こんにちは!今日は「多様性」という言葉をテーマに、私たちのとても身近なところに潜んでいる「多様性」の具体例をたくさん取り上げながら、その大切さや面白さを掘り下げてみたいと思います。
「多様性」と聞くと、国籍や人種、性別、宗教などの話を思い浮かべる人が多いかもしれません。もちろんそれも多様性ですが、実は私たちが暮らす日常のあちこちに、いろいろな「ちがい」が息づいています。それに気づくと、世界はずっと豊かに、そして面白く感じられるはずです。
多様性(ダイバーシティ)とは、簡単にいえば「ちがいがあること」。人だけでなく、ものごとや考え方、価値観、生き方など、あらゆるところに「ちがい」はあります。そしてその「ちがい」が集まって、社会や文化、そして私たち一人ひとりの暮らしを形づくっています。
昔は「みんな同じ」が安心だと思われてきた時代もありました。でも今は、さまざまな立場や背景を持つ人たちが互いを尊重しあいながら、それぞれの強みを生かしていくことの大切さが注目されています。それは、社会をより豊かで住みやすくするためでもあります。
では、具体的にどんなところに「多様性」があるのか、身近な「多様性」の例をたっぷりご紹介しましょう!
例えば、私たちが普段使う「言葉」。日本語一つ取っても、地域によって方言が違います。
方言を聞くと「うわ、なんかいいな」と感じる人も多いはず。言葉の多様性は、地域の歴史や文化が反映された大事な宝物です。
また、近所のスーパーに行くだけでも、店員さんが「いらっしゃいませ」のほかに、「Welcome」や「你好」「안녕하세요」など、多言語の案内をしているところも増えました。観光客や外国人居住者が多い地域では、これが当たり前の風景になりつつあります。
食べ物も多様性の宝庫です。
特に最近はスーパーで外国の調味料が手軽に手に入るようになり、家で作るごはんのレパートリーもぐんと増えました。「今日はタイカレーにしよう」「明日はメキシカンタコスにしよう」と、世界中の味を自宅で楽しむ人も少なくありません。
また、宗教や思想によって食べられないものがあったり、ベジタリアン、ヴィーガンなど食生活の選択肢も広がっています。以前より「この人は〇〇だから食べられない」ということへの理解が少しずつ進んできました。
ファッションにも多様性の具体例を見ることができます。
昔は「流行=みんな同じ格好をする」ことでしたが、今はむしろ個性を大事にする時代。原宿系、ギャル系、森ガール、ストリート系など、同じ若者でも全然違うテイストの服を楽しんでいます。
さらに宗教や文化による装いの違いもあります。街を歩いていると、ヒジャブやターバンを身に着けた人に出会うことも珍しくありません。
最近ではファッション業界でも多様性が重視されるようになり、モデルにさまざまな体型、年齢、人種の人が起用されるようになりました。「美の基準」は一つではない、という考え方が広まっています。
名前も多様性の一つ。日本人の名前でも、昔ながらの「太郎」「花子」から、「キラキラネーム」と呼ばれる個性的な名前までバラエティに富んでいます。
さらに、国際結婚などで「外国風の苗字」と「日本の名前」が組み合わさった名前を持つ子どもも増えてきました。
こうした名前を持つ人たちを見かけると、日本社会も少しずつ国際化しているな、と実感しますよね。
「好きなこと」や「大切に思うこと」にも多様性はあります。
以前なら「オタク」という言葉がややネガティブに使われることもありましたが、今は「好きなことを全力で楽しむ」ことが素敵だと受け止められる時代になってきました。こうした変化も、多様性を認め合う社会への大きな一歩です。
家庭内にもある多様性
多様性は社会だけの話ではありません。家庭の中にもいろいろな「ちがい」があります。
例えばきょうだい。兄弟姉妹は同じ親から生まれて同じ家で育ったとしても、性格や好みは驚くほど違うことがあります。
親からすれば「同じように育てたのに、どうしてこんなに違うの?」と不思議に思うこともあるでしょう。でも、こうした家庭内の多様性こそが、お互いに刺激を与え合い、家族の絆を強くする源でもあります。
学校も多様性にあふれる場所です。
クラスにはさまざまな個性が集まっています。ある子が苦手なことを、別の子が得意として助け合う場面は、学校生活の中でよく見られます。
近年では、インクルーシブ教育(障害のある子もない子も一緒に学ぶ教育)が進んでおり、障害の有無も含めた多様性を尊重する取り組みが行われています。
大人になってからも、多様性は日々の生活の中に息づいています。特に職場では多様性への理解がますます重要になっています。
たとえば、若手社員は最新のITツールを使いこなすのが得意ですが、ベテラン社員は人脈や経験が豊富。こうした「ちがい」が互いを補い合い、職場全体を強くします。
さらに多様性を重視する企業では、LGBTQ+の人たちが安心して働ける環境作りや、子育てや介護と両立しやすい制度整備なども進めています。
