「オーストラリアで有名なものといえば何?」と聞かれたら、何を思い浮かべるでしょうか。
カンガルーやコアラ、ウルル(エアーズロック)、シドニー・オペラハウス、グレート・バリア・リーフなどは、日本でもよく知られています。
しかし、オーストラリアの魅力はそれだけではありません。
世界でも珍しい固有動物、雄大な自然、独特の食文化、スポーツ、先住民文化、さらには世界中で使われている技術まで、オーストラリア発祥・オーストラリアを象徴するものは数多くあります。
この記事では、「オーストラリアの有名なもの」を動物、観光地、食べ物、都市、スポーツ、文化などに分けて、わかりやすく紹介します。
まず、代表的なものを挙げると次のようになります。
ここからは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
オーストラリアは、他の大陸から長い期間隔離されていたことから、独特の進化を遂げた動物が多く生息しています。
「オーストラリアといえば動物」というイメージを持っている人が多いのも納得できるほど、世界的に知られた動物が数多くいます。

カンガルーは、オーストラリアを代表する動物です。
オーストラリア政府の国章には、カンガルーとエミューが左右に描かれており、国家を象徴する動物としても知られています。
都市中心部で普通に歩いているわけではありませんが、郊外や国立公園、草原などでは野生のカンガルーを見ることができます。
種類によっては非常に大型になり、立ち上がると人間よりも大きく見える個体もいます。

カンガルーと並んで、オーストラリアを代表する動物がコアラです。
主にユーカリの葉を食べ、一日の大半を木の上で休んで過ごします。
見た目から「クマの仲間」と思われることがありますが、コアラはクマではなく、有袋類の動物です。
オーストラリア各地の動物園や野生動物保護施設で見ることができますが、コアラへの接触や抱っこに関するルールは州によって異なります。
クオッカは小型の有袋類で、特に西オーストラリア州のロットネスト島(Wadjemup)で有名です。
正面から見ると口元が笑っているように見えることから、「世界一幸せな動物」と呼ばれることもあります。
SNSで写真が広まり、近年ではカンガルーやコアラに次ぐ人気のオーストラリア動物になっています。
ただし野生動物であるため、触ったり食べ物を与えたりせず、適切な距離を保つことが大切です。
ウォンバットもオーストラリア固有の有袋類として有名です。
ずんぐりとした体形と短い脚が特徴ですが、地面に大きな巣穴を掘って生活する力強い動物です。
「立方体に近い形のふんをする」という珍しい特徴でも知られています。
カモノハシは、オーストラリアの生態系のユニークさを象徴する動物の一つです。
哺乳類でありながら卵を産む「単孔類」で、カモのようなくちばし、水かきのある足、平たい尾を持っています。
さらに、オスの後ろ脚には毒を出す蹴爪があります。
初めて標本がヨーロッパに送られた際には、複数の動物をつなぎ合わせた偽物ではないかと疑われたほど奇妙な姿をしています。

エミューは、オーストラリアに生息する大型の飛べない鳥です。
ダチョウに次ぐ世界最大級の鳥で、長い脚を使って高速で走ります。
カンガルーとともにオーストラリアの国章にも描かれているため、国を代表する動物の一つです。

タスマニアンデビルは、主にタスマニア島に生息する肉食性の有袋類です。
小柄な体に似合わない大きな鳴き声と強い顎を持ち、その鳴き声などから「デビル」という名前が付けられました。
野生個体は伝染性の腫瘍性疾患などによって大きく減少したため、現在も保護活動が続けられています。
オーストラリアは世界でも有数の自然大国です。
サンゴ礁、熱帯雨林、砂漠、巨大な岩山、長い海岸線など、地域によって景観が大きく変わります。

グレート・バリア・リーフは、オーストラリア北東部のクイーンズランド州沖に広がる世界最大規模のサンゴ礁生態系です。
面積は約34万8,000平方キロメートルに及び、1981年にユネスコ世界遺産に登録されました。
ダイビングやシュノーケリングの名所として世界的に知られています。
一方、近年は海水温の上昇やサンゴの白化など、気候変動による影響も大きな課題となっています。

