クレジットカード決済代行会社の全東信が破産手続きに入ったことで、「全東信の債権者は誰なのか」「どの金融機関が貸し出していたのか」「加盟店も債権者になるのか」といった疑問が広がっています。
全東信は、クレジットカード売上の早期決済代行サービスを手がけていた会社です。飲食店などの加盟店に対し、カード会社からの入金を待たずに売上金を早期に入金するサービスを提供していました。
そのため、破産によって影響を受ける相手は、金融機関だけではありません。未入金のカード売上を抱える加盟店、取引先、リース会社、ノンバンクなども関係している可能性があります。
その後の報道で、全東信の金融債権者63者の具体名が明らかになりました。これにより、全東信がいかに多くの金融機関や金融関連会社から資金を調達していたのかが、より具体的に見えてきました。
この記事では、全東信の債権者について、現時点で分かっている情報、金融債権者63者の一覧、最大口とされた近畿産業信用組合、申立書上の219億円と同信組が開示した124億5600万円の違い、加盟店の未入金売上との関係、そして準自己破産という申請形態までわかりやすく整理します。
まず注意したいのは、今回明らかになったのは、全東信の債権者115名すべての一覧ではなく、主に金融債権者63者の具体名です。
全東信の破産申立書ベースでは、債権者総数は115名、負債総額は1,151億6,491万円とされています。そのうち、金融債権者は63者で、貸付総額は1,130億円とされています。
つまり、全東信の負債の大部分は、金融機関やノンバンク、リース会社などに対する金融債務だったと考えられます。
判明している主な内容は次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 債権者総数 | 115名 |
| 負債総額 | 1,151億6,491万円 |
| 金融債権者 | 63者 |
| 金融債権者の貸付総額 | 1,130億円 |
| 最大口とされた債権者 | 近畿産業信用組合 |
| 近畿産業信用組合の債権額 | 申立書ベースで219億円 |
| 近畿産業信用組合の開示額 | 2026年7月8日現在の貸出額として124億5600万円 |
| 申請形態 | 準自己破産 |
この数字を見ると、全東信の負債の大部分は金融債務で占められていたことが分かります。
金融債権者63者で貸付総額が1,130億円ということは、全体の負債総額1,151億円余りのうち、ほとんどが金融機関やノンバンク、リース会社などへの債務だったと考えられます。
ただし、ここで重要なのは、申立書上の債権額と、金融機関側がその後に開示した貸出額が必ずしも同じではないという点です。
特に近畿産業信用組合については、申立書ベースでは219億円とされましたが、その後、同信組は全東信への貸出額について、2026年7月8日現在で124億5600万円だったと開示しています。
その後の報道により、全東信の金融債権者63者の具体名が明らかになりました。
金融債権者には、地方銀行、信用金庫、信用組合、ノンバンク、リース会社、ファイナンス会社、外資系・韓国系金融機関など、幅広い金融関連会社が含まれています。
現時点で確認されている金融債権者63者は、次の通りです。
| 番号 | 金融債権者名 |
|---|---|
| 1 | 近畿産業信用組合 |
| 2 | 東京スター銀行 |
| 3 | 東和銀行 |
| 4 | 山口銀行 |
| 5 | 大阪厚生信用金庫 |
| 6 | ハナ信用組合 |
| 7 | 北おおさか信用金庫 |
| 8 | 成協信用組合 |
| 9 | 第一勧業信用組合 |
| 10 | 三十三銀行 |
| 11 | 関西みらい銀行 |
| 12 | バンカーズ・クラウドクレジット・ファンディング |
| 13 | あすか信用組合 |
| 14 | 朝銀西信用組合 |
| 15 | 百十四銀行 |
| 16 | ミレ信用組合 |
| 17 | きらぼし銀行 |
| 18 | 大光銀行 |
| 19 | マイナビブリッジ |
| 20 | KEBハナ銀行 |
| 21 | 愛媛銀行 |
| 22 | 永和信用金庫 |
