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地球上で使用できる水の割合

地球上で使用できる水の割合

地球上で使用できる水の割合

――「青い惑星」の意外な現実をわかりやすく:

地球は宇宙から見ると青く輝きます。これは地表の約7割が「水」で覆われているからです。ところが、人間が飲んだり、農業や工業に使ったり、生活用水として利用できる水は、そのうちのごくごくわずかしかありません。地球上で使用できる水の割合はどれくらいなのでしょうか?

ここでは、地球上の水がどのように分布しているのか、そして「使える水」がどれくらい少ないのかを、できるだけやさしく整理してみます。

1. 地球上のすべての水のうち、海水がほとんどを占める

まず最初に押さえておきたいのはこれです。

  • 地球上の水の約 97.5% … 海水(しょっぱい水)
  • 残りの約 2.5% … 真水(淡水)

つまり、「飲める・塩を抜かなくても使える可能性がある水」は、もともと全体の2.5%しかない、ということになります。地球にはは水がいっぱいあるように見えますが、ほとんどは海水で、人間がそのままでは使いにくい水なのです。

2. では、その2.5%の“淡水”はどこにあるのか?

「2.5%もあるなら、けっこうあるのでは?」と思うかもしれません。ところが、この淡水の多くは、私たちがすぐに使える場所にはありません。内訳をイメージで示すとこうなります(数字はおおまかな国際的な説明でよく使われるものです)。

  1. 氷河・氷床・永年雪 … およそ 68~69%
    南極・グリーンランドなどに大量にたまっており、すぐには使えません。
  2. 地下水 … およそ 30%
    井戸や地下水くみ上げで使えるものもありますが、深すぎて取り出せないものも多いです。
  3. 地表水・大気中の水(川・湖・湿地・土壌水・水蒸気など)… 1%未満

つまり、淡水2.5%のうち、約3分の2は「氷」です。残りの多くも地下深くにあって、技術やコストの問題で簡単には利用できません。

3. 人間が“比較的すぐに”使える水はどれくらい?

ここがいちばん重要なポイントです。川・湖・湿地などに“液体の状態”で存在し、人間がそのまま取水したり浄水したりしやすい水は、地球上の水全体のうち、だいたい0.01%前後しかないとよく説明されます。

  • 全水量(100%)のうち
    • 海水:97.5% → ほぼ使いにくい
    • 淡水:2.5%
      • そのうち「人がすぐ使いやすい水」:約0.01%(= 1万分の1)

100円あったら、使いやすい水は1銭しかない、というくらいのイメージです。こう書くと、どれだけ貴重かが伝わると思います。

4. なぜこんなに“使える水”が少ないのか?

理由はいくつかあります。

  1. 水は海に集まりやすい
    雨は山や大地に降りますが、やがて川を通って海へ流れます。長い時間の中で、水は「低いところ=海」に集まってしまいます。
  2. 水は地中にしみこむ
    雨が降っても、すべてが川になるわけではなく、一部は地中に入ります。地下水としては存在しているけれど、すぐにくみ上げられるとは限りません。
  3. 氷として閉じ込められている
    地球は過去の気候の影響で、極地に大きな氷の“貯金”を持っています。これも水ではありますが、液体の水として私たちが回して使うには時間もコストもかかります。

5. 地域によって“使える水”の量は大きく違う

「地球全体では0.01%しかない」と聞くと絶望的に思えますが、実際には地域ごとの偏りも大きいです。

  • アマゾン川流域やカナダ、北欧、ロシアの一部などは水が豊富
  • 逆に中東・北アフリカ・中央アジアなどは慢性的な水不足
  • モンスーン(季節風)に依存している地域は、年によって水の量が変動
  • 島しょ国・サンゴ礁の島は地下水が塩水化しやすく、淡水確保が課題になる

つまり、「世界には水が足りていない地域と、あり余っている地域が同時に存在している」のです。これは、単に量の問題だけでなく、インフラや政治、国境をまたぐ川の管理などが絡むため、しばしば“水をめぐる争い”の火種にもなります。

6. なぜ節水が大事だと言われるのか?

ここまで見てきたように、人類が「比較的簡単に」使える水は、地球上にある水のごく一部です。しかも次のような要因で、そのわずかな水にさらにプレッシャーがかかっています。

  • 人口増加 … 飲み水・農業用水・工業用水の需要が増える
  • 都市化 … 1人あたりの使用量が増える
  • 水質汚染 … “水はある”けれど“飲めない水”が増える
  • 気候変動 … 降る場所・降る時期がずれて、洪水と干ばつが極端化する

このため、多くの国や自治体が「節水」「水循環」「雨水利用」「下水の再利用」「海水淡水化」などに取り組んでいます。とくに工業や農業での節水・再利用は、家庭での節水努力よりずっと大きな効果を生むことが知られています。

7. 技術があれば問題は解決するのか?

「海水が97.5%もあるのなら、全部真水にしてしまえばいいのでは?」と考えるかもしれません。実際、海水淡水化プラントは中東やオーストラリアなど、水が少ない地域ですでに広く使われています。しかし現状では、

  • エネルギーコストが高い
  • 装置が高額
  • 濃縮塩水(ブライン)の処理問題がある

といった理由で、世界の水問題を“一気に”解決するにはまだ課題があります。つまり「技術で補えるが、万能ではない」という段階です。

8. まとめ:地球の水は多い、でも“使える水”はとても少ない

最後にもう一度、数字を整理しておきます。

  • 地球上の水の 約97.5% … 海水で、そのままは使いにくい
  • 真水は 約2.5% しかない
  • その真水の大半は氷・氷床・深い地下水で、すぐには使えない
  • 川や湖など、人が比較的そのまま利用できる水は、地球全体の水の約0.01%程度 しかない

見た目とは裏腹に、地球は「水に恵まれているようで、実は使える水が限られている星」です。この“ギャップ”を理解しておくと、節水の意味や、水源保全・水質汚染対策の大切さがわかりやすくなります。

こうした話題は、環境教育やSDGs(とくに「6. 安全な水とトイレを世界中に」)と結びつけて説明すると、より伝わりやすくなります。「水はぐるぐる回っているからなくならない」とよく言いますが、“人間が今すぐに清潔な形で使える水”はほんのわずか。だからこそ、汚さない・むだにしない・地域で回す――この3点がとても重要になります。

 

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