格闘技ニュースや試合速報を見ていると、**「アイポーク」**という言葉を目にすることがあります。特に総合格闘技(MMA)やRIZINの試合では、試合が中断されたり、結果がノーコンテスト(無効試合)になったりする原因として注目されるケースが少なくありません。
アイポークとは一体どのようなものなのでしょうか?
一見すると小さな接触のように見えることもありますが、実はアイポークは非常に危険性が高く、競技の安全性を大きく左右する行為です。格闘技ファンだけでなく、初めて試合を観る人にとっても知っておきたい重要なルールのひとつと言えるでしょう。
この記事では、
といったポイントを、格闘技に詳しくない人にも理解しやすいよう、丁寧に解説していきます。
**アイポーク(Eye Poke)**とは、
👉 選手の指が相手の目に触れたり、突き刺さるように入ってしまう反則行為
を指します。
総合格闘技ではパンチや組み技など、顔の近くで攻防が繰り広げられるため、意図せず起こることも少なくありません。
主に次のような場面で発生します。
重要なのは、故意かどうかに関係なく反則になるという点です。たとえ悪意がなくても、相手の目に指が入ればアイポークと判定されます。
目は人体の中でも特に繊細で、回復しにくい器官です。アイポークによって次のような症状が起こる可能性があります。
こうした症状は一時的なものにとどまらず、選手生命を左右する深刻な後遺症につながることもあります。そのため、アイポークは軽視されることなく、厳重に管理されているのです。
RIZINやUFCなど主要なMMA団体では、アイポークは明確な反則行為として定められています。
ただし、その処分内容は状況によって異なります。
特に、試合続行が不可能と判断された場合には、たとえ悪意がなくてもノーコンテストとなることがあります。
2025年12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された **「RIZIN師走の超強者祭り」**では、注目カードのひとつとして以下の試合が組まれていました。
試合は1ラウンド中盤、激しい打撃戦と組みの攻防が続く中で、
👉 ダウトベック選手の右目に久保選手の指が入った可能性
が生じました。
ダウトベック選手はその場で動きを止め、レフェリーが試合を中断。ドクターチェックが行われましたが、視界の回復が見込めず、試合続行は困難と判断されました。
その結果、この試合は
ノーコンテスト(無効試合)
となりました。
意図的な反則ではなく、あくまで試合中の不可抗力によるアクシデントと見られています。
ノーコンテスト(No Contest)とは、
勝敗を正式に決めることができない試合
を意味します。
記録上は以下のように扱われます。
そのため、ランキングや戦績に直接的な勝敗は加算されません。選手双方にとって不本意な結果ではありますが、安全を最優先した判断といえます。
近年のMMAでは「オープンフィンガーグローブ(指が開いた形状)」が主流となっています。この構造は掴みやすさや防御のために必要ですが、同時にアイポークのリスクも伴います。
具体的には、
といった理由から、完全に防ぐことは困難とされています。
そのため、各団体では
といった対策が取られています。
アイポークは、
という、非常に重要なルール違反です。
今回の久保優太選手とダウトベック選手の試合も、激しい攻防の中で起きた不運なアクシデントでした。どちらの選手にも非はなく、競技の特性上起こり得る出来事だったといえるでしょう。
格闘技を安全かつ公正に楽しむためには、こうしたルールや背景を理解することが大切です。