| 23 | 高知銀行 |
| 24 | 伊予銀行 |
| 25 | 大同信用組合 |
| 26 | 横浜幸銀信用組合 |
| 27 | イオ信用組合 |
| 28 | 四国銀行 |
| 29 | みなと銀行 |
| 30 | 枚方信用金庫 |
| 31 | JA三井リース |
| 32 | イオン銀行 |
| 33 | 静岡銀行 |
| 34 | 千葉興業銀行 |
| 35 | 信用組合広島商銀 |
| 36 | 島根銀行 |
| 37 | 大阪協栄信用組合 |
| 38 | 京滋信用組合 |
| 39 | 信用組合愛知商銀 |
| 40 | 大阪商工信用金庫 |
| 41 | 佐賀銀行 |
| 42 | サムライアセットファイナンス合同会社 |
| 43 | 南都銀行 |
| 44 | 宮崎銀行 |
| 45 | 兵庫ひまわり信用組合 |
| 46 | 福岡ひびき信用金庫 |
| 47 | 韓国産業銀行 |
| 48 | 十六銀行 |
| 49 | 東信用組合 |
| 50 | 神戸信用金庫 |
| 51 | 但馬銀行 |
| 52 | 鳥取銀行 |
| 53 | 栃木銀行 |
| 54 | 中ノ郷信用組合 |
| 55 | 京都中央信用金庫 |
| 56 | 江東信用組合 |
| 57 | 肥後銀行 |
| 58 | 中国銀行 |
| 59 | 中央信用組合 |
| 60 | トマト銀行 |
| 61 | 静岡中央銀行 |
| 62 | 全東栄信用組合 |
| 63 | 神奈川銀行 |
この一覧を見ると、全東信の資金調達先は非常に広範囲に及んでいたことが分かります。
地方銀行だけでなく、信用組合、信用金庫、リース会社、ファイナンス会社、外資系金融機関などが含まれており、全東信のビジネスが多くの金融機関からの資金調達によって支えられていたことがうかがえます。
ただし、この一覧は金融債権者63者のリストです。全東信の債権者総数は115名とされているため、未入金売上を持つ加盟店やその他の取引先など、金融債権者以外の債権者が別に存在すると考えられます。

現時点で最も注目されているのは、近畿産業信用組合が申立書ベースで219億円の債権を持つ最大口とされた点です。
近畿産業信用組合は、全東信の公式会社情報にも主要取引銀行として名前が掲載されていました。今回、破産申立書に基づく報道により、同組合が単なる取引金融機関ではなく、申立書ベースで最大の金融債権者だったことが明らかになった形です。
ただし、ここで注意が必要です。
申立書に記載された債権額は、最終的に確定した債権額とは限りません。担保、相殺、保証、回収済みの部分、破産管財人による調査などによって、最終的な金額や実際の損失額は変わる可能性があります。
そのため、「219億円の債権額があるとされたこと」と、「219億円すべてが損失になること」は同じではありません。
全東信の債権者をめぐって特に注意したいのが、近畿産業信用組合の債権額について、複数の数字が出ている点です。
破産申立書ベースでは、近畿産業信用組合の債権額は219億円とされ、金融債権者の中で最大口とされています。
一方で、その後、近畿産業信用組合は、全東信への貸出額について、2026年7月8日現在で124億5600万円だったと開示しています。
つまり、記事や情報を見る際に、「近畿産業信用組合は219億円を貸し出していた」とだけ理解すると、実態を誤って受け取る可能性があります。
ここでは、次のように分けて考える必要があります。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 219億円 | 破産申立書ベースで報じられた近畿産業信用組合の債権額 |
| 124億5600万円 | 近畿産業信用組合が2026年7月8日現在の全東信向け貸出額として開示した金額 |
申立書上の債権額は、最終的な確定債権額や金融機関側の開示額と一致するとは限りません。担保、相殺、回収済み部分、会計上の処理、破産管財人による調査などによって、数字が変わることがあります。
そのため、近畿産業信用組合については、「申立書上は219億円の最大口とされたが、その後、同信組は全東信への貸出額を124億5600万円と開示した」と整理するのがより正確です。
