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ロサンゼルス市長選挙2026

ロサンゼルス市長選挙2026

カレン・バス市長とニティア・ラマン氏が11月の決選投票へ

2026年のロサンゼルス市長選挙は、アメリカ西海岸最大級の都市であるロサンゼルスの今後を左右する重要な選挙として注目されています。

ロサンゼルスといえば、ハリウッド、観光、移民文化、スポーツ、音楽、ファッションなど、世界的な影響力を持つ都市です。一方で、ホームレス問題、住宅価格の高騰、治安への不安、山火事への対応、行政への不信感、映画・テレビ産業の流出など、多くの課題も抱えています。

2026年6月2日に行われた一次選挙では、現職のカレン・バス市長が首位となりました。しかし過半数には届かず、11月3日の決選投票に進むことになりました。決選投票でバス市長と対決するのは、ロサンゼルス市議のニティア・ラマン氏です。

選挙直後は、リアリティ番組出身のスペンサー・プラット氏が2位に入る可能性もあると見られていました。しかし、その後の郵便投票の集計でラマン氏が逆転し、最終的にバス氏とラマン氏の一騎打ちという構図が固まりました。

この記事では、ロサンゼルス市長選挙2026の最新状況、主要候補者、選挙結果、争点、そしてこの選挙がなぜ注目されているのかをわかりやすく解説します。


ロサンゼルス市長選挙2026の日程と結果

ロサンゼルス市長選挙2026は、まず2026年6月2日に一次選挙が行われました。ロサンゼルス市長選は非党派選挙として行われます。候補者本人には民主党系、共和党系、進歩派、無所属的な立場などの政治的背景がありますが、投票用紙上では党派名が前面に出る形式ではありません。

一次選挙で過半数を得た候補者がいれば、その時点で当選が決まります。しかし、今回はどの候補者も50%に届かなかったため、得票上位2人が11月3日の決選投票に進むことになりました。

2026年6月時点の公式結果では、主な候補者の得票は以下の通りです。

順位 候補者 得票率 状況
1位 カレン・バス 34.27% 決選投票へ
2位 ニティア・ラマン 29.02% 決選投票へ
3位 スペンサー・プラット 25.53% 落選
4位 アダム・ミラー 3.51% 落選
5位 レイ・チェン・ホアン 2.95% 落選

この結果により、2026年11月3日の決選投票は、現職のカレン・バス市長と、進歩派市議のニティア・ラマン氏の対決となりました。

以前の段階では「バス氏とプラット氏の対決になるのか」「ラマン氏が逆転するのか」が焦点でしたが、現在はその段階を過ぎています。今後の焦点は、バス氏が再選を果たすのか、それともラマン氏が現職市長を破って新しい市政を始めるのかという点です。


ロサンゼルス市長選挙が注目される理由

ロサンゼルス空港

ロサンゼルス市長選挙は、単なる地方選挙ではありません。ロサンゼルスはアメリカ第2の大都市であり、カリフォルニア州だけでなく、全米の都市政策にも大きな影響を与える都市です。

特に2026年選挙が注目される理由は、現職市長への評価が大きく揺れていることにあります。

カレン・バス氏は2022年の市長選で当選し、ロサンゼルス初の女性市長として大きな期待を集めました。元連邦下院議員であり、民主党内でも知名度の高い政治家です。就任当初は、ホームレス問題や住宅政策で成果を出すことが期待されていました。

しかし、就任後もロサンゼルスのホームレス問題は深刻なままです。住宅費の高さも市民生活を圧迫し続けています。さらに、2025年の大規模山火事への対応をめぐる批判もあり、バス市長の再選は以前ほど盤石ではなくなりました。

今回の選挙は、現職市長への信任投票であると同時に、ロサンゼルス市民が「今の市政を継続するのか」「より急進的な改革を求めるのか」を選ぶ選挙でもあります。


2026年市長選の構図は「バス対ラマン」に確定

2026年6月の一次選挙後、最も大きく変わった点は、決選投票の構図です。

選挙直後の開票では、スペンサー・プラット氏が2位につけており、バス市長との決選投票に進む可能性があると見られていました。プラット氏はリアリティ番組「The Hills」で知られる人物で、政治経験は乏しいものの、山火事対応やホームレス問題への不満を背景に大きな注目を集めました。

