日本で暮らす外国人や外国人労働者が増えるなか、「外国人に厳しい政党はどこなのか」と関心を持つ人が増えています。
ただし、「外国人に厳しい」といっても、その意味は一つではありません。外国人の受け入れ人数を抑えようとする政党もあれば、不法滞在や社会保険料の未納、外国資本による土地取得など、特定の問題だけを厳しく取り締まろうとする政党もあります。
この記事では、2026年7月時点で各党が公表している政策をもとに、日本の主要政党の外国人政策を比較します。

結論から述べると、外国人の受け入れ抑制や在留制度の厳格化を特に明確に打ち出しているのは、参政党と日本保守党です。
日本維新の会も外国人比率の上限設定を含む「量的マネジメント」を提案しており、外国人の受け入れ人数そのものを管理しようとする姿勢が強くなっています。自民党も2026年の政策で、不法滞在者の削減、在留資格の厳格化、税・社会保険料の未納対策などを前面に出しています。
| 政党 | 外国人政策の主な特徴 | 厳格化の程度 |
|---|---|---|
| 日本保守党 | 移民政策の是正、家族帯同の制限、外国人の社会保険制度の別立てなど | 非常に強い |
| 参政党 | 「日本人ファースト」、外国人問題対策、日本国籍を持つ人への支援優先 | 非常に強い |
| 日本維新の会 | 外国人比率の上限、受け入れ総量の管理、不法滞在対策 | 強い |
| 自民党 | 不法滞在者ゼロ、在留資格・永住・帰化審査の厳格化 | 強い |
| 国民民主党 | 外国人の土地取得規制、訪日外国人への課税強化 | 分野によって厳しい |
| 公明党 | 違反者には厳正に対応しつつ、多文化共生を推進 | 中間的 |
| 立憲民主党 | 外国人の人権、難民保護、多文化共生を重視 | 比較的穏健 |
| 日本共産党・れいわ新選組 | 入管行政の見直し、在留外国人や難民の権利保護を重視 | 比較的穏健 |
この分類は、政党の優劣を示すものではありません。受け入れ人数、在留管理、社会保障、土地取得、難民認定など、どの分野を重視するかによって評価は変わります。
日本保守党は、外国人政策に最も厳しい姿勢を示している政党の一つです。重点政策のなかに「移民政策の是正―国益を念頭に置いた政策へ」という独立した項目を設けています。
具体的には、次のような政策を掲げています。
外国人の在留資格だけでなく、社会保険、留学生、土地取得、家族帯同まで幅広い分野で規制強化を求めている点が、日本保守党の特徴です。
単に不法滞在者を取り締まるだけではなく、合法的な在留資格で来日する外国人についても、対象国や家族帯同、社会保障制度を見直そうとしているため、主要政党のなかでも厳格な外国人政策を掲げていると評価できます。
参政党も、外国人に厳しい政党として名前が挙がることの多い政党です。
同党は「日本人ファースト」を掲げ、国の主権と日本国民の暮らしを優先する政治を主張しています。党のプロジェクトでは、「外国人問題対策」を主要テーマの一つに位置付けています。
参政党の2026年政策では、子育てや教育に関する給付について、経済的に困難な状況にある日本国籍保有者を優先するとしています。外国人を含めて一律に給付するのではなく、日本国民を優先する考え方が明確に示されています。
参政党は、外国人の存在そのものを否定するというより、外国人の受け入れ拡大によって日本人の雇用、賃金、社会保障、治安、地域社会に負担が生じることを警戒しています。
そのため、外国人の受け入れ人数や在留資格の管理、日本人と外国人の給付制度の違いを重視する人にとっては、考え方が分かりやすい政党といえます。一方で、「日本人ファースト」という表現が外国人に対する偏見や排除につながるのではないかという批判もあります。
日本維新の会は、かつては規制改革や外国人材の活用を重視する印象の強い政党でしたが、近年は外国人の受け入れ総量を管理する政策を強めています。
2026年6月に発表した提言では、外国人政策を「入口の管理」「滞在の管理」「出口の管理」の三つに分け、次のような対策を求めています。
維新は、外国人を一律に排除するのではなく、人口減少への対応や経済成長との両立を掲げています。しかし、外国人比率の上限を具体的に検討している点では、受け入れ人数に比較的厳しい政党といえます。

