2025年7月24日、北海道・帯広市で最高気温40℃という、まさに“体温超え”の異常な暑さが予想され、大きな話題となっています。
「北海道って涼しいんじゃないの?」
「帯広って避暑地じゃなかったっけ?」
そんな声があちこちから聞こえてきそうですが、実は帯広は“日本で最も暑くなることがある場所”の一つでもあるのです。
この記事では、なぜ帯広がこんなにも暑くなるのか、その理由をわかりやすく解説します。
帯広(おびひろ)は、北海道の十勝(とかち)地方にある人口16万人ほどの都市です。北海道の中でも東部に位置し、広大な平野が広がる内陸部にあります。
北海道の他の都市と違って、夏と冬の寒暖差がとても大きいのが特徴です。
つまり、極端な気候になりやすい地域なのです。
帯広が異常に暑くなる一番の原因は、**「フェーン現象」**です。
山に吹きつけた風が、山を越えて乾燥して温かくなった状態で吹き下ろしてくる現象です。
帯広は内陸にあり、西側に日高山脈、南側に大雪山系があるため、南からの風が山を越えてくるとフェーン現象が起きやすいのです。
この風が帯広に届くと、湿度の低い熱風となり、気温が一気に上昇します。
帯広は海から遠く、周囲を山に囲まれた内陸地にあります。これが、昼間の気温上昇に拍車をかける要因です。
このような特徴により、帯広では日中の気温が急激に上がるのです。
年々、全国的に気温が高くなる傾向が見られる中で、帯広のようなもともと暑くなりやすい地域では、さらに気温が上がる傾向があります。
こうした気候変動の影響が、帯広の異常な暑さを加速させているのです。
帯広は夏でも涼しいイメージがありますが、地元の人たちは猛暑への備えも万全です。
とはいえ、40℃という気温は想定外の異常事態。冷房のない家庭や高齢者世帯にとっては深刻なリスクとなっています。
40℃という気温は、私たちの体温より高く、熱中症の危険性が極めて高まります。
これらの症状が出たら、すぐに日陰や冷房の効いた場所に移動し、涼しい水で体を冷やしましょう。
理由 | 説明 |
---|---|
フェーン現象 | 山を越えた熱風で一気に気温が上昇 |
内陸性気候 | 海風がなく、熱がこもりやすい |
地球温暖化 | 気温全体が底上げされている |
これらの要因が重なって、帯広では記録的な暑さが発生しているのです。
「北海道だから大丈夫」と油断せず、水分補給・エアコン使用・外出の自粛など、命を守る行動を第一に考えて行動してください。
帯広に限らず、これからの夏は“暑さ対策が命を守る”時代です。
🧊Stay cool and stay safe.
危険な暑さから自分と大切な人を守りましょう。
帯広ではこれまでに39℃以上の猛暑を記録したことが何度もあり、「北海道で一番暑い街」として知られることも。2021年には帯広で39.5℃を記録し、道内最高を更新しました。
「熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上)」は本州のイメージが強いですが、実は北海道でも近年増加。札幌や帯広でも夜間に冷えない日が珍しくなくなってきています。
北海道の住宅は断熱性・気密性が高いため冬は暖かいですが、その分夏の熱を逃がしにくい構造です。これが、夏の暑さがこもりやすくなる要因の一つにもなっています。
帯広の冬の最低気温は-25℃以下になる日もある一方で、夏は40℃近くまで上がることも。なんと1年の寒暖差が65℃前後になることもあります。これは日本有数の極端な気候です。
帯広は十勝平野にあり、日本有数の農業地帯。広大な平野で地表の熱が逃げにくいことも、気温上昇の一因と考えられています。特に晴天が続く夏場は、地表が焼けるように熱くなります。
数十年前まで、北海道では「エアコンなんて必要ない」と言われていましたが、近年は事情が一変。帯広では新築住宅のほとんどが冷房完備で、家電量販店でもエアコンが夏の売れ筋になっています。