しかし、カリフォルニア州では郵便投票の比率が高く、選挙当日以降も集計が続きます。後から集計された票でラマン氏が伸び、最終的にプラット氏を上回りました。

そのため、11月の決選投票は、現職のバス市長と、ロサンゼルス市議で進歩派のラマン氏による対決となりました。

この構図は、単なる「現職対新人」ではありません。バス氏とラマン氏はいずれも民主党系の政治家と見られています。つまり、今回の決選投票は、ロサンゼルスの有権者が民主党系政治の中で、より現実的・行政経験重視の路線を選ぶのか、それとも住宅、ホームレス、警察予算、都市計画でより踏み込んだ改革を求めるのかを問う選挙になっています。


カレン・バス氏とは?現職市長として再選を目指す

カレン・バス氏 ロサンゼルス市長

カレン・バス氏は、2026年ロサンゼルス市長選挙における現職候補です。2022年の市長選で実業家リック・カルーソ氏との激しい選挙戦を制し、市長に就任しました。

バス氏は、カリフォルニア州議会下院議長、連邦下院議員などを務めた経験を持つベテラン政治家です。市長としては、ホームレス対策、治安対策、住宅供給、行政改革、危機管理などを主要課題としてきました。

バス氏の強みは、政治経験の豊富さです。連邦政府、州政府、地元政治とのつながりを持ち、労働組合や民主党有力者からの支持も厚い候補です。巨大都市ロサンゼルスを運営するには、予算、警察、消防、住宅、交通、観光、州政府との調整など、多方面にわたる行政能力が必要です。その点で、バス氏は「経験」と「安定」を訴えることができます。

一方で、現職であるがゆえの弱点もあります。ホームレス問題、住宅費の高騰、道路やインフラの老朽化、災害対応への不満など、現在のロサンゼルスが抱える問題について、有権者から責任を問われやすい立場にあります。

特に2025年の山火事対応をめぐる批判は、バス市長にとって大きな打撃となりました。ロサンゼルスでは、山火事は市民の生命や住宅、財産に直結する重大な問題です。災害時の危機管理能力は、市長の評価を大きく左右します。

バス氏にとって11月の決選投票は、「まだ時間が必要だ」と有権者を説得できるかどうかが鍵になります。これまでの政策が成果を出しつつあると示せるのか、それとも「現職では変わらない」と判断されるのかが、再選の行方を左右するでしょう。


ニティア・ラマン氏とは?バス市長に挑む進歩派候補

ニティア・ラマン氏 ロサンゼルス市議

ニティア・ラマン氏は、ロサンゼルス市議会議員であり、2026年市長選でバス市長に挑む進歩派候補です。

ラマン氏は、都市計画や住宅政策、ホームレス支援に関わってきた人物として知られています。ロサンゼルス市議としては、住宅、家賃、ホームレス対策、公共空間、都市サービスなどに関する議論で存在感を示してきました。

ラマン氏の支持層は、若い有権者、賃貸住宅に住む人々、住宅費の高騰に強い不満を持つ市民、進歩的な都市政策を求める層などです。特に、ロサンゼルスの住宅問題を「治安」だけでなく、「住宅不足」「家賃高騰」「都市計画の失敗」と結びつけて考える有権者に訴える候補です。

ラマン氏は、住宅供給の拡大、家賃負担の軽減、ホームレス対策の透明化、行政サービスの改善などを訴えています。バス市長の政策については、十分な成果が出ていない、税金の使い方が見えにくい、ホームレス対策が場当たり的になっていると批判する立場です。

ただし、ラマン氏にも課題があります。進歩派色が強いため、治安対策や警察予算を重視する有権者からは不安視されることがあります。また、市議としてすでに市政に関わっているため、ロサンゼルスの現状に対して「彼女も市政の一部ではないか」と見られる面もあります。

