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質量保存の法則・身近な例

質量保存の法則の身近な例

意味・実験・日常生活での具体例をわかりやすく解説

「質量保存の法則」は、中学理科で学ぶ大切な法則の一つです。名前だけを見ると少し難しく感じるかもしれませんが、実は料理、燃焼、サビ、炭酸飲料、実験など、身近な現象を理解するうえでも役立つ考え方です。

たとえば、ろうそくが燃えると短くなります。炭酸飲料のふたを開けると、気体が抜けて軽くなったように見えます。鍋で煮物をしていると、水分が減っていきます。こうした現象を見ると、「物質が消えたのではないか」と感じることがあります。

しかし、理科の視点で見ると、物質は突然なくなったわけではありません。目に見えない気体や水蒸気になって移動したり、空気中の酸素と結びついたりしているのです。

この記事では、質量保存の法則とは何か質量保存の法則の身近な例質量が減ったように見える理由質量が増えたように見える理由、そして実験で確かめる方法まで、わかりやすく整理して解説します。


質量保存の法則とは何か

質量保存の法則とは、簡単に言うと、化学変化が起こっても、反応の前後で物質全体の質量は変わらないという法則です。

たとえば、ある物質が燃えたり、酸素と結びついたり、分解されたりして別の物質に変わったとしても、反応に関わった物質をすべて合わせて考えれば、反応前と反応後の質量は同じになります。

ここで大切なのは、「一部分だけを見るのではなく、反応に関係したもの全体を見る」ということです。

ろうそくが燃える場合、ろうそくだけを見ると短くなり、軽くなったように見えます。しかし、燃えるときには空気中の酸素が使われ、二酸化炭素や水蒸気が発生しています。つまり、ろうそくのロウは消えたのではなく、別の物質に変わって空気中へ出ていったのです。

このように、見た目が変わっても、反応に関わった物質全体で考えると、質量は保存されています。


「質量」と「重さ」は同じなのか

質量保存の法則を理解する前に、「質量」と「重さ」の違いも少し整理しておきましょう。

日常生活では、「このリンゴは重い」「この荷物は軽い」というように、「重さ」という言葉をよく使います。しかし、理科では、物質そのものの量を表すときに質量という言葉を使います。

厳密に言うと、質量と重さはまったく同じではありません。

  • 質量:物質そのものの量
  • 重さ:地球などが物体を引っぱる力の大きさ

ただし、地球上で身近な実験を考える場合には、はかりで測った「重さ」を使って質量の変化を考えることが多いです。そのため、この記事では分かりやすさを優先して「重さ」という言葉も使いますが、理科的には質量が保存されるという意味であることを押さえておくとよいでしょう。


質量保存の法則を簡単に説明すると

質量保存の法則をとても簡単に説明すると、次のようになります。

物質は、形や姿が変わっても、反応に関わったもの全体で見れば、勝手に消えたり、突然増えたりしない。

たとえば、紙を燃やすと灰が残ります。紙の量に比べると、灰はかなり少なく見えます。そのため、「紙の大部分がなくなった」と感じるかもしれません。

しかし、紙の中に含まれていた炭素や水素などの成分は、空気中の酸素と結びつき、二酸化炭素や水蒸気になって空気中へ出ていきます。目に見えない気体になったため、消えたように見えるだけです。

つまり、「見えなくなった=なくなった」ではありません。

この考え方が、質量保存の法則を理解するうえでとても重要です。


質量保存の法則で大切な「全体を見る」という考え方

質量保存の法則を考えるときに特に大切なのが、どこまでを全体として見るかという点です。

ふたのない容器で反応を起こすと、発生した気体が外へ逃げたり、空気中の酸素が中に入ってきたりします。そのため、容器の中だけをはかると、質量が減ったり増えたりしたように見えることがあります。

しかし、逃げた気体や、外から入ってきた酸素まで含めて考えると、物質が消えたり、何もないところから突然生まれたりしたわけではありません。

この考え方を理解するためには、次の2つの状態を比べると分かりやすくなります。

開いた状態

ふたが開いている状態では、気体が外へ逃げたり、空気中の酸素が中に入ったりします。そのため、はかりで測ると質量が変化したように見えることがあります。

閉じた状態

ふたを閉めた容器や、密閉した袋の中で反応を起こすと、発生した気体も中に残ります。そのため、容器や袋全体の質量を測れば、反応の前後でほとんど変わらないことが分かります。

