広がる現代社会への影響
「エシカルな商品」、「エシカルファッション」などエシカルという言葉を良く耳にするかと思います。
「エシカル(ethical)」という言葉は、英語の「ethics(倫理)」に由来し、「倫理的な」「道徳的な」という意味を持っています。
つまり、“エシカルな〇〇”とは、倫理的な配慮がなされた行動や商品、サービスのことを指します。
たとえば以下のような場面で使われます:
このように、単なる流行ではなく、**「人・社会・地球に優しい選択」**を意識した考え方として、世界中で注目されている概念です。
近年、「エシカル」という考え方が広く注目されるようになった背景には、いくつかの社会的な変化があります。
地球温暖化や海洋プラスチック汚染など、環境への影響が可視化され、「自分の買い物や行動が地球にどんな影響を与えているのか」が問われる時代になりました。
発展途上国における労働搾取や児童労働、低賃金労働などの問題が報道され、消費者としても「どこで誰がどうやって作ったか」を考える意識が高まっています。
企業のサプライチェーン(供給網)や労働環境、環境への配慮について、SNSなどを通じて情報が一気に拡散されるようになり、企業にも“倫理的であること”が求められるようになりました。
「エシカル」と似た文脈で使われる言葉には、以下のようなものがあります。
用語 | 意味 |
---|---|
サステナブル(Sustainable) | 「持続可能な」という意味。エシカルと重なるが、特に環境面の持続可能性に重点を置く言葉。 |
オーガニック(Organic) | 化学農薬や化学肥料を使わずに育てた農作物や素材。エシカルの一部だが、より「自然」志向。 |
フェアトレード(Fair Trade) | 発展途上国の生産者が正当な報酬を得られるようにする取引方法。倫理的な経済活動。 |
つまり、エシカルはこれらを包括した広い価値観といえます。「環境に優しい」「人に優しい」「社会に優しい」という3つの柱がエシカルの核心です。
「エシカル」と言っても、実際にどんな行動が該当するのかピンとこない方もいるかもしれません。以下は、日常でできるエシカルな選択の一例です。
エシカルな選択をしようと思っても、すべてが完璧に“正しい”とは限りません。
このように、エシカルには**ジレンマ(葛藤)**もつきものです。「できる範囲で」「自分に合ったかたちで」選ぶことが、持続可能なエシカルの第一歩になります。
欧米に比べると、日本ではまだ「エシカル」の概念が広く浸透していない面があります。しかし近年は、以下のような前向きな動きも見られます。
2020年代に入り、「安ければいい」から「どう作られたかも大事」へと価値観がシフトしつつあります。
「エシカル」とは、単なる高級志向でも、意識高い系でもありません。
それは、目に見えない誰かへの“思いやり”を可視化する行動です。
この3つを意識して、自分にできる範囲で選ぶことが、今日から始められるエシカルな一歩です。
📌あなたにできるエシカルアクション(例)