それでも、ラマン氏が決選投票に進んだことは、ロサンゼルスの有権者の中に「現状を変えたい」という強い空気があることを示しています。


スペンサー・プラット氏は落選、それでも選挙を大きく動かした

スペンサー・プラット氏

2026年のロサンゼルス市長選で、最も意外性のある候補だったのがスペンサー・プラット氏です。

プラット氏は、アメリカのリアリティ番組「The Hills」などで知られる人物です。政治家としての経歴は長くありませんが、山火事対応への怒り、ホームレス問題への不満、既存政治への反発を前面に出し、選挙戦で大きな注目を集めました。

一次選挙直後の段階では、プラット氏が2位に入り、バス市長との決選投票に進む可能性もありました。しかし、郵便投票の集計が進むにつれてラマン氏に逆転され、最終的には3位で落選しました。

プラット氏は落選しましたが、彼の存在は今回の選挙を大きく動かしました。ロサンゼルス市民の中に、ホームレス問題、治安、災害対応、行政の説明不足に対する強い不満があることを可視化したからです。

また、プラット氏はSNSや動画を活用し、従来型の政治家とは異なる発信方法で支持を集めました。これは、現代の地方選挙でも、知名度、感情に訴えるメッセージ、動画での拡散力が大きな影響を持つことを示しています。

ただし、11月の決選投票には進めませんでした。そのため、今後の焦点は、プラット氏に投票した有権者が、決選投票でバス氏とラマン氏のどちらに流れるのか、あるいは投票に行かなくなるのかという点です。


リック・カルーソ氏は2026年選挙に出馬せず

ロサンゼルス市長選挙2026を語るうえで、リック・カルーソ氏の名前を思い出す人も多いでしょう。

カルーソ氏は、2022年のロサンゼルス市長選でカレン・バス氏と争った実業家です。高級商業施設の開発などで知られる富豪であり、多額の資金を投入して選挙戦を展開しました。

2026年選挙でも、カルーソ氏が再び出馬するのではないかという見方がありました。しかし、最終的にカルーソ氏は今回の市長選には出馬しませんでした。

そのため、2026年選挙は「バス対カルーソ」の再戦ではなく、現職のバス市長に対して、進歩派のラマン氏が挑む構図になっています。プラット氏の出馬によって選挙は一時的に大きく注目されましたが、最終的な決選投票は、民主党系の現職市長と進歩派市議の対決という形に落ち着きました。


最大の争点はホームレス問題

ロサンゼルス市長選挙2026における最大の争点は、やはりホームレス問題です。

ロサンゼルスでは、路上生活者や車上生活者が多く、市民の生活空間にも大きな影響を与えています。観光地、住宅街、公園、高速道路周辺など、さまざまな場所でテントや仮設の生活空間が見られることがあります。

この問題は、単に「住む場所がない人が多い」というだけではありません。住宅価格の高騰、薬物依存、精神医療の不足、失業、家庭崩壊、刑務所や病院からの退所後の支援不足など、複数の問題が絡み合っています。

バス市長は、ホームレス対策を重要政策として掲げ、就任後に「Inside Safe」などの取り組みを進めてきました。バス陣営は、路上生活者の減少や一時住宅への移行などを実績として訴えています。

一方、ラマン氏は、ホームレス対策に使われている予算や事業の成果が十分に見えないと批判しています。単にテントを移動させるのではなく、住まい、医療、福祉、雇用支援、データに基づく管理を組み合わせる必要があるという立場です。

この争点では、「路上のテントを早くなくしてほしい」という市民の不満と、「根本的には住宅不足を解決しなければならない」という政策論がぶつかっています。バス氏は現職として成果を説明する必要があり、ラマン氏は現実的に実行可能な代案を示す必要があります。


住宅価格と家賃の高騰も大きなテーマ

ロサンゼルスは、アメリカでも特に住宅費が高い都市の一つです。家賃が高く、住宅購入も難しいため、中間層や若い世代にとって住み続けることが大きな負担になっています。

住宅問題は、ホームレス問題とも深く関係しています。家賃が高すぎれば、低所得者だけでなく、普通に働いている人でも住居を失うリスクが高まります。

2026年市長選では、住宅建設を増やすのか、開発規制を見直すのか、低所得者向け住宅をどう確保するのか、家賃上昇をどう抑えるのかが重要な争点となっています。

バス市長は、住宅供給の拡大やホームレス対策を実績として訴えています。行政手続きの迅速化や、低所得者向け住宅の整備もアピール材料です。

ラマン氏は、より踏み込んだ住宅政策を訴えています。特に、住宅不足こそがロサンゼルスの多くの問題の根本にあるという見方を強調しています。家賃、通勤、ホームレス、若者の流出、労働力不足など、住宅問題は都市全体の将来に関わるテーマです。

