福岡市長の高島宗一郎(たかしま・そういちろう)氏は、KBC九州朝日放送のアナウンサーから政治家へ転身し、36歳で福岡市長に初当選した人物です。
2010年の就任以来、天神ビッグバンやスタートアップ支援、地下鉄七隈線の延伸などを進め、福岡市の成長をけん引してきました。
一方、2026年8月23日には、同年11月に行われる福岡市長選挙に立候補しない意向を表明しました。現在4期目のため、5選には出馬せず、2026年12月6日の任期満了をもって約16年間の市長生活に区切りをつけることになります。
この記事では、高島宗一郎市長の経歴や学歴、KBCアナウンサー時代、市長としての主な実績、不出馬を決めた理由について紹介します。
| 氏名 | 高島 宗一郎(たかしま そういちろう) |
|---|---|
| 生年月日 | 1974年11月1日 |
| 年齢 | 51歳(2026年8月現在) |
| 出身地 | 大分県大分市 |
| 出身高校 | 大分県立大分舞鶴高等学校 |
| 出身大学 | 獨協大学法学部 |
| 大学院 | 九州大学大学院法学府で政治学を学ぶ |
| 前職 | KBC九州朝日放送アナウンサー |
| 現職 | 福岡市長(4期目) |
| 所属 | 無所属 |
名字は一般に「高島」と表記されますが、資料によっては異体字を使った「髙島宗一郎」という表記も見られます。

高島宗一郎氏は大分県大分市で生まれ、1993年3月に大分県立大分舞鶴高等学校を卒業しました。
大分舞鶴高校は、大分県内でも進学校として知られる県立高校です。
高校卒業後は埼玉県草加市にある獨協大学法学部へ進学し、1997年3月に卒業しました。
法律や政治について学んだ経験は、後に福岡市長として行政を運営するうえでの基礎になったと考えられます。
KBCのアナウンサーとして活動していた2009年、高島氏は仕事を続けながら九州大学大学院法学府に入り、政治学を学びました。
ただし、指定都市市長会などの公式略歴では最終学歴が「獨協大学法学部卒業」とされており、九州大学大学院を修了したとの記載はありません。
高島宗一郎氏は1997年4月、大学卒業と同時にKBC九州朝日放送へ入社しました。
アナウンサーとしてニュースや情報番組、環境番組、スポーツ中継などを担当し、福岡では広く知られる存在となりました。
代表的な担当番組には、朝の情報番組「アサデス。KBC」があります。メインキャスターとしてニュースや地域情報を伝え、「福岡の朝の顔」として親しまれました。
また、プロレスファンとしても知られ、テレビ朝日系列の「ワールドプロレスリング」で実況を担当した経験があります。地方局のアナウンサーが全国放送のプロレス実況を担当するのは珍しく、高島氏のアナウンサー時代を象徴する仕事の一つとなりました。
高島氏は2010年9月にKBC九州朝日放送を退社し、同年11月の福岡市長選挙に無所属で立候補しました。
選挙では現職市長や元佐賀市長など複数の候補者を破り、20万9532票を獲得して初当選しました。
2010年12月7日、36歳で福岡市長に就任。当時、福岡市政史上最年少の市長として注目を集めました。
それまで議員や行政職を経験していなかったため、アナウンサーから政令指定都市の市長へ転身した異色の経歴も話題になりました。
| 選挙年 | 得票数 | 結果 |
|---|---|---|
| 2010年 | 209,532票 | 初当選(1期目) |
| 2014年 | 256,064票 | 再選(2期目) |
| 2018年 | 285,435票 | 3選(3期目) |
| 2022年 | 329,606票 | 4選(4期目) |
高島氏は2014年、2018年、2022年の選挙で、いずれも福岡市長選挙における過去最多得票を更新しました。選挙を重ねるごとに得票数を伸ばしている点からも、幅広い支持を集めてきたことが分かります。
高島市政を代表する政策の一つが、起業家や新しい企業を支援するスタートアップ政策です。
2014年には福岡市が国家戦略特区の一つである「グローバル創業・雇用創出特区」に指定されました。
