横浜市の幹部職員として注目されている久保田淳(くぼた・じゅん)氏。
2025年に横浜市総務局人事部長に就任し、2026年1月には山中竹春・横浜市長の言動について実名で問題提起したことで、一気に名前が知られるようになりました。
しかし、久保田氏の経歴を詳しく見ると、単に人事畑を歩いてきた職員ではありません。
こども・福祉行政、国際行政、人事行政など幅広い部署を経験しているほか、慶應義塾大学卒業後、政策研究大学院大学、オーストラリアのモナシュ大学でも学んだ経歴を持っています。
この記事では、横浜市の久保田淳氏について、出身、学歴、横浜市役所での経歴、現在の役職などを詳しく見ていきます。
| 氏名 | 久保田 淳(くぼた じゅん) |
|---|---|
| 生年月 | 1976年8月 |
| 出身 | 東京都目黒区 |
| 大学 | 慶應義塾大学 総合政策学部 |
| 大学院 | 政策研究大学院大学 修士課程修了 |
| 海外留学 | Monash University(オーストラリア)修士課程修了 |
| 横浜市入庁 | 1999年4月 |
| 主な役職 | 横浜市総務局人事部長、国際局担当部長、こども青少年局総務課長など |
| 現在 | 横浜市こども青少年局企画部長 |
久保田淳氏は東京都目黒区で生まれ、慶應義塾大学総合政策学部に進学しています。
総合政策学部は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)を代表する学部の一つです。
政治、行政、経済、国際関係、社会問題などを従来の学問領域にとらわれず研究することを特徴としており、その後、地方自治体の行政職を選んだ久保田氏のキャリアともつながる学歴といえそうです。
1999年3月に慶應義塾大学総合政策学部を卒業しました。
横浜市職員となった後も、久保田氏は大学院で学んでいます。
2007年3月には政策研究大学院大学(GRIPS)の修士課程を修了しました。
政策研究大学院大学は、公共政策や行政政策などを専門的に研究する国立の大学院大学です。
国や自治体などで公共政策に携わる人材の教育・研究に力を入れており、自治体職員である久保田氏にとって、実務と政策研究を結び付ける機会になったと考えられます。
さらに久保田氏は海外での大学院教育も受けています。
2008年12月には、オーストラリアのMonash University(モナシュ大学)の修士課程を修了しています。
国内の政策系大学院だけでなく、海外の大学院でも学んでいる点は、横浜市職員としては非常に国際色のある経歴です。
後に横浜市国際局でアフリカ開発会議(TICAD)に関係する業務を担当していることを考えると、こうした海外経験もその後のキャリアに生かされた可能性があります。
久保田氏は大学卒業直後の1999年4月、横浜市役所に入庁しました。
初期には、福祉局保険年金課や総務局人事課などで勤務しています。
保険・年金という市民生活に直結する業務と、市役所内部の人事業務の双方を若手時代に経験したことになります。
| 年月 | 経歴 |
|---|---|
| 1976年8月 | 東京都目黒区に生まれる |
| 1999年3月 | 慶應義塾大学総合政策学部卒業 |
| 1999年4月 | 横浜市役所入庁。福祉局保険年金課、総務局人事課などで勤務 |
| 2006年4月 | 係長昇任。総務局人材開発課、共創推進事業本部などで勤務 |
| 2007年3月 | 政策研究大学院大学修士課程修了 |
| 2008年12月 | Monash University(オーストラリア)修士課程修了 |
| 2014年4月 | 課長補佐昇任。総務局外郭団体指導・調整課、人事課などで勤務 |
| 2017年4月 | 課長昇任。緑区こども家庭支援課長 |
| 2020年4月 | こども青少年局こども家庭課 こども家庭総合支援拠点準備担当課長 |
| 2022年4月 | こども青少年局総務課長 |
| 2023年4月 | 部長昇任。国際局アフリカ開発会議誘致担当部長 |
| 2024年4月 | 国際局グローバルネットワーク推進部担当部長 |
| 2025年4月 | 総務局人事部長 |
| 2026年4月 | こども青少年局企画部長 |
久保田氏の経歴で注目したいのが、こども・子育て・福祉行政との関わりが長いことです。
2017年には緑区こども家庭支援課長に就任。
2020年には、こども青少年局で「こども家庭総合支援拠点」の準備を担当する課長となりました。
2022年には、こども青少年局総務課長を務めています。
その後いったん国際局や総務局人事部に移りますが、2026年4月からは再びこども青少年局に戻り、企画部長を務めています。