決選投票では、ラマン氏が「もっと早く、もっと多く住宅をつくるべきだ」と訴え、バス氏が「現実的な行政運営と地域の合意形成が必要だ」と主張する構図になる可能性があります。


治安と警察予算をめぐる対立

ロサンゼルス市長選挙2026では、治安も大きな争点です。

アメリカの大都市では、警察予算、犯罪対策、人種問題、司法制度改革をめぐって激しい議論が続いています。ロサンゼルスも例外ではありません。

一部の有権者は、犯罪や公共空間の安全に不安を感じ、警察力の強化を求めています。一方で、別の有権者は、警察だけに頼るのではなく、貧困対策、メンタルヘルス支援、若者支援、地域福祉を強めるべきだと考えています。

バス市長は、現職として治安と人権、警察と福祉、即効性と長期的対策のバランスを取る立場にあります。犯罪が減少していると説明できる面がある一方、市民の体感治安や公共空間への不満が残っていることも事実です。

ラマン氏は、警察予算や公共安全のあり方について、より改革的な立場を取ってきた候補と見られています。ただし、市長選で市全体の有権者に訴えるには、進歩派の支持層だけでなく、治安を重視する中間層にも安心感を与える必要があります。

この争点では、バス氏は「経験と安定」を、ラマン氏は「新しい公共安全の考え方」を訴えることになるでしょう。


山火事対応と危機管理能力

2026年のロサンゼルス市長選を大きく動かした要因の一つが、山火事対応です。

カリフォルニア州では、気候変動、乾燥、強風、住宅地の拡大などを背景に、山火事がますます深刻な問題になっています。ロサンゼルス周辺でも、山火事は市民の生命、住宅、財産、インフラに直接関わる重大なリスクです。

2025年の山火事では、市の対応をめぐってバス市長への批判が強まりました。市長が危機の際にどのように行動したのか、消防体制は十分だったのか、避難や情報発信は適切だったのかといった点が問われました。

スペンサー・プラット氏が一時的に大きな支持を集めた背景にも、この山火事対応への怒りがありました。プラット氏自身も火災被害を受けたことで、市政への不満を強く発信しました。

プラット氏は決選投票に進めませんでしたが、山火事対応と危機管理能力は11月の決選投票でも重要な争点であり続けます。

ロサンゼルス市長に求められるのは、日常的な行政運営だけではありません。災害時に市民を守る危機管理能力も、市長の重要な資質です。バス氏は現職として対応の妥当性を説明する必要があり、ラマン氏はより良い災害対策をどう実現するのかを示す必要があります。


ハリウッド産業とロサンゼルス経済

ロサンゼルスの街並み

ロサンゼルスといえば、ハリウッドを中心とする映画・テレビ・エンターテインメント産業が有名です。

しかし近年、映像制作の一部は他州や海外に移る傾向があり、ロサンゼルスの映画産業に不安が広がっています。制作費の高騰、税制、労働環境、ストライキの影響、ストリーミング産業の変化などが複雑に絡んでいます。

ロサンゼルス市長選挙2026では、ハリウッド産業をどう守るのか、雇用をどう確保するのかも争点になっています。

これは単に映画スターや大手スタジオの問題ではありません。撮影スタッフ、照明、音響、衣装、メイク、運転手、飲食、ホテル、観光など、非常に多くの仕事がエンターテインメント産業に関係しています。

ラマン氏は、エンターテインメント産業の雇用回復も選挙戦で訴えています。バス市長も、2028年ロサンゼルス五輪を見据え、都市経済の再生と国際都市としての魅力維持を強調することになるでしょう。

ロサンゼルスの経済を考えるうえで、ハリウッド産業の衰退を放置することはできません。市長候補たちは、住宅、治安、災害対策だけでなく、都市経済の再生についても具体的な政策を問われています。


