国連(国際連合)に加盟していない国や地域が存在することをご存知かと思います。
世界には現在、193か国が国連加盟国となっていますが、それ以外にも国として機能していたり、独立を主張している国や地域がいくつもあります。
この記事では、なぜ国連に加盟していない国があるのか、その理由や背景を詳しく解説します。
また、2025年時点の最新の非加盟国・地域の一覧もわかりやすくご紹介します。
台湾やコソボ、バチカン市国などがなぜ加盟できないのかといった疑問にもお答えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。 🌍
まず、国連加盟には次の条件があります。
✅ 独立した主権国家であること
✅ 国際的な承認を得ていること
✅ 国連安全保障理事会(安保理)と総会の承認を得ること
※ 安保理の常任理事国5か国(米・英・仏・中・露)の拒否権が影響する。
この条件のいずれかを満たせない場合、国連加盟は難しくなります。
「独立国」を名乗っていても、多くの国から承認されていない場合は加盟できません。
さらに、安保理常任理事国の反対があると加盟は不可能になります。
一部の国や地域は、国連加盟を自ら希望していない場合もあります。
「国家」を名乗っていても実効支配が限定的、または国家としての条件を満たしていない場合があります。
区分 | 国名・地域名 | 主な状況 |
---|---|---|
オブザーバー国家 | バチカン市国 | 宗教的中立を維持、自主的に加盟せず |
オブザーバー国家 | パレスチナ | 国家承認は広がっているが加盟国ではない |
国際承認不足 | 台湾(中華民国) | 中国の反対により加盟不可 |
国際承認不足 | コソボ | ロシア・中国が加盟に反対 |
国際承認不足 | 北キプロス・トルコ共和国 | トルコ以外承認せず |
国際承認不足 | アブハジア | 国際的承認なし |
国際承認不足 | 南オセチア | 国際的承認なし |
国際承認不足 | ソマリランド | 国際的承認なし |
実効支配限定 | トランスニストリア | モルドバの一部とみなされている |
実効支配限定 | ナゴルノ・カラバフ | アゼルバイジャンの一部とみなされている |
1️⃣ 加盟申請 → 2️⃣ 安全保障理事会の承認(常任理事国の拒否権あり) → 3️⃣ 総会の2/3以上の賛成
A. 2025年時点で、国連加盟国は193か国です。
これに加えて、バチカン市国とパレスチナが「オブザーバー国家」として国連に参加していますが、正式な加盟国ではありません。
A. 台湾はかつて中国代表として国連に加盟していましたが、**1971年の国連総会決議(2758号)**によって、中国の代表権は中華人民共和国に移されました。
以降、中国の「一つの中国」政策のもと、台湾の国連加盟は強く反対されており、現在は加盟できていません。
A. バチカン市国は宗教的・中立的な立場を重視しているため、あえて国連に正式加盟していません。
その代わりに**「オブザーバー国家」**として国連総会などには参加し、意見を述べることができます。
A. 国連に加盟するには以下の条件を満たす必要があります。
1️⃣ 独立した主権国家であること
2️⃣ 国際的な承認を十分に得ていること
3️⃣ 国連安全保障理事会(常任理事国の拒否権含む)の承認を得ること
4️⃣ 国連総会で2/3以上の賛成を得ること
いずれかの要件を満たせない場合、加盟は難しくなります。
A. 可能性はありますが、政治的なハードルが大きいのが現状です。
たとえばコソボやパレスチナなどは一部の国から強く支持されているものの、常任理事国(特に中国やロシア)の反対があり加盟に至っていません。
また、台湾も現在の国際情勢では加盟は非常に困難と見られています。
A. はい、いくつかあります。
たとえば北キプロス・トルコ共和国、南オセチア、アブハジア、ソマリランド、トランスニストリアなどは「国家」として独立を主張していますが、国際的な承認がごく限られているため国連加盟には至っていません。
A. 理論的には国連憲章に脱退の手続きは明記されていません。
ただし、過去にインドネシアが1965年に一時脱退した事例があります。その後復帰しています。
脱退は極めてまれで、政治的にも大きな影響があるため一般的には選択されません。
A. はい、国連加盟国でなくても一部の国際機関に参加することは可能です。
たとえば台湾は**APEC(アジア太平洋経済協力)やWTO(世界貿易機関)**のメンバーです。
バチカン市国もさまざまな国際条約や国際機関に参加しています。
A. 「国連未承認国家」とは、国連加盟国や国際社会から十分な承認を受けていない国家のことを指します。
ソマリランド、北キプロス、南オセチア、アブハジア、トランスニストリアなどがこれに該当します。
こうした地域は独自の政府・軍隊・通貨などを持っている場合もありますが、国際法上は承認されていないことがほとんどです。
→ 誤解です。 台湾(中華民国)は国連創設時の原加盟国でした。
1971年までは中国代表として国連に加盟していましたが、その後中国代表権は中華人民共和国に移行しました。
→ 違います。 国連に加盟していないからといって国際法上違法な存在というわけではありません。
たとえばバチカン市国は合法的な主権国家ですが、中立性の観点から国連に加盟していないだけです。
→ ありません。 オブザーバー国家は国連総会などで発言権はありますが、投票権は持っていません。
意見を述べたり参加はできますが、決議採択には関与しません。
✅ 国連非加盟国・地域は意外に多様
✅ 政治的・外交的な問題が大きな壁
✅ 一部は意図的に加盟していない(バチカンなど)
✅ 国際承認・安保理の賛成がカギ
「なぜ国連に加盟していないのか」という理由は一概には言えません。地政学・外交・国内事情が複雑に絡んでいます。
ニュースなどでこれらの国や地域の名前が出てきたときは、ぜひその背景にも注目してみてください 🌍。