中東・南アジア地域初のプロ野球リーグとして注目されているBaseball United(ベースボール・ユナイテッド)。その2025年シーズンで、日本の野球ファンから特に大きな関心を集めたのが、ドバイを拠点とするMid East Falcons(ミッドイースト・ファルコンズ)です。
理由は明確です。Mid East Falconsには、川﨑宗則、中島宏之、福田秀平、藪田和樹、笠原祥太郎といったNPB経験者に加え、横浜DeNAベイスターズ所属の若手選手、さらにTBSのトライアウト企画「PLAN D」を勝ち抜いた選手たちまで、多くの日本人選手が参加しました。
この記事では、ドバイ野球リーグに参加した日本人選手は誰なのか、どのチームに所属しているのか、なぜ日本人選手が多いのか、そして2025年シーズンでどのような結果を残したのかをわかりやすく整理します。
Baseball Unitedは、中東および南アジア地域を主な舞台とする新しいプロ野球リーグです。試合は主にUAE・ドバイで開催され、アメリカ、日本、インド、パキスタン、UAE、ヨーロッパ、中南米など、さまざまな国や地域に関係する選手が参加しています。
2025年シーズンに参加した主なチームは、次の4チームです。
この中で、日本人選手が特に多く所属していたのが、Mid East Falconsです。日本のファンにとっては、Baseball Unitedを見るうえで最も注目しやすいチームといえるでしょう。
2025年シーズンの公式ロースターを確認すると、日本人選手は主にMid East Falconsに集中しています。
他の3チームにもさまざまな国籍の選手が参加していますが、少なくとも2025年シーズンの公式ロースター上では、日本人選手が目立って確認できるのはMid East Falconsです。
そのため、「ドバイ野球リーグの日本人選手」を知りたい場合は、まずMid East Falconsのロースターを確認するのが最もわかりやすいです。
以下は、Mid East Falconsに所属した日本人選手の一覧です。英語表記だけではわかりにくい選手もいるため、日本語表記、英語表記、ポジション、投打、生年月日を整理しました。
| 背番号 | 日本語表記 | 英語表記 | ポジション | 投打 | 生年月日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 34 | 平田 真吾 | Shingo Hirata | 投手 | 右投右打 | 1989年8月29日 |
| 56 | 濱矢 廣大 | Kodai Hamaya | 投手 | 左投左打 | 1993年2月27日 |
| 47 | 笠原 祥太郎 | Shotaro Kasahara | 投手 | 左投左打 | 1995年3月17日 |
| 23 | 藪田 和樹 | Kazuki Yabuta | 投手 | 右投右打 | 1992年8月7日 |
| 8 | 吉岡 暖 | Haru Yoshioka | 投手 | 右投右打 | 2006年8月28日 |
| 22 | 櫻井 周斗 | Shuto Sakurai | 投手 | 左投左打 | 1999年6月25日 |
| 30 | 水科 裕大 | Yudai Mizushina | 投手 | 右投右打 | 1997年5月30日 |
| 11 | 中田 聖太郎 | Shotaro Nakata | 投手 | 右投右打 | 1999年1月2日 |
| 40 | 薄井 章太郎 | Shotaro Usui | 捕手 | 右投右打 | 1997年1月12日 |
| 52 | 川﨑 宗則 | Munenori Kawasaki | 内野手 | 右投左打 | 1981年6月3日 |
| 3 | 中島 宏之 | Hiroyuki Nakajima | 内野手 | 右投右打 | 1982年7月31日 |
| 6 | 田内 真翔 | Manato Tanai | 内野手 | 右投右打 | 2007年3月6日 |
| 37 | 福田 秀平 | Shuhei Fukuda | 内野手/外野手 | 右投左打 | 1989年2月10日 |
| 1 | 金原 瑶 | Yo Kanahara | 外野手 | 右投左打 | 1999年8月29日 |
このように、Mid East Falconsには投手、捕手、内野手、外野手まで幅広く日本人選手がそろっています。特に投手陣に日本人が多いのが特徴で、NPB経験者、独立リーグ経験者、若手育成選手、トライアウト合格者が混在する構成になっています。
