食品ロスの問題点・わかりやすく
「食品ロス」と聞くと、コンビニやスーパーで捨てられるお弁当を思い浮かべることが多いかもしれません。けれど実際は、畑や工場、家庭、飲食店など、食べ物が届くまで・食べた後のあらゆる場面で起きています。
この記事では、食品ロスとは何か、どこで起きるのか、そして「何が問題なのか」を、なるべく噛み砕いて整理します。
食品ロスとは
食品ロスは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。
ここで大事なのは、「食べ物を捨てる」だけではなく、
- 作られたのに食べられない
- 流通できずに止まる
- 売れ残って廃棄される
- 皿に残して捨てられる
といった “食べられるのに食べられない状態” が幅広く含まれる点です。
まず押さえたい2つの言葉:フードロスとフードウェイスト

食品ロスを語るとき、英語圏の文脈では次の2つに分けて説明されることがあります。
- Food loss(フードロス):生産〜流通の途中で発生しやすいロス(例:収穫後の傷み、輸送中の破損、規格外など)
- Food waste(フードウェイスト):販売・外食・家庭など「消費に近い場所」で発生しやすいロス(例:売れ残り、食べ残し、買いすぎ)
日本語では両方をまとめて「食品ロス」と呼ぶことが多いので、 “どの段階で起きている話なのか” を意識すると理解が早くなります。
食品ロスはどこで起きるのか(ざっくり地図)
食べ物の流れを、順番に並べるとこうなります。
- 生産(農業・漁業・畜産)
- 加工(工場で製品化)
- 流通(倉庫・輸送)
- 販売(小売:スーパー・コンビニなど)
- 外食(飲食店)
- 家庭(買う・保存・調理・食べる)
食品ロスは、この全部で起こり得るのがポイントです。
食品ロスの主な問題点
食品ロスが問題になる理由は、大きく分けて次の5つです。
1) もったいないだけでなく「資源の二重損失」になる
食べ物を作るには、
など、多くの資源が必要です。
捨てられるということは、 ✅ 食品そのものが失われる ✅ その食品を作るために使った資源も失われる
という “二重の損失” になります。
2) ごみ処理コストが増える(税金・店舗コストに跳ね返る)
食品が捨てられると、回収・焼却・処理が必要です。
- 家庭ごみが増える
- 店舗や工場の廃棄費用が増える
- 自治体の処理費用が増える
つまり、食品ロスは 家計にも、企業にも、社会にもコストを生みます。
3) 環境負荷が大きい(温室効果ガスの増加につながる)
食品ロスは、環境面でも影響が出ます。
- 作る段階でエネルギーを使う
- 輸送でも燃料を使う
- 捨てた後の処理でもエネルギーが要る
- 分解・焼却の過程で温室効果ガスが発生し得る
「食べ物の問題」なのに、気候変動の問題にもつながるのが厄介なところです。
4) 食料安全保障の弱さが目立つ(供給リスクに弱くなる)
天候不順、国際情勢、物流の混乱があると、食べ物は不足しやすくなります。
その一方で、食べられるものが日常的に捨てられていると、
- 必要な分を正確に供給できない
- 無駄が前提の仕組みから抜け出せない
という構造が残り、**「足りない時に弱い社会」**になりやすいです。
5) 生活の不公平感が生まれる(捨てる社会と足りない社会)
世界には食べ物が余る地域もあれば、十分に手に入らない地域もあります。
食品ロス自体が「すぐに飢餓を解決する」わけではないとしても、 食べ物を大切に扱わない仕組みは、倫理面でも大きな課題として見られます。
食品ロスが起きる具体例(場面別)

生産:規格外・人手不足・天候
- 形が悪い、傷があるだけで出荷できない 🍅
- 収穫のタイミングを逃して売れない
- 価格が下がりすぎて収穫しても赤字になる
加工:見込み違い・工程トラブル
- 作りすぎ(需要予測が外れる)
- 表示ミスやパッケージ不良で出荷できない
流通:温度管理・破損・納品条件
- 冷蔵・冷凍の温度が保てない
- 輸送中の破損
- 納品期限に間に合わず受け取ってもらえない
販売:売れ残り・欠品恐怖・陳列ルール
- 夕方まで棚を埋めたい(欠品を避けたい)
- 期限が近い商品が売れず廃棄
- 見た目の良い商品だけ残したい心理
外食:仕込み過多・大盛り・食べ残し
- お客様が来るか読めず仕込みが多くなる
- 量が多く残る
- 予約キャンセルで材料が余る
家庭:買いすぎ・保存ミス・作りすぎ
- 特売で買いすぎる 🛒
- 冷蔵庫の奥で忘れる
- 作った量が多すぎて残る
よくある誤解