外国人起業家の在留資格取得を支援するスタートアップビザや、創業相談、企業誘致、規制改革などを進め、福岡市を起業しやすい都市として国内外に発信しました。
福岡市中心部の再開発を促進する「天神ビッグバン」も、高島市政を象徴するプロジェクトです。
航空法による建物の高さ制限の緩和などを活用し、老朽化したオフィスビルの建て替えを誘導しました。天神地区では新しい大型ビルが次々と完成し、街の景観やビジネス環境が大きく変化しています。
博多駅周辺でも「博多コネクティッド」を進め、天神地区と博多駅周辺の両方で都市機能の更新を図りました。
福岡市地下鉄七隈線は、2023年3月に天神南駅から博多駅まで延伸されました。
七隈線沿線から博多駅への移動時間が短縮され、福岡市内の交通利便性が大きく向上しました。延伸方針を決定し、開業まで見届けたことも、高島市長の代表的な実績として挙げられます。
2016年11月、地下鉄七隈線の延伸工事現場付近で、博多駅前の道路が大規模に陥没する事故が発生しました。
高島市は関係機関と連携して復旧作業を進め、約1週間で道路の通行を再開しました。復旧の速さと情報発信は国内外で注目され、高島市長の危機対応を象徴する出来事となりました。
高島氏の市長就任後、福岡市の人口は20万人以上増え、167万人を超える規模となりました。
高島氏の公式サイトによると、市税収入は就任時と比べて約1.6倍に増加し、市債残高は約3割減少したとされています。
高島市長は、都市の成長によって増えた税収を子育て、教育、福祉などに還元する「都市の成長と生活の質の向上の好循環」を市政運営の基本方針としてきました。
高島宗一郎市長は2026年8月23日、自身のSNSを通じて、同年11月15日に投開票される福岡市長選挙に立候補しないと表明しました。
翌24日の記者会見でも、5選を目指さず、現在の任期をもって退任する考えを正式に説明しています。
高島氏によると、健康上の問題が理由ではなく、福岡市長として取り組みたい政策もまだ残っているとのことです。
それでも不出馬を決めた背景には、同じ人物が長期間トップを務めることへの慎重な考えがありました。長期政権が権力への執着に変わる前に身を引き、新しいリーダーに市政を任せることが、福岡市や市役所の組織にとって健全だと説明しています。
また、4期目に立候補した時点から、4期目を最後にする考えが一定程度あったことも明らかにしました。
高島市長は直ちに辞任するのではなく、現在の任期を最後まで務める方針です。
福岡市長選挙は2026年11月1日告示、11月15日投開票で行われます。高島氏の任期満了日は2026年12月6日です。
任期を満了すれば、在任期間は2010年12月から約16年間となります。
高島氏が51歳と比較的若いことから、退任後の国政進出や福岡県知事選挙への出馬を予想する声も出ています。
しかし、高島氏は2026年8月24日の記者会見で、退任後の進路について「何も決めていない」と説明しています。
国政選挙への立候補や特定政党への参加、福岡県知事選挙への出馬などを正式に表明した事実はありません。そのため、現時点で具体的な進路を断定することはできません。
高島氏は、まず任期満了まで福岡市長としての職務を全うし、その後に次の活動を考える方針とみられます。
著書では、福岡市を一つの組織として経営する考え方や、地方自治体から規制や制度を変えていく方法などが紹介されています。
高島宗一郎氏は、大分県立大分舞鶴高校と獨協大学法学部を卒業し、KBC九州朝日放送のアナウンサーとして約13年間活動しました。
2010年に36歳で福岡市長に初当選して以降、4回連続で当選。天神ビッグバン、博多コネクティッド、スタートアップ支援、地下鉄七隈線の延伸などを進めました。
2026年の市長選挙には立候補せず、同年12月6日の任期満了をもって、約16年間務めた福岡市長を退任する予定です。
退任後の進路についてはまだ決めていないとしており、国政進出を含めた今後の活動が注目されます。