アメリカの政治ニュースで必ず出てくる言葉の一つが「中間選挙(Midterm Elections)」です。大統領選ほど派手ではないのに、アメリカ社会や世界の動きに大きな影響を与えるため、毎回注目されます。この記事では、中間選挙の基本から、なぜ重要なのか、どんな傾向があるのかまで、できるだけ丁寧に整理します。
中間選挙とは、大統領の任期4年の“真ん中(2年目の終わり)”に行われる全国規模の選挙のことです。
つまり「大統領選の中間のタイミングで行う選挙」だから中間選挙と呼ばれます。
中間選挙は、アメリカの他の大きな選挙と同じく、 **11月の第1月曜の次の火曜日(Election Day)**に行われます。
例:
このように、いつも偶数年の11月に来るのが特徴です。

中間選挙は「大統領は選ばないけれど、他の選挙が山ほどある」というイベントです。主な対象は次の通り。
下院議員は任期2年なので毎回総入れ替え。 上院議員は任期6年で、3つのグループに分けて2年ごとに入れ替わる仕組みです。
中間選挙は、生活に直結する地方政治まで一気に変わるタイミングでもあるんですね。
中間選挙と大統領選の違いをまとめるとこんな感じです。
大統領選が「国家のリーダー選び」なら、中間選挙は「国会の勢力図を決め、政権を評価する選挙」と言えます。
中間選挙が重要な理由はシンプルです。
アメリカでは法律を作るのは議会(上下院)です。 大統領がやりたい政策も、議会が反対多数なら止まります。
議会が変わると、
そのため、世界中の政府や企業が中間選挙の結果を注視します。
中間選挙は「大統領就任後2年間の通信簿」と言われます。 国民が政権に満足しているのか、不満を持っているのかが、選挙結果にダイレクトに出るからです。
アメリカの中間選挙には、かなりはっきりしたパターンがあります。
昔から、中間選挙では大統領の所属政党(与党)が負けやすい傾向があります。
理由は複数あります。
大統領が2期目に入って6年目で迎える中間選挙は、特に与党が大きく議席を落としがちです。 アメリカ政治では昔から「6年目の壁(Six-year itch)」とも呼ばれます。
中間選挙はアメリカの重要イベントですが、投票率は大統領選より低いのが現実です。
ただし近年は、社会の分断や政策争点の大きさから、投票率が上がる年も増えています。
中間選挙の争点は、その時代の空気を反映します。 よく焦点になりやすいテーマは次のようなものです。
大統領選ほど“人物中心”ではなく、政策中心で評価される選挙になりやすいのも特徴です。
中間選挙後に起きやすい状況を、ざっくり3パターンで考えるとわかりやすいです。
この「議会の色の変化」が、中間選挙最大の見どころです。
日本にいても、中間選挙の影響は無関係ではありません。 たとえば、
こうした要素は、議会の勢力図によって変わる可能性があります。
アメリカの中間選挙は、「大統領任期の中間で行われる、議会と州のトップを一斉に選び直す選挙」です。
そして結果次第で、
大統領選の“前哨戦”というだけでなく、アメリカ政治そのものを動かす大イベントとして理解しておくと、ニュースの見え方がぐっとクリアになります。