こんにちは!今日は、SDGs(持続可能な開発目標)の中でも、とても大切で身近な「SDGs2番 飢餓をゼロに」という目標についてお話しします。そして、わたしたち一人ひとりが、このSDGs2番の目標のために何ができるのかを考えてみたいと思います。
飢餓と聞くと、どこか遠い国の話に感じる人も多いかもしれません。でも実は、日本でも子どもや高齢者の「隠れた飢餓」や、食べ物を十分に得られない人がいるのが現実です。さらに、世界ではまだ多くの人が毎日十分な食事をとれずに苦しんでいます。
そんな現状を変えるために、SDGs2番「飢餓をゼロに」では、こうした目標が掲げられています。
SDGs 目標2:飢餓をゼロに
2030年までに飢餓を終わらせ、すべての人々、とくに貧困層や幼い子どもたちが一年中、十分で栄養のある食料を確保できるようにする。
この記事では、次のような流れでお話を進めていきます。
それではさっそく見ていきましょう!
SDGs2番が目指すのは、単に「おなかを満たす」ことではありません。
つまり、食べ物があるだけではなく、「栄養」と「持続可能性」が大きなポイントなのです。
国連の報告(FAOの『The State of Food Security and Nutrition in the World』など)によると、2022年時点で世界には 約7億人以上 が飢餓の状態にあります。特に深刻なのが以下の地域です。
さらに、コロナ禍やウクライナ危機、気候変動の影響もあり、飢餓人口はここ数年で増加傾向にあります。
飢餓の主な原因は以下の通りです。
特に女性や子どもは、飢餓の影響を大きく受けやすいと言われています。
「飢餓」というと、あまり日本では実感がわかないかもしれませんが、日本にも隠れた課題があります。
日本では、子どもの約7人に1人が貧困状態にあると言われています。経済的に苦しい家庭では、
といった現実があります。
日本の食料自給率(カロリーベース)はおよそ38%(2023年度推計)。多くの食べ物を海外からの輸入に頼っています。もし輸入が止まったら、多くの人が十分な食料を手に入れられなくなるリスクがあります。
一方で日本では年間 約522万トン(令和3年度推計)の食べ物が、まだ食べられるのに捨てられています。これは、国民一人あたり毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てている計算です。
では、この「飢餓をゼロに」という大きな目標のために、わたしたちは具体的に何ができるのでしょうか?
ここからは、「SDGs2・番わたしたちにできること」という視点から家庭、学校、地域、企業、そして国際協力という5つの場面で考えてみたいと思います。
家庭でできる最大のことは、やはり「食品ロス」を減らすことです。
たとえば、カレーの残りをカレードリアにしたり、余った野菜をスープに入れたり。少しの工夫でムダを減らせます。
飢餓の問題は、単に「食べ物がない」だけではありません。ビタミンやミネラルなど、栄養不足も大きな課題です。
自分自身や家族の健康を守ることは、医療費の削減にもつながり、社会全体に貢献します。
なるべく地元でとれた食材を選ぶこともSDGsの大切な行動です。
スーパーなどで「地元野菜」のコーナーをチェックするのも楽しいですよ!
食料が余ってしまったら、捨てる前に寄付するという選択肢もあります。
家庭に眠る食品が、誰かの命を支えるかもしれません。
学校でいちばん身近な「食」に関することは、やはり給食です。給食の残りを減らすことも、立派なSDGsの行動です。
日本の学校給食は、栄養のバランスをとても考えています。だから、残さず食べることは、自分の健康のためにも大事です。
食育とは、食べ物の大切さや、食べ物ができるまでの背景を学ぶことです。授業だけでなく、こんな活動も大切です。
自分が食べているものがどこから来たのか、どうやって育てられているのかを知ると、食べ物への感謝の気持ちが生まれます。
学校でも、ユニセフ募金や赤い羽根募金など、飢餓をなくすための活動が行われています。
「自分には無理」と思わずに、小さな行動が大きな力になります。
地域でも、わたしたちにできることはたくさんあります。
日本全国に広がっている「子ども食堂」は、経済的に苦しい家庭の子どもたちが、無料または安価で温かい食事をとれる場所です。
自分の住む地域にも、きっと子ども食堂があります。一度調べてみると良いでしょう。
地域の農産物を買うことも大切な支援です。
地元の農業が元気になると、地域経済も活性化し、災害や輸入ストップのときも食料を確保しやすくなります。
地域の自治体やスーパーで、フードドライブを行うところが増えています。
「余って捨てる」から「必要な人へ届ける」へ。まさにSDGsの行動です。
企業も、SDGs2番の達成に大きな力を持っています。
食品メーカー、スーパー、コンビニなど多くの企業が、食品ロス削減に取り組んでいます。
例えば、「TABETE」や「No Food Loss」など、飲食店の余剰料理を割安で購入できるアプリも登場しています。
特に途上国向けに、栄養価の高い食品を開発する企業もあります。
こうした商品は飢餓対策にとても重要です。
企業がCSR(社会的責任)の一環として行う支援も、大きな力になります。
「企業だからできること」がたくさんあります。
世界の飢餓をなくすには、国際協力が欠かせません。
フェアトレードとは、公正な価格で取引し、生産者の生活を守る仕組みです。
生産者がきちんと生活できるようになれば、食料問題の解決にもつながります。
国際的に活動している団体がたくさんあります。
少額の寄付でも、多くの命を救う力になります。
学生や社会人が、途上国の支援に行くことも増えています。
現地に行かなくても、オンラインで支援活動に参加できるプログラムもあります。
最後に、「飢餓をゼロに」することで、世界はどんな未来になるのでしょうか?
SDGs2番は、他のSDGsとも深くつながっています。例えば、飢餓をなくすことで「貧困をなくす(目標1)」や「すべての人に健康と福祉を(目標3)」も進展します。
「飢餓をゼロに」という目標は、とても大きくて遠い話のように感じます。でも、この記事で紹介したように、わたしたち一人ひとりの小さな行動がつながれば、大きな力になります。
このようなSDGs2番でわたしたちができることを意識して、できることから、今日から始めてみませんか?