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アサーティブ・コミュニケーションの例

アサーティブ・コミュニケーションの例

場面別にすぐ使える実例集

はじめに

アサーティブ・コミュニケーションとは、「自分の気持ち・権利を大切にしながら、相手の気持ち・権利も同じだけ尊重して伝える」姿勢です。攻撃的でも、受け身でもなく、対等で誠実なやり取りを目指します。本記事では、日常・職場・家庭・対人サービスなどの具体的な会話例を多数示し、明日から実践できる形で解説します。各例では「状況/避けたい言い方(受け身・攻撃的)/アサーティブな言い方」を並べ、違いを明確にします。


1. 日常生活のアサーティブ例(12例)

例1:急な誘いを断る

  • 状況:疲れていて外出したくない。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「行けたら行くね(実際は行かない)」。
    • 攻撃的「急に言われても無理。空気読んでよ」。
  • アサーティブ:「誘ってくれてありがとう。今日は休養に充てたいので見送ります。別日に〇日か〇日なら都合が合いそうです。」

例2:SNSに勝手に写真を載せられた

  • 状況:了承なく自分の写真が投稿された。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「まあ、別にいいけど…」。
    • 攻撃的「勝手に載せないで!最悪!」。
  • アサーティブ:「私が写っている写真は事前に確認してから載せてもらえると助かります。今回の投稿は非公開に変更してもらえますか。」

例3:音漏れのお願い(公共交通)

  • 状況:隣席の音楽が大きい。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「我慢する」。
    • 攻撃的「うるさい!今すぐ止めて」。
  • アサーティブ:「すみません、少し音が漏れて聞こえています。音量を下げてもらえると助かります。」

例4:列への割り込みをやんわり指摘

  • 状況:レジの列で割り込まれた。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「何も言わない」。
    • 攻撃的「割り込むな!」。
  • アサーティブ:「こちらに並んでいました。最後尾は後ろになります。お願いします。」

例5:宗教・政治の強い勧誘を断る

  • 状況:価値観が合わず参加したくない。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「機会があれば…」。
    • 攻撃的「そういうの苦手、やめて」。
  • アサーティブ:「お気持ちは理解しますが、私は参加しない方針です。今後のお誘いは遠慮させてください。」

例6:不快なあだ名をやめてほしい

  • 状況:冗談のつもりの呼び方が苦手。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「笑ってごまかす」。
    • 攻撃的「その呼び方、いい加減にして!」。
  • アサーティブ:「その呼び方は私には居心地が悪く感じます。名前で呼んでもらえると嬉しいです。」

例7:会費の割り勘で負担が大きい

  • 状況:食べていない分まで割り勘に。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「いいよ、同額で」。
    • 攻撃的「不公平だよ!」。
  • アサーティブ:「私はアルコールを飲んでいないので、実費に近い形で分けられると助かります。」

例8:乗り合わせの交通費

  • 状況:毎回ガソリン代を払わない友人。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「今回はいいや」。
    • 攻撃的「タダ乗りやめて」。
  • アサーティブ:「次回からガソリン代を人数で割って精算できると助かります。1回あたり〇〇円の目安でどうでしょう。」

例9:苦手な食べ物を勧められる

  • 状況:断りづらい雰囲気。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「頑張って食べる」。
    • 攻撃的「無理、やめて」。
  • アサーティブ:「お気持ちに感謝します。ただ私は〇〇が苦手なので、別のものにしますね。」

例10:貸した物を返してほしい

  • 状況:数週間返却がない。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「また今度でいいよ」。
    • 攻撃的「早く返せ!」。
  • アサーティブ:「以前お貸しした本、今週中に返却いただけると助かります。受け渡しは〇日か〇日はいかがですか。」

例11:時間に厳しいお願い

  • 状況:待ち合わせに毎回遅れる相手。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「またか…と我慢」。
    • 攻撃的「遅刻魔は無理」。
  • アサーティブ:「待ち合わせを時間通りに始めたいので、次回は〇時〇分に集合でお願いします。遅れそうなら事前に知らせてもらえると助かります。」

