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日米通算本塁打ランキング

日米通算本塁打ランキング

(2025年9月21日版)

「NPB(日本プロ野球)とMLB(メジャーリーグ)の両方で活躍した選手は、一体どれほどのホームランを打っているのか?」

野球ファンの間で、長らく議論の的となってきたこのテーマ。日米の野球は、ボール、グラウンド、プレースタイル、そして文化が大きく異なります。その異なる環境で長年にわたってプレーし、ホームランを積み重ねた選手たちを一つの物差しで測ることは、彼らの純粋な打撃力や適応能力、そしてキャリアの長さを示す、興味深い指標となります。

以下の日米通算本塁打ランキングは、松井秀喜や大谷翔平といった日本人選手から、タフィ・ローズやアレックス・カブレラのような日本球界の伝説的な助っ人、さらにはMLBの大物アンドリュー・ジョーンズまで、国籍や経歴を超えて彼らの「ホームラン数」を合算したものです。

ここでは、その集計結果を「国籍不問」と「日本人限定」の2つのランキング形式でご紹介します。さらに、ランキングにまつわるトリビアや、なぜこのランキングに意味があるのかについても掘り下げていきます。

史上最強の長距離砲は誰なのか。NPBとMLBの壁を超えた、真の日米通算ホームランランキングを見ていきましょう。

定義と対象:
本稿の「日米通算」は NPB(日本プロ野球)+MLB(メジャーリーグ)レギュラーシーズン公式戦で記録された本塁打(HR)の合計です。ポストシーズン、オープン戦、二軍・マイナー、独立リーグ、国際大会は含みません。数字は公的記録・主要メディアの到達記事を照合した2025年9月21日(JST)時点のもの。現役選手は変動します。


1. 総合:日米双方でプレーした選手の通算本塁打上位(TOP10

Dodger Stadium

国籍不問。 NPBとMLBの両方でトップリーグ出場経験がある選手の合算ランキング(2025-09-21時点)。

順位 選手 合計HR(日米通算) 内訳(NPB/MLB) 補足
1 松井秀喜 507 332/175 巨人→ヤンキースほか。
2 アンドリュー・ジョーンズ 484 50/434 楽天でNPB50本、MLB通算434本。
3 タフィ・ローズ 477 464/13 近鉄などでNPB464本。
4 アレックス・ラミレス 392 380/12 ヤクルト・巨人・DeNAでNPB380本。
5 アレックス・カブレラ 362 357/5 西武・オリックス・SB。
6 セシル・フィルダー 357 38/319 阪神38本→MLBで51本の年あり。
7 福留孝介 327 285/42 中日・阪神ほか/MLB3球団。
8 ウラディミール・バレンティン 316 301/15 NPB単年60本(2013)。
9 レロン・リー 314 283/31 ロッテで中軸、通算打率も高水準。
10 ジョージ・アルトマン 306 205/101 近鉄・阪神で活躍。

2. 日本人(日本国籍)に限定した日米通算ホームランランキング(TOP15

日本人(日本国籍)に限定した上位(TOP15

日本人でNPB/MLBの出場経験がある選手を対象

順位 選手 合計HR(日米通算) 内訳(NPB/MLB) 備考
1 松井秀喜 507 332/175 日本人の到達点。
2 中村紀洋 404 404/0 MLB出場歴あり(HR0)。
3 福留孝介 327 285/42 両リーグで中長打。
4 大谷翔平 324 48/276 現役。毎年更新中
5 井口資仁 295 251/44 05年WS制覇に貢献。
6 城島健司 292 244/48 捕手として高水準。
7 鈴木誠也 264 182/82 現役。伸長途上。
8 イチロー 235 118/117 通算Hと併せて語られる存在。
9 松井稼頭央 233 201/32 遊撃・外野で長期貢献。
10 筒香嘉智 224 206/18 日米で長打力を示す。
11 岩村明憲 209 193/16 レイズでWS出場。
12 青木宣親 173 140/33 出塁・巧打+適度な長打。
13 田口壮 165 146/19 守備走塁+長打も。
14 新庄剛志 136 116/20 日米で人気と実績。
15 秋山翔吾 135 135/0 MLB出場歴あり(HR0)。

 

日本人(日本国籍)に限定した上位


3. 現役・上昇中の注目選手

大谷翔平(ドジャース)

