グレートマンの意味
Greate man (グレイトマン)とは?ニュアンス・使い方
近年のニュースやスピーチで英語の “great man”(グレートマン)という表現を目にする機会が増えています。直訳は「偉大な男」ですが、日本語にそのまま当てはめると場面によっては違和感が生じます。本記事では、great man の基本的な意味、文脈による訳し分け、似た表現との違い、実務での注意点までを丁寧に解説します。
1. 基本の意味
- great:偉大な/優れた/立派な(評価語。文脈で強さが変わる)。
- man:通常は「男性」。文脈により「人」を指す場合もあるが、現代英語で性中立に言うなら person を使うのが一般的。
したがって a great man は「偉大な人物」「立派な方」「卓越した人物」といった称賛を表す言い方です。必ずしも歴史級の偉人だけを指すわけではなく、礼儀を備えたフォーマルな賛辞としても使われます。
2. 日本語での訳し分け(場面別)
| 英語原文 |
自然な訳 |
想定場面・ニュアンス |
| a great man |
偉大な人物/立派な方 |
公式の賛辞・格式ある場面での称賛。 |
| the great man |
(その)偉人/偉大な人物 |
特定人物を指す。やや古風・荘重。 |
| a great man of science/letters |
偉大な科学者/文豪 |
分野を限定して業績の卓越を強調。 |
| a great person / a great human being |
偉大な人物/素晴らしい人 |
性別に配慮した言い方。人格評価寄り。 |
| a great guy |
いい人/最高のやつ |
くだけた口語。公式には不向き。 |
| Alexander the Great など(the Great) |
○○大王/大帝 |
尊称・二つ名。固有名で大文字。 |
ポイント:日本語の「偉人」はしばしば歴史上の人物(多くは故人)を連想させます。現職・存命の要人には「偉大な方」「ご立派な方」などが無難です。
3. 文脈で変わる含意
- 外交・儀礼:He is a great man. →「偉大な方/立派な方」。簡潔に敬意を示す定型。
- 追悼:He was a great man. →「真に偉大な人物だった」。功績と人格への敬意。
- 日常の褒め言葉:You’re a great man. →「本当に良い人だ」。人柄評価に寄る。
- 英雄視・歴史評価:a great man of the twentieth century →「20世紀を代表する偉人」。
- 皮肉:So the “great man” is here. →「『偉いお方』のおな~り、か」。
4. 似た語との違い
- great と good は評価軸が異なる(偉大 vs 善良)。
- legend / icon は「伝説的/象徴的」。原語が great man のときに安易に置換しない。
- heavyweight / big name は「大物・有名人」で、倫理的称賛を必ずしも含まない。
5. 文法メモ
- a great man(不特定)/the great man(特定)。
- the Great は尊称(例:Peter the Great=ピョートル大帝)。
- a truly/very great man などで強調可能。
6. 皇室・要人に関する実務上の配慮
- 日本語では「偉大な方」「ご立派な方」が基本。
- 英語の正式呼称:His Majesty the Emperor(天皇陛下)。
- 海外要人:great leader / great statesman など。
7. Great Man Theory(偉人史観)との区別
Great Man Theory は歴史概念の固有名詞。日常の a great man とは別。
8. 例文集
- 公式:He is a great man and a wise leader. → 彼は偉大で賢明な指導者です。
- 追悼:She was a great woman who inspired millions. → 彼女は多くの人々を鼓舞した偉大な女性でした。
- 日常:You’re a great guy to work with. → 一緒に働くと本当に頼りになる人だ。
- 皮肉:The “great man” has spoken. → 「偉いお方」のご高説だ。
9. まとめ
- great man=基本は「偉大な人物/立派な方」。
- 現職者には「偉人」より礼節ある表現を。
- the Great は尊称(大王・大帝)。
- 性中立は great person を推奨。