻したとは言い切れませんが、強い打球を飛ばす能力や出塁能力、外野3ポジションを守れる柔軟性は健在です。
2023年WBCで日本に大きな喜びをもたらした「たっちゃん」が、初めての移籍先でどのような活躍を見せるのか。
2026年シーズン後半は、ヌートバーの今後のキャリアを左右する重要な期間となりそうです。