質量保存の法則を正しく確かめるには、この「閉じた状態」で考えることがとても重要です。


質量保存の法則の身近な例

ここからは、質量保存の法則を理解するための身近な例を紹介します。

なお、身近な例の中には、化学変化そのものではなく、水に溶ける、蒸発する、気体が抜けるといった物理変化も含まれます。これらは厳密には化学変化ではありませんが、「見えなくなっても物質が消えたわけではない」という考え方を理解する助けになります。


① 食塩水をつくる例

食塩水をつくる実験の様子

水に食塩を入れて食塩水をつくると、食塩の粒は見えなくなります。

たとえば、水100gに食塩10gを入れてよく混ぜると、食塩は水に溶けて見えなくなります。しかし、食塩が消えたわけではありません。水の中に、目に見えないほど小さな粒として広がっているだけです。

この場合、食塩水全体の質量は、基本的に次のようになります。

水100g + 食塩10g = 食塩水110g

食塩が見えなくなっても、質量はなくなりません。

ただし、食塩が水に溶ける現象は、厳密には化学変化ではなく物理変化です。そのため、これは質量保存の法則そのものを示す化学反応の例ではありません。

それでも、「見えなくなった物質も、実際には存在している」という点を理解するうえでは、とても分かりやすい例です。

ポイント:食塩は消えたのではなく、水の中に溶けて広がっています。


② 炭酸飲料のふたを開ける例

炭酸飲料のペットボトルを開けると、「プシュー」という音がして泡が出ます。これは、飲み物の中に溶けていた二酸化炭素が気体として外へ出ていくためです。

ふたを開ける前のペットボトル全体をはかり、その後ふたを開けてしばらく置いてからもう一度はかると、少し軽くなっていることがあります。

これは、二酸化炭素が空気中へ出ていったためです。

ここで大切なのは、二酸化炭素が消えたわけではないということです。ペットボトルの中から外へ移動しただけです。

ペットボトルだけを見れば軽くなります。しかし、外へ出ていった二酸化炭素まで含めて考えれば、物質そのものがなくなったわけではありません。

ポイント:軽くなったように見えるのは、二酸化炭素が外へ逃げたためです。


③ ろうそくが燃える例

ろうそくの燃焼

ろうそくに火をつけると、時間がたつにつれて少しずつ短くなります。見た目だけを見ると、ロウが消えていったように感じるかもしれません。

しかし、ろうそくのロウは、燃えるときに空気中の酸素と反応しています。そして、二酸化炭素や水蒸気などの物質に変わって空気中へ出ていきます。

つまり、ロウが何もないところへ消えてしまったのではありません。別の物質に変化して、空気中へ移動しているのです。

もし、ろうそくをふたつきの容器の中で燃やし、発生した気体も逃がさないようにして全体の質量を測れば、反応の前後で質量は変わらないと考えられます。

ただし、実際には容器内の酸素が少なくなると火は消えます。燃焼の実験では、安全面にも注意が必要です。

ポイント:ろうそくのロウは消えたのではなく、二酸化炭素や水蒸気などに変わっています。


④ 紙や木が燃える例

紙や木を燃やすと、最後には灰が残ります。もとの紙や木に比べると、灰の量はとても少なく見えます。

そのため、「紙や木の大部分が消えた」と感じるかもしれません。

しかし、紙や木に含まれる成分は、燃焼によって空気中の酸素と結びつき、二酸化炭素や水蒸気などになります。これらの気体は目に見えにくいため、なくなったように感じるだけです。

灰として残るのは、燃えにくい成分の一部です。紙や木のすべてが灰になるわけではありません。

つまり、紙や木を燃やしたときに「軽くなった」と感じるのは、発生した気体が空気中へ出ていったためです。

ポイント:燃えた物質の多くは、目に見えない気体になって空気中へ移動しています。


⑤ 鉄くぎがさびる例

さびた釘

鉄のくぎを長い間空気中に置いておくと、表面が茶色くさびていきます。

さびは、鉄が空気中の酸素や水分と反応してできるものです。つまり、鉄だけが変化しているのではなく、空気中の酸素も反応に関わっています。

このとき、くぎだけをはかると、さびる前より重くなることがあります。これは、空気中の酸素が鉄に結びついたためです。

「質量保存の法則なのに、重くなるのはおかしい」と思うかもしれません。しかし、増えた分の質量は、空気中から取りこまれた酸素の質量です。

鉄と酸素を合わせて考えれば、反応の前後で質量は保存されています。

ポイント:さびたくぎが重くなるのは、空気中の酸素が鉄に結びついたためです。


⑥ 使い捨てカイロが温かくなる例

寒い日に使う使い捨てカイロも、質量保存の法則を考えるうえで分かりやすい例です。

使い捨てカイロの中には、鉄粉、活性炭、塩類、水分などが入っています。袋を開けると空気中の酸素が入り、鉄粉がゆっくり酸化します。このときに熱が発生するため、カイロが温かくなります。

