南鳥島沖のレアアース泥が注目される中で、「南鳥島レアアース採掘企業はどこなのか」「関連銘柄にはどのような会社があるのか」と気になる人が増えています。
ただし、最初に整理しておきたいのは、南鳥島沖のレアアース開発は、陸上の鉱山のように「特定の民間企業が鉱山を持ち、採掘して販売している」という単純な形ではないという点です。
南鳥島沖のレアアース泥は、日本の排他的経済水域、いわゆるEEZ内にある深海資源です。開発は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム、JAMSTEC、研究機関、技術企業などが関わる国家的な技術実証プロジェクトとして進められています。
そのため、「南鳥島レアアース採掘企業」と一言でいっても、実際には次のように分けて考える必要があります。
この記事では、南鳥島レアアースに関係する企業を、直接関与が確認しやすい企業と、周辺の関連銘柄に分けて整理します。なお、この記事は投資を推奨するものではありません。個別銘柄の売買判断は、必ず最新の開示情報や業績、リスクを確認したうえで行ってください。
南鳥島は、日本の最東端に位置する東京都の島です。その周辺の排他的経済水域の深海底には、レアアースを含む泥が存在するとされています。
レアアースは、スマートフォン、電気自動車、ハイブリッド車、風力発電、電子部品、モーター、磁石、医療機器、防衛装備品など、幅広い先端産業に欠かせない資源です。特に、ネオジムやジスプロシウム、テルビウムなどは高性能磁石と関係が深く、モーターや発電機の性能を左右します。
日本はレアアースを多く消費する国ですが、供給面では海外に依存してきました。そのため、南鳥島沖のレアアース泥は、資源安全保障や経済安全保障の面から大きな意味を持っています。
ただし、南鳥島沖のレアアース泥は水深約6000メートルという非常に深い海底にあります。陸上鉱山とは異なり、海底から泥を取り出し、船上まで引き上げ、その後に分離・精製・製錬する必要があります。
つまり、南鳥島レアアース開発の本質は、「鉱山を掘る企業を探す」というより、次のような工程全体を見ることにあります。
このため、関連企業を見るときも、「どの会社が採掘するのか」だけでなく、「どの工程に関係するのか」という視点が重要になります。
南鳥島レアアースについて検索すると、「採掘企業」「関連銘柄」「本命銘柄」といった言葉が出てきます。しかし、現時点で南鳥島沖のレアアース泥について、特定の民間企業が単独で商業採掘を行っているわけではありません。
現在の中心は、JAMSTECの地球深部探査船「ちきゅう」を使った採鉱システムの実証です。2026年には、南鳥島周辺海域で水深約6000メートルの海底からレアアース泥を船上に揚げる試験が行われました。
この試験で重要なのは、単に泥を少量採取することではありません。深海底にパイプを下ろし、採鉱機や揚泥管などを接続し、泥を船上まで引き上げるシステム全体を動かすことです。
水深約6000メートルという超深海では、強い水圧、長いパイプ、船の揺れ、機器の遠隔操作、泥の性質、環境影響など、多くの課題があります。そのため、南鳥島レアアース開発は、資源開発であると同時に、深海工学、海洋設備、化学処理、環境モニタリングを組み合わせた技術プロジェクトでもあります。
したがって、この記事でいう「南鳥島レアアース関連企業」とは、次の3つに分けて理解するとわかりやすくなります。
| 分類 | 意味 | 見方 |
|---|---|---|
| 直接関与企業 | 採鉱システムや機器供給などで具体的な関与が確認しやすい企業 | 南鳥島プロジェクトとの距離が近い |
| 工程別関連企業 | 採鉱、揚泥、分離、精製、分析、材料化などの工程で関係し得る企業 | 将来の産業化で注目されやすい |
| 周辺・連想銘柄 | レアアース、重要鉱物、商社、リサイクルなどのテーマで物色されやすい企業 | 直接関与とは分けて見る必要がある |

南鳥島レアアース関連銘柄を見るうえで、まず押さえておきたいのは、実際のプロジェクトに具体的な関与が確認しやすい企業です。
株式市場では、多くの会社が「レアアース関連」として取り上げられることがあります。しかし、その中には南鳥島プロジェクトと直接つながっている企業もあれば、資源や素材という広いテーマで連想されているだけの企業もあります。
ここでは、南鳥島レアアースの実証に比較的近い企業として、特に注目される会社を整理します。
東洋エンジニアリングは、南鳥島レアアース関連で最も名前が出やすい企業の一つです。
同社は、JAMSTECの委託を受け、海底約6000メートルからレアアース泥を回収するシステムの技術開発の一部に携わってきた企業として知られています。特に、粘性の高い海底の泥をスラリー状にして船上に引き上げるためのサブシープロダクションシステムに関係し、解泥・採泥に関する機器の設計や製作を担当してきたとされています。
