電気はどうやってつくられるの?
私たちの暮らしで欠かせない電気は、さまざまな方法でつくられています。朝起きて照明をつけたり、冷蔵庫で食べ物を冷やしたり、学校や家でタブレットやパソコンを使えたりするのも、すべて電気があるおかげです。その電気を生み出す方法の中で、長いあいだ日本や世界で中心的な役割を担ってきたのが火力発電です。
ここでは、火力発電所の仕組みを、中学生でもイメージしやすいように、できるだけ身近な例を使いながら順番に説明していきます。ポイントはとてもシンプルで、燃料を燃やして得た熱で水をあたため、蒸気の力でタービンを回し、その回転を使って発電機で電気をつくるという流れです。この基本の流れをしっかり理解することが、火力発電を学ぶ第一歩になります。
火力発電所では、「燃やすことで熱を出す燃料」が必要です。主に使われているのは、次のような燃料です。
燃料の種類が違うと、発電所の設備や発電のしかた、かかる費用、そして環境への影響も変わります。そのため、国や地域の状況に合わせて、どの燃料を使うかが選ばれています。
火力発電所の仕組みは、一見むずかしそうに見えますが、流れを追えば理解しやすくなります。基本となる流れは、次の5つのステップです。
この中で特に重要なのが、「蒸気でタービンを回す」という部分です。火力発電では、熱そのものを直接電気にするのではなく、いったん「回転の力」に変えてから電気をつくっているのです。
ここからは、火力発電所の中にある代表的な装置を、実際の流れに沿って、もう少し詳しく見ていきましょう。
燃料を燃やしてできた熱で、水をあたため、水蒸気をつくる装置がボイラーです。ボイラーは火力発電所の中でも特に大きく、重要な役割をもつ装置です。
この蒸気の温度や圧力が高いほど、次の工程でタービンをより強く回すことができます。
タービンは、蒸気の力を使って回転する装置です。
蒸気が勢いよく当たることでタービンは高速で回転し、その回転の力が次の発電機へと伝えられます。
タービンの回転が直接つながっているのが発電機です。ここで、私たちが使う電気が生み出されます。
発電機の中では、主に次のような仕組みが働いています。
この現象を**電磁誘導(でんじゆうどう)**といいます。
自転車の「ダイナモライト」を思い出すと理解しやすいでしょう。タイヤが回るとライトがつくのと同じように、火力発電でも「回すことで電気を生み出す」仕組みが使われています。
タービンを回したあとの蒸気は、まだ高い温度をもっていますが、そのまま外に捨てるわけではありません。火力発電所では、エネルギーをできるだけ無駄にしない工夫がされています。
復水器は、使い終わった蒸気を冷やして水(復水)に戻す装置です。
水に戻ったあとは、ポンプを使って再びボイラーへ送られます。そして、また蒸気にされて利用されます。
このように、火力発電所では水と蒸気をくり返し使う循環の仕組みが成り立っています。
発電所でつくられた電気は、そのままでは私たちの家まで効率よく届けることができません。そこで、次のような流れで送られます。
このように、「遠くへ運ぶときは電圧を高くし、使う場所の近くで安全な電圧に下げる」という工夫がされています。
最近の火力発電所では、燃料をより有効に使うための工夫が進んでいます。その代表例が、**コンバインドサイクル(複合発電)**です。
同じ燃料から二度発電できるため、エネルギーの利用効率が高くなります。
そのため、火力発電では「できるだけ効率よく発電する」「環境への影響を減らす」ことが重要な課題になっています。
火力発電所では、環境への負担を減らすために、さまざまな対策が行われています。
こうした取り組みにより、火力発電は少しずつ改良が重ねられています。
火力発電所の仕組みは、
という流れです。
自転車のダイナモのように、「回転を電気に変える」という考え方は、実はとても身近なものです。この仕組みを知っておくと、ニュースで「発電」「電力不足」「燃料価格」といった言葉を聞いたときにも、内容を理解しやすくなります。
A. 水は手に入りやすく、蒸気にすると大きな圧力を生み出せるため、タービンを効率よく回すことができるからです。
A. 電気を安定して届けるため、基本的には運転を続けますが、夜間など電気の使用量が少ない時間帯には出力を下げたり、一時的に停止したりすることもあります。
A. 多くの場合、水蒸気や細かな水滴が白く見えているものです。排ガスは処理装置を通して、環境基準を守るよう管理されています。