なぜラマン氏はプラット氏を逆転できたのか

一次選挙直後、スペンサー・プラット氏は2位につけており、バス市長との決選投票に進む可能性があると見られていました。しかし、最終的にはニティア・ラマン氏が2位に入りました。

この逆転の背景には、カリフォルニア州特有の郵便投票の集計があります。カリフォルニア州では郵便投票の利用が多く、投票日後もしばらく集計が続きます。選挙当日に出た結果だけで最終結果を判断することはできません。

後から集計された票では、ラマン氏が強く、プラット氏との差を縮めて逆転しました。プラット氏はSNSで大きな注目を集めましたが、最終的には決選投票に進むだけの票を確保できませんでした。

この結果は、ロサンゼルスの有権者が単に「有名人候補」を選んだわけではないことも示しています。プラット氏は不満票の受け皿になりましたが、最終的にラマン氏は、住宅、家賃、公共サービス、ホームレス対策を中心に、より政策的な選択肢として支持を広げました。


カレン・バス市長はなぜ苦戦しているのか

カレン・バス市長は、経験豊富な政治家であり、民主党の有力な支持を受けています。それにもかかわらず、2026年の市長選では苦戦しています。

その理由は、ロサンゼルス市民の不満が非常に強いからです。

ホームレス問題は、目に見える形で残り続けています。住宅費は高く、若者や中間層にとって将来への不安が大きくなっています。治安や公共空間への不満もあります。さらに山火事対応への批判が加わり、現職市長にとって厳しい環境が生まれました。

現職候補は、通常であれば知名度と組織力で有利です。しかし、現職であるがゆえに、市の問題について責任を問われやすくなります。

バス市長にとって重要なのは、「これまでの取り組みは成果を出し始めている」と有権者に納得してもらえるかどうかです。ホームレス数の減少や治安改善を実績として訴える一方で、市民が日常生活で感じている不満にどう向き合うかが問われます。

決選投票では、バス氏は「経験ある市長として継続が必要だ」と訴え、ラマン氏は「今のやり方では不十分だ」と主張する構図になるでしょう。


ラマン氏が勝つ可能性はあるのか

ニティア・ラマン氏が現職市長を破るには、いくつかの条件があります。

まず、一次選挙でプラット氏や他の候補に投票した有権者の一部を取り込む必要があります。ラマン氏は進歩派の支持層に強い候補ですが、市長選の決選投票では、市全体の幅広い有権者に訴える必要があります。

次に、治安や災害対応への不安を和らげる必要があります。住宅政策やホームレス支援だけでなく、「安全な街をどう実現するのか」「消防や警察、市職員をどう運営するのか」といった行政能力も問われます。

さらに、バス市長への不満を単なる批判で終わらせず、具体的な代案として示す必要があります。ロサンゼルスのような巨大都市では、理想だけでは市政を動かせません。予算、議会、労働組合、州政府、連邦政府、民間企業、地域住民との調整が必要です。

それでも、ラマン氏には勢いがあります。現職への不満が強いこと、住宅費に苦しむ若い世代や賃貸層が多いこと、ロサンゼルスの政治文化がより進歩的になっていることは、ラマン氏にとって追い風です。


バス氏が再選する可能性はどこにあるのか

カレン・バス氏が再選するためには、現職としての安定感を前面に出す必要があります。

バス氏は、連邦政治、州政治、市政の経験を持つベテランです。ロサンゼルスのような巨大都市を運営するには、理想だけでなく、行政を実際に動かす力が必要です。バス氏は、その点を強く訴えることができます。

また、バス氏には民主党有力者、労働組合、既存の政治組織からの支持があります。決選投票では、こうした組織力が大きな力を持ちます。

さらに、ラマン氏が進歩派として見られていることは、バス氏にとって攻撃材料にもなります。治安、警察予算、ホームレス対策について、ラマン氏の考え方が市全体の有権者に受け入れられるのかを問うことで、中道寄りの有権者や不安を抱く層を取り込もうとするでしょう。

バス氏の課題は、単に「経験がある」と言うだけでは足りない点です。市民は、ホームレス問題、住宅費、災害対応について、具体的な成果と今後の改善策を求めています。11月までに、バス氏がどれだけ説得力のある再選メッセージを打ち出せるかが重要になります。