南鳥島レアアース開発では、海底の泥をどう取り出すかが大きな技術課題です。レアアースが存在していても、海底から安定的に回収できなければ産業化には進めません。
その意味で、東洋エンジニアリングは、単なる「レアアース連想銘柄」ではなく、採鉱・揚泥システムの技術面で南鳥島プロジェクトに近い企業として見ることができます。
三洋貿易グループのコスモス商事も、南鳥島レアアース関連で注目したい企業です。
コスモス商事は、JAMSTECが所有する地球深部探査船「ちきゅう」に、採鉱機、揚泥管、浮力体、遠隔操作無人探査機であるROVなどを納入したとされています。
南鳥島沖の水深約6000メートルでレアアース泥を回収するには、採鉱機だけでなく、長い揚泥管、深海での操作を支える機器、浮力体、ROVなど、さまざまな装置が必要になります。
このような機器供給に関わった企業は、南鳥島レアアースプロジェクトとの距離が近いと考えられます。上場企業として見る場合は、親会社である三洋貿易が関連銘柄として注目されやすくなります。
直接関与が確認しやすい企業であっても、それだけで業績が大きく伸びるとは限りません。
南鳥島レアアースは、まだ実証段階のプロジェクトです。今後、商業化に進むには、採鉱コスト、処理コスト、環境影響、精製技術、輸送、販売先、制度整備など、多くの課題があります。
そのため、直接関与企業を見る場合も、「プロジェクトに近いから株価が上がる」と単純に考えるのではなく、受注規模、継続性、事業全体に占める比率、今後の開示情報を確認することが大切です。

南鳥島レアアースの関連企業を理解するには、「工程」で見るのが最もわかりやすい方法です。
海底から泥を引き上げるだけでは、レアアースを産業に使うことはできません。泥を処理し、目的の元素を取り出し、精製し、材料として使える形にする必要があります。
ここでは、南鳥島レアアースの工程を大きく分け、それぞれの段階で注目されやすい企業のタイプを整理します。
最初の工程は、深海底からレアアース泥を採り、船上まで引き上げる工程です。南鳥島レアアース開発で最も目立つ部分でもあります。
この工程では、次のような技術が必要になります。
この分野で特に関係が深いと見られるのが、東洋エンジニアリングや三洋貿易グループのコスモス商事です。
また、海洋設備や海洋資源開発の文脈では、三井海洋開発、三井E&S、INPEX、石油資源開発などが市場で連想されることがあります。ただし、これらの企業については、南鳥島レアアースプロジェクトへの直接関与がどこまで確認できるかを分けて見る必要があります。
南鳥島沖から泥を回収できても、それだけでレアアースが使えるわけではありません。泥の中から有用な元素を取り出し、不純物を取り除き、製品化に使える品質まで高める必要があります。
この工程は、南鳥島レアアース開発の中でも非常に重要です。
レアアースは、元素ごとの性質が似ているため、分離や精製が簡単ではありません。特に、産業利用に必要な品質まで高めるには、化学処理、抽出、分離、分析、品質管理などの技術が必要です。
この分野では、化学メーカー、非鉄金属メーカー、素材メーカー、分析機器メーカーなどが注目されやすくなります。
ただし、これらの企業がすべて南鳥島レアアースの精製に直接関わっているという意味ではありません。あくまで、分離・精製・素材・分析という工程で関連が出やすい企業群として見るのが適切です。
レアアースの重要な用途の一つが、高性能磁石です。ネオジム磁石などは、電気自動車、ハイブリッド車、風力発電、産業用モーター、家電、ロボットなどに使われています。
南鳥島レアアースの産業化が進んだ場合、最終的に重要になるのは、単に資源を採ることではなく、国内で高付加価値な材料や部品に結びつけることです。
この分野では、磁性材料、特殊鋼、高機能素材を扱う企業が関連視されやすくなります。
特に、レアアースを使った磁石材料は、電動車や省エネ機器の性能と関係が深いため、中長期の供給網を見るうえで重要なテーマです。
南鳥島レアアースは日本の国産資源として注目されていますが、実際の商業化には時間がかかる可能性があります。その間も、日本企業は海外からの調達や供給網の多角化を進める必要があります。
この文脈で注目されるのが商社です。
商社は、海外鉱山への投資、長期調達契約、資源開発会社との連携、物流、販売先の確保などに関わることがあります。
特に、双日はレアアース調達の多角化で名前が出やすい企業です。その他、総合商社や専門商社も、重要鉱物や資源確保のテーマで関連銘柄として扱われることがあります。