Baseball United関連の記事や発表を見ると、日本人選手の人数について「13人」と書かれているものと、「14人」と書かれているものがあります。
これは、発表時期やロースター更新のタイミングによる違いと考えられます。2025年秋の発表段階では、日本人選手13人という形で紹介されていました。その後、公式ロースターや日本語リリースでは、Mid East Falconsに参加した日本人選手を14名として整理する情報も出ています。
この記事では、2026年6月時点で確認できる公式ロースターおよび日本語リリースに基づき、日本人選手14名として整理しています。
Mid East Falconsの日本人選手の中で、最も大きな注目を集めた一人が川﨑宗則です。
川﨑選手は、福岡ダイエーホークス・福岡ソフトバンクホークスで活躍し、その後はMLBのシアトル・マリナーズ、トロント・ブルージェイズ、シカゴ・カブスなどでもプレーしました。明るいキャラクターと積極的なプレースタイルで、日本だけでなく海外のファンにも強い印象を残した選手です。
Baseball Unitedでもその存在感は大きく、2025年のUnited SeriesではMVPに選ばれました。若い選手や海外経験の少ない選手が多い中で、川﨑選手の経験、雰囲気作り、勝負強さはチームにとって大きな力になったといえます。
中島宏之は、西武、オリックス、巨人、中日などでプレーした実績豊富な内野手です。NPB通算で多くの安打を積み重ねた右の強打者で、「ナカジ」の愛称でも知られています。
Baseball Unitedでは、ベテランらしい打撃技術を見せ、Mid East Falconsの打線に厚みを加えました。単に名前のある選手として参加しただけでなく、実戦でも結果を残した点が重要です。
若手中心の新興リーグにおいて、こうした実績ある日本人選手が参加することは、リーグ全体の信頼感を高める意味もあります。
福田秀平は、ソフトバンクやロッテでプレーした選手です。スピード、守備力、パンチ力を備えた選手として知られ、外野だけでなく内野的な役割もこなせるタイプです。
Baseball Unitedでは、打撃面でも存在感を見せました。ドバイの新リーグで日本人選手が目立つうえで、福田選手のようなNPB経験者の活躍は非常に大きな意味を持ちます。
笠原祥太郎は、Mid East Falconsの投手陣で特に重要な役割を果たした左腕です。
2025年12月14日のUnited Series第3戦では、笠原投手が6回無失点の好投を見せ、Mid East Falconsの初代王者獲得に大きく貢献しました。決勝の舞台で結果を出したことは、Baseball Unitedにおける日本人投手の評価を高める出来事だったといえます。
藪田和樹は、広島東洋カープでプレーした経験を持つ右投手です。力のあるボールを投げ込むタイプで、NPBでの実績もある投手です。
Baseball Unitedでは、Mid East Falconsの先発投手の一人として存在感を示しました。新興リーグでは投手力の安定がチーム成績を大きく左右しますが、藪田投手のような経験ある日本人投手の存在は、チームにとって大きな支えになりました。
吉岡暖と田内真翔は、横浜DeNAベイスターズに所属する若手選手です。
吉岡投手は右投右打の若手投手、田内選手は右投右打の内野手で、どちらも将来性を期待される存在です。Baseball Unitedへの参加は、若い選手にとって海外でプレーする経験を積む貴重な機会になりました。
日本国内の二軍戦や育成環境とは違い、海外の選手、異なる気候、異なる試合運営、独自ルールのあるリーグでプレーすることは、技術面だけでなく精神面の成長にもつながります。
Baseball UnitedとTBSの連動企画として注目されたのが、トライアウト企画「PLAN D」です。
この企画では、日本の野球経験者がドバイのプロリーグ入りを目指して競い合い、その中から水科裕大、金原瑶、中田聖太郎の3選手がMid East Falconsに加わりました。
彼らは、NPBのスター選手とは異なるルートからプロの舞台にたどり着いた選手たちです。そのため、Baseball Unitedは「もう一度プロを目指したい選手」や「海外でチャンスをつかみたい選手」にとって、新しい道を示す存在にもなりました。
Baseball Unitedが日本に注目した最大の理由は、日本が世界有数の野球大国だからです。
