近年、サウジアラビアリーグ(サウジ・プロフェッショナルリーグ)は、欧州のスター選手の移籍によって世界的な注目を集めています。特にクリスティアーノ・ロナウドの加入を皮切りに、ネイマール、カリム・ベンゼマ、サディオ・マネなど、世界的に有名な選手が次々とサウジに移籍しているのが特徴です。その背景にあるのが「外国人枠の拡大」という大きな制度改革です。
サウジアラビアリーグにおける「外国人枠」とは、各クラブチームが登録および試合で起用できる外国籍選手の数に関するルールを指します。
つまり、クラブは最大8名の外国籍選手を保有でき、その全員を同時に試合に出場させることも可能です。このような自由度の高い制度は、他国リーグと比較しても非常に珍しいものです。
以前は5人〜7人程度とされていた外国人枠ですが、サウジアラビア政府の後押しもあり、世界的スターを多数招くためにこの上限が引き上げられました。
外国人枠の拡大は、単なるリーグの強化策ではなく、サウジアラビアの国家戦略と密接に関係しています。サウジ政府は「ビジョン2030」と呼ばれる包括的な国家成長計画の中で、スポーツ、とりわけサッカーへの積極的な投資を進めています。
その背景には次のような意図があります:
このような施策の結果、これまで欧州5大リーグを中心に活躍していた選手たちが、次々とサウジリーグに参戦するようになりました。
ここでは、現在サウジリーグでプレーしている有名な外国籍選手たちをいくつか紹介します。
彼らは単なる観客動員の目玉としてだけでなく、実際にピッチ上で結果を残しており、地元選手の技術向上にも寄与しています。また、試合の質の向上や放映権ビジネスの拡大にもつながっています。
外国人枠が拡大されることで得られるメリットと、考慮すべき課題は以下の通りです。
国内リーグでの外国人起用が拡大する一方で、AFC(アジアサッカー連盟)が主催する国際大会では、**「3+1ルール」**が基本となっています。
これは、以下の通りの出場枠を意味します:
そのため、クラブはアジア大会用に外国籍選手の起用バランスを戦略的に考える必要があります。国内での登録枠とアジア大会での起用枠が異なるため、選手構成や戦術の幅に影響を与える要因にもなっています。
サウジリーグは今後もグローバルな関心を集め続けると予想されます。外国人枠制度の変化にも引き続き注目していきましょう。