プラット氏支持票の行方が決選投票のカギ

決選投票の行方を左右する重要な要素の一つが、スペンサー・プラット氏に投票した有権者の動向です。

プラット氏は25%を超える票を獲得しました。これは、単なる話題性だけでは説明できない数字です。彼に投票した人々の中には、バス市政への強い不満、ホームレス問題への怒り、治安への不安、山火事対応への不信感を持つ有権者が多かったと考えられます。

この層が11月にどう動くかは、非常に重要です。

バス氏にとっては、プラット支持層の一部に「ラマン氏よりは現職の方が安心だ」と思わせることができれば有利になります。一方、ラマン氏にとっては、「現状を変えたい」という不満票を自分に向けられるかが勝負になります。

ただし、プラット氏の支持者がそのままラマン氏に流れるとは限りません。政治的にはラマン氏とプラット氏は大きく異なる立場です。そのため、プラット票の多くが棄権する可能性もあります。

決選投票では、プラット氏本人の発言や支持者へのメッセージも、選挙の空気に影響を与える可能性があります。


2026年選挙はロサンゼルスの「不満」を映す選挙

ロサンゼルス市長選挙2026を一言で表すなら、「市民の不満が表面化した選挙」といえるでしょう。

ホームレス問題、住宅費、治安、災害対応、行政への信頼、経済の将来。これらの問題は、どれも一朝一夕に解決できるものではありません。

しかし、有権者は市長に対して「少なくとも方向性を示してほしい」「問題が悪化しているように見える現状を変えてほしい」と考えています。

バス市長は、経験と継続を訴えています。ラマン氏は、より踏み込んだ政策改革を訴えています。プラット氏は落選しましたが、既存政治への怒りと不満を可視化しました。

この3人の存在は、現在のロサンゼルスが抱える複雑な空気をよく表しています。


日本人にとってもロサンゼルス市長選が興味深い理由

ロサンゼルス市長選挙2026は、日本人にとっても興味深い選挙です。

ロサンゼルスには多くの日系人や日本企業、日本食レストラン、日本文化関連ビジネスがあります。また、日本からの観光客、留学生、駐在員も多い都市です。

市長選の結果は、治安、観光、ビジネス環境、都市のイメージにも影響します。特に、ダウンタウンや観光地の安全性、公共交通、空港周辺の環境、ビジネス規制、住宅事情などは、日本人にも関係するテーマです。

また、ロサンゼルスはアメリカの多文化社会を象徴する都市でもあります。移民、貧富の差、人種、住宅、治安、環境問題が複雑に絡み合う都市で、どのような市長が選ばれるのかは、アメリカ社会の今を知るうえでも重要です。

2028年にはロサンゼルス五輪も控えています。市長選の結果は、五輪に向けた都市整備、治安対策、観光政策、交通対策にも関わってくるでしょう。


まとめ:ロサンゼルス市長選挙2026はバス対ラマンの決選投票へ

ロサンゼルス市長選挙2026は、現職のカレン・バス市長が再選を目指す一方で、市民の不満を背景に挑戦者が存在感を強めた選挙です。

2026年6月2日の一次選挙では、バス市長が34.27%で首位となりました。しかし過半数には届かず、11月3日の決選投票に進むことになりました。2位にはニティア・ラマン氏が入り、リアリティ番組出身のスペンサー・プラット氏は3位で落選しました。

これにより、11月の決選投票は、現職のバス市長と進歩派市議のラマン氏による一騎打ちとなります。

今回の選挙の争点は、ホームレス問題、住宅費の高騰、治安、山火事対応、行政への信頼、ロサンゼルス経済の再生です。どれも市民生活に直結する問題であり、候補者の知名度だけでなく、具体的な政策と実行力が問われます。

バス氏は経験と安定を訴え、ラマン氏は変化と改革を訴えています。プラット氏は決選投票に進めませんでしたが、彼に投票した有権者の不満が11月の結果に影響を与える可能性があります。

ロサンゼルス市長選挙2026は、単なる一都市の選挙ではありません。アメリカの大都市が抱える課題を映し出す選挙であり、今後の都市政治の方向性を考えるうえでも重要な選挙だといえるでしょう。

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