  • トピック:2025年シーズン、リーグ上位の本塁打ペースで推移。シーズン単年のHRが合算を強く押し上げています。
  • 合算の内訳の考え方NPB48本(日本ハム)+MLB通算HR。MLB側はシーズン終了ごとに更新されるため、年ごとの差し替えが必要です。
  • ポイント:日本時代の投打二刀流→MLBでの長距離砲の確立というキャリア構成が、合算HRでも独自の伸び方を生み出しています。

4. コラム:なぜ“合算HR”に意味があるのか

  • 環境差を横断した“純粋長打力”の指標:ボール、マウンド、ストライクゾーン、対戦ローテ、移動距離などが異なる2リーグで積み上げた本塁打は、適応力×長寿命の産物。
  • 国籍不問リストの価値:助っ人のNPB実績(例:ローズ、カブレラ、バレンティン)をMLBでの実績と同一尺度で俯瞰できる。
  • 日本人限定リストの価値:メジャー挑戦が一般化した世代で、**“NPBでの柱”→“MLBでの再評価”**という文脈を追える。

日米通算本塁打トリビア集

1. 実はレア?日米双方でホームランを放った選手

日米通算ホームランランキングには、日本とメジャーの両方でホームランを打った選手が多数ランクインしています。しかし、その数は決して多くありません。例えば、日本人選手で両リーグでホームランを記録しているのは、松井秀喜、福留孝介、大谷翔平、井口資仁、城島健司、鈴木誠也、イチロー、松井稼頭央、筒香嘉智、岩村明憲、青木宣親、田口壮、新庄剛志の13名です。また、外国籍選手では、ランキングTOP10に入る選手でも、タフィ・ローズはMLBで13本、アレックス・ラミレスは12本、アレックス・カブレラはわずか5本しかMLBでホームランを打っていません。この数字が、メジャーでのホームランの難しさや、日本の打者がMLBで活躍することの希少性を物語っています。

2. 異色の記録、セシル・フィルダーの日本時代

ランキング6位にランクインしているセシル・フィルダーは、日米のキャリアが非常にユニークな選手です。彼は1989年に阪神タイガースでプレーし、38本塁打を記録。しかし、翌年にはMLBに復帰し、いきなり本塁打王(51本)に輝きました。この「日本でプレーした翌年にMLBでホームラン王」という例は、日米野球史においてもセシル・フィルダーだけが持つ、非常に珍しい記録です。日本で培った打撃技術が、メジャーでの大ブレイクに繋がったと言えるでしょう。

3. “安打の神様”の隠れた長打力

日米通算本塁打ランキングで8位にいるイチローは、日米通算4367安打という圧倒的な記録で知られていますが、実はその通算本塁打数も決して侮れません。MLBでは117本、NPBでは118本、合計で235本塁打を記録しています。これは、彼の代名詞である「ヒットの量産」というイメージとは対照的な事実であり、優れた長打力も持ち合わせていたことの証明です。特にNPB時代は、本塁打王争いにも絡む長打力を見せていました。

4. 楽天・ジョーンズのNPB通算本塁打は「50本」

ランキング2位のアンドリュー・ジョーンズは、MLB通算434本塁打という圧倒的な実績を誇りますが、日米通算本塁打ランキングでは、日本でプレーした2013年シーズンのホームランが加算されています。彼は楽天イーグルスでたった1シーズンだけプレーしましたが、この年に50本のホームランを放ち、チームの日本一に大きく貢献しました。この50本という数字は、外国人選手のNPB年間本塁打数としては非常に高い水準であり、MLBの大物助っ人として日本のファンに強烈なインパクトを残しました。

5. 日米通算“初の200本超え”は外国人選手だった

ランキング10位のジョージ・アルトマンは、NPBとMLBの両方で200本以上の本塁打を記録した、最初期の選手です。彼はNPB(近鉄、阪神)で205本塁打、MLBで101本塁打を記録し、合計306本塁打となりました。外国人選手が日米のトップリーグを渡り歩くことが一般的でなかった時代に、両リーグで長打力を発揮した先駆者と言えます。このランキングに名前が挙がる選手の多くが、21世紀に入ってから日米を行き来していますが、アルトマンはそれよりも遥かに前の1960年代から70年代に活躍した、日米野球交流の歴史を語る上で欠かせない存在です。

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