この反応では、鉄が酸素と結びついて酸化鉄に変わります。つまり、カイロの中の鉄粉だけでなく、空気中の酸素も反応に参加しています。

開封後のカイロでは、空気中から酸素が取りこまれるため、厳密に考えると、反応に関わる物質の範囲を広く見る必要があります。

鉄粉と取りこまれた酸素を合わせて考えれば、反応前後で質量は保存されています。

ポイント:使い捨てカイロは、鉄が酸素と結びつく化学変化を利用しています。


⑦ 入浴剤から泡が出る例

お風呂に入浴剤を入れると、シュワシュワと泡が出ることがあります。これは、入浴剤の中の成分が水に溶けて反応し、二酸化炭素などの気体が発生するためです。

泡が出ると、何かがなくなったように見えるかもしれません。しかし、発生した気体も物質です。目に見えにくい形で水中や空気中に移動しているだけです。

もし、密閉した容器の中で同じような反応を起こし、発生した気体も逃がさないようにすれば、反応前後の全体の質量はほとんど変わりません。

開いたお風呂では気体が空気中へ逃げるため、お風呂の水や入浴剤だけを見ると、質量の変化を正確に確認することはできません。

ポイント:泡として出てくる気体にも質量があります。


⑧ ホットケーキを焼く例

ホットケーキを作るときは、小麦粉、卵、牛乳、砂糖、ベーキングパウダーなどを混ぜて焼きます。

焼いているうちに、ホットケーキはふくらみ、色が変わり、香ばしいにおいがします。このとき、いくつもの変化が同時に起きています。

たとえば、ベーキングパウダーから二酸化炭素が発生し、その気体によって生地がふくらみます。また、水分の一部は水蒸気となって空気中へ出ていきます。さらに、焼き色や香りに関係する化学変化も起こります。

焼き上がったホットケーキだけを見ると、最初の材料より軽くなっていることがあります。これは、水蒸気や気体が外へ逃げたためです。

もし、逃げた水蒸気や気体もすべて含めて考えるなら、材料が消えたわけではなく、形や場所が変わっただけだと分かります。

ポイント:ホットケーキ作りでは、水蒸気や気体が外へ出るため、できあがりだけを見ると軽くなったように見えます。


⑨ 鍋で煮物やシチューを作る例

鍋で煮物、カレー、シチューなどを作っていると、時間がたつにつれて水分が少なくなることがあります。

特に、ふたをしないで長時間煮込むと、水分がどんどん減ります。これは、水が水蒸気になって空気中へ出ていくためです。

鍋の中だけを見ると、水分が減ったように見えます。しかし、水が消えたわけではありません。液体の水が、気体の水蒸気に変わって空気中へ移動したのです。

この例は主に物理変化であり、化学変化そのものではありません。しかし、「見えなくなった物質も、別の場所に移動しているだけ」という考え方を理解するには、とても身近な例です。

ポイント:煮物で水分が減るのは、水が水蒸気になって空気中へ出ていくためです。


⑩ 卵をゆでる例

卵をゆでると、透明だった白身が白く固まり、黄身も固くなります。見た目や手ざわりは大きく変わりますが、卵の中の物質が突然消えるわけではありません。

卵をゆでるときには、主にたんぱく質の性質が変わります。これを熱による変性といいます。

殻が割れて中身が流れ出たり、水分が外へ逃げたりしなければ、卵全体の質量は大きく変わりません。

ただし、卵をゆでる変化は、燃焼やサビのような典型的な化学反応とは少し性質が異なります。そのため、質量保存の法則を直接確認する例というより、見た目が変わっても物質がなくなったわけではない例として考えるとよいでしょう。