ただし、商社は「南鳥島を採掘する企業」というより、「レアアースや重要鉱物の供給網を広げる企業」として見る方が自然です。
レアアースの確保は、新たに掘ることだけではありません。使用済み製品から有用金属を回収する都市鉱山やリサイクルも、重要なテーマです。
電気自動車、家電、電子機器、モーター、磁石などには、さまざまな有用金属が使われています。これらを回収し、再利用する仕組みが広がれば、海外資源への依存を下げることにもつながります。
この分野では、非鉄金属、リサイクル、資源循環を手がける企業が注目されやすくなります。
都市鉱山関連は、南鳥島プロジェクトそのものとは別のテーマですが、レアアースや重要鉱物の国内供給網を考えるうえでは無視できない分野です。

ここでは、南鳥島レアアースやレアアース関連テーマで注目されやすい銘柄を、距離感ごとに整理します。
重要なのは、この一覧が「南鳥島の受注企業一覧」ではないという点です。直接関与が確認しやすい企業と、市場で関連視されやすい周辺銘柄を分けて見る必要があります。
| 証券コード | 企業名 | 見方 |
|---|---|---|
| 6330 | 東洋エンジニアリング | レアアース泥回収システムの技術開発に関与。採鉱・揚泥システムの本命候補として見られやすい。 |
| 3176 | 三洋貿易 | グループ会社のコスモス商事が「ちきゅう」に採鉱機、揚泥管、浮力体、ROVなどを納入。 |
| 証券コード | 企業名 | 見方 |
|---|---|---|
| 6269 | 三井海洋開発 | 海洋設備・海洋資源開発の文脈で連想されやすい。 |
| 7003 | 三井E&S | 海洋・重工・船舶関連の文脈で注目されることがある。 |
| 1605 | INPEX | 海洋資源開発技術を持つ企業として連想されることがある。 |
| 1662 | 石油資源開発 | 資源開発テーマで関連視されることがある。 |
| 1885 | 東亜建設工業 | 海洋土木の文脈で周辺銘柄として見られることがある。 |
| 証券コード | 企業名 | 見方 |
|---|---|---|
| 4063 | 信越化学工業 | 高機能材料や磁石材料の文脈で関連視されやすい。 |
| 4004 | レゾナック・ホールディングス | 機能材料・化学素材の文脈で注目されることがある。 |
| 5713 | 住友金属鉱山 | 非鉄金属・資源・製錬の文脈で関連視されやすい。 |
| 5711 | 三菱マテリアル | 非鉄金属、資源循環、製錬関連として注目されやすい。 |
| 5714 | DOWAホールディングス | 非鉄・リサイクル・資源循環の文脈で関連視される。 |
| 7701 | 島津製作所 | 分析・計測機器の文脈で注目されやすい。 |
| 4082 | 稀元素 | 希少元素・化学材料のイメージからテーマ株として見られやすい。 |
| 証券コード | 企業名 | 見方 |
|---|---|---|
| 5471 | 大同特殊鋼 | 特殊鋼・磁性材料の文脈で関連視されることがある。 |
| 4063 | 信越化学工業 | レアアース磁石・高機能材料の文脈で注目されやすい。 |
| 証券コード | 企業名 | 見方 |
|---|---|---|
| 2768 | 双日 | レアアース調達多角化の文脈で名前が出やすい。 |
| 8002 | 丸紅 | 海外資源・重要鉱物関連で注目されることがある。 |
| 8015 | 豊田通商 | 自動車・資源・サプライチェーンの文脈で関連視されやすい。 |
| 8031 | 三井物産 | 資源投資・重要鉱物の文脈で注目されることがある。 |
| 8053 | 住友商事 | 資源・商社テーマで関連視されることがある。 |
| 8058 | 三菱商事 | 総合商社として重要鉱物や資源確保の文脈で注目されやすい。 |
| 8078 | 阪和興業 | 金属・資源商社の文脈で関連視されることがある。 |
| 8103 | 明和産業 | 化学品・資源関連の文脈で物色されることがある。 |
| 証券コード | 企業名 | 見方 |
|---|---|---|
| 5714 | DOWAホールディングス | 資源循環・リサイクルの文脈で注目されやすい。 |
| 5711 | 三菱マテリアル | 都市鉱山、非鉄金属、資源循環で関連視されやすい。 |
| 5857 | AREホールディングス | 貴金属リサイクルの文脈で注目される。 |
| 5698 | エンビプロ・ホールディングス | リサイクル、資源循環関連として見られやすい。 |
| 7456 | 松田産業 | 貴金属回収・リサイクル関連として注目されることがある。 |
| 3556 | リネットジャパン | 小型家電回収・都市鉱山の文脈で連想されることがある。 |
