最終更新:2026年10月1日(日本時間)
2026年10月1日時点で、戦争や深刻な武力紛争が続く主な国・地域には、ロシア・ウクライナ、米国・イスラエルとイラン、スーダン、ミャンマー、イエメン、コンゴ民主共和国東部、ソマリア、サヘル地域などがあります。ガザやレバノンでは停戦の枠組みがある一方、攻撃と民間人被害が続いています。
さらに9月には、イエメンでの戦闘拡大とサウジアラビアへの攻撃、パキスタンによるアフガニスタン空爆と国境衝突が重要な変化となりました。
ただし、「今戦争をしている国」を国名だけで並べると、全面的な国家間戦争、国内の武力紛争、停戦中の地域、将来の軍事衝突が懸念される地域が混在します。本記事では、その違いを整理しながら最新情勢を解説します。
※2026年9月30日までの発表・報道を中心に、日本時間10月1日朝までに確認できた情報を反映しています。世界のすべての紛争を網羅する一覧ではありません。掲載画像にはイメージ画像が含まれ、本文で取り上げる最新の事件を撮影したものとは限りません。
| 分類 | 主な国・地域 | 現在の状況 |
|---|---|---|
| 大規模な国家間戦争 | ロシア・ウクライナ | 前線での戦闘と、都市・エネルギー施設などへの攻撃が継続 |
| 国家間・広域の軍事衝突 | 米国・イスラエルとイラン | 停戦とホルムズ海峡の通航正常化をめぐる協議が続くが、終結合意は確認されていない |
| 大規模な内戦 | スーダン、ミャンマー | 政府側と武装勢力の戦闘、空爆、住民避難が続く |
| 再拡大した内戦・越境攻撃 | イエメン、サウジアラビア | イエメン西岸で戦闘が拡大。フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃も発生 |
| 再燃した国境軍事衝突 | アフガニスタン・パキスタン | 9月下旬に空爆と国境衝突が発生 |
| 停戦の枠組みと攻撃が併存 | ガザ、イスラエル・レバノン | 停戦後も攻撃、死傷者、避難生活が続く |
| 和平交渉下でも続く武力紛争 | コンゴ民主共和国東部 | 停戦監視の動きが進む一方、武装勢力の活動や住民被害が続く |
| 政府と武装勢力などの長期紛争 | ソマリア、マリ、ブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリアの一部など | 地域支配をめぐる戦闘や住民への攻撃が継続 |
| 深刻な武装暴力・治安危機 | ハイチ、メキシコの一部、エクアドルの一部など | 武装集団・犯罪組織による暴力。個別の紛争認定と国家間戦争は区別が必要 |
| 停戦・軍事的緊張 | タイ・カンボジア、インド・パキスタン、台湾海峡、南シナ海、朝鮮半島 | 現在進行中の全面戦争と同一視せず、停戦の履行や軍事活動を確認する必要がある |
この表は情勢を理解するための整理です。一つの国が複数の紛争に関わる場合もあり、各分類は相互に重なることがあります。

日常語の「戦争」と、国際人道法や研究機関が使う「武力紛争」は、必ずしも同じ範囲を指しません。
赤十字国際委員会(ICRC)の説明では、国家間の武力行使と、政府・組織的な武装集団などの間の紛争を区別します。後者の判断では、武装集団の組織性と戦闘の激しさが重要です。宣戦布告の有無だけで決まるものではありません。
| 言葉 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 国家間戦争・国家間の武力紛争 | 国家同士が直接武力を行使しているか |
| 内戦・国内の武力紛争 | 政府と武装勢力、または武装勢力同士が組織的に戦っているか |
| 停戦 | 戦闘を止める取り決めが、実際に守られているか |
| 軍事危機 | 軍事的緊張は高いが、実際の戦闘が起きているのか |
| 犯罪暴力・治安危機 | 暴力の実態を確認し、武力紛争に該当するかは別途判断する |
「テロ対策」と呼ばれる作戦でも武力紛争に該当することがあり、反対に、軍が出動しただけで必ず戦争になるわけではありません。サヘル地域の政府と武装勢力の戦闘を、一般的な犯罪と同じ分類で扱うのも不適切です。