オーストラリア中央部のノーザンテリトリーにある巨大な一枚岩がウルルです。
かつて日本では「エアーズロック」の名称で広く知られていましたが、現在では先住民アナングの言葉による「ウルル」という名称が広く使われています。
ウルルはアナングの人々にとって非常に重要な聖地です。
2019年10月26日からウルルへの登山は恒久的に禁止されており、現在は周囲を歩いたり、文化や歴史について学んだりすることが観光の中心となっています。
朝日や夕日を受けて岩肌の色が変化して見える光景も有名です。
シドニー湾に建つシドニー・オペラハウスは、オーストラリアを代表する建築物です。
白い帆や貝殻を思わせる独特な屋根で知られ、1973年に開館しました。
デンマークの建築家ヨーン・ウツソンの設計で、2007年にはユネスコ世界遺産に登録されています。
オペラだけではなく、コンサート、演劇など多様な公演が行われる総合的な芸術施設です。
オペラハウスとともにシドニー湾を象徴するのが、シドニー・ハーバーブリッジです。
1932年に開通した巨大なアーチ橋で、市内中心部とノースシドニーを結んでいます。
橋のアーチ部分を専用ルートで登る「ブリッジクライム」も有名です。
シドニーから西へ向かった場所に広がるブルーマウンテンズは、雄大な峡谷、断崖、ユーカリの森林で知られる地域です。
「スリー・シスターズ」と呼ばれる3本の岩柱は特に有名な景観です。
ブルーマウンテンズを含む地域は「グレーター・ブルー・マウンテンズ地域」として世界遺産に登録されています。
ビクトリア州南部の海岸沿いを走るグレート・オーシャン・ロードは、世界的に有名なドライブコースです。
なかでも「十二使徒(Twelve Apostles)」と呼ばれる海中からそびえる石灰岩の奇岩群が有名です。
荒々しい海岸線、断崖、森林など景色の変化が大きく、メルボルンからの観光ルートとして人気があります。
ノーザンテリトリーに位置するカカドゥ国立公園は、自然と先住民文化の両方で重要な地域です。
広大な湿地、岩山、滝などがあり、多様な野生動物が生息しています。
また、数万年にわたる人間の生活を伝える岩絵なども残されており、文化・自然の複合世界遺産となっています。
クイーンズランド州北部に広がるデインツリー周辺の熱帯雨林は、地球上でも非常に長い歴史を持つ熱帯雨林の一つです。
ケアンズやポートダグラスから訪れる旅行者も多く、グレート・バリア・リーフと熱帯雨林という2つの大自然を一度に楽しめる地域として知られています。

オーストラリア本土の南に位置するタスマニア州は、手つかずの自然が多く残ることで知られています。
山岳、森林、湖、海岸など変化に富んだ景観があり、「タスマニア原生地域」は世界遺産に登録されています。
また、ワイン、チーズ、シーフードなど食材の産地としても人気があります。
シドニー近郊にあるボンダイ・ビーチは、オーストラリアを代表するビーチの一つです。
サーフィン、海水浴、海岸沿いの散歩などを楽しむ人でにぎわいます。
「海の近くでアウトドアを楽しむ」というオーストラリアのライフスタイルを象徴する場所でもあります。

オーストラリア最大級の都市で、世界的にも最もよく知られたオーストラリアの都市です。
オペラハウス、ハーバーブリッジ、ボンダイ・ビーチなど有名観光地が集中しています。
なお、「シドニーがオーストラリアの首都」と思われることがありますが、首都はキャンベラです。

メルボルンは、芸術、音楽、スポーツ、カフェ文化で知られる都市です。
細い路地にカフェやレストランが集まる「レーンウェイ文化」やストリートアートも有名です。
全豪オープンテニスやF1オーストラリアグランプリなど、世界規模のスポーツイベントが開催される都市でもあります。
クイーンズランド州の州都ブリスベンは、温暖な気候と川沿いの都市景観で知られています。
その南にあるゴールドコーストは、長い砂浜、高層ホテル、サーフィン、テーマパークなどで有名です。
日本人観光客にも長く親しまれてきた地域です。
西オーストラリア州の州都パースは、インド洋側に位置する大都市です。
美しい海岸、ワイン産地、自然に恵まれ、近郊のロットネスト島ではクオッカを見ることができます。
キャンベラはオーストラリアの首都です。
シドニーとメルボルンのどちらを首都にするかという競争を避けるため、その中間地域に計画都市として建設されました。
オーストラリア国会議事堂、国立博物館、オーストラリア戦争記念館などがあります。
オーストラリア料理には、イギリス文化の影響を受けたものだけでなく、移民文化やアジア料理の影響を受けたものも多くあります。