また、同信組は全東信向け貸出について全額を引当処理する方針を示しつつ、引当を加味しても黒字を確保できる見込みとしています。
この点からも、債権額だけを見て金融機関への影響を断定するのではなく、開示額、引当処理、自己資本、業績見通しを分けて見る必要があります。

金融債権者63者という数字は、全東信が多くの金融機関や金融関連会社から資金を調達していたことを示しています。
金融債権者には、次のような相手が含まれています。
全東信のビジネスモデルは、加盟店のカード売上を通常より早く入金する仕組みでした。
このサービスを運営するには、加盟店に先行して支払うための多額の運転資金が必要です。つまり、全東信は常に大きな資金を動かし続ける必要がある会社でした。
そのため、金融機関からの借入や資金調達に強く依存していたと考えられます。
金融債権者63者、貸付総額1,130億円という数字は、全東信の事業が単なる決済代行ではなく、資金調達力に支えられた金融的なビジネスだったことを示しています。
今回明らかになった金融債権者の顔ぶれを見ると、全東信の資金調達先は特定の地域や業態に限られていなかったことが分かります。
近畿産業信用組合、大阪厚生信用金庫、北おおさか信用金庫、成協信用組合、大阪協栄信用組合、京滋信用組合、大阪商工信用金庫など、関西圏の金融機関が多く含まれています。
一方で、東京スター銀行、きらぼし銀行、神奈川銀行、栃木銀行、千葉興業銀行、静岡銀行、静岡中央銀行、山口銀行、伊予銀行、愛媛銀行、百十四銀行、四国銀行、高知銀行、佐賀銀行、宮崎銀行、肥後銀行、中国銀行、トマト銀行、鳥取銀行、島根銀行など、全国の地方銀行も含まれています。
さらに、JA三井リース、イオン銀行、バンカーズ・クラウドクレジット・ファンディング、マイナビブリッジ、サムライアセットファイナンス合同会社など、銀行以外の金融関連会社も名を連ねています。
また、KEBハナ銀行、韓国産業銀行、ハナ信用組合、ミレ信用組合、朝銀西信用組合、信用組合広島商銀、信用組合愛知商銀、横浜幸銀信用組合、イオ信用組合なども含まれており、金融債権者の構成は非常に幅広いものになっています。
このことから、全東信は単一のメインバンクだけに依存していたのではなく、多数の金融機関から資金を集める形で事業を維持していたと考えられます。

全東信の破産後、一部の金融機関は、債権の取立不能または取立遅延のおそれについて開示しています。
現時点で公表・報道されている主な金融機関の債権額は、次の通りです。
| 金融機関 | 公表・報道されている債権額 | 備考 |
|---|---|---|
| 近畿産業信用組合 | 申立書ベースで219億円/同信組開示では124億5600万円 | 申立書上は最大口。その後、2026年7月8日現在の貸出額として124億5600万円を開示。全額引当処理後も黒字見込みとされる |
| 東和銀行 | 80億円 | 未保全部分について引当処理の予定 |
| 三十三銀行 | 50億円 | 一部未保全部分について開示 |
| 大光銀行 | 15億円 | 取立不能または取立遅延のおそれ |
| 高知銀行 | 12億円 | 引当処理予定が報じられている |
| 島根銀行 | 8億円 | 貸出金について引当処理予定 |
| 山口銀行 | 金額は個別報道で言及 | 担保等で保全されているとされる |
この一覧は、現時点で公表・報道により確認できる金融機関の一部です。金融債権者は63者とされているため、ここに載っていない金融機関やノンバンク、リース会社なども存在します。
また、ここに記載された金額も、最終的な確定債権額や実損額を意味するものではありません。
特に近畿産業信用組合のように、申立書上の債権額と金融機関側の開示額に差があるケースもあります。債権額を読む際には、どの資料に基づく数字なのかを確認することが重要です。
全東信の負債額については、約1259億円とする報道と、約1151億円とする報道があります。
これは、数字の根拠となる時点や資料が異なるためです。
約1259億円という数字は、2025年3月期末時点の負債額として報じられているものです。一方、約1151億円という数字は、破産申立書ベースで報じられている負債総額です。
