Japan Luggage Express
Japan Luggage Express Ltd.

火力発電所・仕組み

火力発電所

火力発電所・仕組み

電気はどうやってつくられるの?

導入:火力発電所は「熱」を「電気」に変える工場

私たちの暮らしで欠かせない電気は、さまざまな方法でつくられています。朝起きて照明をつけたり、冷蔵庫で食べ物を冷やしたり、学校や家でタブレットやパソコンを使えたりするのも、すべて電気があるおかげです。その電気を生み出す方法の中で、長いあいだ日本や世界で中心的な役割を担ってきたのが火力発電です。

ここでは、火力発電所の仕組みを、中学生でもイメージしやすいように、できるだけ身近な例を使いながら順番に説明していきます。ポイントはとてもシンプルで、燃料を燃やして得た熱で水をあたため、蒸気の力でタービンを回し、その回転を使って発電機で電気をつくるという流れです。この基本の流れをしっかり理解することが、火力発電を学ぶ第一歩になります。


1. 火力発電所で使う燃料は?

火力発電所では、「燃やすことで熱を出す燃料」が必要です。主に使われているのは、次のような燃料です。

  • LNG(液化天然ガス):現在、日本でとくによく使われています。燃やしたときに出る二酸化炭素の量が石炭より少なく、環境への負担が比較的小さいとされています。
  • 石炭:昔から使われてきた燃料で、安定して大量の電気をつくることができます。ただし、二酸化炭素の排出量が多いという課題があります。
  • 石油:現在は主力ではありませんが、災害時や電力が不足したときなど、特別な場面で使われることがあります。

燃料の種類が違うと、発電所の設備や発電のしかた、かかる費用、そして環境への影響も変わります。そのため、国や地域の状況に合わせて、どの燃料を使うかが選ばれています。


2. 火力発電所の全体の流れ(まずは結論)

火力発電所の仕組みは、一見むずかしそうに見えますが、流れを追えば理解しやすくなります。基本となる流れは、次の5つのステップです。

  1. 燃料を燃やす(熱エネルギーをつくる)
  2. 水をあたためて蒸気にする(高温・高圧の水蒸気をつくる)
  3. 蒸気でタービンを回す(蒸気の力を回転の力に変える)
  4. 発電機を回して電気をつくる(電気エネルギーに変える)
  5. 蒸気を冷やして水に戻し、もう一度使う(くり返し利用する)

この中で特に重要なのが、「蒸気でタービンを回す」という部分です。火力発電では、熱そのものを直接電気にするのではなく、いったん「回転の力」に変えてから電気をつくっているのです。


3. しくみをくわしく(部品ごとに)

ここからは、火力発電所の中にある代表的な装置を、実際の流れに沿って、もう少し詳しく見ていきましょう。

3-1. ボイラー(蒸気をつくる大きな加熱装置)

燃料を燃やしてできた熱で、水をあたため、水蒸気をつくる装置がボイラーです。ボイラーは火力発電所の中でも特に大きく、重要な役割をもつ装置です。

  • ボイラーの中には、たくさんの細い配管があり、その中を水が流れています。
  • 燃料を燃やすことで強い熱が出て、その熱によって水が一気にあたためられます。
  • その結果、水は高温・高圧の蒸気に変わります。

この蒸気の温度や圧力が高いほど、次の工程でタービンをより強く回すことができます。

3-2. タービン(蒸気の力を回転に変える)

タービンは、蒸気の力を使って回転する装置です。

  • 扇風機の羽根に風を当てると羽根が回りますが、タービンもそれとよく似ています。
  • ただし、火力発電では風の代わりに、高温・高圧の水蒸気を当てて回します。

蒸気が勢いよく当たることでタービンは高速で回転し、その回転の力が次の発電機へと伝えられます。

3-3. 発電機(回転を電気に変える)

タービンの回転が直接つながっているのが発電機です。ここで、私たちが使う電気が生み出されます。

発電機の中では、主に次のような仕組みが働いています。

  • 磁石(または電磁石)とコイルが近くに配置されている
  • 磁石の近くでコイルが回転すると、コイルの中に電気が流れる

この現象を**電磁誘導(でんじゆうどう)**といいます。

自転車の「ダイナモライト」を思い出すと理解しやすいでしょう。タイヤが回るとライトがつくのと同じように、火力発電でも「回すことで電気を生み出す」仕組みが使われています。