ベジマイトは、オーストラリアを代表する食品の一つです。
酵母エキスを原料とした濃い茶色のペーストで、塩気と独特の風味があります。
パンにバターを塗り、その上からごく薄くベジマイトを塗って食べるのが一般的です。
初めて食べる外国人には好き嫌いが分かれますが、オーストラリアでは長年親しまれています。

ひき肉や細かく切った肉をグレービーソースとともにパイ生地で包んだミートパイは、オーストラリアを代表する軽食です。
パン屋、カフェ、スーパー、スポーツ競技場などさまざまな場所で販売されています。

パブロバは、メレンゲをベースに生クリームやフルーツをのせたデザートです。
オーストラリアとニュージーランドの双方で非常に親しまれており、その発祥については長年議論があります。
クリスマスなど家族が集まる場でもよく登場するデザートです。
ラミントンは、スポンジケーキをチョコレートでコーティングし、細かいココナッツをまぶしたお菓子です。
オーストラリアの伝統的なお菓子として知られ、カフェやベーカリーでも見かけます。
フラットホワイトは、エスプレッソにきめ細かく泡立てたミルクを合わせたコーヒーです。
発祥についてはオーストラリアとニュージーランドの双方に説がありますが、現在ではオーストラリアのカフェ文化を象徴する飲み物の一つとなっています。
特にメルボルンはコーヒー文化の盛んな都市として世界的に知られています。
オーストラリアは世界有数のワイン生産国です。
南オーストラリア州のバロッサ・バレー、ビクトリア州のヤラ・バレー、西オーストラリア州のマーガレット・リバーなど、多くの有名産地があります。
赤ワインではシラーズが特によく知られています。
「Barbie(バービー)」という愛称で呼ばれるバーベキューも、オーストラリア文化を象徴するものの一つです。
家庭の庭だけでなく、公園や海岸などに公共のバーベキュー設備が設置されていることも珍しくありません。
肉だけでなく、ソーセージ、魚介類、野菜などさまざまな食材を焼きます。

