熊本県嘉島町のイオンモール熊本で発生した大規模な爆発をめぐり、ニュースや情報番組で「爆轟(ばくごう)」という言葉が使われるようになりました。
爆轟は日常生活ではほとんど聞かない専門用語です。そのため、
と疑問に思った人も多いでしょう。
結論から言うと、爆轟とは、燃焼反応が音速以上の速さで伝わり、強い衝撃波を発生させる爆発現象です。
ただし、イオンモール熊本で起きた爆発については、専門家が被害状況から爆轟の可能性を指摘している段階です。2026年7月29日時点で、警察や消防による正式な原因認定は発表されていません。
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爆轟の読み方は「ばくごう」です。英語では「detonation(デトネーション)」と呼ばれます。
爆轟とは、可燃性ガスや爆発性物質の中を燃焼反応が非常に速い速度で進み、衝撃波を伴って伝わる現象です。
独立行政法人労働者健康安全機構の労働安全衛生総合研究所は、音速よりも速く伝わる爆発を「爆ごう」、音速よりも遅く伝わる爆発を「爆燃」と説明しています。爆轟では、反応面に大きなエネルギーが集中し、圧力が急激に上昇する衝撃波が発生します。
簡単に表すと、次のようになります。
爆轟=燃焼反応が音速を超えて伝わり、強い衝撃波を発生させる現象
空気中の音速は気温などによって変わりますが、おおむね秒速340メートル前後です。
ただし、爆轟で基準になるのは、必ずしも通常の空気中の音速だけではありません。反応が進んでいる物質や混合気体の中での音速を超えているかどうかが重要になります。
爆発的な燃焼は、大きく爆燃と爆轟に分けられます。
| 項目 | 爆燃 | 爆轟 |
|---|---|---|
| 読み方 | ばくねん | ばくごう |
| 英語 | Deflagration | Detonation |
| 反応の伝わる速さ | 音速より遅い | 音速以上 |
| 主な伝わり方 | 熱によって周囲へ燃焼が広がる | 衝撃波と燃焼反応が一体となって進む |
| 圧力の上昇 | 比較的緩やか | 極めて急激 |
| 破壊力 | 条件によっては大きい | 非常に大きくなることがある |
厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」でも、衝撃波を伴い、炎の伝わる速度が音速に達するものを爆轟、音速に達しないものを爆燃と区別しています。
爆燃とは、燃焼による炎が熱を伝えながら、周囲の可燃性物質へ広がっていく現象です。
火炎の伝わる速度は音速よりも遅いものの、閉鎖された室内などで大量のガスが燃えれば、爆燃でも建物の壁や窓、天井を破壊するほどの圧力が発生することがあります。
そのため、建物が大きく壊れたからといって、直ちに爆轟だったとは断定できません。
爆轟では、燃焼反応の前方に強い衝撃波が形成されます。
衝撃波によって、まだ燃えていないガスが急激に圧縮、加熱され、次の燃焼反応が引き起こされます。この反応が連続することで、衝撃波と燃焼が一体となって高速で進みます。
産業技術総合研究所は、爆轟について、物質中の燃焼速度がその物質の音速を超えて伝わる「自立した燃焼」と説明しています。爆轟は爆燃に比べて燃焼速度が非常に速く、極めて高い圧力を生じる場合があります。
爆発とは、ガスなどが急激に膨張し、周囲の圧力が短時間で大きく上昇する現象の総称です。
爆発には、燃焼を伴うものだけでなく、次のような種類があります。
つまり、爆発は幅広い現象を表す言葉であり、その中の一部に爆燃や爆轟があります。

爆轟の被害が大きくなる理由は、単に炎が速く広がるからではありません。
爆轟では、燃焼反応とともに強い衝撃波が発生します。この衝撃波が建物の壁、天井、柱、窓ガラスなどに瞬間的な圧力を加えます。
通常の風は比較的長い時間をかけて建物を押しますが、爆轟の衝撃波は極めて短時間に大きな力を加えます。
そのため、次のような被害が発生する可能性があります。
また、衝撃波は壁などに反射すると、場所によって圧力がさらに高くなることがあります。配管や細長い通路のような空間では、圧力波の反射や火炎の加速によって、爆発現象が複雑になる場合があります。
最初は爆燃として始まった燃焼が、途中から爆轟へ変化する場合があります。
この現象は、爆燃から爆轟への転移と呼ばれ、英語の頭文字を取って「DDT」と表記されます。
DDTは「Deflagration to Detonation Transition」の略です。
火炎が障害物、配管、壁などの影響を受けて乱れ、燃焼速度が次第に速くなると、圧力波が強まり、最終的に爆轟へ移行することがあります。
