ニューヨーク・メッツの選手たちは、バッターボックスやマウンドに向かう際、それぞれが選んだ「登場曲(入場曲)」で球場を盛り上げています。この登場曲は、選手の好みやパーソナリティが表れる“音の名刺”とも言える存在であり、プレー前の緊張をほぐしつつ、観客との一体感を生み出す大切な演出のひとつです。
選曲は単なる気分や趣味ではなく、多くの選手にとってゲン担ぎやルーティンの一環でもあります。例えばある選手は故郷のアーティストを選び、また別の選手は心を鼓舞する歌詞を持つ曲を選ぶなど、選手ごとに明確な意図があることも珍しくありません。
近年では、登場曲の変更がニュースになることすらあり、ファンの間では「今の登場曲の方が気合が入ってる」「前の方が盛り上がった」などと議論が交わされることも。つまり、登場曲は試合を彩る“音楽的パフォーマンス”としての価値も高まっています。
この記事では、2025年シーズンのメッツ選手たちが使用している最新の登場曲(入場曲)を一挙にご紹介します!また、それぞれの楽曲が持つ意味や選曲の背景、さらにはファンの間での反響についても掘り下げてみましょう。
以下の一覧は、2025年シーズンのニューヨーク・メッツ選手たちの最新登場曲(入場曲)をまとめたものです。曲のジャンルも多彩で、ラテン音楽からヒップホップ、クラシックロック、ポップスまで幅広く網羅されています。
選手名(ローマ字) | 選手名(カタカナ) | 登場曲(アーティスト名) |
---|---|---|
Luisangel Acuña | ルイサンヘル・アクーニャ | ACHO PR(Bad Bunny) |
Pete Alonso | ピート・アロンソ | Layla(Derek & The Dominos) |
Francisco Álvarez | フランシスコ・アルバレス | MOLI(El Alfa) |
Brett Baty | ブレット・ベイティ | Luther(Kendrick Lamar)/Glory Days(Bruce Springsteen) |
José Buttó | ホセ・ブットー | Punto Y Aparte(12 Discipulos) |
Griffin Canning | グリフィン・カニング | Texas Sun(Khruangbin & Leon Bridges) |
Chris Devenski | クリス・デベンスキー | 3 Peat(Lil Wayne) |
Edwin Díaz | エドウィン・ディアス | Narco(Blasterjaxx & Timmy Trumpet) |
Reed Garrett | リード・ギャレット | Showdown(Stick Figure feat. Collie Buddz) |
Clay Holmes | クレイ・ホームズ | White Horse(Chris Stapleton) |
Max Kranick | マックス・クラニック | Rolling In The Deep(Adele) |
Francisco Lindor | フランシスコ・リンドーア | My Girl(The Temptations)/Ain’t No Mountain High Enough(Marvin Gaye & Tammi Terrell) |
Starling Marte | スターリング・マルテ | NIVELES(Myke Towers) |
Jeff McNeil | ジェフ・マクニール | Rock Of Ages(Def Leppard) |
Tylor Megill | タイラー・メギル | Hot In Herre(Nelly) |
Brandon Nimmo | ブランドン・ニモ | I’m So Blessed(CAIN) |
David Peterson | デイビッド・ピーターソン | Motley Crew(Post Malone) |
Kodai Senga | 千賀 滉大 | Tokyo Drift(映画『ワイルド・スピードX3』) |
Juan Soto | フアン・ソト | EoO(Bad Bunny)/Suave(Jey One & OG DETRUYELO) |
Ryne Stanek | ライン・スタネック | Still D.R.E.(Dr. Dre/Instrumental) |
Tyrone Taylor | タイロン・テイラー | Come Around(Collie Buddz) |
Luis Torrens | ルイス・トーレンス | Qué Pasaría…(Rauw Alejandro & Bad Bunny) |
Mark Vientos | マーク・ビエントス | El Tigre(Toño Rosario/Live) |
メッツの登場曲は、単なる好みの選曲ではありません。リズム、歌詞、出身地の文化、応援スタイルなど、選手それぞれが深く考えたうえで決めていることが多く、試合に向けてのテンションアップや、観客との一体感の醸成に大きく寄与しています。
例えば、ピート・アロンソが選んでいる「Layla」はクラシックロックの名曲で、力強くも哀愁を帯びたメロディーが彼のバッティングスタイルとシンクロするかのようです。
また、フランシスコ・リンドーアは「My Girl」「Ain’t No Mountain High Enough」というソウルフルな名曲を選び、どこかノスタルジックな雰囲気と共に、ファンに愛されるキャラクターをより印象づけています。
そして、エドウィン・ディアスの「Narco」は、もはやメッツ名物。トランペットが鳴り響いた瞬間、スタジアム全体が「セーブの時間だ」とばかりに期待と熱狂に包まれます。この曲は彼の代名詞とも言える存在です。
登場曲や入場曲は、プレーそのものと同じくらいファンに記憶されるもの。どんな曲が流れるかによって観客のリアクションも変わり、スタジアム全体の空気が一変することもあります。
実際に、試合前にスタジアムで流れる選手の登場曲に合わせて、観客がリズムを取ったり一緒に歌ったりする光景は、アメリカ野球文化の醍醐味でもあります。
これらの楽曲は、ただの“音楽”ではなく、選手の気合やファンとの絆、そしてチームの雰囲気を作り上げる「第10の選手」とも言える存在です。