メジャーリーグベースボール(MLB)の名門球団、シカゴ・カブスは、アメリカ野球の歴史を語るうえで欠かせない存在です。本拠地のウィグリー・フィールドは1914年に開場した歴史ある球場で、現在もMLBを代表する伝統的なボールパークとして知られています。MLB公式も、ウィグリー・フィールドを「1914年開場」「アイビーに覆われた外野フェンスで知られる球場」と紹介しています。
そのカブスには、これまで複数の日本人選手が在籍してきました。外野手、内野手、先発投手、リリーフ投手と役割はさまざまですが、それぞれが日本プロ野球や国際大会で培った経験を持ち込み、カブスの歴史に足跡を残しています。
この記事では、シカゴ・カブスの公式戦に出場した歴代日本人メジャーリーガーを中心に、福留孝介選手から鈴木誠也選手、今永昇太投手まで、カブスと日本人選手の歩みをわかりやすく整理します。

2026年7月時点で、シカゴ・カブスのロースターには鈴木誠也選手と今永昇太投手が登録されています。MLB公式のカブスのロースターでは、今永昇太投手が背番号18の投手として、鈴木誠也選手が背番号27の外野手として掲載されています。
特に鈴木誠也選手は、2026年7月1日にMLB通算100本塁打を達成しました。これは日本生まれのMLB選手として、松井秀喜氏、イチロー氏、大谷翔平選手に続く記録であり、カブス在籍中の大きな節目となりました。
MLB公式は、カブスでプレーした日本生まれの選手として、福留孝介、田口壮、高橋尚成、藤川球児、和田毅、川崎宗則、上原浩治、ダルビッシュ有、鈴木誠也、今永昇太の名前を挙げています。
| 選手名 | 在籍年 | 主なポジション | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 福留孝介 | 2008年〜2011年 | 外野手 | カブス初の日本人選手。新人年にオールスター選出 |
| 田口壮 | 2009年 | 外野手 | MLB晩年にカブスでプレー |
| 高橋尚成 | 2013年 | 投手 | 左のリリーフとして短期間在籍 |
| 藤川球児 | 2013年〜2014年 | 投手 | 日本球界を代表する抑え投手としてMLB挑戦 |
| 和田毅 | 2014年〜2015年 | 投手 | 先発左腕としてカブスで登板 |
| 川崎宗則 | 2016年 | 内野手 | 明るいキャラクターでファンにも親しまれた |
| 上原浩治 | 2017年 | 投手 | MLBキャリア終盤にカブスで救援登板 |
| ダルビッシュ有 | 2018年〜2020年 | 投手 | 2020年にサイ・ヤング賞投票2位 |
| 鈴木誠也 | 2022年〜 | 外野手・DH | カブス打線の中心。2026年にMLB通算100本塁打 |
| 今永昇太 | 2024年〜 | 投手 | 1年目からオールスター選出。先発左腕として活躍 |
福留孝介選手は、2008年にシカゴ・カブスへ加入しました。カブスにとっては初めての日本人選手であり、当時の日本人野手のMLB挑戦としても大きな注目を集めました。
福留選手は、MLBデビュー戦となった2008年の開幕戦で、9回に同点3ラン本塁打を放ち、いきなりシカゴのファンに強烈な印象を残しました。MLB公式もこの場面を、カブスファンに福留選手を印象づけた象徴的な出来事として紹介しています。
カブスでは2008年から2011年までプレーし、選球眼の良さ、広角に打てる打撃、外野守備でチームに貢献しました。新人年にはオールスターにも選出され、カブスと日本人選手の関係を本格的に切り開いた存在といえます。
田口壮選手は、2009年にシカゴ・カブスでプレーしました。田口選手といえば、セントルイス・カージナルス時代の活躍やワールドシリーズ経験の印象が強い選手ですが、MLBキャリアの最後にカブスのユニフォームも着ています。
カブスでの出場機会は限られましたが、MLB公式は、田口選手が2009年にカブスで11打数3安打を記録したことを紹介しています。カブス在籍期間は短かったものの、歴代日本人カブス選手の一人として数えられます。
