2025年6月17日(米国時間)のドジャース対パドレス戦で、デーブ・ロバーツ監督が異例の「2歩退場」を命じられ、SNSでも大きな話題となりました。
日本メディアでは「審判との因縁」や「不可解な退場」として報じられましたが、アメリカの現地メディアはどう伝えているのでしょうか?
ロバーツ監督はなぜ退場になったのでしょうか?
米ESPNおよびAP通信の報道によると、主審のマーヴィン・ハドソンは次のように説明しました:
「警告に対して抗議することはルール上許されていない。だから退場にせざるを得なかった」
つまり、たとえ穏やかな口調であっても、「警告」に関して監督がフィールドに出て何か言う行為自体がルール違反だったということです。
ロバーツ監督は試合後、現地記者団にこう語っています(LA Times / ESPNより):
「自分は怒鳴ってもいないし、冷静に理由を尋ねようとしただけ。
でも気づいたら退場させられていた。
何より納得いかないのは、シルト監督(パドレス)はその後、審判と話を許されていたこと。なぜ自分だけダメだったのか?」
このように、「一貫性のなさ」への不満が大きかったことが分かります。
さらにロバーツ監督は、大谷への死球についても次のように語っています:
「完全に故意だったと思う。
投球コースがあまりにひどかったし、あれがたまたまとは思えない」
一方、パドレス側の監督シルト氏やバスケス投手は「インコースを攻めただけ」「戦略の一環」と説明。ここでも両軍の見解は真っ向から対立しました。
MLBのルールでは、「警告試合の宣告には抗議不可」と明確に定められており、
その警告に抗議した場合、監督は即退場の対象となります。
審判団はこのルールを機械的に適用しただけ――そう見る向きもあります。
ドジャース専門メディア「Dodger Nation」のダグ・マッケイン氏はSNSでこう批判:
「ロバーツは将来の殿堂入り監督だ。2歩出ただけで退場はやりすぎ。恥ずべき行為だ」
一方で、「ルール通りではある」とする冷静な声も。
今回の一件は、審判の裁量とMLBルールの硬直性、そして現場での扱いの不平等という複数の問題を浮かび上がらせる形となりました。
ロバーツ監督の退場劇は、ルール通りだったのかもしれません。
しかし、相手チームの監督には説明の機会が与えられていたこと、
そして監督として当然の疑問を呈しただけであったことを考えると、
ファンにとっても「納得のいかない退場」と映ったのは間違いありません。
この「2歩退場事件」は、今後のMLBにおける審判と監督の関係性に一石を投じる出来事となりそうです。