本人も2026年1月の文書の中で、今後も横浜市役所において福祉分野やこども分野などで横浜市民に貢献していきたいという趣旨を述べていました。
久保田氏は福祉・こども分野だけでなく、横浜市の国際行政にも携わっています。
2023年4月に部長級へ昇任し、国際局アフリカ開発会議誘致担当部長となりました。
アフリカ開発会議は「TICAD」と呼ばれる、日本政府が国連、世界銀行、アフリカ連合委員会などと協力して開催する国際会議です。
横浜市は過去にもTICADの開催都市となっており、国際会議の誘致や開催に向けた取り組みは市の国際政策の重要な仕事の一つです。
2024年には国際局グローバルネットワーク推進部担当部長となり、国際分野でさらに幅広い役割を担いました。
2025年4月、久保田氏は横浜市総務局人事部長に就任しました。
人事部長は、市役所職員の人事、人材育成、労務管理などに関係する重要なポストです。
久保田氏自身、入庁後の若手時代に総務局人事課で勤務し、2014年の課長補佐昇任後にも人事課で勤務しているため、人事行政についても長い経験を持っていたことが分かります。
久保田淳氏の名前が全国的に知られる大きなきっかけとなったのが、2026年1月に表面化した山中竹春・横浜市長の言動をめぐる問題です。
当時、総務局人事部長だった久保田氏は、山中市長による職員などへの言動について、パワーハラスメントなどが疑われるとして実名で問題提起しました。
現職の人事部長という、市役所の人事やハラスメント対策にも深く関わる立場の幹部職員が、現職市長について公に問題を訴えるのは異例のことでした。
久保田氏は当時、市長の退陣や交代を求めることが目的ではなく、市長としてふさわしい人権感覚を持ち、法令を守った言動へ改めてもらうことを目的としているとの考えも示していました。
久保田氏の問題提起を受け、横浜市では第三者による調査が行われました。
そして2026年7月に公表された調査結果では、山中市長による複数の言動についてパワーハラスメントに該当すると認定されました。
久保田氏は調査結果について、第三者による調査として適正な結果だったとの認識を示しています。
また、山中市長はその後、久保田氏と面会し謝罪しています。
2026年8月に入っても横浜市議会でこの問題をめぐる議論が続いており、久保田氏による問題提起は横浜市政を大きく揺るがす出来事となっています。
久保田氏は2026年4月の人事異動で、総務局人事部長からこども青少年局企画部長へ異動しました。
つまり、現在は人事部長ではありません。
一部の報道では現在も「久保田人事部長」と紹介される場合がありますが、これは問題を告発した当時の肩書を指していると考えた方が分かりやすいでしょう。
こども青少年局は、子育て支援、児童福祉、青少年施策など、横浜市のこども政策を幅広く担当しています。
久保田氏にとっては、緑区こども家庭支援課長、こども家庭総合支援拠点準備担当課長、こども青少年局総務課長などを経験してきた、いわば自身のキャリアの主要分野への復帰ともいえます。
久保田氏の約27年にわたる横浜市職員としての経歴を見ると、大きく「人事」「こども・福祉」「国際」という3つの分野を経験していることが分かります。
さらに、慶應義塾大学総合政策学部卒業後、政策研究大学院大学とオーストラリアのモナシュ大学という2つの大学院で修士課程を修了している点も特徴的です。
行政実務だけでなく、政策研究や国際的な経験を積みながらキャリアを重ねてきた横浜市の幹部職員といえるでしょう。
横浜市の久保田淳氏は、1976年8月に東京都目黒区で生まれ、慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、1999年に横浜市役所へ入庁しました。
その後、政策研究大学院大学とオーストラリアのモナシュ大学で修士課程を修了。市役所では人事、こども・福祉、国際行政など幅広い分野を経験しています。
2023年には部長級に昇任して国際局アフリカ開発会議誘致担当部長、2025年には総務局人事部長を歴任しました。
2026年1月には、人事部長という現職幹部の立場から山中竹春市長の言動について実名で問題提起。その後の第三者調査で市長による複数の言動がパワーハラスメントと認定されたことから、大きな注目を集めることになりました。
現在は横浜市こども青少年局企画部長として、再び自身が長く携わってきたこども・福祉分野の行政を担当しています。
久保田氏は、1999年の入庁以来、横浜市役所で長いキャリアを積んできた生え抜きの幹部職員です。今後、横浜市政の中でどのような役割を果たしていくのかについても注目されそうです。