更新日:2026年10月4日。補償人数は2026年9月30日公表分に基づきます。
旧ジャニーズ事務所をめぐる問題には、創業者・ジャニー喜多川氏による性加害と、それを防げなかった組織の問題、所属タレントの事件、退所後に起きた元所属タレントの問題があります。
近年は、旧事務所から社名を変更したSMILE-UP.による被害者補償に加え、中居正広氏をめぐる第三者委員会の調査、国分太一氏の活動休止とTOKIOの解散などにも注目が集まりました。2026年には、国分氏の日本テレビへの謝罪やSMILE-UP.の経営体制変更に加え、timeleszの猪俣周杜氏が傷害容疑で逮捕され、その後に契約解除となった問題も起きています。
この記事では、旧ジャニーズ事務所の所属・元所属者に加え、STARTO ENTERTAINMENTの契約タレントに関する主な事件・不祥事を一覧と時系列で整理し、処分やその後の動きまで紹介します。逮捕・書類送検、検察の処分、裁判の判決、第三者委員会の認定、企業の処分は、それぞれ異なるものとして区別しています。成人同士の通常の交際報道や、裏付けのないうわさは一覧に含めていません。
以下は主な公表事例であり、過去のすべての報道を網羅したものではありません。グループ名は、事件当時の所属または主な経歴を示しています。
| 時期 | 人物・対象 | 主な内容 | 処分・その後 |
|---|---|---|---|
| 長年継続/2023年に調査報告 | ジャニー喜多川氏・旧事務所 | 未成年者を含む性加害と、組織が被害を防止できなかった問題 | 外部専門家が性加害を認定。旧事務所はSMILE-UP.へ社名変更し、被害者補償を実施 |
| 2007年 | 赤坂晃氏(元光GENJI) | 覚醒剤所持事件 | 事務所が解雇。懲役1年6月、執行猶予3年の判決 |
| 2009年 | 赤坂晃氏 | 退所後の覚醒剤使用事件 | 2010年に懲役1年6月の実刑判決 |
| 2009年4月 | 草彅剛氏(当時SMAP) | 公園での公然わいせつ容疑で逮捕 | 同年5月に不起訴(起訴猶予)。活動自粛後に復帰 |
| 2017年 | 田中聖氏(元KAT-TUN) | 退所後、大麻所持容疑で逮捕 | 同年6月に不起訴。後年の覚醒剤事件とは別の事案 |
| 2018年 | 山口達也氏(当時TOKIO) | 女子高校生への強制わいせつ容疑で書類送検 | 不起訴(起訴猶予)。同年5月6日に契約解除 |
| 2018年6月 | 小山慶一郎氏・加藤シゲアキ氏(NEWS) | 未成年女性との飲酒をめぐる報道 | 小山氏は一定期間の活動自粛。加藤氏は厳重注意と書面による反省 |
| 2020年9月 | 山口達也氏 | 退所後の酒気帯び運転事件 | 罰金35万円の略式命令 |
| 2022年の事件/2023年に実刑確定 | 田中聖氏 | 退所後の覚醒剤関連事件 | 実刑が確定。執行猶予の取り消し分と合わせ、2024年には刑期が計2年8か月と報道 |
| 2023年の事案/2024年末から報道 | 中居正広氏(元SMAP) | 女性との問題について、フジテレビ側の第三者委員会が業務の延長線上における性暴力と認定 | 2025年1月23日に芸能活動引退。中居氏側は同年5月に認定へ反論し、委員会は認定を維持 |
| 2025年6月以降 | 国分太一氏(元TOKIO) | 日本テレビが複数のコンプライアンス上の問題行為を確認したと発表 | 番組降板・無期限活動休止。TOKIOは同月25日に解散。2026年2月に日テレ社長への直接謝罪を公表 |
| 2026年9~10月 | 猪俣周杜氏(当時timelesz) | 知人女性への傷害容疑で逮捕。逮捕時には容疑を否認したと報道 | 9月25日に処分保留で釈放。9月30日付でSTARTOが契約解除し、10月1日に発表。グループは7人で継続 |
退所後の事件は、その人物がかつて所属していたという理由だけで、旧事務所の管理下で起きた事件とみなすことはできません。また、不起訴となった事案については、その結果も併せて確認する必要があります。