クリケットはオーストラリアを代表するスポーツの一つです。
特に夏のスポーツとして人気があり、イングランドとの伝統的な対抗戦「The Ashes(ジ・アッシズ)」は世界的にも有名です。
日本ではそれほど知られていませんが、オーストラリア国内で非常に人気が高いのがオーストラリアン・フットボールです。
楕円形のボールを使用しますが、ラグビーとは異なる独自のルールを持っています。
特にビクトリア州では絶大な人気を誇り、AFLグランドファイナルはオーストラリアを代表するスポーツイベントです。
オーストラリアでは、ラグビーユニオンとラグビーリーグの両方が盛んです。
特にクイーンズランド州やニューサウスウェールズ州ではラグビーリーグの人気が高く、州対抗戦「State of Origin」は毎年大きな注目を集めます。
長い海岸線を持つオーストラリアでは、サーフィンも国を代表するスポーツ・レジャーです。
ゴールドコースト、シドニー周辺、バイロンベイ、西オーストラリアなど各地に有名なサーフスポットがあります。
毎年メルボルンで開催される全豪オープンは、テニスの4大大会(グランドスラム)の一つです。
世界のトップ選手が集まる大会で、通常はその年最初のグランドスラムとして開催されます。
オーストラリアには、ヨーロッパ人の入植よりはるか以前から続く先住民文化があります。
ただし、「アボリジニ文化」という一つの文化が存在するわけではありません。
オーストラリア各地には多数の異なる民族集団があり、それぞれ独自の言語、伝承、芸術、社会制度、土地との結びつきを持っています。
アボリジナル・ピープルとトレス海峡諸島民を総称して「First Nations peoples」と呼ぶこともあります。
岩絵、絵画、音楽、踊り、物語などは世界的にも知られています。
現代のオーストラリアを理解するうえで欠かせないのが、多文化社会であることです。
ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカなど世界各地から移住してきた人々が暮らしており、特にシドニーやメルボルンなどの大都市では非常に多様な文化に触れることができます。
そのため、オーストラリアの食文化もイタリア料理、ギリシャ料理、中華料理、ベトナム料理、タイ料理、インド料理などの影響を強く受けています。
オーストラリア英語には独特の発音や言い回しがあります。
代表的な例として、
などがあります。
オーストラリアの人口の多くは海岸沿いに集中していますが、内陸部には広大な人口希薄地域が広がっています。
こうした遠隔地は一般に「アウトバック」と呼ばれます。
赤い大地、果てしなく続く道路、牧場、満天の星空などは、オーストラリアを象徴する風景です。
オーストラリアのナショナルカラーはグリーン(緑)とゴールド(金)です。
オリンピックをはじめ、オーストラリア代表のスポーツチームのユニフォームでよく使われています。
この2色は1984年に正式なナショナルカラーとして制定されました。
黄色い花を咲かせるゴールデン・ワトル(Golden Wattle)は、オーストラリアの国花です。
緑の葉と金色の花は、オーストラリアのナショナルカラーとも結びついています。
オパールは、オーストラリアを代表する宝石です。
特に南オーストラリア州のクーバーペディなどが有名な産地で、色が複雑に変化して見える美しいオパールが採掘されています。
オパールはオーストラリアのナショナル・ジェムストーンにも指定されています。
毎日のように使われているWi-Fiにも、オーストラリアが大きく関わっています。
オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究チームは、屋内で高速かつ安定してデータを無線伝送するための技術を開発しました。
この研究成果が現代の無線LAN(WLAN)、そしてWi-Fiの技術的基盤の一つとなりました。
そのため「Wi-Fiはオーストラリアの発明」と紹介されることがあります。
より正確には、現在のWi-Fiを可能にした重要な無線LAN技術をCSIROの研究者が開発し、特許を取得したということです。
オーストラリアでは、選挙人登録をした有権者に連邦選挙で投票する義務があります。
正当な理由なく投票しなかった場合には手続き上の対応や罰金が生じることがあります。
こうした制度もあり、オーストラリアの連邦選挙では投票率が90%前後という高い水準になっています。
カンガルーとエミューは、1912年に制定された現在のオーストラリアの国章で中央の盾を左右から支えています。
「どちらも後ろ向きに進むのが得意ではないため、前進する国を象徴している」という説明も広く知られています。
ただし、オーストラリア政府の資料でも、これについては長く伝えられている象徴的な説明であることが示されています。
いいえ。オーストラリアの首都はキャンベラです。
シドニーは最大級の都市で世界的にも知名度が高いため、首都と間違われることがあります。
日常生活、行政、教育などでは英語が中心で、オーストラリア政府も英語を「national language(国の言語)」と位置づけています。
一方、オーストラリアは非常に多文化・多言語な社会で、中国語、アラビア語、ベトナム語など多くの言語が使われています。
また、アボリジナルおよびトレス海峡諸島民の言語も存在します。
世界的な知名度では、カンガルーとコアラが代表的です。
近年は、笑っているような顔で知られるクオッカも海外旅行者の間で人気が高まっています。
一つに決めることはできませんが、シドニー・オペラハウス、グレート・バリア・リーフ、ウルルは、オーストラリアを代表する世界的な観光名所です。
オーストラリア政府も、ウルル、シドニー・ハーバーブリッジ、シドニー・オペラハウス、グレート・バリア・リーフなどを国を代表する著名なアイコンとして紹介しています。
日本とオーストラリアの主要都市の間には直行便が運航されています。
所要時間は出発地・目的地によって異なりますが、日本から東海岸の主要都市まではおおむね9~10時間前後が目安です。
オーストラリアは南半球にありますが、日本との経度差は比較的小さいため、ヨーロッパや北米への旅行と比べると時差が小さいことも特徴です。
オーストラリアで有名なものというと、最初にカンガルーやコアラを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし実際には、グレート・バリア・リーフやウルルのような大自然、シドニー・オペラハウスのような建築物、ベジマイトやミートパイなどの食文化、クリケットやサーフィンなどのスポーツまで、オーストラリアを象徴するものは非常に多岐にわたります。
さらに、何万年にもわたり受け継がれてきたFirst Nations peoplesの文化、多文化社会、広大なアウトバックなども、この国を理解するうえで欠かせません。
そして意外なところでは、現在のWi-Fiにつながる重要な無線LAN技術がオーストラリアのCSIROによって開発されたことなど、世界の生活や技術に影響を与えたものもあります。
「動物と大自然の国」というイメージだけでは語りきれない多様性こそ、オーストラリアの大きな特徴といえるでしょう。