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古賀大貴氏の経歴

古賀大貴氏の経歴

Oishii Farm創業者が植物工場で描く「日本のイチゴ」の未来

アメリカの植物工場で日本品質のイチゴを生産する「Oishii Farm(オイシイファーム)」の共同創業者兼CEO、古賀大貴氏が注目されています。

古賀氏は、日本の農業技術と工業技術を組み合わせ、季節や天候に左右されずに高品質なイチゴを生産する仕組みをアメリカで事業化した起業家です。

2026年3月26日には、朝日新聞GLOBE+の「Breakthrough 突破する力」で、植物工場によるイチゴ生産や世界展開の構想が紹介されました。

この記事では、古賀大貴氏の出身、学歴、コンサルティング会社勤務時代、Oishii Farmの創業経緯、現在の事業、今後の展望について整理します。

古賀大貴氏のプロフィール

名前 古賀大貴
読み方 こが・ひろき
英語表記 Hiroki Koga
生年 1986年
出身地 東京都
学歴 慶應義塾大学卒業、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスでMBA取得
前職 コンサルティング会社勤務
現在の肩書 Oishii Farm共同創業者兼CEO
主な事業 植物工場によるイチゴ、トマトなどの生産・販売
活動拠点 アメリカ・ニュージャージー州など

 

古賀氏は1986年に東京都で生まれました。2026年時点では、誕生日を迎えていれば40歳、迎える前であれば39歳です。

少年時代の一部を欧米で過ごした経験があり、日本と海外の文化や価値観に触れながら育ちました。現在はアメリカを中心に活動していますが、日本で培われてきた農業技術を世界へ広げることを事業の中心に据えています。

なお、卒業した高校や慶應義塾大学で所属していた学部については、公式プロフィールなどでは明らかにされていません。

少年時代を欧米で過ごす

古賀大貴氏は東京都に生まれ、少年時代を欧米で過ごした後、日本へ帰国しています。

海外で生活した経験は、後に古賀氏がアメリカで起業し、日本の農産物の魅力を世界へ伝えようと考えるうえで、大きな土台になったと考えられます。

日本で高く評価されている商品や技術であっても、海外で同じように知られているとは限りません。古賀氏は、日本の農産物が持つ味、品質、丁寧な生産技術に、世界で通用する可能性を見いだしました。

2009年に慶應義塾大学を卒業

古賀氏は2009年に慶應義塾大学を卒業しました。

大学卒業後はコンサルティング会社に入社し、企業の経営戦略や新規事業に関する仕事に携わりました。

複数の講演者プロフィールなどによると、古賀氏が勤務していたのはデロイトトーマツコンサルティングです。医薬品やバイオテクノロジー分野を担当した後、農業テクノロジーに関するコンサルティング事業にも関わったとされています。

日本国内の植物工場運営会社に対し、事業戦略や海外進出に関する支援を行った経験もありました。この仕事を通じて、古賀氏は日本の植物工場が持つ技術力と、農業が抱える世界的な課題の両方を知ることになります。

コンサルタント時代に植物工場の可能性を知る

植物工場とは、光、温度、湿度、水、二酸化炭素などを人工的に管理し、閉鎖された施設内で農作物を栽培する仕組みです。

天候や季節の影響を受けにくいため、年間を通じた安定生産が可能になります。農薬の使用を抑えやすく、水の使用量や輸送距離を減らせる可能性があることも特徴です。

一方で、施設の建設費や電力費が大きく、採算を取ることが難しいという課題もあります。特にイチゴは栽培期間が長いうえ、果実を実らせるために受粉が必要となるため、レタスなどの葉物野菜よりも植物工場での量産が難しい作物です。

古賀氏は、コンサルタントとして植物工場に関わるなかで、日本の農業技術と工業技術を組み合わせれば、世界規模の産業をつくれるのではないかと考えるようになりました。

UCバークレーでMBAを取得

UCバークレー

古賀氏は2015年、MBAを取得するため、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校へ留学しました。

在籍したのは、同大学の経営大学院であるハース・スクール・オブ・ビジネスです。古賀氏はここで経営や起業について学びながら、植物工場を事業化する計画を具体化していきました。

アメリカのスーパーマーケットを訪れた古賀氏は、現地で販売されているイチゴの大きさや流通量には驚いたものの、日本のイチゴとは味や食感が大きく異なることに気づいたといいます。

そこで、「日本で食べられているようなおいしいイチゴを、アメリカでも年間を通じて生産できないか」と考えたことが、Oishii Farmの事業構想につながりました。

共同創業者との出会い

古賀氏はMBA留学中、後にOishii Farmの共同創業者兼COOとなるブレンダン・サマービル氏と出会いました。

当時、農業テクノロジーに本格的な関心を持つMBA学生は多くありませんでした。古賀氏は知人から、農業に関心を持つ人物としてブレンダン氏を紹介されたといいます。

ブレンダン氏は日本で生活した経験を持ち、日本への理解もありました。アメリカで事業を立ち上げるために現地の共同経営者を探していた古賀氏と意気投合し、2人で植物工場事業を始めることになりました。