ポイント:見た目や状態が変わっても、物質が消えたわけではありません。


⑪ 銅を加熱して黒くなる実験

理科の授業では、銅を加熱する実験を行うことがあります。銅を空気中で加熱すると、表面が黒く変化します。

これは、銅が空気中の酸素と結びついて、酸化銅という物質になるためです。

このとき、銅だけをはかると、加熱後の方が重くなることがあります。理由は、空気中の酸素が銅に結びついたからです。

つまり、増えた分の質量は、空気中から取りこまれた酸素の質量です。

銅と酸素を合わせて考えれば、反応前後で質量は保存されています。

ポイント:金属が酸素と結びつくと、金属だけを見た場合には重くなることがあります。


⑫ 石灰水に息を吹き込む例

石灰水に息を吹き込むと、白くにごることがあります。これは、息の中に含まれる二酸化炭素が石灰水と反応し、白い物質ができるためです。

この実験では、息として吹き込んだ二酸化炭素が反応に参加しています。

つまり、石灰水だけを見ていると、突然白い物質ができたように見えるかもしれません。しかし実際には、外から入ってきた二酸化炭素が関係しています。

反応に関わった石灰水の成分と二酸化炭素を合わせて考えれば、質量は保存されています。

ポイント:新しい物質ができたように見えても、外から入った物質が反応している場合があります。


質量が減ったように見える理由

日常生活では、質量が減ったように見える現象がたくさんあります。

たとえば、次のような場合です。

  • ろうそくが燃えて短くなる
  • 紙や木が燃えて灰になる
  • 炭酸飲料のふたを開けると気体が抜ける
  • 鍋で煮込むと水分が減る
  • ホットケーキを焼くと水分が抜ける

これらに共通しているのは、気体や水蒸気が外へ出ていくという点です。

目に見えにくい気体や水蒸気になると、私たちは「なくなった」と感じやすくなります。しかし、実際には物質が別の場所へ移動しているだけです。

つまり、質量が減ったように見える理由の多くは、物質が消えたからではなく、目に見えない形になって外へ逃げたからなのです。


質量が増えたように見える理由

反対に、質量が増えたように見える現象もあります。

代表的なのが、鉄くぎがさびる例や、銅を加熱して黒くなる例です。

これらの場合、金属が空気中の酸素と結びついています。そのため、金属だけをはかると、反応後に重くなることがあります。

しかし、これは物質が突然増えたわけではありません。空気中にあった酸素が金属に取りこまれたため、その分だけ重くなったのです。

つまり、質量が増えたように見える理由は、外から別の物質が加わったからです。

金属と酸素を合わせて考えれば、質量保存の法則に反しているわけではありません。


化学変化と物理変化の違い

質量保存の法則を考えるときには、化学変化と物理変化の違いも知っておくと理解しやすくなります。

化学変化とは

化学変化とは、物質が別の物質に変わる変化です。

たとえば、次のようなものがあります。

  • ろうそくが燃える
  • 紙や木が燃える
  • 鉄がさびる
  • 銅が酸素と結びついて酸化銅になる
  • クエン酸と重そうが反応して二酸化炭素が出る

化学変化では、原子の組み合わせが変わり、新しい物質ができます。

物理変化とは

物理変化とは、物質そのものの種類は変わらず、形や状態、場所などが変わる変化です。

たとえば、次のようなものがあります。

  • 食塩が水に溶ける
  • 水が水蒸気になる
  • 氷が水になる
  • 炭酸飲料から二酸化炭素が抜ける

物理変化では、物質の種類そのものは大きく変わりません。

質量保存の法則は、特に化学変化を考えるときに重要な法則ですが、物理変化の例も「物質は消えない」という考え方を理解する助けになります。


なぜ質量は保存されるのか

質量保存の法則が成り立つ理由は、物質をつくっている原子にあります。

すべての物質は、原子というとても小さな粒からできています。化学変化が起こると、原子の組み合わせは変わります。

たとえば、燃焼では、燃える物質の中の原子が空気中の酸素の原子と結びつき、二酸化炭素や水蒸気などになります。

しかし、化学変化の中で、原子そのものが突然消えたり、新しく生まれたりするわけではありません。原子の組み合わせが変わるだけです。

そのため、反応の前後で原子の数は変わりません。

原子の数が変わらないので、反応に関わった物質全体の質量も変わらないのです。


質量保存の法則を確かめる実験

質量保存の法則は、実験で確かめることができます。特に分かりやすいのが、クエン酸と重そうを使った実験です。

クエン酸と重そうを使った実験

クエン酸と重そう、つまり炭酸水素ナトリウムを混ぜて水を加えると、反応が起こり、二酸化炭素が発生します。

このとき、袋や容器を開けたままにしておくと、発生した二酸化炭素が空気中へ逃げていきます。そのため、反応後に容器の中だけをはかると、軽くなったように見えることがあります。