ロシアによる2022年2月の全面侵攻から4年以上が経過しましたが、ロシア・ウクライナ戦争は終結していません。
9月30日には、キーウ周辺などでロシアのミサイル・ドローン攻撃によりエネルギー施設が被害を受け、緊急停電が実施されました。民間人の死傷者も報じられています。
冬に向けて、発電・送電設備の損傷は暖房、給水、交通、企業活動にも影響します。前線の変化だけでなく、住民が生活を維持できるかも重要な問題です。
一方、ウクライナ側もロシア国内の軍事・エネルギー関連施設への攻撃を行っています。外交努力が続いていても、包括的な停戦や和平が成立した状態ではありません。

9月30日のロイター報道によると、イラン側はカタールの仲介を通じて、7日間の信頼醸成案に対する米国の回答を受け取りました。ホルムズ海峡の通航正常化や核問題などを含む取り決めに向け、各措置を実施する順番が争点とされています。
ただし、提案や回答の受領は、停戦成立や海峡の正常化を意味しません。10月1日朝の確認時点では、交渉が妥結して危機が解決したとはいえません。
ホルムズ海峡はペルシャ湾の出入口で、原油やLNGの輸送に重要です。一方、紅海とバブ・エル・マンデブ海峡は、スエズ運河を通るアジア・欧州間航路に関わります。
両方が中東の軍事情勢に影響されますが、航行状況や危険の内容は同じではありません。一方の停戦協議が進んでも、もう一方の安全が保証されるわけではありません。
9月にはフーシ派が紅海沿岸で攻勢を強め、モカ港などの支配を拡大したと報じられました。イエメン情勢は、船舶への脅威だけでなく、国内の戦闘拡大として捉える必要があります。
サウジアラビアへの越境攻撃も発生し、同国は9月19日、首都リヤドに向けた弾道ミサイルを迎撃したと発表しました。9月29日には国連のグルンドベリ特使による緊張緩和の働きかけが報じられています。
サウジアラビアを単に「周辺の戦争から間接的な影響を受ける国」と説明するだけでは、現在の状況を十分に表せません。
ガザでは2025年10月の停戦後も攻撃が続き、9月30日にも死傷者が報じられました。停戦を、すべての暴力と住民の苦しみが終わった状態と受け取ることはできません。
国連人道問題調整事務所(OCHA)の9月25日付報告は、医療物資の不足、住宅・避難施設の不足、雨季への備えの遅れを指摘しています。洪水リスクが高い451か所の避難場所には、推計約46万4,000人が暮らしています。
戦争の影響は戦闘の死傷者だけではなく、治療を受けられないこと、安全な住居や教育を失うことにも表れています。
イスラエル・レバノン間では2026年6月の合意などを通じて停戦が図られましたが、その後も南部を中心に攻撃や戦闘が続いています。
イスラエル軍の撤退、ヒズボラの武装解除、住民の帰還などが未解決です。「停戦合意があること」と「現地で攻撃が止まっていること」を分けて見る必要があります。

同じ国の中で、政府軍と複数の武装勢力が別々に戦う場合があります。逆に、一つの紛争が複数の国にまたがる場合もあります。そのため、紛争の件数と、関係する国の数は一致しません。
停戦は戦闘を止める取り決めであり、領土、武装解除、統治、難民・避難民の帰還まで解決するとは限りません。違反や局地的な戦闘が続くこともあります。
台湾海峡や南シナ海で軍事活動が活発化しても、それだけで「すでに全面戦争中」とは判断できません。演習、威嚇、船舶同士の接触、実際の武力行使を区別する必要があります。
首都と地方、国境地帯と商業都市では、戦闘や治安の状況が大きく違う場合があります。国名だけで、その国全域の危険度を一律に判断することはできません。