高橋尚成投手は、2013年にシカゴ・カブスでプレーしました。読売ジャイアンツで長く活躍した後、MLBではニューヨーク・メッツ、ロサンゼルス・エンゼルス、ピッツバーグ・パイレーツなどを経て、カブスに在籍しました。
カブスでの登板はわずかでしたが、MLB公式は、高橋投手がメジャー最後の3試合をカブスで投げたと紹介しています。先発もリリーフもこなせる左腕として、メジャー複数球団で経験を積んだ選手でした。
藤川球児投手は、2013年から2014年にかけてシカゴ・カブスに在籍しました。阪神タイガース時代には「火の玉ストレート」で知られ、日本を代表するリリーフ投手として圧倒的な存在感を示していました。
カブス加入時も、勝ちパターンやクローザー候補として期待されました。しかし、MLB公式によると、トミー・ジョン手術の影響もあり、カブスでの登板は2年間で25イニングに限られました。成績だけを見ると本来の実力を十分に発揮できたとは言いにくいものの、日本球界を代表する救援投手がカブスに挑戦した意味は大きいといえます。
和田毅投手は、2014年から2015年にかけてシカゴ・カブスでプレーしました。福岡ソフトバンクホークスで長く活躍した左腕で、キレのある直球、チェンジアップ、制球力を武器にした投球スタイルが特徴です。
MLB公式は、和田投手について「カブスで21試合に登板し、そのうち20試合が先発、ERAは3.36」と紹介しています。ケガの影響でMLBキャリアは長くなりませんでしたが、健康な時期には先発投手として十分に通用する内容を見せました。
川崎宗則選手は、2016年にシカゴ・カブスでプレーしました。出場機会は多くありませんでしたが、明るい性格とチームを盛り上げるキャラクターで、ブルージェイズ時代と同じくアメリカのファンにも親しまれました。
2016年のカブスは、108年ぶりにワールドシリーズ制覇を果たした歴史的なチームです。川崎選手はポストシーズンでは出場していませんが、MLB公式は、川崎選手が2016年のワールドシリーズ王者の一員としてリングを得たことにも触れています。
上原浩治投手は、2017年にシカゴ・カブスでプレーしました。読売ジャイアンツ時代は先発投手として活躍し、MLB移籍後はリリーフとして才能を開花させた投手です。
特にボストン・レッドソックス時代の2013年には、絶対的なクローザーとしてワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。カブスでは42歳のシーズンに登板し、MLB公式は、上原投手がカブスで43イニングを投げ、防御率3.98を記録したと紹介しています。
ダルビッシュ有投手は、2018年から2020年までシカゴ・カブスに在籍しました。テキサス・レンジャーズ、ロサンゼルス・ドジャースを経て、カブスとは大型契約を結びました。
カブス加入当初はケガや不調もありましたが、2020年には圧巻の投球を見せました。MLB公式は、ダルビッシュ投手のカブス時代について、2020年にナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で2位に入ったシーズンが特に印象的だと紹介しています。
多彩な変化球、精密な配球、圧倒的な奪三振能力は、カブスの先発ローテーションに大きな存在感を与えました。現在はサンディエゴ・パドレスでプレーしていますが、カブス時代の2020年は、MLBキャリアの中でも特に高く評価されるシーズンの一つです。
鈴木誠也選手は、2022年にシカゴ・カブスへ加入しました。広島東洋カープ時代には、打率、長打力、選球眼、守備力を兼ね備えた日本球界屈指の外野手として活躍し、MLB移籍時にも大きな注目を集めました。
カブス加入後は、外野手としてだけでなく指名打者としても起用され、チーム打線の中軸を担う存在になっています。MLB公式は、鈴木選手について、MLBキャリアのスタートから8試合連続安打を記録し、その後もカブスで最も生産的な打者の一人になったと紹介しています。
