カニカニ詐欺とは?
手口・見分け方・対策をわかりやすく解説【最新版】
※この記事は一般的な注意喚起を目的とした情報です。個別の案件の判断は、消費生活センターや警察等の公的窓口への相談もあわせて検討してください。
カニカニ詐欺とは
「カニカニ詐欺」とは、カニ(ズワイガニ、タラバガニ等)など高級海産物の通信販売・電話勧誘販売を装い、
- 代金を支払ったのに商品が届かない
- 届いたが中身が極端に少ない/粗悪
- 価格や送料、追加料金の説明が不十分
- 解約や返金に応じない といった被害を生む詐欺・悪質商法の総称として、ネット上で広く使われている言い方です。
特に年末年始(お歳暮・お正月需要)に「お得」「今だけ」「訳あり」「産地直送」などの言葉と一緒に拡散しやすく、電話・SNS・広告・通販サイトなど複数の入口で起きます。
被害のパターン(よくある事例)
1)代金を払ったのに届かない(典型)
- クレジットカードや振込で支払った後、連絡が途絶える
- 追跡番号が出ない、出ても存在しない番号
- 会社情報(住所・電話)が虚偽、または連絡がつかない
2)届いたが「写真と違う」「量が違う」
- 「身がぎっしり」の写真なのに、実物はスカスカ
- 2kgと書いてあったのに、氷や殻を含む重量表示だった
- 「特大」表示なのに小さい、折れ・欠けが多い
3)追加料金・代引きトラブル
- 注文時に説明されていない送料・手数料が上乗せ
- 「代引きのみ」と言われ、到着時に高額請求
- 受け取り拒否をすると「キャンセル料」を請求される
4)電話勧誘で急かされる(高齢者被害も多い)
- 「在庫が今日まで」「今すぐ決めないと損」
- 断ると態度が急変し、強い口調で迫る
- 家族の情報を探るような質問をされる
5)偽サイト(そっくりコピー)
- 有名店や産地団体のサイトに似せた偽通販
- URLが不自然(文字列が長い、意味のない英数字)
- 会社概要ページが薄い/他サイトのコピー
カニカニ詐欺が増える時期・狙われやすい人
- 11月〜1月:お歳暮・年末年始・カニ需要がピーク
- セール期:ブラックフライデー、年末セール
- SNS広告が増える時期:短期の広告出稿で逃げやすい
狙われやすいのは、
- 「相場よりかなり安い」魅力に引かれやすい人
- 通販に慣れておらず、会社情報や評判を確認しない人
- 電話勧誘に弱い人(特に高齢者)
見分け方チェックリスト(購入前に必ず確認)
以下に当てはまるほど危険度が上がります。
✅ 価格が相場より不自然に安い
- 「タラバガニ2kg 4,980円」など、相場とかけ離れている
✅ 会社情報が薄い・怪しい
- 住所が番地までない/地図で見ると民家や空き地
- 電話番号が携帯のみ、または記載がない
- 特定商取引法に基づく表記がない/コピペ感が強い
✅ 支払い方法が偏っている
- 振込(前払い)しかない
- 送金アプリ・ギフトカード・暗号資産などを要求
✅ 日本語が不自然・写真が怪しい
- 誤字脱字が多い、機械翻訳っぽい
- 写真が他サイトと同じ(画像検索で一致する)
✅ 返品・返金ルールが極端
- 「返品不可」「食品のため一切返金不可」だけで終わっている
- 連絡先がメールのみで返信が遅い
✅ レビューが不自然
- 似た文体の高評価が短期間に集中
- 低評価が削除されているように見える
具体的な対策(買う前・買った後)
買う前の対策
- 販売者情報を確認(特商法表記、住所、電話、代表者名)
- 会社名・電話番号・住所を検索して評判や注意喚起がないか調べる
- 支払いはクレジットカード推奨(不正利用対策・チャージバックの可能性)
- 大手モール(楽天、Amazon、Yahoo!等)でも「出店者情報」を必ず確認
- 「訳あり」の定義(折れ、サイズ不揃い、脚欠け等)を事前に読む
- 重量表示が「総重量」か「正味重量」か、氷・グレーズの説明を確認
買った後(怪しいと気づいたら)
- 支払い方法別に早めに動く
- クレカ:カード会社に連絡(不正利用・チャージバック相談)
- 振込:銀行に連絡(組戻し可否、口座凍結相談)
- 代引き:配送会社に状況共有(受取前なら止められる場合も)
- 証拠を保存
- 注文画面、メール、SMS、広告、サイトURL、やり取りのスクショ
- 公的窓口に相談
- 消費生活センター(188)
- 警察相談専用電話(#9110)
- 明確な詐欺が疑われる場合は最寄り警察署へ
よくある誤解(ここで整理)
「安い=詐欺」ではない
産地の在庫処分や脚折れの訳ありなど、正当な理由で安い場合もあります。ただし、安さだけで決めず、販売者の実在性と説明の丁寧さを見て判断するのが安全です。
「有名モールなら安心」でもない
モール自体が詐欺というより、出店者の当たり外れがあります。出店者情報、レビューの質、運営歴などの確認が重要です。
「食品だから返金不可」は万能ではない
食品でも、説明と実物が違う、届かない、虚偽表示などが疑われる場合、交渉や相談の余地が残ることがあります。
安心してカニを買うためのコツ
- 産地の漁協・自治体・公式ショップ、老舗百貨店系、実店舗がある会社を優先
- 「特商法表記が充実」「問い合わせ対応が早い」「返品条件が明確」を選ぶ
- 冷凍カニは「グレーズ(氷の膜)」の説明があるか確認
- 家族用なら「脚折れ訳あり」でも満足度が高いことが多い(ただし説明が正直な店に限る)
FAQ
Q1. 「カニカニ詐欺」という言葉は正式名称ですか?
A. 公式な法律用語というより、被害の実態を指す通称として使われることが多い言い方です。
Q2. 電話で「カニを送る」と言われました。どうすれば?
A. その場で即決せず、会社名・電話番号・住所を確認して一度切るのが安全です。家族にも共有し、必要なら消費生活センターへ。
Q3. 届いたカニが写真と違います。返金できますか?
A. まずは販売者に連絡し、証拠(写真・重量・梱包状態)を保存してください。解決しない場合は、支払い方法(クレカ等)に応じてカード会社や消費生活センターへ相談を。
Q4. 偽サイトか確かめる方法は?
A. 特商法表記、ドメイン(URL)の不自然さ、会社住所の実在確認、画像検索、運営歴(ドメイン取得時期)などを複数チェックすると判別しやすいです。
まとめ
カニカニ詐欺は、年末年始の需要期に「安さ」や「限定感」を武器に近づいてきます。 購入前に 販売者の実在性・説明の丁寧さ・支払い方法 をチェックし、怪しければ立ち止まることが最大の防御です。
もし少しでも不安がある場合は、
- 証拠保存
- 早めの支払い手段への連絡
- 188(消費生活センター)や #9110(警察相談) をセットで動くと、被害拡大を防ぎやすくなります。