2026年9月19日、当時timeleszのメンバーだった猪俣周杜氏が傷害の疑いで逮捕されました。報道によると、前日の18日、東京都江東区のコンビニエンスストア駐車場に止めた車内で、知人女性の顔を複数回殴り、けがをさせた疑いが持たれています。
逮捕時の報道では、猪俣氏は手が当たった可能性があるという趣旨の説明をし、容疑を否認していたとされています。STARTO ENTERTAINMENTは19日、逮捕を公表し、当面の謹慎と活動休止を発表しました。
東京地検は9月25日、猪俣氏を処分保留で釈放しました。猪俣氏は警察署を出る際、報道陣の前で謝罪しています。処分保留での釈放は、不起訴処分や無罪判決が出たという意味ではありません。
STARTO ENTERTAINMENTは10月1日、猪俣氏との専属契約を9月30日付で解除したと発表しました。本人への聞き取りなどを経て、会社は重大な契約違反があると判断したと説明しています。
同社は発表時点で刑事処分は確定していないとしたうえで、今回の解除は刑事処分とは別に、専属契約に基づいて行った判断だと明記しました。猪俣氏はtimeleszを脱退し、グループは残る7人で活動を続けることになりました。
会社側は、他のメンバーが問題の行為を事前に把握したり、関与したりした事実はないと説明しています。また、契約解除は会社の判断であり、他のメンバーに処分の責任を負わせるものではないとしています。
この件はSTARTOの契約下で起きた事案であり、旧ジャニーズ事務所の時代の事件とは時期と運営主体を区別して整理する必要があります。
SMILE-UP.が2026年9月30日に公表した集計では、補償申告者は1,048人、補償内容の通知を受けた人は587人でした。このうち582人が補償内容に同意し、581人への支払いが済んだとしています。
これらは会社が公表した補償手続きの状況であり、被害者全体の人数が確定したことを意味するものではありません。「通知」「同意」「支払い」の人数は段階ごとに重複しており、合計する数字ではありません。
また、補償を行わないとした231人について、同社は在籍と被害の事実を確認できなかったと説明しています。この会社側の判断と、申告が虚偽であるという認定は同じではありません。
SMILE-UP.は2026年9月28日、10月1日付で経営体制を変更すると発表しました。東山紀之氏は代表取締役社長を任期満了で退任することになりました。
会社側は、今後の補償業務では法的手続きや専門的判断が必要となる局面が中心になると説明しています。同時に、経営体制の変更によって性加害問題への対応を終了するわけではなく、係争中の案件を含めて必要な手続きを続けるとしています。
被害補償と心のケアの申告受付も継続する方針です。したがって、社長交代や支払い人数の増加だけをもって、被害救済がすべて完了したとはいえません。
旧ジャニーズ事務所の歴史を検証するうえで、中心となるのが創業者・ジャニー喜多川氏による性加害問題です。未成年者を含む被害が長期にわたった重大な人権侵害であり、タレント個人の私生活上のスキャンダルとは根本的に性質が異なります。
2023年8月29日、外部専門家による再発防止特別チームは調査報告書を公表しました。報告書は性加害の存在を認定し、創業者に権力が集中する経営体制や、問題を把握しても適切に対応しなかった組織の姿勢を問題視しました。
この問題は2023年に初めて告発されたわけではありません。それ以前から証言や報道がありながら、被害防止や十分な検証につながらなかったことも重要な論点です。2023年のBBCによる報道や元所属者の証言を契機に、国内でも大きく取り上げられるようになりました。
旧ジャニーズ事務所は2023年10月17日、社名をSMILE-UP.に変更しました。一方、タレントの活動を支えるSTARTO ENTERTAINMENTは別会社で、2024年4月10日に本格的な業務を開始しています。
| 会社 | 位置付け・主な役割 |
|---|---|