| 5724 | アサカ理研 | 貴金属・レアメタル回収関連として見られやすい。 |

南鳥島レアアースは大きなテーマですが、関連銘柄を見るときには注意も必要です。
特に、株式市場では「レアアース」「国策」「経済安全保障」「中国依存からの脱却」といった言葉に反応して、幅広い銘柄が物色されることがあります。しかし、関連の深さは企業ごとに大きく異なります。
最も大切なのは、直接関与が確認しやすい企業と、市場で連想されているだけの企業を分けることです。
たとえば、東洋エンジニアリングや三洋貿易グループのように、南鳥島レアアースの実証に具体的な関係が見える企業があります。一方で、総合商社やリサイクル企業、非鉄金属企業などは、重要鉱物や供給網という広いテーマで注目される場合があります。
どちらも関連銘柄として取り上げられることはありますが、意味は同じではありません。
南鳥島レアアースで本当に重要なのは、海底から泥を引き上げることだけではありません。
泥を回収した後、レアアース成分を効率よく取り出し、分離し、精製し、産業で使える材料にする必要があります。もしこの工程のコストが高すぎれば、資源があっても商業化は難しくなります。
そのため、関連銘柄を見るときは、採鉱・揚泥だけでなく、分離、精製、製錬、分析、材料化まで含めて考えることが大切です。
株式市場では、テーマ性だけで株価が動くことがあります。しかし、テーマ性と業績インパクトは別です。
ある企業が南鳥島レアアースに関係していても、その売上規模が小さければ、業績全体への影響は限定的かもしれません。また、実証段階のプロジェクトでは、すぐに大きな利益につながるとは限りません。
そのため、銘柄を見るときは次の点を確認するとよいでしょう。

南鳥島レアアースは、2026年の回収試験によって大きく注目されました。しかし、商業化に向けてはまだ多くの課題があります。
今後の焦点は、主に次の点です。
特に重要なのは、技術的な成功と商業的な成功は別だという点です。
深海から泥を回収できることが確認されても、それを安定的に大量回収し、低コストで処理し、継続的な供給網にするには、さらに多くの実証と投資が必要になります。
そのため、南鳥島レアアース関連銘柄を見る場合は、短期の話題性だけでなく、中長期の工程全体を見ることが大切です。
現時点では、特定の民間企業が単独で南鳥島沖のレアアースを商業採掘しているわけではありません。内閣府SIPやJAMSTECを中心とする技術実証プロジェクトとして進められており、企業は採鉱システムや機器供給、関連技術などの形で関わっています。
東洋エンジニアリングは、レアアース泥を回収するシステムの技術開発に関わってきた企業として注目されます。また、三洋貿易グループのコスモス商事は、「ちきゅう」に採鉱機、揚泥管、浮力体、ROVなどを納入した企業として注目されます。
同じではありません。直接関与が確認しやすい企業、工程上の関連が考えられる企業、市場で連想されやすい周辺銘柄があります。関連銘柄を見るときは、この3つを分けて考える必要があります。
すぐに商業化できるとは限りません。大量回収、分離・精製、製錬、環境対応、コスト、輸送、販売先など、多くの課題があります。技術実証の成功は大きな一歩ですが、商業化にはさらに時間がかかる可能性があります。
商社やリサイクル企業は、南鳥島プロジェクトそのものに直接関わるというより、レアアースや重要鉱物の供給網、調達多角化、都市鉱山という広いテーマで関連視されることがあります。直接関与企業とは分けて見るのが適切です。
南鳥島レアアースは、日本の資源安全保障や先端産業にとって重要なテーマです。水深約6000メートルの海底からレアアース泥を回収する試験が進んだことで、関連企業や関連銘柄への関心も高まっています。
ただし、「南鳥島レアアース採掘企業」といっても、特定の民間企業が単独で採掘しているわけではありません。現在は、内閣府SIPやJAMSTECを中心とする国家的な技術実証プロジェクトであり、企業は採鉱システム、機器供給、分離・精製、分析、材料、商社、リサイクルなど、さまざまな工程で関係しています。
現時点で特にプロジェクトとの距離が近い企業としては、東洋エンジニアリングと、三洋貿易グループのコスモス商事が挙げられます。一方で、商社、非鉄金属、素材、リサイクル関連企業は、レアアースや重要鉱物の広いテーマで関連視される銘柄です。
南鳥島レアアース関連銘柄を見るときは、次の3つに分けると整理しやすくなります。
関連銘柄が多く見えるテーマほど、距離感を分けて見ることが大切です。南鳥島レアアースは大きな可能性を持つ一方で、商業化には時間と技術的課題があります。短期の話題性だけでなく、どの企業がどの工程で関わり、どのように事業機会を得る可能性があるのかを見極めることが重要です。