2016年にOishii Farmを設立

Oishii Farmは、古賀氏がUCバークレーのMBA課程に在籍していた2016年12月に設立されました。

公式プロフィールによっては2017年創業と紹介される場合もありますが、会社概要では設立時期を2016年12月としています。2017年に植物工場の建設や事業展開が本格的に始まったため、表記に違いが生じているとみられます。

会社名の「Oishii」は、日本語の「おいしい」に由来します。日本人には日常的な言葉ですが、海外でも発音しやすく、商品の特徴を直接表現できる名称です。

UCバークレーの起業家コンテストで優勝

2017年、Oishii FarmはUCバークレー最大級のスタートアップ・アクセラレーター「LAUNCH」で優勝しました。

大学のアクセラレーターは、専門家や投資家の助言を受けながら、事業計画や製品を磨くための起業支援制度です。

日本人が率いるチームとして初めてLAUNCHで優勝したことにより、Oishii Farmは投資家や事業関係者から注目を集めるようになりました。資金調達や人材採用を進めるうえでも、重要な実績になったと考えられます。

最初の植物工場はコンテナだった

MBA課程を修了した古賀氏は、卒業式の翌日にニュージャージー州へ移動し、植物工場の建設を始めました。

最初の工場は、長さ約12メートルの40フィートコンテナを改造した小規模な施設でした。

十分な資金や設備がそろっていたわけではなく、ホームセンターで必要な部品を購入し、栽培設備を自分たちで組み立てていったといいます。

当時、植物工場でイチゴを安定的に量産することは難しいと考えられていました。人工的に管理された環境では、イチゴの受粉に必要なハチが思うように活動しないことも、大きな問題でした。

大学教授などから事業化を反対されたものの、古賀氏らは栽培環境やハチの行動を研究し、植物工場内で自然受粉を行う仕組みを構築しました。

植物工場でイチゴの安定量産に成功

Oishii Farmは、光、温度、湿度、風、水分などを細かく調整し、イチゴにとって理想的な環境を施設内に再現しました。

同社によると、植物工場内でハチによる自然受粉を行い、イチゴを安定的に量産することに世界で初めて成功したとしています。

施設内では、雨や強風、猛暑、寒波などの影響を受けません。季節に関係なく生産できるため、品質を保ちながら年間を通じて商品を供給できることが強みです。

生産地を大都市の近くに置けば、長距離輸送による傷みや廃棄を減らすこともできます。海外の農産物を遠方から運ぶ従来型の流通とは異なる、新しい食料生産モデルといえるでしょう。

高級イチゴ「Omakase Berry」で注目される

Oishii Farmが最初に本格展開した商品が、日本のイチゴをモデルにした「Omakase Berry」です。

事業の初期段階では生産量が限られていたため、ニューヨークの高級レストランや有名シェフなどを中心に販売しました。

高級市場に絞ってブランドを確立したことで、Omakase Berryは味にこだわる消費者や料理関係者から注目され、アメリカのメディアでも取り上げられるようになりました。

Oishii Farmは当初から安売りを目指すのではなく、まず味と品質を評価してもらい、その後、生産規模を拡大して価格を引き下げる戦略を採りました。

ホールフーズでの販売を開始

2022年には、アメリカの高級スーパーマーケット「Whole Foods Market」でOmakase Berryの販売を開始しました。

量産工場の稼働によって、Omakase Berryの価格は当初の1パック50ドルから20ドルへ引き下げられました。

その後もOishii Farmは、生産設備の大型化、自動化、栽培技術の改良を進め、より多くの消費者が購入できる価格帯の商品を増やしています。

現在はOmakase Berryだけでなく、「Koyo Berry」や「Nikko Berry」などのイチゴ、甘みを特徴とする「Rubī Tomato」なども展開しています。

2024年に世界最大級のメガファームを稼働

2024年、Oishii Farmはニュージャージー州で、世界最大級とされるイチゴ植物工場「メガファーム」を本格稼働させました。

メガファームでは、ロボットやセンサー、AIなどを活用し、栽培作業の自動化と生産効率の向上を進めています。

太陽光などの再生可能エネルギーも取り入れ、従来の農業よりも少ない水や土地で安定した生産を行うことを目指しています。

設備の大型化によって生産コストを下げ、7.99ドル程度の価格帯の商品も展開できるようになりました。高級レストラン向けの特別なイチゴから、一般のスーパーで購入できる商品へと事業を広げています。

大規模な資金調達にも成功

Oishii Farmは、日本企業や海外の投資ファンドなどから大規模な資金調達を行っています。

2024年にはシリーズBで約230億円を調達し、累計調達額は約285億円となりました。

さらに2026年5月13日、シリーズCのファーストクローズで総額約240億円を調達したと発表しました。これにより、累計調達額は約525億円に達しています。

出資・協業企業には、NTT、荏原製作所、大和ハウスベンチャーズ、みずほ銀行、三菱食品、安川電機、朝日工業社、野村不動産、ミスミグループ本社など、日本を代表する企業が含まれています。