4. 使い終わった蒸気はどうなるの?(冷やして水に戻す)

タービンを回したあとの蒸気は、まだ高い温度をもっていますが、そのまま外に捨てるわけではありません。火力発電所では、エネルギーをできるだけ無駄にしない工夫がされています。

4-1. 復水器(ふくすいき):蒸気を水に戻す

復水器は、使い終わった蒸気を冷やして水(復水)に戻す装置です。

  • 冷やすために、海水や川の水、または冷却塔で冷やした水が使われます。
  • 蒸気が水に戻ると体積が小さくなり、次の工程へ送りやすくなります。

4-2. ポンプ:水をまたボイラーへ送る

水に戻ったあとは、ポンプを使って再びボイラーへ送られます。そして、また蒸気にされて利用されます。

このように、火力発電所では水と蒸気をくり返し使う循環の仕組みが成り立っています。


5. 電気はどうやって家まで届くの?(送電の流れ)

発電所でつくられた電気は、そのままでは私たちの家まで効率よく届けることができません。そこで、次のような流れで送られます。

  1. 発電機で電気をつくる
  2. **変圧器(へんあつき)**で電圧を高くする(送電中のロスを減らすため)
  3. 送電線を使って遠くまで運ぶ
  4. 町や地域の変電所で電圧を下げる
  5. 家や学校、店などで使える電圧にして届ける

このように、「遠くへ運ぶときは電圧を高くし、使う場所の近くで安全な電圧に下げる」という工夫がされています。


6. もっと効率よくする工夫:コンバインドサイクル発電

最近の火力発電所では、燃料をより有効に使うための工夫が進んでいます。その代表例が、**コンバインドサイクル(複合発電)**です。

6-1. ガスタービン+蒸気タービンの二段構え

  • まず、燃料を燃やして出たガスでガスタービンを回し、1回目の発電を行います。
  • 次に、そのときに出る高温の排気ガスの熱を利用して蒸気をつくり、蒸気タービンを回して2回目の発電を行います。

同じ燃料から二度発電できるため、エネルギーの利用効率が高くなります。


7. 火力発電のメリット・デメリット

メリット

  • 天気に左右されにくいため、安定して電気を供給できる
  • 必要な量の電気を調整しやすいので、需要に合わせた運転ができる
  • 大都市や工場など、多くの電力を必要とする場所を支えやすい

デメリット

  • 燃料を燃やすため、**二酸化炭素(CO2)**が発生する
  • 燃料を海外から輸入する場合、価格や国際情勢の影響を受けやすい
  • 排気や灰の処理など、環境対策のための設備が必要になる

そのため、火力発電では「できるだけ効率よく発電する」「環境への影響を減らす」ことが重要な課題になっています。


8. 環境対策の例(何が行われている?)

火力発電所では、環境への負担を減らすために、さまざまな対策が行われています。

  • 高効率化:同じ量の燃料から、より多くの電気をつくる
  • 排ガス処理:窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)、ばいじんを取り除く装置を使う
  • 燃料転換:石炭中心からLNG中心へ切り替える取り組み
  • CCS・CCUS:二酸化炭素を回収し、貯留や再利用を行う技術の研究

こうした取り組みにより、火力発電は少しずつ改良が重ねられています。


9. まとめ:火力発電所の仕組みを一言でいうと

火力発電所の仕組みは、

  • 燃料を燃やして熱をつくり
  • 水を蒸気に変え
  • 蒸気でタービンを回し
  • 発電機で電気を生み出す

という流れです。

自転車のダイナモのように、「回転を電気に変える」という考え方は、実はとても身近なものです。この仕組みを知っておくと、ニュースで「発電」「電力不足」「燃料価格」といった言葉を聞いたときにも、内容を理解しやすくなります。


よくある質問(Q&A)

Q1. なぜ水蒸気を使うの?

A. 水は手に入りやすく、蒸気にすると大きな圧力を生み出せるため、タービンを効率よく回すことができるからです。

Q2. ずっと燃やし続けないといけないの?

A. 電気を安定して届けるため、基本的には運転を続けますが、夜間など電気の使用量が少ない時間帯には出力を下げたり、一時的に停止したりすることもあります。

Q3. 発電所の煙突から出る白い煙は何?

A. 多くの場合、水蒸気や細かな水滴が白く見えているものです。排ガスは処理装置を通して、環境基準を守るよう管理されています。

Leave a Reply