マイアミ・マーリンズに所属した日本人選手には、イチローと田澤純一がいます。
さらに2026年のMLBドラフトでは、スタンフォード大学でプレーする佐々木麟太郎がマーリンズから8巡目、全体235位で指名されました。佐々木はマーリンズへの入団を決断したと報じられており、正式に契約が成立すれば、将来のメジャー昇格を目指してマイナーリーグからプロ生活を始めることになります。
マーリンズは、日本人選手が多い球団ではありません。しかし、イチローがMLB通算3000安打を達成したチームとして、日本の野球ファンにとって特別な存在です。
この記事では、マーリンズでプレーした歴代日本人選手の成績や役割、佐々木麟太郎のドラフト指名と今後の見通し、球団の歴史について紹介します。
これまでにマーリンズのメジャー公式戦に出場した日本人選手は、イチローと田澤純一の2人です。
佐々木麟太郎は2026年のMLBドラフトで指名され、マーリンズ入りを決断したと報じられていますが、まだメジャー公式戦に出場した選手ではありません。
| 選手名 | 在籍・指名年 | ポジション | 主な出来事 |
|---|---|---|---|
| イチロー | 2015~2017年 | 外野手 | マーリンズ在籍中にMLB通算3000安打を達成 |
| 田澤純一 | 2017~2018年 | 投手 | 救援投手として2年契約で加入 |
| 佐々木麟太郎 | 2026年ドラフト指名 | 一塁手 | 8巡目・全体235位で指名され、入団を決断したと報道 |

イチローは、シアトル・マリナーズとニューヨーク・ヤンキースでプレーした後、2015年にマイアミ・マーリンズへ加入しました。
当時のマーリンズには、ジャンカルロ・スタントン、クリスチャン・イエリッチ、マーセル・オズナなどの外野手が在籍していました。そのため、イチローはレギュラーではなく、主に第4の外野手として起用される予定でした。
しかし、主力選手の故障などもあり、イチローは先発外野手、代打、代走、守備固めなど、さまざまな役割を担当しました。
全盛期のように毎年200安打を記録する立場ではありませんでしたが、状況に応じて与えられた役割を果たす姿勢は、チーム内でも高く評価されていました。
マーリンズ時代の最大の出来事は、2016年8月7日に達成したMLB通算3000安打です。
敵地クアーズ・フィールドで行われたコロラド・ロッキーズ戦の7回、イチローは右中間フェンスを直撃する三塁打を放ちました。この一打によって、MLB史上30人目となる通算3000安打を達成しました。
3000本目を三塁打で記録した選手は、MLBの長い歴史の中でも非常に珍しい存在です。
イチローが三塁ベースに到達すると、マーリンズの選手たちはベンチからグラウンドへ飛び出し、歴史的な記録を祝福しました。日本人選手の記録であると同時に、マーリンズの球団史に残る場面となりました。
イチローは2015年10月4日のフィラデルフィア・フィリーズ戦で、メジャーリーグでは初めて投手として公式戦に登板しました。
マーリンズが大差でリードされていた試合の8回に登板し、1イニングを投げました。速球だけでなく変化球も投げ、打者と真剣に勝負する姿が注目されました。
本職は外野手ですが、イチローの高い身体能力と野球に対する強い好奇心を示す珍しい出来事でした。
2017年のイチローは、主に代打として起用されました。
この年はシーズン27本の代打安打を記録し、当時のマーリンズ球団記録を更新しました。MLBのシーズン最多代打安打記録にも、あと1本に迫っています。
先発出場が減っても集中力を維持し、一度の打席で結果を求められる難しい役割を果たしました。
マーリンズで過ごした3年間は、イチローのキャリア終盤に当たります。しかし、3000安打、投手登板、代打記録など、多くの印象的な場面が生まれました。
イチローがマーリンズに与えた影響は、試合の成績だけではありません。
試合前の準備、ストレッチ、体調管理、打撃練習に取り組む姿勢は、当時の若い選手たちにも強い印象を与えました。
マーリンズ在籍時には40歳を超えていましたが、毎日の準備を変えず、いつ出場を求められても対応できる状態を保っていました。
イチローは2025年、日本出身選手として初めてアメリカ野球殿堂入りを果たしました。マーリンズで達成した3000安打は、その偉大な経歴を象徴する記録の一つです。
田澤純一は、2009年にボストン・レッドソックスでメジャーデビューした右投げの救援投手です。
社会人野球の新日本石油ENEOSからNPBを経由せずにアメリカへ渡り、メジャーリーグに挑戦したことで注目されました。
レッドソックスでは中継ぎやセットアッパーとして起用され、2013年のワールドシリーズ優勝にも貢献しました。速球と落差のあるフォークボールを武器に、重要な場面を任される救援投手として実績を残しました。
その実績を評価したマーリンズは、2016年12月に田澤と2年総額1200万ドルの契約を結びました。
田澤は2017年にマーリンズの救援投手として55試合に登板しました。
しかし、成績は3勝5敗、防御率5.69で、レッドソックス時代のような安定した投球を続けることができませんでした。