植物工場は建設や研究開発に多額の資金を必要とします。これだけの資金を集めていることからも、古賀氏の構想が単なる高級イチゴ事業ではなく、新しい農業インフラをつくる事業として評価されていることが分かります。

日本・東京都羽村市にも研究開発拠点

Oishii Farmはアメリカだけでなく、日本での研究開発体制も強化しています。

2025年には、東京都羽村市に植物工場の研究施設「オープンイノベーションセンター」を設ける計画を発表しました。

施設の延床面積は1万5000平方メートルを超え、サッカーコート2面分以上の広さがあります。投資額は50億円以上とされ、2026年夏の正式開所が予定されています。

日本企業が持つ照明、空調、水処理、ロボット、種苗、施設園芸などの技術を集め、植物工場の設備や運営方法を標準化することが目的です。

将来的には、必要な設備や技術を一つのパッケージにし、世界のさまざまな地域へ植物工場を展開できる仕組みの構築を目指しています。

古賀大貴氏が評価されている理由

古賀氏が評価されている理由は、単に珍しいイチゴを生産したからではありません。

日本の強みを海外で事業化した

古賀氏は、日本の農業が持つ品質へのこだわりと、日本企業が持つ工業技術を組み合わせ、アメリカで事業として成立させました。

日本の商品を海外へ輸出するだけでなく、現地に生産設備をつくり、現地の消費者に合った形で販売している点が特徴です。

難しいイチゴの量産に挑戦した

多くの植物工場がレタスなどの葉物野菜を中心とするなか、古賀氏は栽培が難しいイチゴを最初の商品に選びました。

成功すれば高い技術力を示せる一方で、失敗する可能性も高い挑戦でした。植物工場内でのハチによる受粉や品質管理を実現したことが、Oishii Farmの競争力につながっています。

最初にブランドをつくった

古賀氏は、いきなり大量生産や低価格販売を目指すのではなく、高級レストランや料理人に商品を届けることから始めました。

味とブランドの評価を確立してから量産化を進める戦略により、価格競争に巻き込まれにくい事業を築きました。

農業を産業として捉えている

古賀氏が目指しているのは、イチゴ会社を大きくすることだけではありません。

天候や地域に左右されない食料生産の仕組みを世界へ広げ、植物工場を自動車産業などに並ぶ日本発の産業にすることを構想しています。

古賀大貴氏の主な経歴

  • 1986年 東京都に生まれる
  • 少年時代 欧米で生活した後、日本へ帰国
  • 2009年 慶應義塾大学を卒業
  • 2009年以降 コンサルティング会社に勤務
  • 2015年 MBA取得のためカリフォルニア大学バークレー校へ留学
  • 2016年12月 Oishii Farmを設立
  • 2017年 UCバークレーのアクセラレーター「LAUNCH」で優勝
  • 2017年 ニューヨーク近郊で植物工場事業を本格化
  • 2022年 Whole Foods MarketでOmakase Berryの販売を開始
  • 2024年 ニュージャージー州で世界最大級のイチゴ植物工場を本格稼働
  • 2024年 シリーズBで約230億円を調達
  • 2024年 カナダ・バンクーバーで開催されたTEDに登壇
  • 2025年 東京都羽村市に日本オフィスと研究開発拠点を設置
  • 2026年 シリーズCファーストクローズで約240億円を調達

古賀大貴氏が描く今後の未来

古賀氏は、今後イチゴだけでなく、さまざまな野菜や果物を植物工場で生産する構想を持っています。

まずは複数の品目を展開し、スーパーマーケットにOishii Farmの商品だけを集めた売り場をつくることが一つの目標です。

さらに、10年後には世界の主要都市でOishii Farmの農産物が販売され、30年から40年後には、世界中のスーパーマーケットで一年を通じて商品を購入できる状態を思い描いています。

古賀氏が目指すのは、「アニメといえば日本」「自動車といえば日本」と言われるように、農業分野でも日本が世界から評価される未来です。

気候変動、水不足、農業従事者の減少、食料安全保障など、世界の農業を取り巻く問題は深刻化しています。

植物工場だけですべての問題を解決できるわけではありませんが、天候に左右されず、大都市の近くで高品質な作物を生産できる技術は、将来の食料供給を支える選択肢の一つになる可能性があります。

まとめ

古賀大貴氏は、1986年に東京都で生まれ、慶應義塾大学を卒業した後、コンサルティング会社で医薬品、バイオテクノロジー、農業テクノロジーなどの分野に関わりました。

その後、UCバークレーでMBAを取得するために渡米し、在学中にOishii Farmを設立。植物工場での栽培が難しいとされたイチゴの安定量産に挑戦しました。

小さなコンテナから始まった事業は、世界最大級のイチゴ植物工場を運営し、累計約525億円を調達する企業へと成長しています。

古賀氏が描いているのは、高級イチゴを販売する会社の未来だけではありません。日本の農業技術と工業技術を結集し、世界の食料生産を支える新しい産業をつくることです。

日本のイチゴから始まった古賀大貴氏の挑戦が、今後どのような作物や地域へ広がっていくのか、引き続き注目されます。

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