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ユニバーサルデザインの7原則

ユニバーサルデザインの7原則

すべての人が快適に使える社会を目指して


🌍 ユニバーサルデザインとは?

私たちは日々、建物・駅・道路・製品・サービスなど、あらゆる「デザイン」に囲まれて生活しています。しかし、それらがすべての人にとって使いやすいとは限りません。

高齢の方、身体に障がいがある方、小さな子どもを連れた保護者、外国人旅行者――立場や状況によって、「不便だな」「わかりにくいな」と感じる場面は多く存在します。

そこで注目されているのが**「ユニバーサルデザイン(Universal Design)」**です。

ユニバーサルデザインは、**「年齢・性別・障がい・文化的背景に関係なく、誰もが公平に使えるデザイン」**をめざす考え方で、1980年代にアメリカの建築家ロナルド・メイス氏らによって提唱されました。

さらに最近では、SDGs(持続可能な開発目標)との親和性が高いことから、企業や行政の取り組みにも採用されることが増えています。つまり、ユニバーサルデザインは「人にやさしい社会」の象徴でもあるのです。そんなユニバーサルデザインには7原則があります。

このページではその「ユニバーサルデザインの7原則」について詳しく紹介していきます


✅ ユニバーサルデザインの7原則とは?

ユニバーサルデザインを具体的に実現するための**7つの原則(Seven Principles of Universal Design)**が、1997年にアメリカのノースカロライナ州立大学で定義されました。

それぞれの原則をより詳しく、日常例を交えて解説していきます。


1️⃣ 誰にでも公平に利用できること(Equitable Use)

🔍 解説

すべての人が差別されずに同じように使えることが第一原則。利用者に特別な対応を強いることなく、利用方法を統一することが目標です。

✅ 具体例

  • 自動ドア(車いす・ベビーカー・高齢者にも開閉操作が不要)
  • バリアフリーのエレベーター付き駅舎
  • 色覚障がいの方にも見えやすい配色

💡豆知識

「障がい者専用」ではなく、「すべての人が快適に使える」ことが重要です。公園の遊具やショッピングモールの設備などにも、この原則が生かされています。


2️⃣ 使う上で自由度が高いこと(Flexibility in Use)

🔍 解説

利用者の能力・好み・利き手などに合わせて、柔軟に使えるデザインが求められます。

✅ 具体例

  • 右利き・左利き両対応のハサミ
  • スマートフォンの設定言語切替・音声読み上げ機能
  • 電子レンジのダイヤル・タッチ両対応の操作パネル

💡豆知識

「自由度」とは、操作方法だけでなく視覚・聴覚・身体能力への対応も含まれます。例えば、音声入力とキーボード入力のどちらでも操作可能なパソコンは、多様性への対応の好例です。


3️⃣ 使い方が簡単で、すぐにわかること(Simple and Intuitive Use)

🔍 解説

ユーザーが迷わず・戸惑わずに、自然な動作で使えるデザイン。学習しなくても直感的に理解できることが大切です。

✅ 具体例

  • ピクトグラム(🚻や⛑️など)
  • ワンタッチで開閉するボトルキャップ
  • 駅の乗り換え案内図

💡豆知識

観光地などでは、言語に依存しないアイコン表示が多く使われています。最近では、デジタル製品にも「UIデザイン」としてこの原則が重視されています。


4️⃣ 必要な情報がすぐに得られること(Perceptible Information)

🔍 解説

視覚、聴覚、触覚など、複数の方法で情報を伝える設計が求められます。

✅ 具体例

  • 電車の案内(アナウンス+モニター表示)
  • 信号の音響装置(視覚障がい者のため)
  • 点字・触知案内板の設置

💡豆知識

情報提供の方法が**一つだけだと、誰かにとっては「情報がない」ことになってしまいます。**災害時の避難誘導などにも応用され、命を守る場面でも重要です。


5️⃣ ミスや危険につながりにくい設計であること(Tolerance for Error)

🔍 解説

人間はミスをする生き物です。だからこそ、事故や誤作動が起こりにくいような設計が大切です。

✅ 具体例

  • 電子レンジの自動停止機能
  • コンセントの極性・安全シャッター
  • エスカレーターの安全停止ボタン

💡豆知識

「失敗しても大丈夫」な設計は、高齢者や子どもにも安心して使ってもらえるポイントです。ATMの操作中止ボタンや、薬の誤飲を防ぐパッケージなども該当します。


6️⃣ 少ない力で楽に使えること(Low Physical Effort)

🔍 解説

できるだけ少ない力や動きで操作ができる設計。力の弱い人、手が不自由な人にも配慮します。

✅ 具体例

  • レバー式水栓(回す力が不要)
  • 自動販売機の軽いボタン
  • スマートキーによるドア解錠

💡豆知識

力が要らない=省エネ・スムーズな生活動線にもつながります。店舗の自動ドアや家庭用冷蔵庫の開閉も、この考え方が取り入れられています。


7️⃣ 使いやすい大きさ・空間であること(Size and Space for Approach and Use)

🔍 解説

使う人の身体の大きさ・姿勢・移動手段に関係なく、使いやすい寸法やスペースを確保すること。

✅ 具体例

  • 車いすでも入れるトイレの広さ
  • 高さの調整が可能な机やカウンター
  • 改札やエレベーター前の待機スペース

💡豆知識

「高さ」だけでなく「奥行き」「手の届く範囲」も重要です。学校の机や椅子の設計、図書館の本棚などにも取り入れられています。


🏫 ユニバーサルデザインの活用例

分野 ユニバーサルデザインの例
教育 UDフォント、音声教材、ICT端末
建築 スロープ・手すり・自動ドア
医療 多言語対応の案内表示、誰でも使える血圧計
ICT 読み上げ機能、色覚に配慮したアプリデザイン

 

さらに、交通機関におけるICカードの普及や、家電製品の「おまかせモード」なども、ユニバーサルデザインの成果といえるでしょう。


🌱 ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

観点 ユニバーサルデザイン バリアフリー
対象 すべての人 主に高齢者・障がい者
タイミング 最初から設計に組み込む 既存の障壁を取り除く
自動ドア、ICカード、ピクトグラム スロープの後付け、段差解消工事

バリアフリーは「後から取り除く」アプローチですが、ユニバーサルデザインは「最初から壁を作らない」ことを目指します。


🔚 まとめ:思いやりがカタチになる社会へ

ユニバーサルデザインの7原則は、単なる建築や製品のガイドラインではなく、思いやりや配慮の姿勢をカタチにするツールです。

誰かを特別扱いするのではなく、**「最初からすべての人にやさしい」**という発想が、未来の社会づくりにとってとても重要です。

私たち一人ひとりが、「これはみんなにとって使いやすいかな?」と考えることが、より良い社会への第一歩です。

ユニバーサルデザインは決して難しいものではなく、身近なところから始められる社会づくりのヒントです。

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