大規模な国家間戦争が続いています。地上戦、長距離攻撃、エネルギー施設や港湾への被害が重なり、欧州の安全保障にも大きく影響しています。
長年の紛争の後、2025年8月には和平文書の仮調印が行われました。戦争の継続地域と一括せず、和平・国交正常化の進展と、残る課題を確認する対象です。
アブハジア、南オセチア、沿ドニエストルなどには未解決の紛争が残っています。こうした「凍結紛争」と、ウクライナの現在進行中の大規模戦争は区別が必要です。
直接的な軍事衝突と、その終結に向けた交渉が中東情勢の中心的な課題です。核問題、制裁、海上交通、周辺戦線が結びついています。
ガザでは停戦後も攻撃と深刻な人道危機が続いています。ヨルダン川西岸でも、軍事作戦、入植者による暴力、家屋の取り壊し、移動制限などが住民生活を脅かしています。両地域の状況は分けて確認する必要があります。
停戦の枠組みはありますが、南部の攻撃や住民避難は解消していません。停戦の履行と軍の撤退が重要な争点です。
9月のイエメン西岸での戦闘拡大とサウジアラビアへの攻撃により、国内紛争と地域間の軍事衝突が重なっています。紅海の航行リスクにも関係する戦線です。
2024年12月のアサド政権崩壊後、国家の再統合が課題となっています。2026年8月25日には、クルド人主体のシリア民主軍(SDF)が独立した軍事組織としての解散を発表しました。
ただし、組織の解散発表だけで、地域支配や治安、旧戦闘員の統合まで解決したとはいえません。従来の内戦構図が変化する中でも、国内の緊張や外国軍の活動が残っています。
イラクでは武装勢力と地域紛争の波及、リビアでは政治・軍事的な分裂が課題です。湾岸諸国についても、米軍施設、港湾、エネルギー施設への影響を国別に確認する必要があり、地域全体を同じ意味で「戦争中」とするのは適切ではありません。
国軍(SAF)と準軍事組織RSFの内戦が続いています。首都の支配状況が変わっても、ダルフール、コルドファン、青ナイルなどの戦闘が解決したわけではありません。
9月下旬には北コルドファンの政府側支配都市へのドローン攻撃の増加や、隣国チャドへの避難の急増が報じられました。戦闘からの保護とともに、食料・医療・避難先での支援が必要です。
M23などの武装勢力をめぐる紛争が続いています。8月に続き9月にも停戦履行の確認が進められましたが、停戦監視の開始と、地域全体での戦闘終結は同じではありません。
複数の武装勢力、周辺国の関与、地域支配の問題が重なっているため、一つの合意だけで東部全体が安定したとは判断できません。
政府側とアルシャバブなどの武装勢力の紛争が続いています。襲撃事件だけでなく、地域支配をめぐる組織的な戦闘として見る必要があります。
サヘル地域では、政府側とイスラム過激派を含む武装勢力の戦闘が長期化しています。9月にも暴力拡大を警戒する報道があり、軍政、住民への攻撃、国境を越えた勢力の活動が複雑に絡んでいます。
ナイジェリアでは北東部の武装勢力との紛争と、他地域の武装集団による誘拐・襲撃を区別する必要があります。エチオピア、南スーダン、中央アフリカ共和国、モザンビーク北部、カメルーンの一部にも武力紛争や深刻な暴力の問題があり、国全体を一つの戦況で説明することはできません。
2021年の軍事クーデター後、軍と民主派・民族武装組織の戦闘が続いています。政治制度の変更があっても、内戦終結を意味するわけではありません。
国連人権高等弁務官は9月29日、前日にラカイン州の市場で起きたとされる軍の空爆を非難しました。国連発表では少なくとも50人が死亡したとの報告に言及しており、民間人が巻き込まれる深刻な状況が続いています。
10月現在の状況を「国境の緊張」だけで説明するのは不十分です。9月24日、パキスタンはアフガニスタン国内の10か所を攻撃したと発表しました。アフガニスタン側は民間人の死亡を訴えています。
両国は武装勢力への支援や越境攻撃をめぐって非難を応酬しています。当事者が発表する戦果・死傷者数には食い違いがあり、確認された攻撃と各政府の主張を分けて読む必要があります。
2025年の軍事衝突後も、カシミールや安全保障をめぐる対立が残っています。ただし、アフガニスタン・パキスタン間の戦闘とは別の問題であり、同じ「パキスタン関連のニュース」として混同しないことが大切です。
2025年12月の停戦後も国境をめぐる対立が残り、2026年9月にも停戦の履行について双方から主張が出ています。停戦下の国境紛争として、実際の戦闘の有無を確認する必要があります。
いずれも重要な安全保障上の緊張地域ですが、本記事の確認範囲では、現在進行中の全面戦争としては扱いません。軍事演習、核・ミサイル問題、船舶・航空機の活動などが衝突リスクにつながっています。
朝鮮戦争の休戦状態という歴史的・制度的な問題と、現在大規模な戦闘が行われているかという問題も区別が必要です。
武装集団による襲撃、地域支配、住民避難が深刻です。9月29日には国連安全保障理事会がギャング対策部隊の活動期限を6か月延長しました。
国家間戦争ではありませんが、それは住民の危険が小さいことを意味しません。武装集団との戦闘や人道危機については、個別の実態を見る必要があります。
コロンビアでは和平合意後も複数の武装勢力との紛争が残っています。メキシコやエクアドルでは組織犯罪に関連する暴力が深刻です。これらをすべて同じ種類の戦争とみなしたり、逆にすべてを通常の犯罪として扱ったりするのは適切ではありません。
ベネズエラでは2026年1月の米軍によるマドゥロ氏拘束後、政治移行と対米関係が大きく変化しました。9月にはトランプ氏とロドリゲス暫定大統領の間で選挙などが協議されています。
軍事介入が起きた事実と、現在も国家間の大規模戦闘が続いているかは別です。ガイアナとのエセキボ地域をめぐる領有権問題についても、継続中の全面戦争とは区別します。