ただし、可燃性ガスに火がつけば必ず爆轟になるわけではありません。ガスの種類や濃度、空間の形状、密閉状態、障害物、着火位置など、さまざまな条件が関係します。
ガス爆発がすべて爆轟になるわけではありません。
住宅や店舗などで発生するガス爆発の多くは、まず爆燃として始まると考えられます。
ただし、ガスが広い範囲に充満していた場合や、閉鎖された空間、配管、障害物の多い場所など、一定の条件が重なると火炎が加速し、爆轟に移行する可能性があります。
一方で、大きな建物被害が発生していても、密閉空間での爆燃によって内部圧力が高まり、壁や屋根が破壊された可能性もあります。
被害の外観だけで、爆燃か爆轟かを確定することはできません。
イオンモール熊本ではLPガスが使用されていたと報じられています。
LPガスとは、液化石油ガスを意味する「Liquefied Petroleum Gas」の略称です。一般的にはプロパンやブタンを主成分としています。
LPガスは空気より重いため、漏れると床面や低い場所、物陰などにたまりやすい性質があります。消防庁の防災教材でも、LPガスは空気より重く、室内では下方にたまると説明されています。
ただし、LPガスが存在したことだけで爆轟が起きたと判断することはできません。
実際に爆発がどのように発生したかを判断するには、漏れたガスの量や場所、換気状況、着火源、建物の構造などを詳しく調べる必要があります。
2026年7月28日に発生した熊本地震の後、嘉島町のイオンモール熊本で大規模な爆発が起き、建物の壁や屋根などが広い範囲で崩落しました。
テレビ朝日の情報番組に出演した元東京消防庁の専門家は、建物の壊れ方などから、マッハを超える衝撃波を伴う爆轟だった可能性を指摘しました。
ただし、これは映像や被害状況を見た専門家による見解です。
イオンは7月29日、ガス漏れが原因かどうかを含めて調査中だと説明しています。官房長官も、消防や警察が建物に入った際にガス臭がしたとの報告があった一方、爆発原因の詳細は調査中だとしています。
したがって、現段階では、
イオンモール熊本の爆発は、専門家から爆轟の可能性が指摘されているものの、正式に爆轟と確定したわけではない
という表現が最も正確です。
爆発が爆燃だったのか爆轟だったのかを判断するため、警察、消防、事故調査機関などは、さまざまな情報を分析します。
爆轟では強い衝撃波が発生するため、爆燃とは異なる特徴的な破壊痕跡が残る場合があります。
しかし、大規模な爆燃や建物内部の圧力上昇でも激しい破壊が起こるため、映像だけで断定するのは困難です。

爆轟と爆風も混同されやすい言葉です。
爆轟は、爆発性物質や可燃性ガスの中を、燃焼反応と衝撃波が一体となって進む現象です。
一方、爆風は、爆発によって発生した圧力波が周囲の空間へ広がっていく現象を指します。
つまり、爆轟が起きた場所から外へ伝わっていく強い圧力波が、爆風として周辺の建物や人に被害を与えることがあります。
非常に大きな爆発音が聞こえたからといって、必ずしも爆轟とは限りません。
建物の壁や屋根が破壊された音、設備やガラスが割れた音、爆風が建物に当たった音などが重なり、遠くまで大きな音が届くことがあります。
爆轟かどうかを判断するには、音の大きさだけでなく、反応速度や衝撃波、圧力、破壊状況などを総合的に分析する必要があります。
「ばくごう」と読みます。「轟」は、とどろく、激しい音が響くという意味を持つ漢字です。
英語では「detonation」といいます。日本語でも「デトネーション」と表記されることがあります。
爆燃は英語で「deflagration」といいます。
はい。一般的には、燃焼反応がその物質や混合気体中の音速を超えて伝わり、衝撃波を伴う現象を爆轟と呼びます。
ガス爆発の多くは爆燃として始まります。ただし、空間の形状、ガスの濃度、密閉状態、障害物などの条件によっては、爆燃から爆轟へ移行する可能性があります。
建物の壊れ方だけでは確定できません。大規模な爆燃や閉鎖空間の圧力上昇でも、建物が大きく破壊されることがあります。
専門家が爆轟の可能性を指摘していますが、2026年7月29日時点では正式に確定していません。警察、消防などによる調査結果を待つ必要があります。
爆轟とは、燃焼反応が音速以上の速度で伝わり、強い衝撃波を伴う爆発現象です。
音速より遅い燃焼である爆燃に比べ、爆轟は圧力の上昇が非常に急激で、建物や設備に大きな破壊をもたらす可能性があります。
熊本地震後に発生したイオンモール熊本の爆発については、建物の激しい壊れ方から、専門家が爆轟の可能性を指摘しました。
しかし、爆発の原因や現象の詳細は調査中です。現時点では「爆轟だった」と断定せず、警察、消防、イオンなどから発表される正式な調査結果を確認する必要があります。