2018年も開幕から救援として登板しましたが、20試合で防御率9.00と苦戦しました。マーリンズは同年5月、田澤をメジャーの40人枠から外す措置を取り、その後自由契約としました。
田澤のマーリンズ時代は、期待どおりの結果を残せた期間とはいえません。それでも、2年契約を結ぶだけの評価を受けて加入したことは、それ以前のメジャーでの実績が高く評価されていたことを示しています。
田澤はレッドソックス時代には安定した救援投手として活躍しましたが、マーリンズでは防御率が悪化し、契約途中で事実上の戦力外となりました。
そのため、マーリンズ時代については「安定したリリーフとしてチームを支えた」というよりも、実績を期待されて加入したものの、本来の力を発揮できなかった時期と説明する方が実際の成績に合っています。
2026年7月12日、マイアミ・マーリンズはMLBドラフトの8巡目、全体235位で、スタンフォード大学の佐々木麟太郎を指名しました。
佐々木は岩手県出身の左打ちの一塁手です。身長約185センチ、体重約122キロという大きな体格を持ち、長打力を最大の武器としています。
マーリンズは、佐々木が持つ本塁打を生み出す力を高く評価しました。球団の育成組織では一塁手の層が薄いことも、指名につながった理由の一つとみられます。
佐々木麟太郎は、菊池雄星や大谷翔平を輩出した花巻東高校でプレーしました。
高校時代には通算140本塁打を記録したとされ、日本の高校野球を代表する長距離打者として注目されました。
父の佐々木洋氏は花巻東高校野球部の監督です。佐々木は幼い頃から野球に親しみ、打撃技術と体づくりに取り組んできました。
高校卒業時にはNPBドラフトの上位候補とみられていましたが、プロ志望届を提出せず、アメリカのスタンフォード大学へ進学する道を選びました。
佐々木はスタンフォード大学で、1年目の2025年から公式戦に出場しました。
1年目は52試合に出場し、打率.269、7本塁打、41打点を記録しました。大きな期待を集めていたことを考えると、本塁打数はやや物足りないものでしたが、アメリカの大学野球や速い投球への適応を進めました。
2年目の2026年には54試合すべてに先発出場し、次の成績を残しています。
本塁打数は1年目の7本から16本へ大きく増加しました。長打力だけでなく、四球を選んで出塁する能力も示しています。
MLBドラフト・コンバインの打撃練習では、飛距離458フィート、約140メートルに相当する本塁打を放ちました。最高打球速度も115.4マイル、約186キロを記録し、参加選手の中でも特に高い長打能力を示しました。
高校通算140本塁打という実績があるため、「なぜ佐々木麟太郎は8巡目まで残ったのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
佐々木の最大の魅力は、左打席から放つ圧倒的な打球速度と本塁打能力です。一方で、MLBのスカウトからは、速い球への対応、空振りの多さ、一塁守備、走力などが課題として指摘されています。
守備位置が一塁にほぼ限定される選手は、打撃で非常に高い成績を残すことが求められます。守備や走塁で貢献しにくい分、打てなければ試合に出場することが難しくなるからです。
また、佐々木にはマーリンズと契約する以外の選択肢が残されていたことも、指名順位に影響した可能性があります。
佐々木は2025年のNPBドラフトで、福岡ソフトバンクホークスから1位指名を受けています。
そのため、MLBドラフト後には、次の3つの進路が考えられていました。
ソフトバンクは充実した練習施設や育成環境を持つ日本有数の球団です。一方、マーリンズと契約すれば、MLB球団の育成組織に入り、アメリカでメジャー昇格を目指すことができます。
2026年7月16日、佐々木がマーリンズへの入団を決断したと報じられました。
佐々木は幼い頃からメジャーリーグでプレーすることを目標としており、契約金や日本での安定した育成環境よりも、アメリカで直接メジャーを目指す道を選んだとみられています。
ただし、入団を決断したという報道と、正式な契約成立は同じではありません。球団と佐々木の双方から正式に契約が発表された段階で、マーリンズの傘下選手となります。
近日中に岩手県内で会見を行う予定とも報じられており、契約の詳細や今後の計画が明らかになるとみられます。
佐々木がマーリンズと契約しても、すぐにメジャーリーグの試合へ出場するわけではありません。
MLBドラフトで指名された選手の多くは、球団傘下のマイナーリーグで経験を積みます。そこで木製バットへの対応、守備、走塁、体調管理などを学び、成績を残しながら上の階級を目指します。
マイナーリーグには複数の階級があり、選手によってはメジャー昇格まで数年かかります。ドラフト上位で指名された選手であっても、メジャーに到達できないことは珍しくありません。
佐々木にとって重要になるのは、長打力を維持しながら三振を減らし、速球への対応力と一塁守備を向上させることです。
マイアミ・マーリンズは、アメリカ・フロリダ州マイアミを本拠地とするMLB球団です。
ナショナル・リーグ東地区に所属し、1993年に「フロリダ・マーリンズ」として活動を開始しました。
