メジャーリーグ・歴代優勝回数
MLB歴代優勝回数ランキング(ワールドシリーズ)
最終更新:2025年10月20日(日本時間)/集計基準:ワールドシリーズ(1903年〜)の球団別優勝回数。フランチャイズの移転・改称は同一球団として通算。最新の公式データと主要メディアを照合し、2024年終了時点の実績で作成しています。
この記事のポイント
- 歴代の球団別・優勝回数ランキングを一覧化(タイは五十音順)
- 各上位球団の時代背景・黄金期・主要選手を簡潔に解説
- **ゼロ優勝球団(未冠)**や、連覇・最長連覇、時代別の傾向も整理
総合ランキング(球団別・優勝回数)
※ 優勝回数の多い順に掲載。同数の場合は五十音順。
- ニューヨーク・ヤンキース — 27回
- セントルイス・カージナルス — 11回
- オークランド・アスレチックス — 9回
- ボストン・レッドソックス — 9回
- サンフランシスコ・ジャイアンツ — 8回
- ロサンゼルス・ドジャース — 8回
- シンシナティ・レッズ — 5回
- ピッツバーグ・パイレーツ — 5回
- アトランタ・ブレーブス — 4回
- デトロイト・タイガース — 4回
- シカゴ・カブス — 3回
- シカゴ・ホワイトソックス — 3回
- ミネソタ・ツインズ — 3回
- ボルチモア・オリオールズ — 3回
- クリーブランド・ガーディアンズ — 2回
- フィラデルフィア・フィリーズ — 2回
- ニューヨーク・メッツ — 2回
- カンザスシティ・ロイヤルズ — 2回
- マイアミ・マーリンズ — 2回
- ヒューストン・アストロズ — 2回
- トロント・ブルージェイズ — 2回
- アリゾナ・ダイヤモンドバックス — 1回
- アナハイム/ロサンゼルス・エンゼルス — 1回
- テキサス・レンジャーズ — 1回
- ワシントン・ナショナルズ — 1回
- シアトル・マリナーズ — 0回
- サンディエゴ・パドレス — 0回
- ミルウォーキー・ブルワーズ — 0回
- コロラド・ロッキーズ — 0回
- タンパベイ・レイズ — 0回
上位球団の“強さの理由”と時代背景
1位 ヤンキース(27)
- 圧倒的な黄金期:1930〜50年代にかけての継続的強さ。ディマジオ、ベーブ・ルース、ミッキー・マントルらの伝説期。
- 連覇記録:5連覇(1949–53)はMLB史上最長。1998–2000の3連覇も含め、連覇の常連。
- 資金力と育成の両輪:FA補強の象徴である一方、コアを自前で育てた時代の成功も多い。
2位 カージナルス(11)
- ナショナル・リーグの名門。守備・機動力・投手力のバランス。
- 「野球の街」セントルイスの厚い裾野が長期的な競争力を支える。
3位タイ アスレチックス/レッドソックス(各9)
- A’s:
- 1910年代、1929–30の名将コニー・マック時代。
- 1972–74の3連覇は近代でも屈指。オークランド移転後も強烈な個性と分析野球で知られる。
- レッドソックス:
- 「ベーブ・ルースの呪い」時代を2004年に劇的に解消。
- 2000年代以降は04・07・13・18で計4度の戴冠。
5位タイ ジャイアンツ/ドジャース(各8)
- ジャイアンツ:2010・2012・2014の隔年王朝。投手力とクローズドゲームの強さが光った。
- ドジャース:古豪。1955年の初制覇から、2020年バブル下の戴冠、2024年に8度目。長期的な選手層の厚さと開発力が武器。
7位タイ レッズ/パイレーツ(各5)
- レッズ:「ビッグ・レッド・マシン」(1970年代)の攻守一体。
- パイレーツ:マッズ、スタージェルらの強打時代を含む。
9位タイ ブレーブス/タイガース(各4)
- ブレーブス:都市を跨ぐ三都物語(ボストン→ミルウォーキー→アトランタ)。2021年に近年の強さを証明。
- タイガース:カリーヌ、トラミル&ウィットカー、1984年の強力ローテが象徴。
連覇・時代別トピック
- 最長連覇:ヤンキースの5連覇(1949–53)。
- 3連覇:アスレチックス(1972–74)、ヤンキース(1998–2000)。
- 2連覇:カブス(1907–08)、フィラA’s(1910–11, 1929–30)、ヤンキース(1927–28, 1961–62, 1977–78)、レッズ(1975–76)など。
- 国外開催の先駆け:1992年にトロント・ブルージェイズが初の米国外開催/優勝を達成。
未冠(0回)球団の現状と展望
- マリナーズ:ポストシーズン常連化が鍵。投手王国の確立と得点力改善が命題。
- パドレス:大型補強の継続と育成の噛み合わせが課題。投打の同時最適ができれば台風の目。
- ブルワーズ/ロッキーズ/レイズ:投手運用(投手王国レイズ型)や打高環境(ロッキーズ)など、球場特性・編成哲学の“最適解”の追求がポイント。
年代別・優勝傾向のスナップショット
- 1900〜40年代:オリジナル16球団の時代。東部・中西部の強豪が中心。
- 1950〜60年代:移転ドミノ(NY→西海岸など)で興行版図が拡大。ヤンキースの絶対期。
- 1970年代:A’sの3連覇、レッズ、ヤンキースで覇権が分散。