そのため、記事ではどちらか一方だけを絶対的な数字として扱うよりも、「負債額は資料や時点によって約1151億円から約1259億円規模と報じられている」と整理する方が正確です。
破産手続きでは、今後、破産管財人による調査や債権届出、債権認否などを経て、債権額や配当見込みが整理されていくことになります。
全東信の債権者を考えるうえで、非常に重要なのが「申立書の債権額」と「確定債権」は違うという点です。
破産申立書には、会社側が把握している債権者や債権額が記載されます。しかし、その金額がそのまま最終的に確定するとは限りません。
破産手続きでは、破産管財人が会社の財産や債務を調査します。その過程で、債権の有無、金額、担保の有無、相殺の可否、保証の有無などが確認されます。
その結果、申立書に記載されていた金額と、最終的に認められる債権額が変わることがあります。
たとえば、次のような理由で金額が変わる可能性があります。
そのため、「申立書に219億円とあるから、219億円がそのまま損失になる」とは限りません。
金融機関ごとの実際の損失額は、今後の手続きや開示によって判断する必要があります。

全東信の公式会社情報には、複数の主要取引銀行が掲載されていました。
しかし、主要取引銀行に名前があることと、破産時点で大きな債権を持っていることは同じではありません。
主要取引銀行とは、会社が日常的に取引している金融機関を指します。口座を持っている銀行、振込に使っている銀行、融資を受けている銀行、決済関係で利用している銀行などが含まれる場合があります。
一方、破産手続きにおける債権者とは、破産会社に対してお金を請求できる立場にある相手です。
つまり、主要取引銀行として掲載されていても、破産時点で債権がない場合もあり得ます。逆に、会社概要に名前が出ていない金融機関やノンバンクが、実際には大きな債権を持っている場合もあります。
今回の報道でも、過去の調査では大手行との取引が確認されていた一方で、申立書の金融債権者欄には掲載がないとされています。
この点からも、「主要取引銀行一覧」と「債権者一覧」は分けて考える必要があります。
全東信の債権者というと、まず銀行や信用組合を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、全東信のサービスを利用していた加盟店も、未入金のカード売上がある場合は、破産手続き上の債権者になる可能性があります。
全東信は、加盟店のクレジットカード売上を通常より早く入金するサービスを提供していました。
もし店舗でカード決済が行われ、客の支払いは済んでいるのに、全東信から店舗への入金がまだ行われていない場合、その未入金分は加盟店側から見て「全東信に支払ってもらうべきお金」です。
この未入金売上は、破産手続きでは破産債権として扱われる可能性があります。
つまり、全東信の債権者には、金融機関だけでなく、未入金売上を抱える加盟店も含まれる可能性があるのです。

全東信の問題では、金融債権だけでなく、加盟店に対する未払立替精算金も大きな論点です。
報道では、加盟店に対する未払立替精算金約217億円が帳簿に計上されていなかった可能性も指摘されています。
これは、全東信の債権者問題を考えるうえで、金融機関向け債務だけでなく、加盟店向けの未払いも重要な論点であることを示しています。
たとえば、飲食店が全東信の端末を使ってカード決済を受け付け、その売上がまだ入金されていない場合、店舗はその金額について債権届出を行う必要が出てくる可能性があります。
加盟店が確認すべきなのは、次のような項目です。
加盟店にとっては、金融機関の債権額よりも、自社の未入金売上がいくらあるのかを正確に把握することが最優先です。
全東信の債権者は115名とされています。
この115名には、金融債権者63者のほか、金融機関以外の債権者も含まれていると考えられます。
金融機関以外の債権者としては、次のような相手が想定されます。
ただし、債権者115名の個別名や金額がすべて公開されているわけではありません。
