野球には「勝ち星」や「セーブ」など、成績を表す多くの指標がありますが、それでは説明しきれない“運の要素”も存在します。その中でも、ファンの間でよく聞かれるのが「負け運(まけうん)」という言葉です。
この記事では、「負け運とは何か?」をわかりやすく解説し、具体例や関連用語も紹介します。投手成績を数字だけで判断するのではなく、より深い視点から野球を見るきっかけにもなるでしょう。
「負け運」とは、野球において、内容は良いのに勝てず、なぜかチームが負けてしまいやすい投手に使われる俗語です。
つまり、「投手個人の責任だけではないのに、なぜか負けがついてしまう」というケースで使われます。パフォーマンス自体は高く評価されているにもかかわらず、結果だけを見ると“負けが多い投手”と見なされてしまうのです。
「勝敗」というのは、ピッチャーひとりではどうにもできないものです。野球はチームスポーツである以上、味方の打撃力や守備力、采配、さらには運も大きく影響します。
こうした状況が重なることで、本人の実力に関係なく「負けが多くなる」という事態が発生します。つまり、成績の数字には見えない“運要素”が反映されてしまうのです。
具体的な名前は挙げませんが、プロ野球やメジャーリーグ(MLB)には、以下のような投手が話題になります。
これらはファンのあいだで「◯◯は負け運が強すぎる」と冗談交じりに語られつつも、選手への同情と応援の気持ちが込められることが多いです。実際、負け運の投手は“数字以上に価値のある存在”として、玄人ファンには高く評価される傾向にあります。
負け運がある選手の反対に、「援護運(えんごうん)」が良い投手もいます。これは、以下のようなケースを指します。
つまり、実力だけでなく“タイミング”や“チーム全体の状態”によって運命が大きく左右されるのが野球の奥深さであり、「負け運」や「援護運」といった言葉が生まれる背景なのです。
野球ファンやアナリストの間では、近年、「WAR(勝利貢献度)」や「FIP(投手の独立指標)」など、より正確に選手の価値を測ろうとする指標が用いられています。これらの指標は、「負け運」などの不運を排除し、選手の純粋な能力を評価することを目的としています。
つまり、現代野球において「負け運のある投手」は、「評価されにくいけど、実はすごい選手」の象徴でもあるのです。