- 1990〜2000年代:ワイルドカード導入で番狂わせ増加。レッドソックスが“呪い”を破る。
- 2010年代:ジャイアンツの隔年王朝、アストロズの台頭、王座の流動化。
- 2020年代:短縮/特殊シーズン(2020)を経てデータ駆動・育成力重視の傾向が強化。2023レンジャーズの初戴冠、2024ドジャースの8度目で勢力図が微調整。
用語・集計の注意点
- 本ランキングの「球団」はフランチャイズ通算。移転・改称(例:アスレチックス、ジャイアンツ、ブレーブス、ツインズ、ナショナルズなど)は同一球団として扱う。
- アストロズ(2017)の扱い:サイン盗み問題は歴史的事実だが、公式記録上は優勝に計上される。
- ポストシーズン制度の変遷(地区制、ワイルドカード拡張等)は王座獲得の難易度に影響。時代比較は背景理解が必要。
補遺:全30球団・クイック索引(アルファベット順)
- Arizona Diamondbacks — 1
- Atlanta Braves — 4
- Baltimore Orioles — 3
- Boston Red Sox — 9
- Chicago Cubs — 3
- Chicago White Sox — 3
- Cincinnati Reds — 5
- Cleveland Guardians — 2
- Colorado Rockies — 0
- Detroit Tigers — 4
- Houston Astros — 2
- Kansas City Royals — 2
- Los Angeles Angels — 1
- Los Angeles Dodgers — 8
- Miami Marlins — 2
- Milwaukee Brewers — 0
- Minnesota Twins — 3
- New York Mets — 2
- New York Yankees — 27
- Oakland Athletics — 9
- Philadelphia Phillies — 2
- Pittsburgh Pirates — 5
- San Diego Padres — 0
- San Francisco Giants — 8
- Seattle Mariners — 0
- St. Louis Cardinals — 11
- Tampa Bay Rays — 0
- Texas Rangers — 1
- Toronto Blue Jays — 2
- Washington Nationals — 1
参考の読み方
- 回数=強さの絶対指標ではない:プレーオフ制度、球界経済、ドラフト/FAのルールなど時代要因が大きい。
- 近年の再現性は、「育成+分析+資金力+人材マネジメント」の総合力で決まる傾向。選手層の厚みや投手開発の優劣が決め手になりがちです。
まとめ
- 歴代最多はヤンキース(27)。ナ・リーグ最多はカージナルス(11)。
- 「9回の壁」にはA’sとレッドソックスが並ぶ。
- **ドジャースとジャイアンツ(各8)**が次の「一桁台トップ」。
- レンジャーズ(2023)の初戴冠で「未冠」は5球団に。各球団のチームビルドの巧拙が、今後の勢力図を左右するでしょう。
本稿は2024年までの公式記録に基づいており、今後のシーズン終了時点で適宜更新します
トリビア:ワールドシリーズ優勝回数にまつわる記録
1. 「初出場でのゼロ勝」と「唯一の未出場」
「ゼロ優勝球団」(未冠)の中で、コロラド・ロッキーズは2007年にワールドシリーズに初出場しましたが、ボストン・レッドソックスに4連敗(スイープ)を喫し、ワールドシリーズで勝利を挙げたことが一度もない唯一の球団です。
一方、同じくゼロ優勝球団のシアトル・マリナーズは、現在までMLB全30球団の中で唯一、ワールドシリーズに一度も出場したことがありません。(※2024年終了時点)
2. 「フランチャイズ移転後」の初優勝に要した時間
記事の集計基準では移転・改称を同一球団として通算していますが、移転後のフランチャイズ名で見た「初優勝」には長い年月を要したケースがあります。
- ロサンゼルス・ドジャースは、ブルックリンからロサンゼルスへ移転後、初優勝まで8年(1955年→1963年)を要しました。
- サンフランシスコ・ジャイアンツは、ニューヨークからサンフランシスコへ移転後、初優勝まで52年(1954年→2010年)を要しました。
3. ワールドシリーズの「最多出場」と「最多敗戦」
優勝回数で断トツ1位のニューヨーク・ヤンキース(27回優勝)は、ワールドシリーズ出場回数でも41回で歴代最多を誇ります。
その結果、当然ながらワールドシリーズにおける敗戦回数(準優勝回数)も14回で歴代最多となっています。これは2位のカージナルス(8回)に大きな差をつけています。(※2024年終了時点)
4. 最も長い「ブランク」を破った優勝
球団の優勝と優勝の間が最も長く空いた「ブランク」記録は、シカゴ・カブスの108年です。1908年の優勝から2016年の優勝まで、1世紀以上にわたってワールドシリーズ制覇がありませんでした。
- (参考:ボストン・レッドソックスの「バンビーノの呪い」期間は86年(1918年→2004年)です。)