今回、具体名が明らかになったのは金融債権者63者です。つまり、全東信の債権者全体のうち、金融機関や金融関連会社についてはかなり具体的な顔ぶれが見えてきたものの、加盟店やその他取引先を含む全債権者の詳細がすべて一般向けに明らかになっているわけではありません。
記事として扱う場合は、「債権者総数」「金融債権者数」「金融債権者63者の一覧」「加盟店も債権者になり得る」という整理が現実的です。
今回の全東信の破産申請は、準自己破産だったと報じられています。
通常、会社が自己破産を申し立てる場合、取締役会など会社の機関決定を経るのが一般的です。
一方、準自己破産は、会社の役員などが一定の事情のもとで破産を申し立てる手続きです。
会社全体として通常の意思決定が難しい場合や、代表者・役員側が破産申立てを行う必要がある場合などに利用されます。
全東信については、代表者が準自己破産に関する一切の事項を弁護士に委任していたとされています。
準自己破産という申請形態は、会社の内部事情や意思決定の状況に関心が集まりやすいポイントです。
ただし、準自己破産だからといって、それだけで違法行為や不正を意味するわけではありません。あくまで破産申立ての方式の一つです。
全東信が多額の金融債務を抱えた背景には、同社のビジネスモデルがあります。
全東信は、加盟店のカード売上を通常より早く入金するサービスを提供していました。
このサービスでは、全東信が加盟店に対して先に資金を渡し、後からカード会社側から入金される資金を回収する形になります。
つまり、全東信は常に多額の立替資金を必要としていました。
加盟店数が増え、カード決済額が大きくなればなるほど、必要な運転資金も膨らみます。
その資金を自己資金だけで賄うことは難しく、金融機関からの借入や外部資金に依存する構造だったと考えられます。
このようなビジネスモデルでは、信用があるうちは資金が回ります。しかし、信用不安が広がると、資金調達が難しくなり、一気に経営が苦しくなります。
全東信の金融債権者63者、貸付総額1,130億円という数字は、同社の事業がいかに資金調達に依存していたかを示しているといえるでしょう。
全東信の破産後、複数の金融機関が債権の取立不能または取立遅延のおそれについて開示しています。
金融機関にとって重要なのは、貸出額そのものだけではありません。
実際の影響を考えるには、次の点を見る必要があります。
たとえば、同じ50億円の貸出があっても、担保で大部分が保全されている場合と、ほとんど保全されていない場合では、金融機関への影響は大きく異なります。
そのため、債権額だけを見て「この金融機関は危ない」と判断するのは早計です。
金融機関ごとの実際の影響は、各社の開示資料や決算で確認する必要があります。
近畿産業信用組合についても、申立書上の219億円という数字だけで判断するのではなく、同信組が開示した124億5600万円、全額引当処理の方針、黒字見込みといった情報もあわせて見る必要があります。
全東信の債権者にとって、今後の焦点は主に次の点です。
特に、金融機関と加盟店では関心点が異なります。
金融機関は、貸出金の回収可能性、担保、引当、決算への影響を重視します。
一方、加盟店は、未入金のカード売上が戻るのか、債権届出が必要なのか、当面の資金繰りをどうするのかが重要になります。
全東信の加盟店だった店舗は、自社が債権者に該当するかを確認する必要があります。
特に、まだ入金されていないカード売上がある場合は注意が必要です。
加盟店が今すぐ確認すべきことは、次の通りです。
今後、債権届出が必要になる場合、これらの資料が未入金売上を証明する根拠になります。
特に複数店舗を運営している場合は、店舗ごと、日付ごと、ブランドごとに金額を整理しておくことが重要です。
債権者にとって最も気になるのは、「債権届出をすればお金が戻るのか」という点です。
しかし、破産手続きでは、債権届出をしたからといって全額回収できるとは限りません。
破産会社に残っている財産を調査し、換価し、法律上の優先順位に従って配当が行われます。
負債額が大きく、財産が不足している場合、配当率は低くなる可能性があります。
また、配当があるとしても、すぐに支払われるわけではありません。破産管財人による調査、債権認否、資産換価などを経て、時間をかけて進むことになります。
