ユニバーサルデザイン・学校にあるもの
学校にあるユニバーサルデザイン 〜みんなが使いやすい工夫をさがしてみよう〜
ユニバーサルデザインってなに?
「ユニバーサルデザイン」は、年齢や体のちがいに関係なく、だれでも使いやすいように考えられた工夫のことです。実は、私たちが通っている学校の中にも、たくさん取り入れられているんです。
学校で見つかるユニバーサルデザインのいろいろ
では、早速、ユニバーサルデザインで学校にあるものも数々をみていきましょう。
出入口と通路の工夫
- スロープとエレベーター
- どんなところ? 階段だけじゃなく、スロープや広めのエレベーターがある玄関や廊下など。
- なぜ大切? 車いすの人や松葉づえの人、ベビーカーの保護者、重い荷物を持った先生など、いろんな人が安心して移動できるようになる。
- 広い廊下と開けやすいドア
- どんなところ? 廊下が広くて車いす同士でもすれちがえる。教室のドアも軽くて開けやすい。
- なぜ大切? 力の弱い子や荷物を持っている人でもらくらく通れる。
トイレの工夫
- 多機能トイレ(誰でもトイレ)
- どんなところ? 広い個室に手すりやオストメイト用の設備、おむつ台や緊急ボタンがある。
- なぜ大切? 体の不自由な人や赤ちゃん連れの人など、いろんな人が使いやすい。
- わかりやすい表示と音声案内
- どんなところ? トイレの入口に大きな文字やマークがある。点字ブロックや音声の案内があるところも。
- なぜ大切? 視覚が不自由な人や外国の人も安心して使える。
教室や学習環境の工夫
- 動かせる机とイス
- どんなところ? 机やイスの高さが変えられる、キャスター付きで動かしやすい。
- なぜ大切? 体の大きさに合わせられて、グループ学習のときも便利。
- 黒板のまわりをすっきり、ホワイトボードも活用
- どんなところ? 黒板の周りにあまり物を貼らない。ホワイトボードで粉が出にくい。
- なぜ大切? 見やすくて集中しやすい。チョークの粉が苦手な人にもやさしい。
- 見やすい掲示物
- どんなところ? 大きな文字や写真・マークを使っていて、低い位置にも貼ってある。
- なぜ大切? 小さな子や遠くからでも見やすく、色の見え方がちがう人にも配慮されている。
見えにくい・聞こえにくい人への工夫
- 点字ブロックと点字の表示
- どんなところ? 通路や階段の前、教室や職員室の前にある点字ブロックや点字のプレート。
- なぜ大切? 見えにくい人が安全に移動できるように案内してくれる。
- 音が聞きやすい教室
- どんなところ? 吸音材が使われていたり、外の音が入りにくい二重窓がある教室。
- なぜ大切? 音が聞き取りやすくなり、聞こえにくい人や音に敏感な人も安心して授業に参加できる。
勉強のときのユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインで学校にあるものには以下のようなものもあります。
授業の進め方の工夫
- 授業の見通しを伝える
- どんなところ? 授業のはじめに、今日やることや目標を黒板や画面で説明する。
- なぜ大切? 先のことがわかって安心できる。とくに予定がわかりにくいと不安になる子に役立つ。
- いろんな方法で教える
- どんなところ? 文字だけじゃなく、図や写真、動画、実物などを使って説明する。
- なぜ大切? 人によって得意な学び方がちがうから、それぞれに合った方法でわかりやすくなる。
- みんなが参加しやすい授業
- どんなところ? ペアやグループ、1人で考える時間などがあって、いろんな形で学習できる。声で発表が苦手な人は書いたりジェスチャーで参加できる。
- なぜ大切? いろんな性格や得意・苦手に合わせて、だれでも自分の力を発揮できるようになる。
教材や道具の工夫
- 色の見え方に配慮した教材
- どんなところ? グラフや地図に、色だけでなく模様や線のちがいで見分けられるようにしてある。
- なぜ大切? 色の見え方にちがいがある人も、正しく情報を読み取れるようになる。
- タブレットなどのICT機器
- どんなところ? 文字を大きくしたり、音声で読み上げたり、動画でくり返し見られる教材。
- なぜ大切? 視力や聴力が弱い人や、読み書きが苦手な人も、自分のペースで学べる。
- ユニバーサルデザインのフォント
- どんなところ? 漢字やひらがなが見分けやすくデザインされた文字を使っているプリントや掲示物。
- なぜ大切? 読みにくさを感じる人や、目が見えにくい人でも読みやすくなる。
おわりに
「ユニバーサルデザイン」と聞くと、特別なもののように思えるかもしれませんが、実は学校にあるものでユニバーサルデザインが採用されているものはたくさんあります。
ふだん何気なく使っているものの中に、「みんなが使いやすいように」という思いやりの工夫がたくさんかくれています。
これからは学校の中を歩くとき、ちょっとまわりをよく見てみてください。きっと、今まで気づかなかったユニバーサルデザインを見つけられるはずです。
そして、そんな「やさしい工夫」に気づける自分になれると、とてもすてきですね。