カム機構(きこう)は、回転する動きを、押す・引く・上下させる・止めるといった決まった動きに変える仕組みです。カムは「動きの形(いつ動く/どれくらい動く/いつ止まる)」を部品の形で決められるため、いろいろな機械で使われています。
この記事では、カム機構の基本をやさしく説明し、身近な道具から工場の機械まで、具体的なカム機構の使用例をたくさん紹介します。
カム機構は、主に次の2つでできています。
カムが回ると、デコボコの形に合わせてフォロワが動きます。たとえば、カムの山が来たら押し上げる、谷が来たら戻る、という感じです。
ただし、こすれる場所があるので、油(潤滑:じゅんかつ)が必要だったり、長く使うとすりへることもあります。
レバーを倒すと、内側の偏心(へんしん)したカムが働いて、短い動きで強く締(し)めることができます。工具なしで、しっかり固定できるのがポイントです。
工作やDIYで使う固定具(こていぐ)の中には、レバーを倒すだけで一気に固定できるタイプがあります。これもカムの「短い動きで大きな力」を使っています。
板と板をつなぐとき、金具を少し回すだけで引き寄せて固定する仕組みが使われます。短い回転で固定でき、組み立てが簡単になります。
回すことで窓を引き寄せて密着させる仕組みは、カム的(かむてき)な考え方です。ガタつきを減らし、しっかり閉めやすくします(製品の方式によって仕組みはさまざまです)。

エンジンの中では、空気や燃料を入れたり、排気を出したりするために、バルブを決まったタイミングで開け閉めします。ここで活躍するのがカムシャフトです。
つまりエンジンでは、カムが「時間割どおりにバルブを動かす係」になっています。
お菓子や日用品を包む機械では、材料や商品を少し送って止める→止まっている間にシールや印字→また送る、という動きが必要です。カム機構は、この「間欠(かんけつ)=止まる動き」を作るのが得意です。
工場の組立機では、部品を置く→押さえる→入れる→確認する→出す、といった作業を順番どおりにくり返します。カムを使うと、1回転の中に「やること」をきれいに入れられます。
円いテーブルを「一定の角度だけ回す→止める→作業する」をくり返す装置です。止まる位置がずれにくいので、作業の精度が上がります。
カム機構の使用例は、タイミングが大事な機械に多く見られます。回転を、押す・引く・止めるなどの「決まった動き」に変えられるので、身近な固定レバーから、エンジン、工場の包装機まで、いろいろな場面で活躍しています。
A. 歯車は回転を回転に伝えるのが得意です。カムは、回転を「上下」「前後」「止める」などの動きに変えるのが得意です。
A. 電気制御(サーボ)でも同じような動きは作れますが、カムは「形でタイミングが決まる」ので、同じ動きをくり返す装置では今も使われます。
A. こすれる部分があるので、摩耗(まもう)や潤滑不足がトラブルの原因になりやすいです