そして2026年7月1日、鈴木選手はサンディエゴ・パドレス戦でMLB通算100本塁打を達成しました。MLB公式は、鈴木選手がこの本塁打で「日本生まれのMLB選手として歴史に名を刻んだ」と伝えています。
日本人選手という枠を超えて、カブスの主力打者として評価されている点が、鈴木選手の大きな特徴です。福留孝介選手以来の本格派日本人外野手として、カブスと日本人野手の歴史をさらに更新している存在といえるでしょう。
今永昇太投手は、2024年にシカゴ・カブスへ加入しました。横浜DeNAベイスターズ時代から、キレのあるストレート、空振りを奪える変化球、冷静な投球術で知られた左腕です。
MLB1年目の2024年、今永投手は29試合に先発し、15勝3敗、防御率2.91、174奪三振という素晴らしい成績を残しました。MLB公式は、2024年の今永投手について、ナ・リーグ新人王投票4位、MLB新人最多の投球回と奪三振、さらにオールMLBセカンドチーム選出という実績を紹介しています。
2025年オフには契約オプションをめぐる動きがありましたが、今永投手は2026年シーズンもカブスに残留しました。MLB公式は、今永投手が2026年に向けてカブスからのクオリファイング・オファーを受け入れ、少なくとも2026年はカブスに残ることになったと報じています。
シカゴ・カブスと日本人選手の関係が注目される理由は、単に「日本人選手が在籍したことがある」からだけではありません。カブスは伝統ある球団であり、ウィグリー・フィールドという象徴的な球場を持つチームです。そのような球団で日本人選手が主力として活躍することには、日米野球交流の面でも大きな意味があります。
2008年の福留孝介選手は、カブスにとって日本人選手受け入れの出発点でした。その後、藤川球児投手、和田毅投手、上原浩治投手、ダルビッシュ有投手など、日本で実績を残した投手たちがカブスでプレーしました。
さらに2020年代に入ると、鈴木誠也選手と今永昇太投手が同時期にカブスで活躍するようになりました。MLB公式も、2025年の東京シリーズを前に、カブスには鈴木誠也選手と今永昇太投手という日本人選手が在籍していることに注目し、ドジャースとカブスの日本人選手の歴史を特集しています。
カブスの本拠地ウィグリー・フィールドは、1914年に開場した球場です。MLB公式は、ウィグリー・フィールドを「1914年にWeeghman Parkとして開場し、1916年からカブスが使用している」と紹介しています。
カブスは1908年にワールドシリーズを制した後、長く優勝から遠ざかっていました。しかし2016年、クリーブランド・インディアンスとのワールドシリーズ第7戦を制し、108年ぶりの世界一を達成しました。MLB公式も、カブスが108年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たした試合として紹介しています。
カブスは、同じナ・リーグ中地区に所属するセントルイス・カージナルスと長年のライバル関係にあります。福留孝介選手、田口壮選手、鈴木誠也選手など、日本人選手もこの伝統的な地区対決の中でプレーしてきました。
シカゴ・カブスの日本人選手史は、2008年の福留孝介選手から始まりました。その後、田口壮選手、高橋尚成投手、藤川球児投手、和田毅投手、川崎宗則選手、上原浩治投手、ダルビッシュ有投手と、日本球界で実績を残した選手たちがカブスのユニフォームを着ました。
そして現在は、鈴木誠也選手と今永昇太投手がカブスの主力として存在感を示しています。鈴木選手は2026年にMLB通算100本塁打を達成し、今永投手は加入1年目からオールスター級の成績を残しました。
カブスは、ドジャースやマリナーズほど日本人選手のイメージが強い球団ではないかもしれません。しかし歴史を振り返ると、カブスにも多くの日本人選手が在籍し、それぞれの時代で重要な役割を果たしてきたことがわかります。
今後も鈴木誠也選手と今永昇太投手の活躍次第で、シカゴ・カブスと日本人選手の関係はさらに深まっていくでしょう。