アメリカ旅行や出張、留学を考えるときに、必ず気になるのが「アメリカ入国にどんな書類が必要なのか」という点です。必要な書類を勘違いしていると、チェックインカウンターで足止めされたり、最悪の場合は飛行機に搭乗できなかったり、入国を拒否されるリスクもあります。
この記事では、主に日本のパスポートを持つ人がアメリカに入国する際に必要となる書類を、2025年時点の情報をもとに分かりやすく整理します。観光・ビジネス(短期出張)・留学など、目的別に確認できるようにまとめました。
※入国条件や必要書類は、アメリカ政府の方針や情勢により突然変更されることがあります。実際に渡航する前には、必ず在日米国大使館や米国政府の公式サイトで最新情報を確認してください。

日本のパスポートを持つ人は、条件を満たせば「ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program / VWP)」を利用して、最大90日までビザなしでアメリカに滞在できます(観光・商用などが対象)。その代わりにオンラインで ESTA(エスタ) を事前に申請する仕組みになっています。
VWPを使える主な条件は次のとおりです。
この条件から外れる場合(長期の留学・就労・駐在など)は、あらかじめ 非移民ビザ や 移民ビザ を取得する必要があります。

まずは、多くの人が利用する「ESTAを使った90日以内の観光・出張」のケースから見ていきます。
アメリカ入国には、有効なICチップ入りの旅券(電子パスポート)が必須です。
ビザ免除プログラムを利用する場合、ESTAの事前承認 が必要です。申請はオンラインで行い、通常は数分〜数日で結果が出ます。
チェックイン時、航空会社はシステム上でESTAの有無を確認できますが、申請番号や承認画面を印刷、もしくはスマホに保存しておく と安心です。
ビザ免除プログラムを利用する場合、90日以内にアメリカを出国することを示す航空券 が必要です。
これがないと、航空会社のチェックインカウンターで搭乗を拒否されることがあります。
入国審査官から滞在先を聞かれることが多いため、最初の滞在先の住所と電話番号 をメモしておきましょう。
必ずしも「残高証明書」が必要というわけではありませんが、滞在費を賄えるだけの資金があるかどうかは、入国審査で確認されるポイントの一つです。
審査官から生活費や滞在計画について質問されたときに説明できるようにしておきましょう。
アメリカでは医療費が非常に高額になります。入国の「必須書類」ではありませんが、海外旅行保険の加入証明書 を持っておくことを強くおすすめします。

90日を超える長期滞在や、就労・正規留学などを目的とする場合は、事前に 非移民ビザ(Fビザ、Mビザ、Hビザなど) を取得する必要があります。
代表的な例として、学生ビザ(F-1)で入国する場合に求められる書類を挙げます。
入国時には、これらの書類をまとめて提示できるようにしておきます。入国審査では、パスポートとビザだけでなく、I-20や渡航目的を裏付ける書類の提示を求められることがあります。
いずれの場合も、ビザ申請時に使った書類一式を、入国の際にも携行しておくと安心です。
アメリカ行きの飛行機に搭乗する際、航空会社から求められる書類は次のとおりです。
かつては、新型コロナウイルスに関するワクチン接種証明や陰性証明の提示が求められていましたが、2023年5月12日以降、アメリカ入国にCOVID-19ワクチン証明は不要 となりました。
ただし、経由する国や利用する航空会社によっては、独自の健康証明・陰性証明を求める場合もありますので、乗継ぎルートや航空会社の案内も確認しておきましょう。
アメリカ到着後は、入国審査(Immigration)で次のような書類や情報が必要となります。
入国審査官は、パスポートとビザ情報、ESTAの情報を電子的に確認しながら、いくつかの質問を行います。
質問内容の例:
回答は簡潔かつ正直に行いましょう。
アメリカ入国時には、I-94という電子入国記録 が作成されます。最近はオンラインで管理されており、滞在可能期間もここに記録されます。
入国後、念のためI-94サイトから自分の入国記録を確認し、滞在期限をチェックしておくと安心です。

入国審査の後は、税関(Customs)での申告を行います。
アメリカでは、税関申告書(CBP Form 6059B) によって「誰が、どの国から来て、何を持ち込むのか」を申告する仕組みになっています。現在は紙の申告書だけでなく、キオスクやモバイルアプリを使った電子申告も広がっています。
申告が必要な代表例:
うっかり申告漏れをすると、罰金や没収の対象になることもあるので注意が必要です。
子どもも大人と同じく 個別のパスポート が必要です。保護者のパスポートに子どもの写真を載せる方式は、現在は利用できません。
さらに、未成年が片方の親、あるいは祖父母や第三者と一緒に渡航する場合には、
を持たせておくと、出入国審査や航空会社のチェックがスムーズになります。
必須とまでは言えないケースも多いですが、国境警備当局や航空会社は「誘拐防止」の観点から確認を行うことがあるため、事前に準備しておくと安心です。

2025年時点では、アメリカ入国の際に COVID-19ワクチン接種証明は不要 となっています。これは2023年5月12日をもって、ワクチン証明の提示義務が終了したためです。citeturn0search11turn0search32turn0search14
ただし、
によっては、ワクチン接種証明書(イエローカード)などを求められる場合があります。また、世界的な感染症状況によっては、アメリカ以外の国が独自の検査・証明書類を要求することもあります。
健康関連の書類については、
を必ず確認しておきましょう。
必須ではありませんが、印刷またはPDF保存しておくことをおすすめ します。航空会社や入国審査官から確認を求められたときに、すぐに提示できるからです。航空会社によっては、申請番号の提示を求める場合もあります。
多くのサイトでは「帰国予定日まで有効であればよい」とされていますが、
によっては、6か月以上の残存期間を求める場合もあります。トラブルを避けるため、最低でも6か月以上の残存有効期間を確保した状態で渡航 するのが安全です。
法律上の「必須書類」ではありませんが、
などを考えると、国際ブランドのクレジットカードは実質必須に近い存在 と言えます。複数枚を持っておくとより安心です。
パスポートと航空券の名前(スペル)は、基本的に一字一句同じである必要があります。クレジットカードについては多少表記が異なっていても問題ないことが多いですが、
では、パスポートと同じスペル・順番 で入力することが非常に重要です。
最後に、アメリカ入国前に確認しておきたい書類をチェックリスト形式でまとめます。
アメリカ入国に必要な書類は、一見すると複雑に見えますが、
この3つを意識すれば、整理しやすくなります。