例12:家族への頼みごと

  • 状況:家族に家事を手伝ってほしい。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「私がやるからいい」。
    • 攻撃的「なんで手伝わないの!」。
  • アサーティブ:「夕食後の皿洗いを交代制にしたいです。月水金は私、火木土日はお願いできますか。」

2. 職場のアサーティブ例(16例)

職場のアサーティブコミュニケーションの例

例13:優先順位の確認

  • 状況:複数タスクを同時に依頼された。
  • 避けたい言い方
    • 受け身「全部今日やります」。
    • 攻撃的「そんなに無理です」。
  • アサーティブ:「A・B・Cのタスクをいただいています。期限に合わせて進めるため、優先順位をA→B→Cでよいか確認させてください。」

例14:締め切り延長の相談

  • 状況:品質を保つには1日延長が必要。
  • アサーティブ:「現状の品質基準を満たすには1営業日の延長が必要です。明日17時提出でよろしければ完成度を担保できます。」

例15:会議での割り込みを止める

  • 状況:発言中に遮られる。
  • アサーティブ:「今の点を最後まで共有させてください。その後でご意見を伺えますか。」

例16:不適切な冗談への対応

  • 状況:相手は軽いノリだが不快。
  • アサーティブ:「冗談として言っているのはわかりますが、私には居心地が悪く感じます。その表現は控えてください。」

例17:メールのCC・情報共有の範囲

  • 状況:必要以上にCCが多い。
  • アサーティブ:「次回からこの件のCCはAさんとBさんに絞りたいです。情報量を適切に管理したい意図です。」

例18:残業の慣習を見直す

  • 状況:理由なく毎日残業。
  • アサーティブ:「生産性の観点から、定時で切り上げる日を設けたいです。緊急時以外は19時以降の作業を避ける運用を提案します。」

例19:資料の体裁・品質への依頼

  • 状況:図表の表記ゆれが多い。
  • アサーティブ:「図表の単位表記を統一しましょう。フォントはNoto Sans、単位は()付きに揃える運用でお願いします。」

例20:在宅勤務日の連絡ルール

  • 状況:連絡が取りにくい。
  • アサーティブ:「在宅日は始業時にステータスを更新し、コアタイムはチャット即応、打ち合わせはカレンダー招待で合わせましょう。」

例21:無償対応の線引き(フリーランス)

  • 状況:追加修正が重なる。
  • アサーティブ:「初回納品後の修正は2回まで無償、それ以降はお見積もりでの対応とさせてください。」

例22:価格交渉の断り

  • 状況:過度な値引き要求。
  • アサーティブ:「提示価格は品質確保に必要な最小限です。長期契約であれば総額割引のご提案は可能です。」

例23:成果の横取りを防ぐ

  • 状況:自分の成果が他者の功績に。
  • アサーティブ:「この分析は私が主担当で進めました。次のレビューでは私から経緯と結果を説明させてください。」

例24:会議時間の短縮提案

  • 状況:毎週の定例が冗長。
  • アサーティブ:「定例はアジェンダ事前共有+30分上限にし、未消化は非同期のドキュメントで進める案を提案します。」

例25:フィードバックのお願い

  • 状況:評価の根拠が曖昧。
  • アサーティブ:「今期の評価について、具体的な行動事例と改善点を教えてください。次の目標設定に生かしたいです。」

例26:メールより文書化を希望

  • 状況:口頭依頼が多く齟齬が生じる。
  • アサーティブ:「依頼事項は短いメモにまとめてSlackに残していただけると、認識合わせと後追いが確実になります。」

例27:休暇の取得

  • 状況:忙しい時期だが私用で休みたい。
  • アサーティブ:「〇月〇日は私用のため年休を取得します。引き継ぎはAに、緊急連絡は携帯で受けます。」

例28:進捗遅延の早期共有

  • 状況:遅延が見込み。
  • アサーティブ:「現時点で2日遅れの見込みです。代替案としてタスクを分割し、先行リリース可能部分を先に出します。」

3. 家庭・親族関係のアサーティブ例(8例)