| SMILE-UP. | 旧ジャニーズ事務所が社名変更した会社。性加害被害者への補償対応を担う |
| STARTO ENTERTAINMENT | 別に設立された会社。契約タレントのマネジメントやエージェント業務を担う |
両社を単純に同じ会社の新旧名称として扱うと、補償責任と現在のタレント活動の運営主体が混同されます。個別の問題についても、発生当時の所属先や契約関係を確認することが重要です。
中居正広氏をめぐる問題は、2024年末から女性とのトラブルとして大きく報じられました。中居氏は2025年1月23日、芸能活動からの引退を発表しました。
その後、2025年3月31日に公表されたフジテレビとフジ・メディア・ホールディングスの第三者委員会の調査報告書は、2023年6月の事案について、女性が中居氏から業務の延長線上における性暴力を受けたと認定しました。これは、週刊誌によるトラブル報道だけにとどまらない重要な進展です。
一方、中居氏側の代理人弁護士は同年5月12日、性暴力の認定や調査の中立性・公正性に異議を唱え、証拠開示などを要求しました。これに対し、第三者委員会は5月22日、調査方法と事実認定は適切だったと回答し、認定を維持しました。
ここでいう認定は、企業が設置した第三者委員会による調査上の判断です。刑事裁判による有罪判決とは区別する必要があります。同時に、本人側が反論したことによって、委員会の認定が撤回されたわけでもありません。
この問題では、中居氏個人の行為だけでなく、フジテレビ側が女性の被害を把握した後にどのように対応したか、有力な出演者との関係を優先していなかったかという点も問われました。第三者委員会は、同社幹部の対応についても厳しく指摘しています。
フジテレビと親会社は人権・コンプライアンスに関する改革を進め、2026年3月にも取り組みの進捗を公表しています。問題の検証は、番組降板や個人の引退だけで終わるものではありません。
なお、2023年の事案は中居氏の旧ジャニーズ事務所からの退所後に起きたものです。旧事務所の性加害問題と、フジテレビ側の調査で明らかにされた問題は、関係する組織と責任を分けて捉える必要があります。
日本テレビは2025年6月20日、国分太一氏について、過去に複数のコンプライアンス上の問題行為があったと確認し、「ザ!鉄腕!DASH!!」からの降板を決めたと発表しました。判断には第三者の弁護士による調査結果などを踏まえたとしています。
国分氏は無期限の活動休止を発表し、同年6月25日にはTOKIOが解散しました。STARTO ENTERTAINMENTも、グループエージェント契約を結んでいたTOKIOから解散の申し入れを受けたと公表しています。
2026年2月12日、国分氏は日本テレビの福田博之社長と面会し、直接謝罪したことを明らかにしました。関係者に謝罪の手紙を届けてもらったことも説明しています。
国分氏は番組降板の判断をめぐって人権救済の申し立てを行っていましたが、この面会などを受け、改めての申し立ては行わない意向を表明しました。
ただし、日本テレビは問題行為の詳細について、プライバシーなどへの配慮から公表を控えています。公表されている番組降板や謝罪の事実と、ネット上で推測される具体的な行為を混同することはできません。また、謝罪の公表そのものが活動再開の決定を意味するわけではありません。
当時TOKIOのメンバーだった山口達也氏は、女子高校生への強制わいせつ容疑で書類送検されました。東京地検は2018年5月1日、不起訴の一種である起訴猶予処分としています。
同月6日にはジャニーズ事務所との契約解除が発表され、TOKIOからも脱退しました。検察の処分と、事務所による契約上の対応は別の判断として行われたものです。
2020年9月、山口氏は酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されました。その後、道路交通法違反の罪で略式起訴され、東京簡裁が罰金35万円の略式命令を出したと報じられています。
