岡本多緒さんは、日本出身のモデル・俳優です。
日本国内だけでなく、パリ、ニューヨーク、ハリウッド、ヨーロッパ映画界へと活動の場を広げてきた国際派の表現者として知られています。
モデルとして世界のファッションシーンで活躍した後、映画やドラマにも進出し、ハリウッド映画『ウルヴァリン:SAMURAI』や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』などに出演しました。
さらに2026年には、濱口竜介監督の映画『急に具合が悪くなる』、英題『All of a Sudden』でビルジニー・エフィラさんとともに第79回カンヌ国際映画祭の女優賞を受賞し、大きな注目を集めました。カンヌ女優賞は世界の映画界でも非常に権威ある賞であり、岡本多緒さんの俳優としての評価を大きく高める出来事となりました。([Vogue][1])
岡本多緒さんは、1985年5月22日生まれ、千葉県市川市出身です。海外では「Tao Okamoto」または「TAO」という名前でも知られています。
もともとはモデルとしてキャリアをスタートさせ、10代のころからファッションの世界で活動してきました。その後、海外へ活動の場を広げ、パリやニューヨークを拠点に世界的なブランドのショーや広告に登場するようになります。
岡本多緒さんは、日本人モデルの中でも特に国際的な評価を受けた人物の一人です。冨永愛さんなどと並び、日本人モデルが世界のファッション業界で存在感を示した時代を代表する存在でもあります。([ウィキペディア][2])
岡本多緒さんは、14歳ごろから日本でモデル活動を始めたとされています。
その後、国内で経験を積みながら、より大きな舞台を目指して海外へ進出しました。
2006年ごろにはパリへ渡り、ヨーロッパのファッションシーンで活動を本格化させます。当時、アジア系モデルが欧米の主要ファッション業界で大きく注目される機会は、現在ほど多くありませんでした。その中で岡本多緒さんは、独自の存在感と洗練された雰囲気で評価を高めていきます。
モデルとしての岡本多緒さんの特徴は、単に美しいだけでなく、知的でクールな印象を持っていたことです。黒髪のショートヘアや鋭いまなざしは、欧米のファッション業界でも強い個性として受け止められました。
パリで経験を積んだ岡本多緒さんは、2009年ごろにニューヨークへ拠点を移しました。ニューヨークは、ファッション、広告、雑誌、映画などが集まる世界的な都市です。ここでの活動によって、岡本多緒さんの名前はさらに国際的に知られるようになります。
岡本多緒さんは、ラルフローレン、ドルチェ&ガッバーナ、エンポリオ・アルマーニ、ケンゾー、トミー・ヒルフィガーなど、世界的ブランドの広告やファッション関連の仕事に関わってきました。また、『Vogue』や『Harper’s Bazaar』など、国際的なファッション誌にも登場しています。([ウィキペディア][2])
特に2009年には、日本版『Vogue Nippon』で岡本多緒さんが大きく取り上げられ、ファッション業界内での評価がさらに高まりました。日本人モデルが海外で活躍する例は以前からありましたが、岡本多緒さんはその流れをさらに広げた存在といえます。
岡本多緒さんの経歴で大きな転機となったのが、俳優としての活動です。
モデルとして成功した後、岡本多緒さんは映画の世界へ進出します。代表的な作品が、2013年公開のハリウッド映画『ウルヴァリン:SAMURAI』です。
この作品で岡本多緒さんは、マリコ・ヤシダ役を演じました。ヒュー・ジャックマンさん主演の人気シリーズ作品であり、岡本多緒さんにとっては映画デビュー作でありながら、いきなり大きな役を任された形になります。([IMDb][3])
『ウルヴァリン:SAMURAI』は日本を舞台にした作品で、日本人俳優も多く出演しました。その中で岡本多緒さんは、物語の重要人物であるマリコを演じ、国際的な映画ファンにも名前を知られるようになりました。
岡本多緒さんは、2016年公開の映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』にも出演しています。
この作品では、マーシー・グレイブス役を演じました。マーシー・グレイブスは、DCコミックスの世界に登場するキャラクターで、レックス・ルーサーに関わる人物として知られています。
『バットマン vs スーパーマン』は、世界的に知名度の高いスーパーヒーロー映画です。こうした大規模なハリウッド作品に出演したことは、岡本多緒さんが単なるモデル出身の俳優ではなく、国際的な映像作品でも起用される存在になったことを示しています。([ウィキペディア][2])
岡本多緒さんは映画だけでなく、海外ドラマにも出演しています。
代表的な出演作には、ドラマ『ハンニバル』があります。『ハンニバル』は、トマス・ハリスの小説に登場するハンニバル・レクターを題材にした心理サスペンスドラマです。岡本多緒さんはこの作品でチヨ役を演じました。
また、Amazonのドラマ『高い城の男』、英題『The Man in the High Castle』にも出演しています。この作品は、第二次世界大戦で枢軸国側が勝利した架空の世界を描いたドラマで、歴史改変SFとして知られています。
さらに『ウエストワールド』にも出演歴があります。こうした作品への出演からも、岡本多緒さんがアメリカのテレビドラマ界でも活動してきたことが分かります。([ウィキペディア][2])
岡本多緒さんは、海外作品だけでなく日本の映画やドラマにも出演しています。
2018年には、東野圭吾さん原作の映画『ラプラスの魔女』に出演しました。
また、かわぐちかいじさんの漫画を原作とする『沈黙の艦隊』シリーズにも出演しています。
『沈黙の艦隊』では、船尾亮子役を演じています。Prime Video版のドラマや映画版にも関連しており、国際的な活動だけでなく、日本国内の映像作品でも存在感を示しています。([ウィキペディア][2])
