子どもの権利条約とは、世界中の子どもたちが、安心して、しあわせに生きるための大切な約束です。
この約束は、「子どもは小さな大人ではなく、子どもとして大切にされる存在だ」という考えをもとに作られました。子どもは、まだ体も心も成長の途中にあり、大人よりも弱い立場になりやすい存在です。そのため、特別に守られる必要がある、と世界中で考えられるようになりました。
そこで、たくさんの国や大人たちが集まり、「子どもを守り、子どもの声を大切にしよう」「子どもが安心して育つ社会をつくろう」と話し合い、決められたのが子どもの権利条約です。これは、一つの国だけのルールではなく、世界共通の約束です。
この条約は、世界のほとんどの国で守られていて、日本もこの約束に参加しています。つまり、日本に住んでいる子どもたちも、この条約によって守られているのです。
子どもの権利条約では、すべての子どもにとって、とくに大切にしてほしい4つの考え方が決められています。
この4つは、子どもが毎日を安心して過ごし、自分らしく生きていくための土台(もと)になるものです。どれか一つでも守られなくなってしまうと、子どもは不安になったり、つらい思いをしたりしてしまいます。
この4つの考え方は、世界中の国で共通して大切にするべきものとして、何度も話し合われて決められました。

子どもには、命を大切にされ、安全に生きる権利があります。
これは、「がんばらなくても、生きているだけで大切にされる」という、とても基本的で大事な権利です。子どもが生きるために必要なことは、国や大人が責任をもって守らなければならないとされています。
これらはすべて、「生きる権利」を守るために欠かせないことです。子どもが毎日を安心して生きられるように、まわりの大人や国がしっかり考え、行動することが大切だとされています。

子どもには、自分らしく育ち、学び、成長する権利があります。
子どもは、体が大きくなるだけでなく、心や考える力、感じる力も、少しずつ育っていきます。そのため、せかされたり、むりをさせられたりせず、時間をかけて成長することが大切です。
子どもは、ただ大きくなればいいのではありません。安心できる場所で、楽しく、のびのびと育つことがとても大切だと考えられています。

子どもには、きけんなことや、つらいこと、かなしいことから守られる権利があります。
子どもは、自分だけでは身を守ることがむずかしい場合があります。そのため、大人や社会には、子どもを守るはっきりとした役目があります。
大人は、子どもが出している「たすけて」というサインを見のがさず、早く気づいて、すぐに行動する役目があると、条約でははっきり決められています。

子どもには、自分の気もちや考えを、ことばや行動で伝える権利があります。
年れいが小さくても、子どもは一人ひとりちがう考えや気もちを持っています。その考えや気もちは、大人のものと同じように、大切にされなければなりません。
大人は、「子どもだからまだわからない」と決めつけず、子どもの話をしっかり聞き、一緒に考えることが大切だとされています。
この条約が守っているのは、
すべての子どもです。
生まれた場所や見た目、ことばのちがいなどによって、あつかいが変わってはいけない、ということが強く決められています。すべての子どもは、平等に大切にされる存在なのです。
昔の世界では、「子どもは大人の言うことを聞けばいい存在」「子どもは守られるだけで、意見はいらない」と考えられていた国や地域もありました。そのため、子どもがつらい目にあっても、助けてもらえなかったり、声を聞いてもらえなかったりすることがあったのです。
そこで世界中の国が集まり、「子どもは一人の人として尊重されるべき存在である」という考えをもとに、子どもの権利条約が作られました。この条約は、子どもが弱い立場に置かれやすいことを前提にし、大人や国が必ず守る責任があることをはっきりさせています。
日本は1994年に、子どもの権利条約を守る国の一つになりました。それから日本では、学校や社会の中で、子どもの権利を大切にしようという考えが、少しずつ広がってきました。
たとえば、
なども、子どもの権利条約の考え方につながっています。
ときどき、「子どもの権利を大切にすると、子どもがわがままになるのではないか」と心配する人がいます。しかし、子どもの権利条約は、わがままをしていいという意味ではありません。
この条約が伝えているのは、
という考え方です。権利があるからこそ、人を大切にする心や、思いやりの気もちも育つと考えられています。
子どもの権利条約では、大人の役目についても、とても大切なことが書かれています。
大人は、子どもが間ちがえたときに、頭ごなしにしかるのではなく、どうすればよいかを一緒に考え、支えることが大切だとされています。
子どもの権利条約は、遠い国の話ではありません。学校や家庭など、毎日の生活の中でも守ることができます。
こうした一つ一つの行動が、子どもの権利を守り、みんなが安心できる学校や家庭につながっていきます。
毎日の生活の中で、「つらい」「こわい」「かなしい」「いやだ」と感じることがあったら、
に、ひとりでがまんしないで、話してみてください。
話すことは、弱いことではありません。子どもの権利条約は、「たすけを求めることは、とても大切なこと」だと教えています。
子どもの権利条約は、
を、世界中で守ろうと決めた条約です。
子どもは、守られる存在であると同時に、自分の考えや気もちを持つ大切な人です。
この約束は、子どもだけのものではありません。大人も社会も一緒になって守るべき、とても重要なルールなのです。