トヨタ・アメリカから撤退?
トヨタ・アメリカ工場撤退の噂を検証!
近年、「トヨタがアメリカから撤退する」という噂がSNSや動画サイトなどで繰り返し取り沙汰されています。しかしこれは誤情報であり、トヨタはむしろアメリカ市場を非常に重視しています。確かにこの「トヨタアメリカ撤退」の噂が広がる背景には、過去のトランプ政権下での高関税議論や関連する報道が影響していますが、実際にはトヨタのアメリカ工場撤退の動きはありません。
トランプ関税と噂の関係性
トランプ前大統領は、米国の貿易赤字を問題視し、自動車を含む輸入品に高率関税を課す可能性を示唆しました。当時、最大25%の追加関税案が浮上し、トヨタをはじめ多くの自動車メーカーは経営への影響を懸念しました。この議論が「トヨタがアメリカから撤退するのでは」という噂の土壌を作ったとも言えます。しかし、実際には高関税は導入される見込みではあるものの、トヨタはアメリカでの生産・販売を継続しています。したがって、トヨタのアメリカ工場撤退に関する噂は事実でないと言えます。
トヨタのアメリカ事業の現状
現在、トヨタはアメリカに多くの製造拠点を持ち、車両や部品の生産を行っています。ケンタッキー州のTMMK工場ではカムリやレクサスESが生産され、北米最大規模の工場のひとつです。さらにノースカロライナ州にはEV向けのバッテリー工場を建設中で、数千人規模の新たな雇用が期待されています。アラバマ州のエンジン工場や、テキサス州のピックアップトラック工場も含め、トヨタはアメリカの各地で堅実に事業を展開しています。
日野自動車と誤解の広がり
トヨタグループに属する日野自動車がアーカンソー州の工場閉鎖を発表したことは事実ですが、これは経営効率化のためであり、トヨタ本体のアメリカ撤退とは無関係です。しかしSNSや一部の動画では「トヨタがアメリカの工場を撤退する」と誤って取り上げられ、噂が広まる原因となっています。
SNS・YouTubeでの誇張情報
SNSやYouTube上では、「トヨタがアメリカ撤退を決定した」「アメリカの工場撤退で経済が大混乱」といったセンセーショナルなタイトルが散見されます。こうした投稿は注目を集めるために誇張されがちですが、トヨタ自身は「アメリカから撤退する計画はない」と繰り返し公式に発表しており、現在も北米市場での販売は堅調です。

トヨタの今後の戦略
トヨタはアメリカ市場を最重要地域の一つと位置付け、EVや水素自動車、自動運転など次世代技術の開発に力を入れています。加えてアメリカ国内で研究開発拠点の拡充を進め、現地の雇用創出や技術者育成に取り組んでいます。トランプ政権時代の関税問題は確かに大きな課題でしたが、それがトヨタのアメリカ撤退へ直結することはありませんでした。
メディアリテラシーの重要性
「トヨタ、アメリカから撤退」という噂に振り回されないためには、SNSや動画の情報だけを鵜呑みにせず、トヨタの公式発表や信頼できる報道を確認することが大切です。噂が大きくなる背景には過去のニュースや部分的な情報の切り取りがあるため、情報源を見極める力が求められます。
まとめ

- トヨタがアメリカから撤退する事実はない
- トランプ関税の議論が噂の背景に影響しているが、撤退の動きは現実にはない
- 「トヨタがアメリカの工場撤退」という噂は日野自動車の工場閉鎖の情報が誤って伝わったもの
- トヨタはアメリカでの投資や生産体制を今後も拡大する方針
今後もトヨタの動向を正確に把握し、根拠のある情報に基づいて判断することが重要です。
✅ トヨタとアメリカのトリビア
① アメリカ初のトヨタ車は トヨペット・クラウン
- トヨタがアメリカ市場に初めて輸出したのは 1957年 の「トヨペット・クラウン」。
- しかし、アメリカの高速道路を走るにはパワー不足で、販売は振るわず撤退。
- その後、北米向けに改良を重ね、再進出を果たしました。
② アメリカで最も売れているトヨタ車は「カムリ」
- トヨタ・カムリは長年、アメリカで 乗用車販売台数No.1 の常連。
- 特に90年代以降、ファミリーカーとして大人気。
③ トヨタ初のアメリカ生産は「コロナ」
- トヨタは1972年に カリフォルニア州に初の現地組立工場 を開設。
- 組立第1号は「トヨタ・コロナ」だった。
④ NUMMI工場とテスラの関係
- カリフォルニア州フリーモントにあった NUMMI(ヌーミー)工場 は、トヨタとGMの合弁工場。
- 2010年に閉鎖され、その後 テスラが買収し現在のテスラ工場に。
- 現在もModel 3などが生産されています。
⑤ 「タコマ」の名前の由来
- アメリカで人気のピックアップトラック「タコマ」。
- 名前はワシントン州の タコマ山(マウント・レーニアの別名) から。
- 北米市場専用モデルです。
⑥ トヨタはアメリカで100万人以上の雇用を支える
- トヨタの発表によれば、直雇用だけでなくディーラー、サプライヤーを含めると アメリカで約1,000,000人超の雇用 を支えています。仮にトヨタがアメリカ工場を閉鎖したり、トヨタがアメリカから撤退したら雇用面からも大変な騒動になると言えます、
⑦ トヨタUSAの本社はテキサス州へ移転
- トヨタUSAの北米本社は長年カリフォルニア州にありましたが、
- 2017年に テキサス州プレイノ(ダラス郊外)へ本社機能を移転。
- 税制や地理的メリットを理由に、他の日本企業もテキサス移転が増えています。
⑧ カリフォルニアのプリウス率は異常に高い?
- トヨタ・プリウスはアメリカ全土で人気ですが、
- 特にカリフォルニア州では環境意識の高さから 一時期「プリウスばかり走っている」と言われるほど多かった。
⑨ トヨタはアメリカでレクサスも生産
- 高級ブランド「レクサス」もアメリカで製造。
- ケンタッキー州の工場では「ES」などが生産されている。
⑩ NASCARでもトヨタが大活躍
- トヨタはアメリカのモータースポーツ界でも存在感あり!
- NASCARでは「カムリ」や「スープラ」仕様で参戦し、何度もチャンピオン獲得。