岡本多緒さんの場合、海外で有名になった後に日本作品へ戻ってきたというよりも、国際的な活動と日本での活動を並行して続けている点が特徴です。
2026年、岡本多緒さんの経歴に新たな大きな実績が加わりました。
それが、第79回カンヌ国際映画祭での女優賞受賞です。
受賞作は、濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』です。英題は『All of a Sudden』で、岡本多緒さんはビルジニー・エフィラさんとともに主演を務めました。
この作品は、濱口竜介監督らしい長編の人間ドラマとして注目されました。海外メディアでは、高齢者ケア、対話、人間関係、時間の流れといったテーマを扱う作品として紹介されています。岡本多緒さんが演じる人物は、作品の中心的な役割を担っており、ビルジニー・エフィラさんとの関係性が物語の大きな軸になっています。([AP News][4])
カンヌ国際映画祭の女優賞は、世界中の俳優にとって非常に名誉ある賞です。岡本多緒さんがこの賞を受賞したことは、日本人俳優の国際的評価という点でも大きな意味があります。
濱口竜介監督は、日本映画界だけでなく、世界の映画祭で高い評価を受けてきた監督です。
2021年には『ドライブ・マイ・カー』でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞しました。また、『偶然と想像』はベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞し、『悪は存在しない』はベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞しています。
その濱口監督の新作で主演を務め、さらにカンヌ女優賞を受賞したことは、岡本多緒さんにとって俳優としての代表的な実績になったといえます。
岡本多緒さんは、もともとモデルとして国際的に活動してきた人物ですが、カンヌ女優賞の受賞によって、俳優としての評価もより明確なものになりました。
岡本多緒さんの魅力は、国際的な存在感にあります。
日本人モデルとして海外のファッション業界で成功し、その後ハリウッド映画や海外ドラマに出演し、さらにカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞しました。この流れは、非常に珍しい経歴です。
また、岡本多緒さんは派手な自己主張で目立つタイプというよりも、静かな強さや知的な雰囲気で印象を残すタイプの表現者です。モデル時代から培ってきた身体表現、視線、立ち姿、空気感は、俳優としての演技にも生かされていると考えられます。
特に濱口竜介監督の作品では、台詞だけでなく、沈黙や間、相手との距離感が重要になります。岡本多緒さんの持つ繊細な表現力は、そうした作品世界と相性がよかったのかもしれません。
岡本多緒さんの主な出演作品には、以下のようなものがあります。
この一覧を見ると、岡本多緒さんが日本、アメリカ、ヨーロッパをまたいで活動してきたことが分かります。大作映画、配信ドラマ、作家性の強い映画のいずれにも関わっている点が特徴です。
モデル出身の俳優には、独特の強みがあります。
まず、身体の使い方や姿勢に対する意識が高いことです。モデルは、服を美しく見せるだけでなく、写真や映像の中で一瞬にして印象を残す必要があります。その経験は、映画やドラマの演技にも生きます。
岡本多緒さんの場合、視線や立ち姿だけで感情を伝える力があります。台詞を多く語らなくても、画面にいるだけで人物の背景や緊張感を感じさせることができる点は、大きな魅力です。
また、海外で長く活動してきたことで、英語や多文化的な現場への適応力もあります。国際共同制作や海外映画への出演において、この経験は大きな武器になります。
岡本多緒さんの経歴は、日本人俳優の海外進出という点でも重要です。
近年、日本人俳優が海外作品に出演する機会は増えています。しかし、モデルとして世界的に活躍し、その後ハリウッド大作に出演し、さらにヨーロッパの映画祭で高く評価されるという流れは、決して一般的ではありません。
岡本多緒さんは、日本の芸能界だけにとどまらず、海外のファッション、映画、ドラマの現場でキャリアを築いてきました。そのため、単に「日本から海外へ進出した俳優」というよりも、最初から国際的な環境で評価されてきた表現者といえます。
カンヌ女優賞の受賞は、その歩みが映画界でも大きく認められたことを示しています。
岡本多緒さんは、千葉県市川市出身のモデル・俳優です。
10代からモデル活動を始め、パリやニューヨークで国際的なキャリアを築きました。ラルフローレン、アルマーニ、ケンゾーなど世界的ブランドの仕事を経験し、日本人モデルとして高い評価を得ました。
その後、俳優として『ウルヴァリン:SAMURAI』で映画デビューし、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』や『ハンニバル』など海外作品にも出演しました。日本作品では『ラプラスの魔女』や『沈黙の艦隊』にも出演しています。
そして2026年、濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』でビルジニー・エフィラさんとともにカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞しました。これは、岡本多緒さんの俳優としての評価を世界的に押し上げる大きな出来事です。
岡本多緒さんの経歴は、モデル、ハリウッド映画、海外ドラマ、作家性の強い映画を横断する非常に国際的なものです。カンヌ女優賞をきっかけに、今後さらに映画俳優としての注目度が高まっていく可能性があります。