そのため、加盟店や取引先は、債権届出と同時に、当面の資金繰りも見直す必要があります。
全東信については、過年度の会計処理や財務内容をめぐる問題も報じられています。
預金残高の水増し、架空債権、営業権の過大計上、加盟店への未払立替精算金の未計上などが指摘されており、実質的には大幅な債務超過だった可能性も報じられています。
特に、加盟店に対する未払立替精算金約217億円が帳簿に計上されていなかった可能性は、債権者問題に大きく関係します。
もし長期間にわたって財務内容が実態より良く見えていた場合、金融機関や取引先は、正確な財務状況を把握できないまま取引を続けていた可能性があります。
この点は、債権者にとって非常に重要です。
なぜなら、破産手続きでは、実際にどれだけの資産が残っているのか、どの債権が有効なのか、どの程度の配当が可能なのかを調査する必要があるからです。
粉飾や不適切会計の影響が大きい場合、債権者への配当見通しにも影響する可能性があります。
今後、全東信の債権者に関する情報がさらに出てくる可能性があります。
ただし、債権者一覧を見る際には、次の点に注意が必要です。
特に金融機関については、債権額だけでなく、担保や引当の有無を見る必要があります。
また、加盟店については、全東信を利用していたからといって必ず未入金があるとは限りません。すでに他社へ切り替えていた店舗や、未入金が発生していない店舗もある可能性があります。
破産手続きでは、債権者への通知や債権届出の案内が行われます。
ただし、債権者一覧が一般向けにすべて公開されるとは限りません。
裁判所や破産管財人の手続きの中で、関係者向けに必要な情報が通知されることはありますが、一般の読者が全債権者名と金額を自由に確認できる形で公開されるとは限らないのです。
今回、金融債権者63者の具体名が明らかになったことで、全東信の資金調達先の全体像はかなり見えてきました。
一方で、加盟店やその他取引先を含む全115名の詳細、個別の債権額、担保や相殺の状況、最終的な確定債権額については、今後の破産手続きや追加開示を待つ必要があります。
今後、破産管財人の調査や金融機関の追加開示により、債権者の内訳や回収見込みがさらに明らかになる可能性があります。
全東信の債権者については、破産申立書に基づく報道により、債権者総数は115名、負債総額は1,151億6,491万円、金融債権者は63者、金融債権者の貸付総額は1,130億円であることが分かっています。
その後、金融債権者63者の具体名も明らかになりました。
一覧には、近畿産業信用組合、東京スター銀行、東和銀行、山口銀行、三十三銀行、関西みらい銀行、大光銀行、伊予銀行、高知銀行、島根銀行、イオン銀行、JA三井リース、KEBハナ銀行、韓国産業銀行など、多くの金融機関や金融関連会社が含まれています。
最大口とされたのは近畿産業信用組合で、破産申立書ベースでは債権額219億円と報じられています。
一方で、その後、同信組は全東信への貸出額について、2026年7月8日現在で124億5600万円だったと開示しています。
このため、近畿産業信用組合については、申立書上の債権額と金融機関側の開示額を分けて見る必要があります。
また、今回明らかになったのは金融債権者63者の具体名であり、全債権者115名すべての詳細が一般向けに公開されたわけではありません。
全東信の債権者は金融機関だけではありません。未入金のカード売上を持つ加盟店も、破産手続き上の債権者になる可能性があります。
今回の全東信の破産は、単なる決済代行会社の倒産ではなく、金融機関、加盟店、取引先に広く影響する大型倒産です。
今後は、破産管財人による調査、債権届出、配当の有無、金融機関の追加開示、加盟店の未入金売上の扱いが大きな焦点になります。
全東信の債権者問題を見る際には、「誰がいくら貸していたか」だけでなく、「今回明らかになったのは金融債権者なのか、全債権者なのか」「その債権がどこまで保全されているのか」「申立書上の数字と開示額に違いがあるのか」「加盟店の未入金売上はどう扱われるのか」「最終的にどれだけ回収できるのか」を分けて考えることが重要です。