誤解1:「食品ロス=家庭の食べ残し」
家庭の食べ残しは一部で、流通・販売・外食・生産にも原因があります。
誤解2:「賞味期限が切れたら食べられない」
- 賞味期限:おいしく食べられる目安
- 消費期限:安全に食べられる期限
この違いを知らないと、まだ食べられるものを早く捨ててしまいがちです。
誤解3:「食品ロスを減らす=我慢すること」
食品ロス対策は、我慢よりも 仕組みの改善 が中心です。 (買い方・保存・提供量・表示・寄付・加工の工夫など)
食品ロスを減らす方法(できること一覧)
家庭でできること
- 🧾 買う前に冷蔵庫チェック(ある物を確認して重複購入を防ぐ)
- 🗓️ 食べる順番を決める(期限の近い物を手前に)
- 🧊 保存方法を見直す(冷凍できる物は冷凍へ)
- 🍳 作りすぎを防ぐ(人数×量をざっくり固定)
- 🥕 余り食材の使い切りメニューを持つ(野菜炒め、スープ、カレーなど)
外食でできること
- 🍚 食べ切れる量を選ぶ(小盛り、ライス少なめ)
- 📦 持ち帰りの可否を確認(店のルールがある)
- 📅 予約変更は早めに連絡(仕込み量に直結する)
企業・店舗でできること
- 📈 需要予測の精度を上げる
- 🏷️ 値引き・小分け・セット変更で売り切り
- 🤝 寄付・フードバンク連携(衛生・責任の整理が必要)
- 🧠 納品・発注ルールの見直し(「過剰な鮮度要求」を減らす)
社会(自治体・制度)でできること
- 🏫 教育・啓発(期限表示の理解など)
- ♻️ 生ごみ資源化(堆肥化・バイオガス化など)
- 📊 データ公開・削減目標の設定
食品ロス対策の「現実的な考え方」
食品ロスはゼロにできない面もあります。
こうした要素は必要です。
大事なのは、 ✅ 安全に必要な余裕は残す ✅ ただし「捨てる前提の余裕」は減らす
という線引きです。
具体例:すぐ効く“見直しポイント”3つ
- 冷蔵庫の中を「見える化」する
- 奥に隠れるほどロスが増えます。棚の一角を「期限近いゾーン」に。
- 主食・主菜・副菜を完璧に揃えようとしない
- 副菜を作りすぎると残りやすいです。汁物やサラダは少量で回す方がロスが減りがちです。
- 買い物を“イベント化”しない
- まとめ買いは便利ですが、消費計画が曖昧だとロスも増えます。
Q&A(よくある疑問)

Q1. 「賞味期限が近い」商品を買うのは損?
うまく使えば損ではありません。購入後すぐ使う献立に組み込めば、家計にも優しい選択になりやすいです。
Q2. 食品ロスを減らすと、お店は困らない?
短期的には売上の形が変わる場合がありますが、廃棄コストが減り、発注精度が上がるなど、経営改善につながる面もあります。
Q3. 家庭の食品ロスって、何が一番多い?
一般的には、
の順で語られることが多いです。まずは「忘れ去り」と「作りすぎ」を潰すと効果が出やすいです。
まとめ:食品ロスの問題点は「捨てる」だけではない
食品ロスは、
- もったいない
- お金がかかる
- 環境負荷が増える
- 供給リスクに弱くなる
- 倫理的な違和感が残る
という複合的な問題です。
そして原因は、家庭だけでなく、生産・流通・販売・外食まで広がっています。
食品ロス対策は、「我慢」よりも「仕組みの見直し」が中心です。できる範囲で、
を整えるだけでも、食品ロスは減りやすくなります。