SNSで「SDGs0(ゼロ)」という言葉を見かけて、
と不安になった方もいるかもしれません。
先に結論を書くと、国連が定めたSDGsは“17の目標(ゴール)”で、公式に「0番目標」は存在しません。 ただしネット上では、**皮肉・風刺・ジョーク(ネットミーム)**として「SDGs0」という言い回しが広まり、そこから誤解や都市伝説のような形で拡散しているケースがあります。
この記事では、学生にも読みやすいように、SDGs0が何を指す言葉なのか、なぜ広まったのか、誤解しないための見分け方まで整理します。
SDGsは、国連が2015年に採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に含まれる国際目標です。 ポイントは次の通りです。
ここで大事なのは、公式の一覧は“1〜17”で完結しているという点です。
「SDGs0」は公式用語ではないため、人によって意味がブレます。ネット上で見かける用法は、だいたい次の3タイプです。
一番拡散力が強いのがこのタイプです。
という、ブラックユーモア/風刺として語られます。
ただし、ミームとしては成立しても、文脈を切り取られると
のような陰謀論の燃料になりやすいのが問題点です。
もう一つは、“SDGs疲れ”や“SDGsウォッシュ(見せかけのSDGs)”への反発として、
といった不満がたまった結果、**「SDGsなんてゼロに戻せ」**というニュアンスで使われるケースです。
この使い方は、ミームというより**社会的な反動(バックラッシュ)**に近い面があります。
教育現場やイベント、学生プロジェクトなどで、
のように、17目標の前提となる態度や考え方を“0”として提案する場合があります。
これは陰謀論とは真逆で、むしろ前向きな企画ですが、ここでも注意点があります。
「SDGs0」が拡散する背景には、情報環境の特徴があります。
SDGsは便利な言葉ですが、
のように“見た目”が先行すると、中身が分からないまま流行語化しがちです。
分からないものほど、人は「裏の意味があるのでは?」と想像してしまいます。
SNSは、
を刺激する投稿ほど広まりやすい傾向があります。
「0番=人類をなくそう」という言葉は、ショッキングなので拡散しやすく、誤解も生みやすい構造になっています。
「SDGsを掲げているのに、実態は違う」という例が報道されると、
のような不信感が広がります。
この不信感があると、極端な話(SDGs0のような話)でも「ありそう」と思えてしまい、拡散の下地になります。
ここは短く、でも重要です。
つまり、
「SDGs0が国連の正式目標である」
という主張は誤りです。
誤情報に巻き込まれないために、次のチェックが有効です。
のような一次情報にリンクしているかを見ると、かなり整理できます。
SDGsのアイコン一覧は、公式では1〜17です。 「0」「18」が混ざっている画像は、
の可能性が高いです。
誤情報は、次のような言い方を好みます。
こうした文体は、まず疑ってかかるのが安全です。
SDGsの本質は、派手なバッジではなく、
のような、現実の課題に向き合う枠組みです。
一方で、現場の反発(SDGs疲れ)が出るのも理解できます。 だからこそ大事なのは、
という、**“中身のSDGs”**に戻すことです。
最後に要点を整理します。
SDGs0という言葉は刺激が強く、目を引きます。 しかし、言葉の“面白さ”と“事実”は別です。 ネットで見かけたら、まずは落ち着いて、公式情報と照らし合わせる習慣がいちばんの対策になります。