こちらは退所後の事件であり、2018年の事案とは法的結果も異なります。両者をまとめて「逮捕された」「不起訴だった」と説明すると、事実関係が不正確になります。
元光GENJIの赤坂晃氏は、2007年に覚醒剤所持容疑で逮捕され、ジャニーズ事務所から解雇されました。同年11月には懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けています。
その後、2009年に覚醒剤使用事件で再び逮捕され、2010年3月30日に千葉地裁が懲役1年6月の実刑判決を言い渡しました。2007年の事件は所属中、2009年の事件は退所後に起きたものです。
元KAT-TUNの田中聖氏は、退所後の2017年に大麻所持容疑で逮捕されましたが、東京地検は同年6月30日に不起訴処分としました。この事件を有罪が確定した事件として紹介するのは正確ではありません。
一方、2022年の覚醒剤関連事件では実刑が確定しています。2024年の報道では、2023年12月に確定した懲役1年に、別事件の執行猶予が取り消された分を合わせ、刑期は計2年8か月とされています。
同じ人物について複数の事件がある場合も、容疑、起訴の有無、判決をそれぞれ分ける必要があります。薬物事件の背景を、裏付けなく人気や芸能活動のストレスに結び付けることも適切ではありません。
2018年6月、小山慶一郎氏と加藤シゲアキ氏について、未成年女性との飲酒が報じられました。当時のジャニーズ事務所は、小山氏を一定期間の活動自粛とし、加藤氏には厳重注意のうえ書面による反省を求めました。
事務所は、女性から20歳と告げられており、両氏は未成年者が参加していると認識していなかったと説明しています。そのうえで、小山氏が主体的に飲み会を開催したことや、加藤氏が制止しなかったことなどを踏まえ、対応を決めたとしました。
この件は、単に若い女性が同席していたというだけでなく、未成年者の飲酒を伴う場でのタレントの行動と判断が問題になった事例です。一覧にある刑事裁判の判決とは別に、事務所が発表した処分として整理されます。
当時SMAPのメンバーだった草彅剛氏は、2009年4月、東京都内の公園で泥酔して裸になり、公然わいせつ容疑で現行犯逮捕されました。
草彅氏は謝罪会見を行い、同年5月1日に起訴猶予処分となりました。その後、一定期間の活動自粛を経て芸能活動に復帰しています。
逮捕された事実だけでなく、不起訴となったことまでがこの事案の経過です。性加害や薬物事件とは内容が異なり、同じ言葉でまとめて評価することはできません。
ジャニー喜多川氏の性加害問題を検証した再発防止特別チームは、事務所の組織体制に加え、マスメディアが長年十分に報じてこなかった問題も指摘しました。
人気タレントの出演を必要とするテレビ局や出版社は、芸能事務所の取引先であると同時に、その問題を取材・報道する立場でもあります。取引関係への配慮が検証を妨げれば、被害の訴えが社会に届かず、救済が遅れるおそれがあります。
中居氏をめぐるフジテレビの問題でも、有力な出演者との関係と、働く人の安全・人権のどちらを優先していたのかが問われました。芸能事務所だけでなく、放送局や制作会社にも、取引上の利益から独立した相談・調査の仕組みが必要です。
説明責任を果たすことと、被害を受けた人を特定できる情報を公開することは同じではありません。必要な検証を進めながら、関係者への二次被害を防ぐ配慮も欠かせません。
旧ジャニーズ事務所の所属・元所属タレントについては、交際や結婚、同棲なども大きく報じられてきました。しかし、成人同士の合意に基づく通常の交際は、それだけで犯罪やコンプライアンス違反になるものではありません。
ファンの受け止め方やイメージへの影響と、他者の権利を侵害したかどうかは別の論点です。恋愛報道を重大な人権侵害や刑事事件と同列に並べると、本来検証すべき問題が見えにくくなります。
旧ジャニーズ事務所をめぐる一連の問題で問われているのは、誰が、いつ、どのような行為をし、関係する組織がどう対応したのかという点です。個別の責任を明確にするとともに、被害救済と再発防止が実際に進んでいるかを見続けることが重要です。