自民党は、外国人労働者を一定程度受け入れながら、不法滞在や制度の悪用には厳しく対応する立場です。
2026年の重点政策では、「不法滞在者ゼロ」を掲げ、電子渡航認証制度の導入、送還体制の強化、不法就労対策などを盛り込んでいます。
さらに、在留資格「経営・管理」や「技術・人文知識・国際業務」「留学」の悪用を防ぐため、審査を厳格化するとしています。永住許可や帰化についても、審査を適正化する方針です。
税金、国民健康保険料、医療費などの未納情報を在留審査に反映させる仕組みも検討されています。自民党の外国人政策は、外国人の全面的な受け入れ停止ではなく、「必要な人材は受け入れるが、ルールを守らない人や制度を悪用する人には厳しく対応する」という考え方です。
2026年6月には、党の外国人政策本部が、不法滞在者対策、土地取得・利用ルール、在留管理などを盛り込んだ第2次提言を政府に提出しています。
国民民主党は、外国人の受け入れ全体を大幅に制限する政策よりも、安全保障や経済面で問題がある分野を個別に規制する姿勢が目立ちます。
2026年の政策では、防衛施設周辺に限らず、外国人による土地取得を規制する「外国人土地取得規制法」の制定を掲げています。外国人旅行者への消費税免税制度の凍結や、出国税を入国税へ切り替える政策も示しています。
一方、外国人労働者については、日本語教育や生活支援を国が行い、地域社会の安全を確保しながら共生する方針です。
このため、国民民主党は外国人全般に厳しいというより、土地、安全保障、観光客への課税など、特定分野で厳しい政策を打ち出している政党といえます。
公明党は、外国人との共生や人権保護を重視する政党ですが、違法行為や制度の悪用に対して寛容というわけではありません。
同党は、社会保険料の未納防止、在留管理の高度化、日本版ESTAの導入、在留カードとマイナンバーカードの一体化、不法滞在者ゼロ、外国免許切替の厳格化、違法な白タクへの規制などを掲げています。
その一方で、日本語教育、就労支援、外国人労働者の人権保護を進め、「安全・安心な多文化共生社会」をつくることを基本姿勢としています。
公明党は、外国人の受け入れ人数そのものを大幅に減らすより、ルールを守る外国人が日本社会で生活できる環境を整え、違反者には厳正に対応する立場です。
立憲民主党は、外国人政策について比較的穏健な立場です。
外国人住民を地域社会の一員として位置付け、差別の禁止、日本語教育、子どもの教育機会などを保障する「多文化共生社会基本法案」を提出してきました。
また、税金の未納などを理由に永住資格を取り消せる制度については、外国人への不当な差別や人権侵害につながる可能性があるとして見直しを求めています。難民認定や在留特別許可制度についても、外国人の権利保護を強化する方向です。
不法行為を認める立場ではありませんが、入管による収容や送還を厳しくするよりも、審査の透明性や外国人の人権を重視しています。
日本共産党は、難民認定を出入国在留管理庁から切り離し、独立した難民保護機関を設置することを提案しています。収容期間への上限設定や、在留特別許可の柔軟な運用なども求めています。
れいわ新選組も、永住資格を取り消しやすくする入管法改正に反対しており、外国人や難民の人権を重視する立場です。
両党とも、外国人の在留管理を厳しくすることより、外国人労働者の労働条件、入管施設での処遇、難民認定制度の改善などを優先しています。

外国人政策が注目される背景には、日本で暮らす外国人が急速に増えていることがあります。
2025年末の在留外国人数は412万5,395人となり、初めて400万人を超えました。前年末から35万人以上増え、過去最高を更新しています。
外国人労働者も2025年10月末時点で257万1,037人に達し、過去最多となりました。製造業、建設業、介護、宿泊、飲食、農業など、外国人労働者なしでは人手を確保しにくい産業も増えています。
一方で、外国人が集中する地域では、ごみ出し、騒音、交通ルール、日本語教育、学校、住宅、医療などをめぐる課題が表面化しています。観光地では、混雑や私有地への立ち入りなどのオーバーツーリズムも問題になっています。
外国人の受け入れによって人手不足を補えるという利点がある一方、受け入れ人数に見合った行政サービスや在留管理が整っていないという不満が、外国人政策を重要な政治課題にしています。

政党を比較するときは、単純に「外国人に厳しいか、優しいか」だけで判断しないことが重要です。
不法滞在、偽造在留カード、不法就労、犯罪などへの取り締まり強化は、多くの政党が賛成しています。この分野だけを見れば、自民党、公明党、維新などの違いは必ずしも大きくありません。
家族帯同、永住許可、社会保険、給付金、留学生など、合法的に日本で暮らす外国人に対しても制度上の制限を設けるかどうかでは、政党間の違いが大きくなります。
日本保守党や参政党は日本国民を優先する考え方が強く、立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組は国籍にかかわらない人権保障を重視しています。
外国人労働者の受け入れを完全に停止すると、人手不足が一段と深刻になる可能性があります。一方、低賃金の外国人労働者を増やすことで、日本人の賃金上昇が妨げられるのではないかという意見もあります。
この問題では、受け入れるかどうかだけでなく、賃金、労働条件、日本語教育、家族帯同、地域住民への支援まで含めて比較する必要があります。
2026年7月時点の公式政策を比較すると、外国人に対して最も広い範囲で厳しい政策を掲げているのは、日本保守党と参政党です。
日本保守党は、ビザ、家族帯同、社会保険、留学生、土地取得などについて具体的な規制策を掲げています。参政党は「日本人ファースト」を掲げ、日本国籍を持つ人への支援を優先する姿勢を明確にしています。
日本維新の会は外国人比率の上限を含む受け入れ総量の管理を提案しており、自民党は不法滞在、在留資格、永住、帰化、社会保険料未納への取り締まりを強化しています。
国民民主党は土地取得や観光客への課税で厳しい政策を掲げる一方、外国人労働者との共生も重視しています。公明党、立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組は、違反者への対応を認めながらも、多文化共生や外国人の人権保護をより重視する立場です。
外国人政策を判断するときは、「外国人」という大きなくくりだけで考えるのではなく、不法滞在者、外国人労働者、留学生、永住者、難民、観光客、外国資本などを分けて考えることが大切です。