しかし、密閉できる袋の中で反応を起こし、発生した二酸化炭素も袋の中に閉じこめておけば、袋全体の質量は反応の前後でほとんど変わりません。

この実験では、次の点が大切です。

  • 反応前に、袋全体の質量をはかる
  • 袋をしっかり閉じてから反応させる
  • 発生した気体を外へ逃がさない
  • 反応後に、袋全体の質量をもう一度はかる

すると、反応前と反応後で質量がほとんど変わらないことが分かります。

この実験は、質量保存の法則を理解するうえでとても分かりやすい例です。


実験で注意したいこと

質量保存の法則を実験で確かめるときには、いくつか注意点があります。

気体を逃がさないこと

気体が発生する実験では、気体が外へ逃げると、反応後の質量が軽くなったように見えます。そのため、密閉できる袋や容器を使うことが大切です。

空気中の酸素も反応に関わることがある

金属を加熱する実験や、サビの実験では、空気中の酸素が反応に参加します。金属だけを見ると重くなりますが、その増えた分は酸素の質量です。

はかりの誤差も考えること

実験では、はかりの精度や測り方によって、少し数値がずれることがあります。完全に同じ数値にならなくても、わずかな違いであれば、測定誤差の可能性があります。

安全に注意すること

燃焼や加熱をともなう実験では、火や熱を扱います。必ず安全な環境で行い、必要な場合は先生や大人の指示に従うことが大切です。


質量保存の法則と日常生活の関係

質量保存の法則は、教科書や実験室だけの話ではありません。日常生活の中でも、さまざまな場面で関係しています。

料理をするとき、水分が蒸発して減ったように見えることがあります。炭酸飲料のふたを開けると、二酸化炭素が抜けて軽くなったように見えることがあります。使い捨てカイロが温かくなるときには、鉄が酸素と結びつく化学変化が起きています。

こうした現象をただ「減った」「増えた」と見るのではなく、「何が外へ出たのか」「何が外から入ったのか」「どの物質が別の物質に変わったのか」と考えると、理科の見方が身近になります。

質量保存の法則は、物質の変化を考えるための基本です。そして、身のまわりの現象をより深く理解するための大切な考え方でもあります。


よくある疑問

燃えると軽くなるのに、なぜ質量保存の法則が成り立つのですか?

燃えた物質の一部が、二酸化炭素や水蒸気などの気体になって空気中へ出ていくためです。燃えたものが消えたのではなく、目に見えにくい気体に変わって移動しています。

サビると重くなるのは、質量保存の法則に反していませんか?

反していません。鉄がさびるときには、空気中の酸素が鉄に結びつきます。くぎだけを見ると重くなりますが、増えた分は空気中から取りこまれた酸素の質量です。

水が蒸発して減るのは、質量がなくなったということですか?

水がなくなったのではなく、水蒸気になって空気中へ出ていっただけです。液体の水が気体の水蒸気に変わり、場所を移動したと考えると分かりやすいです。

食塩が水に溶けるのは化学変化ですか?

食塩が水に溶けるのは、基本的には化学変化ではなく物理変化として扱われます。ただし、食塩が見えなくなっても消えたわけではないため、質量の考え方を理解する身近な例になります。


まとめ

質量保存の法則とは、化学変化が起こっても、反応に関わった物質全体の質量は変わらないという法則です。

ろうそくが燃えると短くなり、紙が燃えると灰になります。炭酸飲料のふたを開けると気体が抜け、鍋で煮物をすると水分が減ります。こうした現象を見ると、物質が減ったり消えたりしたように感じることがあります。

しかし、実際には、物質が二酸化炭素や水蒸気などの気体になって空気中へ出ていったり、空気中の酸素が物質に結びついたりしています。

つまり、見えなくなったからといって、物質がなくなったわけではありません。

質量保存の法則を理解するうえで大切なのは、次の点です。

  • 物質は、形や姿が変わっても突然消えるわけではない
  • 気体や水蒸気にも質量がある
  • 燃焼では、空気中の酸素が反応に関わる
  • サビや酸化では、外から酸素が加わるため重く見えることがある
  • 正しく確かめるには、密閉した状態で全体の質量を見ることが大切

質量保存の法則は、理科の基本であると同時に、日常生活の中の変化を理解するためにも役立ちます。

「なぜ軽くなったように見えるのか」「なぜ重くなったように見えるのか」と考えてみると、身近な現象の中にも科学のしくみが隠れていることが分かります。

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