PRIO(オスロ国際平和研究所)が2026年6月に公表した、UCDP(ウプサラ紛争データプログラム)のデータに基づく報告では、2025年に国家が関与する武力紛争が65件、35か国で記録されました。1946年以降の記録で最多とされています。
このうち国家間紛争は8件で、前年の2倍となりました。また、PRIOの公表資料は2025年の戦闘関連の死者を約24万5,000人としています。
ただし、これは2025年の年間統計です。「2026年10月1日に35か国が戦争中」「現在65件の全面戦争がある」という意味ではありません。
紛争の定義、集計期間、戦闘死者の数え方によって数字は変わります。最新の年次統計と、その後の日々の情勢を分けて読むことが大切です。

特に「停戦案を受け取った」「停戦に合意した」「攻撃が実際に止まった」は、それぞれ異なる段階です。見出しだけで終戦したと判断しないようにしましょう。

本記事で取り上げた戦争に、日本が直接の交戦国として参加していることは確認されていません。ただし、日本で大規模な戦闘が行われていないからといって、海外の戦争と無関係ではありません。
エネルギーの調達、国際物流、航空路、貿易、物価、安全保障を通じて影響を受けます。特に中東の海上交通と東アジアの安全保障は、日本の生活・経済と関係が深い分野です。
| 起きること | 日本への主な影響 |
|---|---|
| ホルムズ海峡の通航制約 | 原油・LNGの調達や輸送に支障が出る可能性 |
| 紅海・バブ・エル・マンデブ海峡の危険上昇 | スエズ運河を避ける航路変更や輸送日数の増加 |
| 船舶・港湾への攻撃や軍事的脅威 | 運休、寄港変更、輸送条件や保険条件の変更 |
| 空域の閉鎖・回避 | 航空便の欠航、迂回、所要時間や輸送費の増加 |
| 燃料費・輸送費の上昇 | 企業の調達費や販売価格への波及 |
ただし、すべての船会社が同じ航路を使い、同じ時期に同じ対応をするわけではありません。紅海を通る船がある一方で、喜望峰回りを選ぶサービスもあり得ます。「紅海は一律に通れない」「全航路が正常化した」とまとめて判断しないことが大切です。
国際輸送では、実際に利用する船会社・混載業者の航路、出港予定、積替港、寄港条件を個別に確認する必要があります。

2026年10月1日時点では、ロシア・ウクライナ戦争やスーダン・ミャンマーの内戦が続く一方、中東では停戦交渉と複数の戦線での攻撃が同時に進んでいます。
9月の変化として特に重要なのは、イエメンの戦闘拡大、サウジアラビアへの攻撃、アフガニスタン・パキスタン間の軍事衝突再燃です。ガザやレバノンについても、停戦という言葉だけでは現地の状況を理解できません。
「今戦争をしている国」を知るには、国名の一覧に加えて、誰と誰が戦い、どこで攻撃が起こり、停戦がどこまで実行されているかを見る必要があります。住民の生活や避難状況、海峡・港湾・エネルギー輸送への影響も、現代の戦争を理解する重要な手掛かりです。