多様性を活かすとは、単に「いろんな人がいるよね」と認識するだけではありません。それぞれの違いを尊重し、互いの強みを活かし合いながら一緒に何かを作り上げていくことです。
例えば:
「違い」を受け入れることは、最初は少し勇気がいるかもしれません。でも、実際に一歩踏み出してみると、新しい発見や学びがあり、自分の世界がどんどん広がっていきます。
「多様性って大事だって言われるけど、具体的に何が良いの?」と思う人もいるでしょう。多様性にはたくさんのメリットがあります。
いろんな人が集まると、それだけ発想の幅が広がります。仕事でも、勉強でも、創作活動でも、多様な視点は大きな力になります。
違う視点を持つ人が集まると、1人では思いつかないような解決策が生まれることがあります。
「自分と違う人もいていいんだ」と思える社会は、誰にとっても居心地がいいものです。孤立や排除を減らすことができます。
一方で、多様性を阻むものもあります。
こうした壁を壊していくには、一人ひとりが「知らないことを知ろう」「違いを面白がろう」という姿勢を持つことが大事です。
多様性は「大変そう」「面倒くさい」と感じる人もいるかもしれません。でも、実はとても面白いものでもあります。
同じものばかりだと退屈してしまうのが人間です。多様性は、私たちの暮らしをよりカラフルにしてくれる「スパイス」のような存在なのです。
「多様性」というと大きな社会問題のように感じるかもしれませんが、実は私たちの日常のすぐそばにあります。
こうした身近な多様性に目を向けてみると、自分の世界がもっと豊かになり、人とのコミュニケーションも楽しくなるはずです。
これからも、お互いのちがいを面白がり、尊重しあいながら、一緒に素敵な社会を作っていきたいですね。
日本の名字は、世界的に見ても非常に多様だと言われています。約10万種類以上あるとされており、これは他の先進国と比べても圧倒的な数です。最も多いとされるのは「佐藤」さんや「鈴木」さんですが、珍しい名字の多くは地域に根ざした歴史や文化を反映しています。
「利き手」も多様性のひとつです。実は世界人口の約90%が右利きで、左利きはわずか10%ほどしかいません。過去には左利きが「悪」と見なされ、無理に右利きに直される時代もありましたが、現在は左利き用のハサミや文房具なども増え、多様な個性を尊重する社会になっています。
近年、企業の中には左利きの人材を積極的に採用する動きが見られます。左利きの人は、右利きの人とは異なる視点や発想を持っている可能性があるからです。例えば、右利き中心に設計された製品やサービスについて、左利きの視点から改善案を提案できるなど、ビジネスに新たな価値をもたらすことが期待されています。
世界で最も話されている言語は、実は英語です。母語として使う人口は中国語のほうが多いのですが、第二言語や公用語として英語を使う人が圧倒的に多いため、総数でいうと英語がトップになります。このような言語の多様性は、世界各地の歴史や文化交流の複雑さを物語っています。
私たちは皆、同じように色を見ているわけではありません。色覚異常を持つ人もいますし、視覚障害のある人は色を触覚や他の感覚で理解します。また、言語や文化によって色の表現の仕方も異なります。例えば、日本語には「緑」と「青」を区別する言葉がありますが、他の言語では同じ単語で表現することがあります。
ハーバード・ビジネス・レビューの研究によると、性別や国籍、年齢だけでなく、職歴や働き方など、さまざまなバックグラウンドを持つ従業員で構成されたチームは、そうでないチームと比べて革新性が高く、業績が向上する傾向があることがわかっています。
職場における多様性は、世代間の違いだけではありません。同じ世代でも、インターネットの登場以前に育った人と、物心ついたときからスマートフォンがある人とでは、情報収集の方法やコミュニケーションのスタイルが大きく異なります。こうした違いを理解し、尊重することが、円滑なチームワークに繋がります。
音楽の多様性は、クラシックやジャズ、ロックといったジャンルの違いだけではありません。同じ曲でも、楽器の編成や演奏者の解釈によって全く違う表情を見せます。また、五感のうち聴覚に障害を持つ人向けの「手話パフォーマンス」や、触覚で音楽を楽しむ「音の振動」を利用したライブなど、多様な方法で音楽を体験する試みも生まれています。
ファッションの世界では、男性らしさや女性らしさといった性別の固定観念にとらわれない「ジェンダー・フルイド」という考え方が広まっています。ユニセックスなデザインの服や、男性がスカートをはいたり、女性がスーツをかっこよく着こなしたりするなど、自分らしい表現を大切にする動きは、ファッションの多様性をさらに豊かにしています。
食物アレルギーを持つ人が増えるにつれて、スーパーやレストランでは「アレルゲンフリー」の商品やメニューが増えました。当初は特定の病気を持つ人のための配慮でしたが、この取り組みがベジタリアンやヴィーガンなど、個人の食の選択肢を広げる結果にもなりました。現在では、誰もが安心して食を楽しめるようにする「フード・ダイバーシティ」の考え方へと進化しています。