2012年に新しい本拠地球場が開場したことに合わせて、球団名を「マイアミ・マーリンズ」に変更しました。ロゴやユニフォームのデザインも変更され、マイアミの明るく多文化的な雰囲気を取り入れた球団となっています。
マーリンズは1997年と2003年の2度、ワールドシリーズで優勝しています。
1997年は球団創設からわずか5年目で世界一となりました。ワイルドカードからワールドシリーズを制したMLB史上初の球団でもあります。
2003年もワイルドカードからポストシーズンへ進出し、ワールドシリーズではニューヨーク・ヤンキースを4勝2敗で破りました。
つまり、マーリンズは2度のワールドシリーズ優勝を、いずれも地区優勝ではなくワイルドカードから達成したことになります。
マーリンズの本拠地は、マイアミのリトルハバナ地区にあるローンデポ・パークです。
2012年に開場した球場で、かつてはマーリンズ・パークと呼ばれていました。開閉式の屋根を備えているため、暑さや雨の影響を受けやすいマイアミでも、比較的安定した環境で試合を開催できます。
球場内にはマイアミらしい明るいデザインや娯楽設備が取り入れられています。
マーリンズでは、球団創設後に複数の投手がノーヒットノーランを達成しています。
主な達成者は次のとおりです。

エドウィン・ジャクソンもMLBでノーヒットノーランを達成した投手ですが、達成時の所属球団はアリゾナ・ダイヤモンドバックスです。マーリンズの選手として記録したものではありません。
マーリンズは1997年と2003年にワールドシリーズを制していますが、どちらの年も地区優勝をしていません。
ワイルドカードでポストシーズンに進出し、短期決戦を勝ち抜いて世界一となりました。
レギュラーシーズンで圧倒的な勝率を残したわけではなくても、ポストシーズンで勢いに乗ると強さを発揮する球団として知られています。
ローンデポ・パークには、かつて外野中央付近に「ホームラン彫刻」と呼ばれる巨大な作品が設置されていました。
マーリンズの選手がホームランを打つと、彫刻の魚やフラミンゴなどが動き、水が噴き出す仕組みでした。マイアミらしいカラフルなデザインでしたが、個性的すぎるとして賛否が分かれました。
球場の改修に伴って2018年に外野席から撤去され、その後は球場外の広場へ移されています。
マーリンズは、若い選手を育成してメジャーで活躍させた後、他球団へトレードすることが多い球団としても知られています。
過去には、ミゲル・カブレラ、ジャンカルロ・スタントン、クリスチャン・イエリッチ、マーセル・オズナ、J・T・リアルミュートなどがマーリンズで頭角を現し、その後ほかの球団へ移籍しました。
資金力の大きい球団とは異なり、ドラフトや若手育成によって戦力を整えることが重要になります。
佐々木麟太郎にとっても、若い選手に出場機会が与えられやすい球団であることは、大きな利点になる可能性があります。
これまでにマーリンズのメジャー公式戦でプレーした日本人選手は、外野手のイチローと投手の田澤純一です。
佐々木麟太郎は2026年のMLBドラフトで指名され、入団を決断したと報じられていますが、まだメジャー公式戦には出場していません。
2026年7月16日現在、マーリンズへの入団を決断したと報じられています。
ただし、球団から正式に契約成立が発表されるまでは、厳密には入団手続きの途中です。正式契約後は、マーリンズ傘下のマイナーリーグでメジャー昇格を目指すと考えられます。
すぐにメジャーの試合へ出場する可能性は高くありません。
イチローは日本のプロ野球ですでに長い実績を残してからMLBへ移籍しました。一方、佐々木は大学からプロ入りする若手選手です。
まずはマイナーリーグで経験を積み、打撃や守備で一定の成績を残したうえでメジャー昇格を目指すことになります。
2016年8月7日のロッキーズ戦で、MLB通算3000安打を達成しました。
3000本目の安打は右中間フェンスを直撃する三塁打でした。イチローはMLB史上30人目の3000安打達成者となりました。
レッドソックス時代の実績を評価され、2年総額1200万ドルで加入しましたが、マーリンズでは成績が低迷しました。
2017年は55試合で防御率5.69、2018年は20試合で防御率9.00を記録し、契約2年目の途中で事実上の戦力外となりました。
マイアミ・マーリンズでメジャー公式戦に出場した日本人選手は、イチローと田澤純一です。
イチローは2015年から2017年まで在籍し、2016年にMLB通算3000安打を達成しました。キャリア終盤でありながら、外野手、代打、代走、守備固めなど幅広い役割を務め、若い選手にも大きな影響を与えました。
田澤純一はレッドソックス時代の実績を評価されて加入しましたが、マーリンズでは本来の投球を発揮できず、在籍期間は約1年半で終わりました。
そして2026年、佐々木麟太郎がMLBドラフトの8巡目、全体235位でマーリンズから指名されました。佐々木はマーリンズ入りを決断したと報じられており、正式契約が成立すれば、マイナーリーグからメジャー昇格を目指すことになります。
イチローが3000安打を達成したマーリンズで、日本高校野球史上屈指の長距離打者である佐々木麟太郎がどのような成長を見せるのか、今後の動向が注目されます。