日本にはNPBという高いレベルのプロ野球リーグがあり、高校野球、大学野球、社会人野球、独立リーグも発展しています。さらにWBCなどの国際大会でも日本代表は高い実績を残しており、日本人選手に対する評価は国際的にも高いです。
新興リーグであるBaseball Unitedにとって、日本人選手を多く招くことは、競技レベルを高めるだけでなく、日本のファンにリーグを知ってもらううえでも大きな意味があります。
Mid East Falconsは、2025年シーズンにおいて日本人選手を多く起用しました。これは単なる偶然ではなく、日本の野球ファンにとって応援しやすいチームを作る狙いもあったと考えられます。
川﨑宗則、中島宏之、福田秀平、藪田和樹といった名前は、日本の野球ファンにとってなじみがあります。そこに若手選手やトライアウト合格者が加わることで、ベテラン、若手、挑戦者という多層的なストーリーが生まれました。
もう一つ大きいのが、TBSとの連動です。
Baseball UnitedはTBSと組み、日本人選手を発掘するトライアウト企画「PLAN D」を実施しました。これにより、単に海外リーグが日本人選手を獲得するだけでなく、日本の視聴者が選手の挑戦を追いかける形が作られました。
この仕組みは、選手にとっては新しい挑戦の場になり、リーグにとっては日本での認知度を高めるきっかけになりました。
Mid East Falconsは、2025年シーズンで大きな結果を残しました。
United SeriesではMumbai Cobrasと対戦し、最終的にMid East Falconsがシリーズを制して、Baseball Unitedの初代王者となりました。
特に決勝第3戦では、Mid East Falconsが8対1で勝利。笠原祥太郎が先発として6回無失点の好投を見せ、川﨑宗則も打撃で貢献しました。そして川﨑選手はUnited Series MVPに選ばれています。
つまり、Mid East Falconsの日本人選手たちは、単に話題性のために参加したわけではありません。実際にチームの優勝に貢献し、Baseball Unitedの初年度を象徴する存在になりました。
Baseball Unitedにとって、2025年シーズンの日本人選手の活躍は大きな意味を持ちます。
第一に、リーグの競技レベルを高めました。NPB経験者や日本の育成環境で鍛えられた選手が加わることで、試合の質が上がり、リーグ全体の信頼感も増しました。
第二に、日本の野球ファンにとってBaseball Unitedを見る理由が生まれました。知らない海外リーグであっても、川﨑宗則や中島宏之、福田秀平、藪田和樹といった選手が出ていれば、興味を持つきっかけになります。
第三に、選手にとって新しいキャリアの選択肢が示されました。NPBだけでなく、独立リーグ、社会人野球、海外リーグ、トライアウト企画など、さまざまな道からプロ野球に関わる可能性が広がっています。
Baseball Unitedは、2026年以降もリーグの拡大を目指しています。2025年シーズンで日本人選手が存在感を示したことを考えると、今後も日本人選手が参加する可能性は十分にあります。
特に、次のような選手にとっては、Baseball Unitedが新しい選択肢になるかもしれません。
日本の野球界は選手層が厚いため、Baseball Unitedにとって日本は今後も重要な人材供給源になる可能性があります。
ドバイで行われる新しいプロ野球リーグ、Baseball Unitedでは、2025年シーズンにMid East Falconsへ多くの日本人選手が参加しました。
川﨑宗則、中島宏之、福田秀平、藪田和樹、笠原祥太郎といった実績ある選手に加え、吉岡暖、田内真翔のような若手、さらにPLAN Dを勝ち抜いた水科裕大、金原瑶、中田聖太郎らが加わり、非常に日本色の強いチームになりました。
そしてMid East Falconsは、2025年シーズンのUnited Seriesで初代王者となり、川﨑宗則がMVPに選ばれるなど、日本人選手は実際の結果でも大きな役割を果たしました。
Baseball Unitedはまだ始まったばかりのリーグですが、日本人選手の存在によって、日本の野球ファンにとっても注目しやすい海外リーグになっています。今後、ドバイや中東・南アジア地域で野球がどのように広がっていくのか、そして日本人選手がどのように関わっていくのか、引き続き注目したいところです。