2026年3月に開幕する「第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC2026)」。アジアの強豪として注目されるのが、かつて日本と激闘を演じた韓国代表です。
2006年(ベスト4)・2009年(準優勝)の“黄金期”を知るファンにとって、近年の韓国は物足りない時間が続いてきました。ですが、WBC2026は「復権の試金石」。監督交代や代表強化の動きが続き、さらに2025年11月には日本との強化試合(東京ドーム)も実施され、準備は本格フェーズに入っています。
本記事は、数ヶ月前の内容を「2025年12月時点の最新情報」を踏まえてアップデート済みです。出場の可否が固まってきた選手、逆に欠場が濃厚になった選手、そして日韓強化試合で見えた方向性まで、まとめて整理します。

韓国代表はWBC創設初期から、日本の最大のライバルとして存在感を放ってきました。特に2006年と2009年は、投手力と集中力で勝ち上がり、世界に「韓国野球の強さ」を印象づけました。
一方、2013年以降は1次ラウンド敗退が続き、国際舞台での立て直しが大きな課題になっています。WBC2026ではMLB組+KBOの柱+若手火の玉リリーフをどう噛み合わせるかが勝負どころです。
| 開催年 | 成績 | コメント |
|---|---|---|
| 2006年 | ベスト4 | 日本に2勝1敗も準決勝で敗退 |
| 2009年 | 準優勝 | 決勝で日本と延長の死闘(名勝負) |
| 2013年 | 1次ラウンド敗退 | オランダ・台湾に敗れる |
| 2017年 | 1次ラウンド敗退 | イスラエルに敗れ大波乱 |
| 2023年 | 1次ラウンド敗退 | 日本・豪州に屈し予選敗退 |
直近3大会連続で1次ラウンド敗退。WBC2026は、韓国野球にとって「結果が求められる大会」になっています。
WBC2026で韓国は東京プール(Pool C)に入り、会場は東京ドームです。ここが最大の山場です。
注目はやはり日韓戦(3/7 土 19:00)。とはいえ、韓国側から見ると初戦(3/5)がかなり重要です。短期決戦では「初戦からギアを上げられるか」が、そのまま流れに直結します。
韓国代表はWBC2026に向けた実戦として、2025年11月に東京ドームで日本と2試合の強化試合を行いました。
このシリーズは「WBC本番のベストメンバー対決」というより、韓国にとっては国内組・若手中心に“国際試合の空気を踏ませる”意味合いが強い位置づけでした。MLB組は基本的に不在で、投手も野手も“候補者の絞り込み”を意識した運用が見えました。
そして日韓戦の前には、韓国はソウルでチェコ代表と2試合の国際強化シリーズも実施しています。WBC本番での初戦相手がチェコである以上、これはかなり現実的な準備です。
代表の核になる最重要ピース。内野の守備力と走塁でゲームの地盤を固められる存在です。2025年はシーズン途中に移籍を挟みつつプレーし、2025年オフにはFA(フリーエージェント)となりました。WBCの参加は本人の意欲があっても、新所属先との調整が現実的なポイントになりそうです。
韓国の「技術で点を取る」野球の象徴。出塁・ミート・状況対応で攻撃の起点になり、WBCでは1番〜3番のどこに置いても機能します。コンディションさえ整えば、韓国打線の“安定装置”として最重要クラスです。
二遊間を中心に複数ポジションを守れる守備力と、展開を変える走塁が武器。2025年はMLBでの出場もあり、国際舞台の“速い野球”に合うタイプです。代表では二塁/遊撃/中堅(プランB)など、起用の幅が大きい選手です。
ここは重要な更新点です。エドマンは2025年シーズン中から足首の問題を抱えており、足首手術の予定も報じられ、WBC2026は欠場が濃厚とされています。韓国代表にとっては、守備・走塁・ユーティリティ性・国際経験のすべてを代替しづらく、プラン修正が必要になります。
速球とスライダーが武器の救援右腕。2025年は米国のマイナーで登板し、2025年オフにはFA扱い(マイナーFA/移籍の可能性)になっています。代表入りは「所属先」「コンディション」「役割」に左右されるため、今後の動向が注目点です。
11月の国際強化試合が示したとおり、韓国は国内組の底上げをかなり重視しています。特に短期決戦では「守備・走塁・中継ぎ」が勝敗に直結しやすく、KBOの中核が重要になります。
強化試合で得たデータ(緊張感・球質への適応・守備の乱れ)を踏まえて、WBC本番までに「勝ちパ」と「終盤の守備固め」を先に決めるのが、いちばん勝率が上がる準備になりそうです。
Pool Cは、名前だけ見ると「日本が頭一つ抜けている」ように見えますが、残りは韓国・オーストラリア・チャイニーズタイペイ・チェコで、試合ごとの相性や投手の出来で順位が大きく動きます。
3/7の日本戦で流れを掴めれば最高ですが、現実的には「3/5・3/8・3/9で取りこぼさない」ことが突破の最低条件になります。
WBC2026の韓国代表は、黄金期のような“絶対的な投手王国”ではない一方で、守備・走塁・若いリリーフを軸に、短期決戦に最適化したチームを作る余地があります。
また、2025年11月のチェコ戦→日本戦という流れは、東京プールを見据えたかなり現実的な準備でした。エドマン欠場が濃厚という痛手はあるものの、キム・ハソン、イ・ジョンフ、キム・ヘソンらが揃えば、韓国は十分に“突破候補”です。
東京プールは1試合で空気が変わります。
日韓戦を含む激戦の中で、韓国がどんな「WBC仕様の勝ち筋」を見せるのか――2026年3月の東京ドームは、間違いなく見逃せません。