例29:子どもの宿題の手伝いを頼まれた

  • 状況:毎回の丸投げは避けたい。
  • アサーティブ:「答えを教えるのではなく、考え方のヒントを一緒に探しましょう。最初の5問だけサポートします。」

例30:親からの過干渉をやんわり止める

  • アサーティブ:「心配してくれてありがとう。自分で決めたいので、助言は求めたときにお願いできると嬉しいです。」

例31:義理の家族との距離感

  • アサーティブ:「日曜は家族の時間に充てたいので、訪問は月1回・第2土曜に調整できると助かります。」

例32:家事分担の再設計

  • アサーティブ:「洗濯は私、ゴミ出しはあなた、週末の買い出しは交代にしましょう。1か月後に見直します。」

例33:生活音の配慮(同居)

  • アサーティブ:「夜23時以降の掃除機は控えてもらえると助かります。代わりに土日の昼間にお願いします。」

例34:金銭の貸し借りを断る

  • アサーティブ:「お金の貸し借りは家族でもしない方針です。必要なら一度一緒に家計を見直しましょう。」

例35:育児方針の違い

  • アサーティブ:「叱るときは大声ではなく、具体的な行動を短く伝える方法で統一したいです。」

例36:イベント出席の調整

  • アサーティブ:「連日の参加は体力的に難しいので、今年は初日だけ出席します。来年は別日を検討します。」

4. 健康・安全・配慮が必要な場面の例(6例)

例37:アレルギーへの配慮依頼

  • アサーティブ:「私はナッツにアレルギーがあります。共有のお菓子はナッツ不使用のものを選んでいただけると安心です。」

例38:喫煙スペースのお願い

  • アサーティブ:「煙で体調を崩しやすいので、喫煙は指定の場所でお願いします。」

例39:医療機関で症状をはっきり伝える

  • アサーティブ:「痛みは右下腹部で、歩くと増します。強さは10段階で7です。鎮痛薬の有無と次の検査を知りたいです。」

例40:飲酒の勧めを断る

  • アサーティブ:「今日は体調管理のためノンアルで過ごします。乾杯はソフトドリンクにします。」

例41:運転時の同乗者へのお願い

  • アサーティブ:「運転に集中したいので、ナビの案内は一人に絞ってもらえると助かります。」

例42:ハラスメント予防の境界線

  • アサーティブ:「身体的な接触は控えてください。握手やハイタッチなど公的に許容される範囲でお願いします。」

5. 使えるフレーズとテンプレート

Iメッセージ

  • 「私は〇〇と感じます/困っています」
  • 「私は〇〇を優先したいです」
  • 「私は〇〇のため、△△をお願いしたいです」

DESC法テンプレート

  1. D(事実):「昨日の会議で、私の発言の途中で話題が変わりました。」
  2. E(感情):「そのとき、十分に説明できず困りました。」
  3. S(提案):「次回は発言が終わるまで待っていただけますか。」
  4. C(結果):「そうすると、会議が効率的になり、誤解も減ります。」

サンドイッチ法(配慮→要望→感謝)

  • 「協力に感謝しています。次回は締め切りを前日正午に揃えましょう。引き続きよろしくお願いします。」

クッション言葉

  • 「お気持ちは理解します」「助かります」「申し訳ありませんが」「可能であれば」など。

6. よくあるつまずきと対処

  • 感情が先走る:深呼吸してから、短く具体的に。
  • 長広舌になる:要点を3点に絞る。
  • 相手が攻撃的:論点を事実に戻す。「その点について、事実ベースで確認させてください」。
  • ノーを言いにくい:「代替案」「条件付きOK」を用意する。
  • 一度で通らない:時間を置いて文書化し、合意形成を図る。

7. 練習ドリル(3分でできる)

  1. 今日の「言いにくいこと」を1つ書き出す。
  2. Iメッセージ+DESCで30秒の台本を作る。
  3. 鏡の前で声に出す(姿勢・声量・語尾を確認)。
  4. 伝えた後は「事実」と「感情」をメモし、次回に活かす。

8. まとめ

アサーティブは、自分も相手も大切にするための具体的スキルです。ここまでの42例は、言葉を少し置き換えるだけで実践できます。大切なのは、率直さ・具体性・共感・尊重の4点を同時に満たすこと。今日の小さな一歩が、明日の健全な関係をつくります。

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